2019年9月26日
板橋区議会 第3回定例会で一般質問に登壇しました
本日、板橋区議会 第3回定例会(本会議)にて、区長、教育長へ一般質問を行いました。
今回は、事務所の新たな取り組みである「いたばし未来ラボ」の研究員の方からの提案内容も含み、幅広い内容の質問をすることができ、傍聴席にはみらいラボの有志のメンバーも来てくださいました。
区長・教育長の答弁内容をまとめましたので、読んでいただけたら嬉しいです☆
※※※※※2019年第3回東京都板橋区議会定例会(9月26日)
井上温子一般質問概要(一部内容の省略あり。文末は敬体を常体にしています)※※※※※
◉豊かな自然環境を未来につなぐために
【公園、樹林地の緑について】
井上温子:さまざまな形で、「楽しめる」「魅力ある」公園へと、活用が望まれる中でありますが、大事な視点が抜け落ちてしまいがちに。
それは、緑や土を残すこと、増やしていくこと。これを念頭においておかなければ、都市において、みどりや土は、自然と消えてしまう。
板橋区の基本構想では「未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち板橋」を掲げておりますが、緑については、公園率、植生被覆率といった指標のみで、具体的な戦略や策は示されていません。そもそも、緑や木々を増やすことは、イコール公園を増やすことではない。
そこで質問します。
<緑や土を残すこと・増やすことについて>
井上温子:自然を大切にし、緑豊かなまちづくりを進めていただきたいですが、緑を残すこと、ふやすことについて区長はどのようにお考えか。計画策定が必要と考えるがいかがか。
坂本健区長:板橋の長い歴史の中で文化とともに培われてきた緑を将来に受け継いでいくことは、私たちの責務であると考えている。特に崖線沿いの樹林地や板橋区の原風景とも言える農地はできる限り保全を図り、一方、新たに求められる公園や緑地、建物周りなどの緑は、都市活動の仕組みの中において生み出していく必要があると考えている。
樹林地や農地、公園をはじめとする緑に関する施策は、いたばしグリーンプラン2025を総合計画として実施しており、樹林地や農地の保全のための公有地化については、所有者と区の意向の合致が条件であるため、その段階において具体的な計画を検討することになると考えている。
<樹林地管理方針について>
井上:板橋区には、崖線樹林地がある。私も何度か現地を歩きましたが、基本構想の基本目標3であげるように、「武蔵野台地の面影を残す樹林地」がそこにはあった。この樹林地は保全していく価値のあるものと考えますが、樹林地保全についても具体的な戦略や策がない。公園事務所は、樹林地について、「公園としての管理をしている」としていますが、「公園」と「樹林地」の性質は全く異なり、手入れの仕方は違う。
板橋区においては、グリーンプラン2025において、「樹林地管理方針の検討」をあげていますが進んでいる様子はない。樹林地管理方針はいつから議論にあがり、どのような検討を行なってきたか。樹林地管理方針の策定を求めるがいかがか。
区長:樹林地管理の考え方は平成23年3月に策定した、いたばしグリーンプラン2020の策定時に区民ワークショップの中において提案され、この計画に盛り込んでいる。
樹林地形態については、神木など、巨木の多い寺社林、かつて薪炭林があった雑木林、外来種中心の植生の緑地など、様ざまであり、それぞれに適した保全管理が必要と考えている。今後、公園管理の指定管理化を進めていくこともあるので、樹林地等の維持管理の仕様を見直すことも必要となってくることから、樹林地の管理方針及び保全の計画については、それにあわせて検討を進めていきたいと考えている。
<仕様書について>
井上:樹林地管理における仕様書は、大分前につくられたものと見受けられる。仕様書の見直しを早急に求めるが見解は。
区長:344か所の公園及び緑地の維持管理業務の多くは委託で成り立っており、仕様書がある程度標準化することはやむを得ないと考える。今後、公園の指定管理者制度の導入や樹林地管理方針の検討などの中において、仕様書の見直しを行なっていくこととなるので、ご指摘の点に関しても点検を行っていく考え。
