2012年6月11日
20120611一般質問報告
本日の一般質問の内容を公開させて頂きます。
後ほど、議事録がでて、答弁内容がわかったり、動画が公開されましたら、再度ご報告いたします。
比較的、前向きな回答も頂けたかなと思っています^^
14分の持ち時間なので、具体的な内容までは言う時間がありませんでしたが、今後、定期的な調査や職員の方との打ち合わせをしながら提案をするなど進めていきます。
(通告内容)
1.板橋区政にイノベーションを
(1)行財政改革と成長戦略について
(2)フューチャーセンターのある区役所づくりについて
(3)区職員のプロボノ導入について
(4)住民や民間の力を活かした地域づくりについて
2.保育行政について
(1)保育施設の運営チェック体制について
3.教育行政について
(1)ティーチ・フォー・アメリカ等、
先進的な教育NPOを参考にした子ども教育について
原稿:20120611一般質問原稿(PDF)
開けない方は、下記をご覧下さい。
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井上温子 一般質問 2012.06.11(月)
通告に従いまして、一般質問をさせて頂きます。
1.板橋区政にイノベーションを
(1)行財政改革と成長戦略について
①板橋区では、これから急速な行財政改革をするとしていますが、どのような基準で行革を進めるのでしょうか。行革の方向性について、お聞かせください。
②24年度当初予算の総括質問でも提案させて頂きましたが、同じ様なサービスを行っている部課の重複業務の見直しを抜本的にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
③また、そうしていくことで、よりシンプルで分かりやすい組織体制をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
④さらに、大きな方向性としての成長戦略も必要です。
イギリスではキャメロン政権となり「大きな社会(ビック・ソサイェティ)」という成長戦略が提唱されています。「政府は、公共サービス提供者により大きな自由と裁量権を与え、
より価値のあるものに公的資金を投じる」すなわち、政府の役割を、
市民にとってどのようなサービスが必要かを考え提供することではなく、
市民が自由に公共サービスを考え提供できるように環境を整備すること
と定義しています。
私は、大胆な行革をするにあたっては、市民が公共を担うパラダイムシフトが必要であり、今までとは違った仕組みづくり、戦略づくりから行うべきと考えます。
区長は、「未来への責任のためにも行革をすすめる」とおっしゃっていますが、イギリスの公共の役割のように、区がどのような体制シフトをとっていくのかを明確に示すことが重要と考えます。区長は、将来の区政はどのような体制シフトをお考えなのか、板橋区の成長戦略をお聞かせください。
(2)フューチャーセンターのある区役所づくりについて
現行のように、行財政改革にて聖域なき事務事業の見直しをしても限界がありますし、現状のサービスの縮小を招くばかりと予想できます。
ヨーロッパでは、フューチャーセンターという考え方を導入しています。
フューチャーセンターとは、簡単に申しますと「未来志向の対話と実行の場」です。参加者は、複数部署から集まってきます。場合によっては、社外の企業や、委託先団体やボランティア団体も参加してきます。様々な役職の人々が集まりますが、組織や役職の壁を越えて、あくまで各人が持つ新しいアイデアや機能に着目して、未来のシナリオを策定し、実行を促す場がフューチャーセンターです。
例えば、オランダでは経済省、内務省、財務省、運輸水利管理省がフューチャーセンターを導入しています。デンマークでも経営省がフューチャーセンターを導入しています。オランダの運輸水利管理省のフューチャーセンターは、ミーティングスペースの床はガラス張りとなっており、その下にアムステルダム近郊の巨大な地図が敷かれています。そこに関係者が集まって、地図を指しながら政策について議論しています。このような知的刺激を与える未来的な空間が、フューチャーセンターとなっています。
①板橋区でも、フューチャーセンターをぜひ導入して、部や課をこえて、対話の場をもち、未来のあるべき姿の共有やアイディアを出すことで、行革を推進するだけでなく、新しい工夫を生み出し、公共の役割、サービスにイノベーションをおこす必要があると考えますがいかがでしょうか。
