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2017年10月26日

10/26 H28年度板橋区決算に対する討論報告


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報告第1号 平成28年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決算
報告第2号 平成28年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
報告第3号 平成28年度東京都板橋区介護保険事業特別会計歳入歳出決算
報告第4号 平成28年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
に対する反対討論を行います。

内閣府の研究会は、今の景気は、バブル期を超えて戦後3番目の息の長い回復を続けているという見解を示しています。
たしかに有効求人倍率では、4月には1.48倍と高水準。企業業績も好調で、1-3月までの経常利益は前年同期比で26%余り増えているとNHKでも報道されています。

しかし、実感がないという方が大多数というのも現実です。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調べによると、個人消費は0.41%しか伸びておらず、また実質賃金は0.6%減少しているということです。
それは一体なぜなのか。企業業績が好調でも、従業員の賃金に反映されていなかったり、将来に対する不安から、家庭では消費をするよりも貯金に回し、ためこみがちです。
こういった社会において、板橋区は、いかに安心な地域社会を育てていくかが重要になると考えます。

板橋区の歳出総額に占める扶助費は、平成28年度は794億円で歳出総額に占める割合は39.2%となっています。平成25年度は、約702億円で歳出総額に占める割合は39.4%でしたので、大きな変化はありません。

また、財政の弾力性を表す経常収支比率は、83.5%で、適正化水準の80%を上回ってしまっていますが、民間の役割が拡大し、行政の役割が福祉に集中していく中では、健全な数字と言えるかもしれません。むしろ、自由になる財源は少なくても、いかに創造的な事業をするかが大切です。協働事業やまちづくりについては、0円からできることはたくさんあります。行政がつなぎやくになったり、協働で企画したりすることによって、まちに彩りがでてくると考えます。1000万円の予算で何ができるでしょうか。100万円で10人の若者は何を生み出すでしょうか。行政が企画するばかりではなく、地域からの提案型でやることによって、財政の硬直化は打開できるのではないでしょうか。

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一人ひとりの色がかがやくまちを目指して、5つの視点から討論を行います。

*共生社会を目指して

縦割り行政の打開を求めて、毎年提言してきました。行政の縦割りでの施策で、地域まで縦割りにしてきてしまったことを改善していくべきと考えるからです。当初は、なかなか受け入れていただけないような考え方だったかもしれませんが、今では、主流の考え方となってきています。我が事・丸ごと地域共生社会や一億総活躍社会の考え方では、共生施策や地域の支え合いの場づくりなど進めていこうとしています。
まだ、具体的な国の方針が出ていないから、実施できないという待ちの姿勢も行政内部にはありますが、現場からこそ、今何が必要か動き出していくことが大事ではないでしょうか。
なぜならば、国も政治家も、もともとは、先行地域から学び政策にしているのです。具体的な方針待ちよりも、先行して進めていき、国の方針を変えてもらうように働きかけていく自治体であって欲しいと願っています。
また、一方で法律の理念を消さないように各部署で考えて欲しいと思います。様々な制度が変わっても、各自治体の裁量が大きくなっている現在、板橋区が本気で取り組まなければ、現場は何も変わりません。
決算総括質問でもお伝えしましたが、地域福祉計画の策定は大変重要になってきますから、これからのあるべきまちの姿を地域の人たちと一緒に描きながら、進めていただきたいと思います。