一方、自然保護活動や動植物の育成等については、ボランティア活動や占用許可などによることが妥当な場合もあるので、こうした手法も選択肢の1つとして考えたい。
<崖対策について>
井上:長年杭を打たずに保たれてきた崖(志村城山公園内)にくい打ち工事が行われた。自然を生かした方法もあったと思うが、なぜそのような方法をとったのか。斜面林は、木々の根が斜面を安定させますが、はげ山になれば不安定になり、土砂が崩れる。樹林地の管理の仕方が悪循環を招いている。改めて、崖対策について検討を求めるがいかがか。
区長:崖地の対策については、勾配や高低差、地質などのほかに、立地や隣接地の土地利用の状況などにより、安全対策の方法も異なる。
志村城山公園内の崖地については、勾配や地表面の浸食状況などから危険ながけとして指摘を受けており、地滑りなどの発生も考慮した地盤構造の改良が不可欠だった。こうした中で、今回採用した工法は、既存樹木の伐採を最小限に抑えながら地盤を安定させることができ、地表面の植栽の復元が比較的容易な工法を選んだもの。
<公園事務所と職員配置について>
井上:公園管理の委託においては、画一的で、区からの指示が業者にきちんと伝わっていない現状があるまた、区民からの提案についても協働の視点が欠けている。さらに担当部署は土木の観点が強く、緑の保全や樹林地管理については理解しているものが少ないよう。
職員に対して研修を行うこと、樹林地保全についても詳しい者等を配置することを求めるが、いかがか。
区長:公園事務所の職員については、公園行政に関して一定の知識及び技術を習得した職員を重点的に配置しており、あわせてOJTや研修等によって能力の向上に努めているところ。
一方、公園の維持管理には、緑だけではなく、法務、防災など、多様な知識と経験が求められることから、事務、土木系職員をバランスを配慮しながら配置をしている。区民との協働については大変重視しているが、職務中、職員が興味や関心によって行動することはいさえるべきであり、引き続き組織として協働関係の醸成に努めていきたいと考えている。
【湧水保全地域と水循環について】
井上:区では、良好な環境を次世代に継承していくために、健全な水環境を取り戻し、区民共有の貴重な資源である地下水及び湧水を保全するため、条例を制定している。しかし、不動の滝向かいの区道は、湧水保全区域ですがコンクリート化され、一部湧水が枯れ、とんぼ池の湧水も減少しているようである。ここは、公園の間のけもの道で、危険が差し迫ったところではなかった。
<コンクリート化の妥当性について>
井上どのような経緯でコンクリート化し、自然を壊してしまったのか。通行人が通らない場所でしたが、自然を壊してまでコンクリート化する妥当性について説明を求める。
また、この工事にいくらかかり、現在、1日あたり何人の方が使っている道なのか。
湧水保全のためには、コクリートと土ではどちらが好ましいか。湧水はコンクリートにすることによって保全されるか。それとも、減少するのか。
区長:不動の滝向かい側お道路は、所有者が私道として所有していた土地を平成26年に寄附受領し、区の管理道路として管理することとしたもの。管理通路とするに当たり、一般の通行に共するための最低限の安全策を講じる必要があり、コンクリートの階段等を整備したもの。
その際、斜面に設置してありました地下水の湧水ますはそのまま存置し、従来の水の流れを保存するなど、可能な範囲での対策を設計変更などを通じまして対応したところ。
道路工事の費用と現在の交通量いついては、道路工事の費用は約6,600万円であり、1日当たりの交通量については調査を行なっていない。
区が行う道路工事においては、これまでにも湧水のもととなる地下水の涵養を目的に、技術的に可能な場合では浸透性舗装などに取り組んできたところ。今後とも土木工事全般にわたり、湧水に限らず、自然環境に与える影響を最小限にとどめるよう設計・施行に必要な配慮を行なっていきたいと考えている。
<水循環について>
