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2015年3月30日

H27年度板橋区予算に対する反対討論をしました。(3/19)

H27年度 板橋区予算に対する反対討論のご報告です。
<要旨>
〜社会的包摂を理念とした安心社会の実現へ〜
・将来の子どもの学費ために貯金しないと
・子どもが2人、3人と欲しいけど、大学まで行かせること考えると経済的に厳しいし不安だから諦めよう
・退職後、年金が充分もらえるか分からない
そのような、不安がいっぱいの社会では、お金は安心して使えず、経済は循環しないといった考え方を冒頭にお話し、下記のような点について討論しました。
●子どもたちに関わる政策づくりには、子どもたちの声を聞くこと
●自立的に始めた活動や団体にこそ、行政は出向き、課題をお聞きしサポートしたり、広報の応援をしたり、企業との連携に等による発展のアドバイスをする姿勢を
●コミュニティスペースを活用し、区内全域での子どもたちが立ち寄れる居場所づくりをし、貧困連鎖解消にもつなげること
●高齢者の生きがいづくりの予算を福祉費から地域振興(ボランティアセンター)予算への転換を

●高島平地域グランドデザインについては、住民参加型の手法によるまちづくりを
(以下、討論全文です。)

 
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議案第1号 平成27年度東京都板橋区一般会計予算、議案第2号、第3号、第4号の3特別会計予算、議案第44号の修正動議、議案第42号26年度補正予算(第6号)に反対の立場から討論をいたします。

日本経済は、平成26年4月の消費税率引上げに伴い、消費低迷は予想を上回り、本年4月~6月期のGDP確定値で年率換算7.1%のマイナス成長に転じ、こうした影響から、平成27年10月に予定されていた消費税の税率10%引き上げが延期されました。

板橋区長は、平成27年度施政方針説明において、「我が国の経済は、昨年4月の消費税率引き上げ後の消費低迷などから、平成26年度は5年ぶりのマイナス成長になると見込まれている」とし、また、「今後は、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策として打ち出された、総額3.1兆円の国の補正予算に基づく経済効果が全国津々浦々と行き渡り、速やかな景気回復軌道へと回帰していくことが強く期待される」と話されました。

しかし、経済対策に税金をつぎこむことで、日本は今後経済成長していけるのでしょうか。

例えば、今回、 議案第42号26年度補正予算(第6号) においては、国の緊急支援交付金を活用し、区内の一層の消費喚起を図るためとして、プレミアム付商品券総額は15億円が発行されるものです。これにかかる予算額は約2.9億円です。しかし、こうした商品券の発行は以前、板橋区でも行っていましたが、効果が薄いと判断され、廃止されています。無理矢理、税金をばらまくことによる一時的な消費増で、地域消費喚起が本当に出来るのか甚だ疑問です。

国の予算だから活用すべき、使うべきだと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、それこそが、日本が赤字国家となる最大の原因ではないでしょうか。一度、板橋区で効果が薄いと判断したものは、国からお金が出ようとも、きっぱりとやらない選択をすべきであり、2.9億円もの税金の無駄遣いとなってしまいます。

庶民感覚からすると、こうした経済対策よりも、むしろ将来への安心社会を築く事が、消費の循環につながると考えています。

将来の子どもの学費ために貯金しないととか、子どもが2人、3人と欲しいけど、大学まで行かせること考えると経済的に厳しいし不安だから諦めようとか、 退職後、年金が充分もらえるか分からないから不安だ。といった不安がいっぱいの社会では、お金を貯め込む人が増え続け、経済は循環しないと考えます。

今、必要なのは、社会的包摂を理念とした安心社会の実現です。

保険料や税金を納めていれば、暮らしが守られる。
医療費や教育費の心配はいらないから、安心して子育てが出来る。
万が一、失業しても安心して転職活動に挑める。
老後の生活費も安心できる。