*地域で暮らし続けられるを目指して

板橋区版AIPの構築。H28年度に構想を打ち出してくださったことには共感しています。しかし、課題は、リアルな情報が区には少なすぎるように思います。どんなに重い障がいでも、認知症があっても、「住み慣れた地域で暮らし続けられる」を実現しようと考えたときには、壁がたくさんあり、にこやかにAIPなど口にはできません。理想やビジョンとして出してくださったことには感謝していますが、ここからは、一つ一つの壁をいかに突破していくのか、まさに個別課題との向き合いが必要です。
リアルなケースは知っていると、もし反論なさるならば、もっともっと具体的に何が足りていないのか、計画とは別に、理想でも良いので、書き出して報告して欲しいと思います。その書き出した課題は、行政が検討して進めていくこと、地域で担えることと分けて、みんなで進めていけば良いと思います。
先日、認知症の方が、家に暮らせなり、区外の施設に入りました。施設に入った途端、薬を飲んで、今までの笑顔がなくなりました。自分の子どもとはなかなか会えなくなってしまいました。彼が板橋に住み続けるためには何が必要だったのでしょうか。
医療ケアのある重症心身障がいのご家族は、しゃべれなくても、将来1人で家で暮らし続けられる方策を探しています。
全ては一人から始まります。人口の多い板橋区だからこそ、個別ケースに光をあてた政策づくりをしていただきたいと思います。
こういったことを考えていくと、私がなぜ、地域の居場所を予算化したいのか、住民の通いの場、常設の場にきちんとした制度をつくりましょうと提案しているのか、ご理解いただけるのではないかと思います。こういったケースに柔軟に対応するには、地域の拠点がなければ、住み続けることが難しいからです。
例えば、若年性認知症の人のケアは、安全な施設にいられれば良い訳ではなくて、子どもに会いにいくことだったり、仲間と一緒にカラオケに行ったりすることが重要なのです。また、その機会が月に1回あればいいのではないのです。日々の暮らしが大事で、そのためには、福祉機能を持った居場所が歩ける範囲にあって、日常をサポートできることが必要です。
国土交通省と厚生労働省で、居住支援法人による地域のリビングと見守り機能がついた住宅について、これから始まろうとしています。AIPの実現には、この制度の活用に力を入れていくことが必須と考えます。今から検討を進めていただきたいと思います。
また、AIPの理念から、ホームレスの人たちを排除しないでください。彼らが板橋区に住み続けたいというならば、その実現を目指してください。本来、生活保護を受ければ、アパートに直接住むことができるはずなのにも関わらず、現状ではそうはなっていません。「いきなり一人暮らしはできない」「訓練が必要である」という考え方で、施設等で生活訓練をし、アパートへ移ります。
しかし、6人部屋の施設や複数人で居住する無料低額宿泊所で、長期間住むのが耐えられない方が多いと聞きます。聞きます、としているのは、福祉事務所に問い合わせても、ホームレス支援の結果を適切に把握できるデータを区は持っていないのが現状だからです。きちんとしたデータ把握を求めますが、直接アパートへ移っても、今は、福祉事務所から大家さんに直接家賃を振り込むことができますし、家賃の滞納は防げます。ホームレス支援においては、まずは住まいを提供し、安心した暮らしをしてもらいながら、継続的な生活のサポートをしていくといったことが必要です。

「地域で暮らし続ける」が困難な方に目を向けて、他にもいくつもやらなくてはならないことがあります。だれでもトイレには大人がおむつ交換できるベッドの設置を公共施設全てに設置をしていただきたい。車椅子移動や外出時に疲れてしまった際に、一旦休憩できるスポットを赤ちゃんの駅のようにわかりやすく広げて欲しい。支援が必要な人たちが移動しやすい仕組みづくりをしていただきたい。いたばし健康づくりプロジェクトに関しては決算総括質問で質問しましたが、健康づくりのセミナーに一人あたり予算1万円という民間がやるような事業に予算をつけずに、むしろ、「誰かのために貢献してもらうことで健康につながる事業」に転換してはどうでしょうか。「歩く意味」も変わってきます。

*子どもの未来を地域で支える社会を目指して

まず、保育料の考え方について問いたいと思います。
認可保育園の保育料は、応能負担で保育料を定めていますので、過度に高いとは言いませんが、保育料値上げの根拠があいまいで、大きな批判にならないようにとほんの少しずつ値上げをしていく、中途半端な説明で理解を求めるのはやめにしませんか。
今、入れない待機の方、そして、認可外に通われている方、週2働きたい方、保育関係全体についての現状の課題を示し、これらを解決するには、どういった施策が必要なのか、提示すべきです。そして、「負担については、ここまでお願いしたい」とするのが適切ではないですか。

認証保育所の利用者への保育料補助については、以前、2013年10月の決算総括質問において、23区比較の中で、板橋区の認証保育所の補助額がワースト2位であることを指摘をしました。この時は一律1万円の補助で、H28年度11月からは最大3万円、現在は最大3.5万円へと大きく補助額を増やしていますが、他自治体は、またさらに先を行っています。認可保育園との差額補助へ踏み切った区は23区中8区。板橋区よりも補助額が多いのは8区。板橋区よりも補助が少ないのは6区で、ワースト2位から比べると、17位にまではなったようです。しかし、そろそろ、差額補助へ変えるべきではないでしょうか。最初からそうしていただきたかったのですが、東京都からの補助も現在出ていますし、中途半端な形にするのではなくて、差額補助へ一気に変えたほうが、少しずつ変更されるより、職員さんたちも事務量を考えても良いのではないでしょうか。
(認可と認証で入った保育園によって保育料が違います。認可に第一希望で応募していても、落ちてしまって、認証になった場合、特に低所得者においては、保育料が重すぎる場合があるため、認可保育園の保育料と一律にしましょうということです。)

さらに、一時保育所についてです。1時間800円とっている板橋区。23区比較をしてみたところ、1日預けた場合、板橋区より高い区はたった4区しかありません。他16区はもっと安く利用できます。
1日3000円以下が9区、7区は4000円程度です。板橋区は4800円。こちらも見直しと事業の拡充が必要ではないでしょうか。
(保育園に落ちてしまって、一時保育に週2回預けた方がいらっしゃいますが、週2回で約4万円もかかってしまったことが事例としてあります。)