井上:公園緑地、樹林地は、雨水を浸透させ、洪水被害を防ぐといった流出抑制や水循環の観点からも重要。若い木々を育てながら緑地の保全に努めていただきたいが、いかがか。
区長:異常気象による極端な集中豪雨の日常化が懸念される今日、雨水の流出抑制については、緑地、樹林地に加え公有地、民間施設の全般を対象として東京都の総合治水対策に基づき総合的に推進している。
緑地、樹林地については、台風など、強風におる被害や害虫、落ち葉などに対する苦情や伐採の要望も多いことから、近隣に受け入れられる維持管理を前提に保全育成に努めていきたいと考えている。
◉公教育と子どもの放課後について
【選ばれる公教育について】
井上:現在、約18%の児童が私立の中学校へ進学されている状況です。また、塾に行く児童・生徒も多く、生活保護家庭でも、小学校1年生から塾に行けるようになりました。このような中、公立学校のあり方が問われています。
そこで、質問します。
<公平性についての見解について>
井上:区立の学校は、公平性が弊害となり、特色のある授業や取り組みができていないこともあるかと思う。しかしながら、公平性とは一体どのようなことか。同じものを同じだけあげる、それが公平性とは限らないかと思いますが、教育長は公平性についてどのようにお考えか。
中川修一教育長:選ばれる区立学校を目指してのご質問ですが、公立小・中学校は児童・生徒の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培うことを目的としている。
教育委員会としては、全ての児童・生徒が自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その能力に応じた教育を受けられる機会を保障し、その水準を確保することが重要であると考えている。
<英語教育等、独自カリキュラムや民間英語教育等、独自カリキュラムや民間事業者との連携した公教育実施の可能性について>
井上:例えばですが、塾に通わなくても、板橋区の学校に通っていれば、「英語が話せるようになる!」となれば、板橋区立の学校に通いたいと思う家庭が増えるのではないか。他区では、独自カリキュラムを策定している自治体もある。民間事業者と連携し授業内容に工夫をすることも可能でしょう。公教育の可能性について見解を伺う。
教育長:区立小・中学校では民間事業者と英語指導補助業務を委託を行なっており、各校の年間指導計画に基づいたレッスンプランの作成、教材研究も委託しているところ。今後も小・中学校の教育研究会と連携しながら、児童・生徒の聞くこと、書くこと、読むこと、話すことの4技能をバランスよく高めるカリキュラム開発とその実践に取り組んでいく。
<子どもたちが主体的にルールづくりをすることについて>
井上:日本の子どもたちは、自己肯定感が低いというデータがあるが、グローバル化が進む中において、みんな違って、みんな良いという個性を育てていく必要性があると考える。
例えば、標準服についての種類や私服登校の拡大、下着・靴下などの規制の是非、校則も含め、子どもたちが主体的にルールづくりをすることを通し、個性が認められる環境を整えることが必要だと考えるが見解を求める。
教育長:校則の見直しを生徒会等で話し合い、生徒が主体的に改善を図っていくことは生徒の自主性や自立性を育む上で重要であると認識している。校則は原則、毎年見直しを図っており、区立中学校の中には、生徒の要望により校則の内容を見直した学校もある。
標準服についても、性別を問わず2つのタイプから選べる学校もあり、今後も各学校において保護者や生徒の意見を取り入れながら適切に対応していく。
<交流人口・関係人口について>
井上:児童、生徒の個性を引き出す、可能性を広げていくというときに、学校と継続的に交流・関係している人たちが世界中にいるといった、つながりが今後大切になってくると思いますがいかがか。
日本地図や世界地図を貼り、交流人口、関係人口の構築を大切にすることによって、例えば、「世界中にホームステイ先がある学校」といったように、子どもたちの可能性がさらに広がる学校づくりをしていっていただきたいがいかがか。