税金は、自分たちの福祉のためにきちんと使われている、社会保障がしっかりしているから、税金を払ったあとに残ったお金は、自由に使っても大丈夫だと、行政や政治への信頼・安心感がなければ、消費が増えるはずもありません。
区長には、是非、こういった姿勢で、国や都と向かい合って頂きたいと考えます。

さて、平成27年度平成27年度予算の特徴は、平成20年度以来の7年ぶりの収支均衡型予算の編成を実現したことだと認識しています。

私自身、4年前に初めて議員となった際、「なぜ、最初から赤字となる予算書をつくっているのか理解しがたかった」ことをよく覚えており、収支均衡型予算を実現し持続可能な区政へ移行しようといった努力は見られたと思います。

しかし、それが区民ニーズを把握し直した上で組まれたか、区民との協同の可能性を本当に探ったのか、重複事業を見直し、新たな部門を設置するなどの本質的な行動がおこせたのか、つまりは「未来を創造した予算づくり」であったかというと、私にはそうは考えられませんでした。
全体的な予算規模縮小に陥いっていたり、公共施設の方針にしても、子どもの居場所は学校で対応して、乳幼児は児童館で対応しよう、集会所も統廃合していくといった短絡的な発想と言えます。

次に、主要事業に対しての見解を述べます。

まず、あたたかい人づくりナンバーワンです。

H27年度から、板橋区では、新あいキッズを全校で行うことになります。新あいキッズについては、
①学童登録の際に保障されていた、「ただいま」と帰れる「生活の場」がなくなってしまったこと
②小学校6年生までが、きらきらタイムの利用を出来るようになりますが、場所の確保や人の確保が未だ行き届いていないこと
③きらきらタイムのスポット利用ができないこと等の課題があります。

何よりも、私が問題視するのは、
①まず、あいキッズや児童館について、内容を変更しようと検討を始める際に、子どもたちの声を直接聞いていないことです。
②そして、次に、内容を変更が決定した際に、親には説明会を開くのに、子どもたちには事前に説明をしていないことです。
これらは、大変大きな問題だと私自身が子どもたちと一緒にワークショップをしたことで気が付きました。あいキッズや児童館を利用する当事者である子どもたちが自分たちの意見を言える場がないなどおかしいのです。

子どもたちの主体性を育んだり、民主主義教育をしていくのには、こういったリアルな政策づくりに子どもの意見を聞く、子どもから提案してもらうといったことが必要なのではないでしょうか。

子どもが関わる政策については、子ども会議の実施をし検討を進めてください。

次に、保育政策です。

待機児童を解消しようとの取り組みは応援していますが、認証保育所や一時保育の保育料問題は早急な解決が必要です。また、新制度において、保育の質をどう高めていくか検討を進めて頂きたいと思います。

次に、タニタとの連携協定に基づく、いたばし健康づくりプロジェクトについては、商店街との連携事業も展開するとしていますが、商店街等既存団体以外とのコラボレーションも視野に入れていくべきと考えます。

次に、認知症カフェへの助成については、板橋区HPを見ても、認知症カフェを応援しているだとか、支援するといったことが見えてきません。どのくらい助成できるのか、どういった団体が助成対象となるのか等、きちんと透明に記載すべきです。

板橋区は、「現在大山に1ヶ所、認知症カフェが開設された」と説明していますが、民間レベルでは、徳丸でも認知症カフェをされていらっしゃる方がいらっしゃいます。高島平でも、認知症カフェが立ち上がろうとしています。

行政は、自分たちの腕の中で育った団体へばかり支援し、目を向けがちですが、自ら始めようとしている、もしくは始めた団体のことは知らないフリをしているのかな?と思ってしまうような対応で、いつも残念でなりません。どちらかといえば、自立的に始めたところにこそ、行政は出向き、課題をお聞きしサポートしたり、広報の応援をしたり、また介護や医療関係機関や企業との連携に等による発展のアドバイスをする等の姿勢を見せるべきです。