日本では、富士ゼロックス等、先進的な企業でも導入されている手法です。
既存の部署内だけでの企画では、新しい考えはなかなか生まれてきません。新しい創造の出来る板橋区への転換を求めます。
②フューチャーセンターは、決して専用の箱が必要なものではありませんが、ぜひ、区役所南館建替えに際して、創造力のかき立てられるフューチャーセッションにふさわしいスペースづくりを設置することを提案しますがいかがでしょうか。
③また、同じく区役所南館建替えに際して、町会・自治会・NPO・各種ボランティア団体等の公共の担い手の情報を集約し、把握できる掲示コーナーを常設でつくることを提案します。新しい公共を推進する板橋区として、どのような地域の公共の担い手と共同してまちをつくっているのか見える化ができ、住民や区職員にも板橋区の公共的団体が共有され、民間との連携や創造力の強化につながるのではないでしょうか。様々な工夫をすることで、区役所がまちに開かれた場となることを期待します。
区長の見解を伺います。
(3)区職員のプロボノ導入について
次に、プロボノの導入についての質問です。
まず、プロボノとは、ラテン語で「公共善のために」を意味するpro bono publico(プロボノ・パブリコ)の略です。各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動や担い手を指します。
公共サービスの創造は、担当分野だけの経験でなく、他分野の方面での現場経験が、新しい工夫を提案出来る源泉となります。
①ぜひ、区職員をプロボノとして各種民間の団体へと送りことを奨励するなど、促進してはいかがでしょうか。
民間企業でも、創造性を豊かにする為に社員のプロボノ参加を奨励しています。区役所は人が命です。現状の仕組みや規制にとらわれず、発想豊かな人材育成を推進してください。
(4)住民や民間の力を活かした地域づくりについて
①先月、いこいの家やふれあい館へ視察に行ってきましたが、お風呂や高齢者向けのジム、カルチャー教室などを提供する事は、民間活力の妨げになる恐れがあると考えられますが、区長の見解をお伺いします。
例えば、いこいの家やふれあい館での無料のお風呂は、ただでさえ不景気で厳しい、銭湯の経営圧迫になる恐れがありますし、これこそ民間の力を活用すべきではないでしょうか。銭湯でも健康体操をするなどのイベントをし、その日は入浴が無料になる、またリフレッシュ券で、無料で入浴できるなどの工夫をされているようですが、いこいの家やふれあい館で、無料のお風呂を提供している引き換えのようであり悪循環です。
②いこいの家、ふれあい感がそれぞれ行政指導や法律によって定められ廃止ができないのであれば、せめて、利用料の有料化やお風呂の有料化を進めるべきではないでしょうか。
③また、いこいの家やふれあい館は、それぞれ高齢者の引きこもり防止や介護予防とお聞きしています。
目的達成のためには、いこいの家やふれあい館の利用者を増やすことではなく、この場から新しい活動への参加のきっかけとなるように工夫すべきではないでしょうか。
区長は、いこいの家やふれあい館のあるべき姿とは、どのような姿だとお考えでしょうか。見解をお伺いします。
④さらに、いこいの家、ふれあい館の実質利用者分析が出来ていない状況であり、引きこもり防止や介護予防にどれだけ役立っているのかも分析しにくい状況にあります。対象となる板橋区の高齢者のうち、どれだけの方が参加しているのか、割合や、男女比、そして同じ方の利用頻度、またアンケート調査・分析等を通し、検証をするべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に地域情報連絡会についての質問です。地域会議についての運用方法を検討するため、名古屋市での先行事例、地域委員会に3月に視察へ行ってきました。
この点からいくつか質問させて頂きます。
名古屋市の地域委員会も板橋区の地域会議(地域情報連絡会)も、課題は似ているところにあり、認知が広がらないことが1番おおきなものかと認識しております。
しかし、名古屋市の地域委員会では、委員の半数を公募し選挙にて選出していることに大きな意義を感じております。