教育長:外国人との直接的、間接的な交流を積極的に行うことは児童・生徒に豊かな体験をもたらし、魅力ある学校づくりの1つになり得ると認識している。現在、区立学校では総合的な学習の時間で留学生や地域人材、外国人アスリートとの交流、外国語でのALTの活用など、学校の実態に応じた交流活動を行なっている。
今後もコミュニティスクール委員会や学校支援地域本部と連携し、各学校の実態に応じて協力していただける外国人の人材発掘に努めていきたい。
【子どもの放課後について】
<あいキッズについて >
井上:「定員なし」で落ち着かない、遊びが限られルールで縛られ「つまらない」という声が多数届くあいキッズですが、板橋区には、その声が届いていないようだ。
なぜなのかといえば、現状のアンケートは、あいキッズを利用している人のみに実施し、さらに回答率は10%前後と大変低くなっている。全児童対象事業であるとしながら、利用していない児童、利用をやめた児童の意見が取り込まれておらず、実態をつかんだものとはなっていない。
また、直接、子どもたちの声を聞けるよう、アンケート用紙に鉛筆で答えるものに改善すべきと考えるが、見解を伺う。
教育長:あいキッズ事業の満足度に関するアンケートでは、利用児童への質問を4問設定し、子どもの声を保護者とあわせて収集しているところ。小学生、特に低学年の児童の本心を聞きだすことは難しいところではあるが、保護者を通じ子どもへのアンケートを試みることは有効な方法の1つであると考える。
また、あいキッズごとに運営事業者が利用している児童への紙によるアンケートを実施しており、子どもの声をじかに収集し、事業運営に反映させている。今後も様ざまな方法によるアンケートの有効性を研究し、工夫を凝らしながら、広く児童の声に耳を傾けていきたい。
<特別支援学校・特別支援学級と放課後デイの連携について>
井上:先日、しいな議員と区内の特別支援学校へ視察をさせていただきましたが、放課後等デイサービスとの連絡会を開催されている学校があった。日常的にも学校の様子を放課後等デイサービスへ、放課後等デイサービスの様子を学校へ情報共有を行っている。
放課後等デイサービスが急速に広がってから久しいですが、学校と放課後等デイサービスが連携していくことで要支援のお子さんの暮らしがより豊かになることを願っている。ぜひ、こういった顔が見える関係づくりを区として進めていただきたいがいかがか。
区長:特別支援学校と放課後デイ事業者との連携は、利用される方々の活動の充実と満足度の向上に資すると考えている。そのため、多くの特別支援学校や放課後デイ事業者との連携が図られるように、板橋区放課後等デイサービス事業者連絡会の活用などによって連携の広がりに取り組んでいく考えである。
<インクルーシブな地域づくりの発想を>
井上:インクルーシブ教育については、混ざることによる多様性の良さ、別れることによる専門性の良さを考えると、どういう環境が良いかは正解がなく、選択できることを価値ととらえていますが、学校後の放課後については、インクルーシブな地域づくりが必須と考える。多様な人がいることを知る機会がないことは、多様性理解が進まない原因でもある。インクルーシブな地域づくりを進めていただきたいがいかがか。
教育長:放課後や土・日などに障がいのある、なしにかかわらず、子どもたちが地域の活動や遊びなどに参加し、相互交流を図れることは、子どもの成長にとっても、共生社会の実現に向けても重要なことであると認識している。一方、地域活動を担う団体等の皆様からは、希望する全ての子どもを受け入れることの困難さも伺っているところ。障がいのある児童・生徒自身の声や地域活動に取り組まれている方々の声にしっかりと耳を傾けながら、課題を抽出し、区としてできることに取り組んでいく。
◉居住支援について
高齢者や障がい者、困難な状況にある方など、配慮や支援が必要な人が増えて行くなか、住まいの提供と、在宅を支援する訪問支援の充実が重要となってきており、住まいと訪問支援について取り上げる。
<無料低額宿泊所 について>