あいキッズについては、文教児童委員会でおやつの時間について指摘しました。その中で、運営上の問題で17時におやつ時間を設定することとしたのであって、子どもの健康や成長に関して考えた上で設定したわけではないことが明らかになりました。また、おやつ時間が遅いことに関しては、「よい影響があるとは考えておりませんが、ちょっとやむを得なかった」との答弁が地域教育力担当課長よりありました。私も小学1年生のお子さんと接していて、あいキッズでおやつを食べてくると、夕食をほとんど食べないことが大変気になっていました。ぜひ、早急に改善を願います。

また、中学校の制服について以前一般質問で取り上げましたが、LGBTの方に関しては、標準服としているので、もし制服が難しければ、個別に相談にのるといった答弁がありました。しかし、みんなが制服を着ている中で、一人違った格好できますか。こういう答弁をすること自体が、ナンセンスだと思います。議場に、Tシャツと短パンでくるのと同じくらい、難しいことではないでしょうか。

次に、子どもの貧困関連の施策についてです。子どもの貧困対策に関する法律の施行がH26年1月に、子どもの貧困対策に関する大綱の決定がH26.8月に出されてから、だいぶ時間が経ちますが、地域との連携による取り組みにとりかかるのに時間がかかりすぎてしまったと思います。
今年度、ネットワークづくりから進んでいきそうですが、地域の子どもに関する取り組みをしている人たちの情報を学校や福祉事務所等に届けたり、連携の話し合いを進めたりしていただきたいと思います。
そして、来年度には、フリースクールや子ども食堂等の居場所の活動を応援する補助制度をつくり、実施していただきたい。せっかく、国が進めているのに、区が実施しないのは、担い手が困ってしまいます。

*働きやすい環境づくりを目指して

現在、板橋区の長期病休中の人数は、 H24年81人からH28年には105人と増加しています。
保健室相談の人数もメンタルの相談では、H24年402人からH28年には707人となっています。
区長が責任を持って働きやすい環境づくりを進める必要があります。
また、学校の教職員の働き方については、文教児童委員会で、学校での働き方は校長が責任を持つという答弁がありました。しかし、教員の配置人数や環境については、学校で工夫ができないことも多く、限界があります。こういったことこそ、教育委員会の責任において、しっかりと労働環境をみていくとしなければ、改善しようとはできないのではないでしょうか。

*協働のいたばしを目指して

協働のいたばしへ、住民は納税者であり、主権者であり、そして、一部において執行者であるという視点を忘れてはならないと思います。
板橋区は、協働視点が弱く、住民主体を活かすことが少なかったと思います。どちらかというと、「これをやってもらえないか?」とお願いする形できていました。そうするとどういうことがおきるでしょうか。「言われるまで、やるのをやめておこう」という受け身の区民が育ちます。
自主的な活動を育てるためには、自ら進んで行く住民を増やして、動いている人たちを応援する「新しい補助」をつくって、進んでいけたらと思います。

その際には、クラウドファンディングといった形で、応援していくことだっていいと思います。また、空き家情報をマッチングすることも良いと思います。一旦、断念してしまった空き家のマッチングですが、再度チャレンジしていただき、夢のある、そんな板橋を目指して欲しいと思います。

次に、平成28年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算についてです。平成28年度の滞納率は24%となっており、平成22年度の滞納率26%から比べると若干減少してはいますが、以前高い数値となっています。約4人に1人が滞納している状態です。多子世帯の軽減など、文教児童委員会でも議論になりましたが、見直しが必要なのは明らかではないでしょうか。

次に、平成28年度東京都板橋区介護保険事業特別会計歳入歳出決算についてです。
板橋区は、新しい総合事業移行後、通所型サービスAが伸び悩んでいる状況です。その結果、要支援者や事業該当者のほとんどが、今までの国基準相当のデイサービスを利用しています。通所型サービスBは、23区の中では先行実施自治体として進めており、担い手は増加傾向にあります。通所型サービスAが増えない場合は、特に通所型サービスのステップアップ制度をつくるなど力を入れていく必要があると考えます。
また、毎年、指摘していますが、地域介護予防活動支援事業が板橋区は一般介護予防事業決算のうち2%しか予算配分していない状況です。何に予算化しているかというと、区が主体となって行う健康体操や各種講座、介護予防の普及啓発を行う「介護予防普及啓発事業」です。しかし、新しい総合事業は、住民主体で介護予防を進めるのがキーポイントです。まさしく、地域介護予防活動支援事業に力を入れていく必要があり、一般介護予防事業における、通いの場づくりなど、新しい方向に転換していいただきたいと思います。

最後に、平成28年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算についてです。後期高齢者医療保険料の滞納者数は、H28年度は1,478人でした。これは、全体の2.4%にあたります。高齢者の負担割合は、徐々に見直しが進んではいますが、若い世代でも高齢者世代でも支払える人には払ってもらう、払えない人には軽減するということで、特段に後期高齢者を抜き出す必要があるのか疑問です。高齢になればなるほど、医療費がかかるのは当たり前のことですし、分けずに一体的な運用で良いと考えます。

以上、平成28年度板橋区一般会計歳入歳出決算及び、平成28年度3特別会計歳入歳出決算に対して反対し、討論を終わります。

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