⑤区長は、税金の使い道を住民が決定するこのと意味をお分かりでしょうか。再度、板橋区の地域会議および地域情報連絡会の委員の公募をすること、また全ての会議を公開することを求めますが、見解をお聞かせ下さい。
⑥また、地域会議の進行については、職員や地域の人等、利害関係者ではなく、地域外のプロのファシリテーターを入れる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
⑦もう1つの課題は、今までの町会・自治会等の地域活動とどこに違いがあるかということです。
地域会議の役割・位置を明確に示す必要があります。
地域会議そのものは、地域の情報集約につとめ、あがってきた課題ごとに、先に述べましたフューチャーセンターのやり方を導入してはどうでしょうか。
フューチャーセッションをする際には、その課題ごとに当事者や関係者、実際の運営者を集め、立場を超えて解決策を見いだすことができ、課題設定ごとに参加者も増えていくのでより広く開かれたものとなるかと思います。地域会議とは、実はフューチャーセッションを生み出す場とも言えるのではないでしょうか。
先日、文京区の新しい公共の担い手専門家会議について、お話を伺ってきましたが、文京区では、自治会・町会やNPOや各種事業者等による新しい公共空間の創出をフューチャセンターの考えを取り入れ取り組み始めようとしています。
ぜひ、板橋区でも、新しい考え方を導入して進めていって頂きたいと思います。
2.保育行政について
(1)保育施設の運営チェック体制について
①民間の保育施設では、人件費の低い若い保育士を優先して雇わざるを得ないとの声をお聞きしております。
私は、基本的に保育施設の民営化は反対ではありません。
民営化が悪いのでなく、委託料が安すぎたり、事後チェック体制がしっかりしていないことが原因だと思います。
これから、ますます民間委託が進んでいくことが考えられますが、ぜひ、今後の国政の動きを注視しながら、委託時の人件費比率の設置や委託後におけるチェック体制の強化をすることを提案しますが、いかがでしょうか。
②次に、保育士の設置数についての質問です。認可外保育施、昨年度から板橋区で始めている保育ルームですが、保育士の設置数については、他の保育施設と同様に板橋区の基準とするべきではないでしょうか。待機児童対策の暫定措置であっても、子どもには関係ありません。改善を求めます。
3.教育行政について
(1)ティーチ・フォー・アメリカ等、
先進的な教育NPOを参考にした子ども教育について
まず、ティーチ・フォー・アメリカという世界の先進的なNPOについてご紹介します。略してTFAと呼ばれていますが、アメリカで劣悪な教育環境にある子どもたちにTFAのスタッフは少なくとも2年間寄り添って教師を務め、優れた学びの場を提供しています。NPOのスタッフたちが教師となりますが、ハーバードやプリンストン等、難関大学出身者たちが高い倍率を突破して、TFAというNPO団体に入社してくるのです。TFAは、2010年のアメリカ人文科学系学生就職志望ランキングにおいて、グーグルやアップル、マイクロソフトを抜いて全米1位に躍進しました。NPOが学生就職志望ランキング上位に躍進する時代に入っています。貧困地域の子どもたちが抱えている課題を解決し、リーダーシップを発揮して行くTFAの人物像は、まさに社会に求められている人材となっています。情熱あり、新しい工夫をし、子どもたちの自己肯定感を尊重するTFAの教師は、子どもたちの教育環境の改善や学力向上に目覚ましい成果を発揮しています。
今回申し上げましたアメリカでの取り組みを参考とし、日本でも、ティーチ・フォー・ジャパンが発足しています。板橋区のお隣の北区教育委員会でも「基礎学力の定着」「学習意欲の向上」「学習習慣の確立」を目指して、ティーチ・フォー・ジャパンのプログラムの導入が始まっています。
日本でも7人に1人の子どもが、学校で学習をする為に資金的な支援を必要としていたり、8人に1人の子どもが学校の授業を理解することに困難を抱えているとの分析があり、日本での教育格差の解消に取り組む事が求められています。
①ぜひ今後板橋区でも教育NPOの力を活かし、まずは、フィードバック学習やあいキッズの中に取り入れるなどの検討を進めて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上で、一般質問を終わります。
ありがとうございました。