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2014年8月26日

あつ研:教育 報告8/16(土)「児童相談所元職員に聞く・子どもたちの実情」

こんにちは!
あつ研:教育の前回の活動を報告します。
今回は、児童相談所の元職員の方をゲストにお呼びして、
生活困窮家庭の子どもたちの実情についてお話をうかがいました。
*近々当日の動画もアップする予定です。
日時:8月16日(土)18時半~20時半
場所:井上温子事務所
参加人数:7人
ゲスト:元児童相談所 職員の方
内容:子どもをとりまく貧困と地域の力
職員の方は、児童相談所の他にも、
児童自立支援施設(*)に勤めた経験もあり、
お仕事を通じて、むずかしい状況にある子どもやその家族、
地域の様子を長年見守ってきました(現在は定年退職)。

*不良行為をした、あるいはするおそれのある児童が、
入所・通所し、必要な指導を行って自立を支援する施設。
(児童養護施設は保護者のない児童、虐待されている児童など、
養護の必要な児童が入所する施設。)

・子どもをとりまく貧困の変化
子どもにとっての貧困は、昔と今では様子が異なってきています。
戦後は、「みんなが貧しかった」という状況で当たり前のことでしたが、
今は、貧困は「人に言えない・恥ずかしい」ものとなっています。
これはもちろん背景に「格差」があるためで、人間関係にも
「似たような人たち同士で固まる」という傾向がでてきています。
このような人間関係が情報不足などを生み、さらなる格差につながる
という状況があるそうです。
・いかに情報を届け、支援を利用しやすいものにするか
行政や民間がすでに行っている様々な支援についての情報が、
まとめられておらず、当事者になかなか行き渡らない点も問題だそうです。
今後は、支援活動の情報をいかにまとめて、当事者に届きやすくするか、
当事者がスムーズに利用できるよう整備することが求められます。
・家庭や地域に子どもを受けとめる力が必要
子どもを自立させても、戻す先の家庭や地域が変わっていないままだと、
結局原因が解決しておらず、同じことの繰り返しになってしまいます。
ご近所、学校、民間、行政などが、バラバラと支援するのではなく、
協力して問題にとりくむことが求められます。
例えば、行政は個人情報の守秘義務などの制約で、
なかなか細やかな動きができない傾向にあるので、
民間がうまくこれを補完する活動が期待されます。
このような課題を解決する一歩として、要保護児童対策地域協議会
という組織を地方公共団体ごとに設置する取り組みがはじまっています。
これは、虐待を受けている子どもや非行に走ってしまった子どもなどを保護し、
病院や保健機関、警察、学校、NPOなどが情報を共有し、
役割分担をしながら連携して支援しようという取り組みです。
実際に現場を経験してこられた元職員の方のお話ともあって、
活発な意見交換・質疑応答がおこなわれました。
例えば:
・問題が発生してからではなく、予防するため、
地域に子どもの理想の成長の場をつくることも必要。
・貧困や暴力などに直面している生活に余裕のない保護者にとって、
情報を集めたり、支援を利用できるよう手続きを踏むのはむずかしい。
保護者に寄り添って支援情報を提供したり、サービスをコーディネートする、
準保護者のような人がいるとよい。 など・・・
貧困に苦しむ家庭や子どもたちに対して、
どのような学習支援をしたらよいのか、少しずつ見えてきたような気がします。
あつ研:教育はこれからもこの問題について考えていきます。

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