認知症カフェに限らず、地域経済の活性化やボランティア・NPOの育成には、こういった視点が重要だと考えます。

次に、生活困窮者自立支援法の学習支援事業の中の、子どもの貧困連鎖解消に向けた子どもの居場所づくりについてですが、区内でコミュニティカフェ等において既に居場所づくりをしている団体と連携した取り組みを求めます。
貧困連鎖解消には、勉強だけでなく多様な人との継続的なつながりが必要です。生活困窮者自立支援事業を受託した団体を通してでも良いので、子どもの居場所づくりをする団体へ助成をし、一気に区内全域で子どもたちが立ち寄れる居場所づくりが可能ととなります。全国的にも素晴らしいモデルケースになる可能性を秘めており実現を求めます。

次に、元気なまちづくりナンバーワンです。この項には、本庁舎1階のギャラリーモール開設も含まれています。それならば、是非、板橋区のまちづくりに関わっている町会・自治会に加えてNPO活動の掲示をして頂きたいと考えます。
出来れば、常設掲示です。常設掲示をすることで、板橋区で何か新しい事業を検討する際には、これらが掲示されている前に立つことで、恊働できる団体はないか、具体的に活動しているNPOを視察してこようなど、創造力がわくはずです。課長、部長こそ、現場に出向き、新たな担い手、可能性を発見していく人材であって欲しいと思います。

また、元気な高齢者が地域社会の担い手として活躍出来る環境を整え、地域でいきいきと暮らし続けられるよう、シニア世代活躍推進事業として絵本の読み聞かせ講座等を行うとしていますが、こういった活動については、全てボランティアセンターに一括すべきと考えます。ボランティアセンターで充分に対応できる案件です。そうすることで、高齢者の生きがいづくりを応援しようとする福祉費から、NPOや地域活動を促進する地域振興費となり、前向きな流れとなります。

また、絵本の読み聞かせですが、取り組んでいる方からは、読み聞かせたいお年寄りは数多くいらっしゃる反面、子どもたちが集まらないという課題も多々聞いています。ボランティアセンターに予算をうつすことで、絵本の読み聞かせのセミナーと決めずとも、高齢者のニーズに合わせたセミナーの開催が可能ではないでしょうか。

次に、安心安全ナンバーワンです。

バリアフリーマップの改善の際には、区長が一般質問の際に改善の意思を示してくださったとおり、大人用ベットがどこにあるのか分かるようにロゴを作成するなどし明記することを求めます。あわせて、早急に全てのだれでもトイレには、大人用ベッドがある状況への改善も求めます。

高島平地域グランドデザインについては、住民参加型の手法によるまちづくりでないことが大変残念でなりません。私くらいの世代が住みたくなるまちを目指されているのなら、まちづくりの進め方について、もう少し意見を聞く耳を持って頂けないでしょうか。最近は、議会で質問する気にもならない気持ちでした。「住みつづけたいまち」は、自分の存在が必要だと認められるまちでもあるのではないでしょうか。聞く耳を持たない行政運営では、希望も期待も持てないのです。

高島平デザインセンターを開設すると伺っていますが、結局、今迄通りのような人が集まって議論しているといった状況にはしないでください。やる気があっても若い人や新しい団体は入り込めないようなことでは悲しい想いをする方も多いでしょう。
希望する住民ならだれでもが参加できるフューチャーセッションを開催し、未来の高島平のイメージをみんなで描いていくことから初められないでしょうか。

次に、国民健康保険や後期高齢者医療保険、介護保険については、区民の負担を減らそうという板橋区の努力は見られるものの、値上げ分を区が独自に補填をすることで、自由になる区の予算がさらに減っていくこと、また事業としては持続可能な制度への転換が必要であり、根本からの見直しを国や東京都広域連合に対し求める意思表示として反対したいと考えています。

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