2014年11月7日
あつ研:教育 報告10/30(水)19時〜21時「子どもの貧困と教育格差」
こんにちは!
あつ研:教育の報告です。
参加者:6名
今回は、貧困の実態について、データをもとにディスカッションを行いました。
1.資料より
・子どもたちの学力格差は、両親の年収と相関関係が見出せる(両親の年収が高い層は子どもの学力も高い傾向にある)
・進路についても、同様に世帯収入が高い層ほど、大学進学率が高い傾向にある
・母子家庭の貧困率が顕著である
【参加者からの意見】
・相関関係についてなど、データをもう少し精査しつつ、子どもたちの未来のために協調した取り組みが大切
・現在、学習支援が協議されている。ケースワーカーが貧困家庭に行って働きかけるという動きがある。
・もっと地域コミュニティの中で(学習支援が)できたらいいのではないか。学習だけではなく、コミュニティの中で地域の大人と一緒に食卓を囲むというところに持っていけないか。自己肯定感を育むことが大切なのでは。
・貧困状態にある人は、自ら進んで来る、ということはないのでは。DVを受けている人も、自分で助けを求めには来ない。どうやって支援の手が届くようにするかが課題。
2.今後の行政の取り組み【学習支援事業】について
「週3回勉強会をしませんか」という呼びかけを行う。ケースワーカーが働きかけるのがポイント。これまでのやり方では、貧困の連鎖が解消できなかった。
ケースワーカーが状況を把握して勉強会に誘うという直接的なアプローチをしていく。
【参加者からの質問・意見】
質問:学校との連携が重要だと思うが、そこはどうなっているか?担任が一番その子の家庭環境や学習の習熟度を把握しているはず。
(井上):個人情報がからむこともあり、学校との連携がうまくいかないことは課題。
意見:その子の個性、強みを引き出すことが大事。基礎学力は必要だが、ひとりの人間の中にある学力にフォーカスするよりも、違うアプローチが大切ではないか。
意見:自分は高六小の放課後教室で勉強を教えるボランティアをしている。来る子は3通り。①親が行かせる ②先生が行かせる③自分から自発的に来る やる気も習熟度も異なる子どもたちを一緒に教えるのは難しいが、このように地域の大人が教える活動も大切。
意見:千葉県柏市に「たまご(他孫)活動」→「他人の孫を地域で育てよう」というものがある。地域の担い手になる若者を育てることが、将来の地域防災にもつながる。
http://ta-mago.com/category/tamago/
グローバル人材を育てためにも、世代間交流が大切。コミュニティーカフェなどで子どもから高齢者まで多世代が参加するイベントを開いたり、学校教育に関わったりしている。
地域の子どもの顔と名前が一致する、下の名前で呼べる関係を目指す。これはとても大切なことではないか。
意見:日本の製造業は強い。杜氏の技など、古くから磨かれてきた技術があった。必ずしも進学するのではなく、若者が即就職して技術を磨くのは大切かもしれない。
意見:進路の選択肢を多様にすることが大事では。
・習熟度別教育という意味では、フィンランドのグループ学習が成功したという事例がある。あえて習熟度別にせず、子どもたちを混ぜて教え合うことで、学習能力の底上げに役立ったということだ。
意見:日本は、学歴は低くとも叩き上げの技術者が熟練の技で技術大国となった側面もある。ドイツやスイスでは、中学校位から職業学校に行くコースにわかれるなど、マイスター制度が機能している。大学に行く子は少ないが、技術大国として安定した経済を築いている。
(井上)子どもたちは、どこで職業に関心を持つのかが知りたい。地域リビングでも、職業体験できないかなど構想している。マイスター制度の国で、子どもたちが進路を決める時の動機付けについて調べてほしい。
【総括】
・貧困と学力格差には相関があることが分かった(数値についてはもう少し確認するべき点あり)
・地域のお年寄りなど、大人が連携して子どもたちを見守り、育てていくことが大切
・地域カフェのような場で、学習支援、職業体験、食事も含めたフォローができるとよい