2015年3月5日
3/2日(月) 本会議:「東京都板橋区工場立地法準則条例」に反対し討論を行いました。
議案第30号東京都板橋区工場立地法準則条例に反対し討論を行いましたのでご報告します。
この条例は、板橋区における特定工場の緑地面積率等の準則について定める条例です。
この基準が緩和されるということで、周辺住民の意見を聞き、よりよい町づくりを進めていくべきではないかという立場で反対討論しました。
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議案第30号東京都板橋区工場立地法準則条例に反対し討論を行います。
この条例は、板橋区における特定工場の緑地面積率等の準則について、定める条例です。
特定工場の緑地面積等の準則については、平成24年に東京都から区に権限移譲され、板橋区では、平成25年4月1日に東京都板橋区工場立地法準則条例を制定しました。この時点では都の地域準則の数値をそのまま準用しましたが、
板橋区では、より区産業の特性に合った地域準則を定める必要があることから、今回の新たな緑地面積率へ改訂するとしています。
しかし、実際はどうなのでしょうか。区内の特定工場から緑地面積の緩和を要望され、条例改正へ踏み切ったのかと思いきや、そういった事情ではないということです。また、板橋区では、この条例案についてのパブリックコメントを募集していましたが、事業者から1件のみしか意見が寄せられていません。このため、特定工場の周辺に住む、住民がどのように考えているかは把握できる結果となっていません。
特定工場の近隣住民には近い将来、直接影響のある事にも関わらず、パブリックコメントにおける本条例の説明は分かりにくく、周知も行き届いていないため、一般住民が意見を言えるような状況でなかったと考えます。より、噛み砕いた説明資料を作成し、広く地域住民から意見を募集すべきです。
特定工場のすぐ近くには、住宅地が広がっています。トラックも多く通り危険な状況も存在します。緑地の設置の仕方や必要な緑地の面積については、こういった条例改正をきっかけに近隣住民と話し合いを通し環境改善を図っていく必要があります。
例えば、特定工場の塀の中に緑地を設置するのでなく、塀の外に緑地を設置して、歩道のようなスペースとすることで、子どもたちやお年寄りが歩く際の安全を確保出来れば緑地面積を緩和しても安全面が向上する可能性があったり、屋上等の緑化分を100分の50まで緑地面積へ算入した場合は、実際に地面にはどの位の緑地が残るのか、空きスペースがなさすぎるのではないか等の懸念があったりします。
生活する人の声にも耳を傾けて条例に活かさなければ、区長の言う、「東京で一番住みたくなるまち」に近づくことあり得ないのではないでしょうか。
区民環境委員会の議論では、「板橋区における特定工場は、工場立地法が制定される以前に設置された工場がほとんどのため、今よりも緑地が減る訳でなく、現状のまま工場が建替え出来るようにするのだから良い」とする声が多く聞かれましたが、今よりも工場と生活空間がよりよく共存するためには、どういった基準が良いのかという視点で見ていく必要があるのではないでしょうか。
さらに、板橋区緑化の推進に係る条例と照らし合わせると、「特定工場への緑地面積の基準は厳し過ぎた」との区側の説明もありました。しかし、これは大規模な工場を設置する際の環境負荷や生活環境への影響を考え、緑地面積を通常より広くとるように設定されたのが工場立地法だったのであり、特定工場において、通常よりも広い緑地面積を求められるのは妥当だと考えます。
以上のような理由から、東京都板橋区工場立地法準則条例について反対いたします。
議案第30号-討論-東京都板橋区工場立地法準則条例