井上:無料低額宿泊所は、生計困難者のために、無料又は低額で住まいを提供する事業ですが、行政や関係団体の関与は薄く、狭い部屋に住まわせ賃料を生活保護費からとるなど貧困ビジネス化が問題となってきた。厚生労働省令「無料低額宿泊所の設備及び運営に関する基準」が先月19日に公布され、鍵付きの居室になっていくなど環境改善が進もうとしている。
そこで伺う。
<行政や地域団体との連携について>
井上:今回の省令では、行政や地域団体との結びつきを重視し、他の福祉サービス提供者との連携を必須とした運営が求められている。今後、入居者の選択肢や可能性が広がることを期待しますが、板橋区では、無料低額宿泊所とどのように連携してきたか。また、今後の方針を伺う。
区長:区としても施設と地域との結びつきは大切であると認識しており、今後制定される東京都の条例や先進事例等を踏まえ適切に対応を進めていきたいと考えている。
<住民説明会の開催について>
井上:現在、無料低額宿泊所は、地域への説明会なしに設置されることが多いですが、地域理解は重要です。説明会の開催が必要と考えますがいかがか。
区長:無料低額宿泊所は、個人または法人が設立するものであり、都道府県知事への届け出のみで設置できる第2種社会福祉事業である。東京都のガイドラインにより、設置事業者はあらかじめ区市町村へ営設の必要性等を協議し、近隣住民等に対して説明会を開催し、理解を得ることとされている。
<補助について>
井上:無料低額宿泊所の多くは課題山積。部屋は個室ではなく、複数人で過ごしプライバシーがないこと。朝夜2食で月3万円の食費を支払うが、量や質は担保されないこと。3万円は生活保護費からすると大きな出費ですが、入居者が食事の提供を受けるか否かの選択の機会すらない。
今後は、省令で改善が見込まれますが、こういったことが起きる背景には、経営的な事情もあるという。こういった実態について、一つひとつ運営の改善を求めながら、補助の実施もしくは、区として受け皿をきちんと用意する必要があると考えるがいかがか。
区長:無料低額宿泊所は民設民営の施設。民間による自主的な運営事業であるために、その運営に要する経費を区が公費で補助していく考えはないところ。
<自立判定について>
井上:本来であれば、こういった宿泊所ではなく、ダイレクトにアパート等へ入居し、住まいのアパートへ訪問支援に入り、自立をサポートしていくのがあるべき姿。一人暮らしができるか否かの自立判定を、福祉事務所にてされることは、大変違和感がある。こういった運用についてできる限り改善し、ハウジングファーストの考えに基づき進めていただきたいがいかがか。
区長:無料低額宿泊所で生活していく方の中には、問題なく自立した生活ができる方がいる一方において、社会生活に適応することができず、自立した生活が困難な方もいらっしゃる。このため施設を退所した後も安定した生活が送れるように、必要に応じて自立判定を行っている。なお、一定の支援を行うことで自立した生活を営むことができる方については、必要な支援を精査し、居宅生活への移行を進めているところ。
<自立支援センター について>
井上:東京都と特別区は都区協定書を締結し、平成12年度からホームレス支援に取り組んでいる。仕事と住居を失った方の自立を図るため、23区を5つのブロックに分け、ブロック内の各区に、5年ごとに1か所ずつ自立支援センターを順番に設置してきた。2021年には、板橋区に設置される予定。そこで伺う。
<個室について>
井上:板橋区に設置される予定の自立支援センターですが、個室となるよう都に要望してください。また、交流スペースの設置も合わせて要望していただきたいがいかがか。
区長:利用者の居住スペースに関しては、できる限り個室に近く、プライバシーに配慮したものとするよう東京都に要望していきたいと考えている。また、地域の公流すぺースについては、食堂など、既存施設の活用を要望していきたいと考えている。
<入居を排除しないセンター運営について>
井上:豊島寮では、特定の犯罪歴のある方の入居を拒否している現状にある。地域理解を得ながらであることは理解しますが、受け皿がない社会は大変未熟である。板橋区で実施の際には、入居を排除しないセンター運営を目指していただきたいが見解を伺う。
区長:自立支援センターの利用基部者については、約2週間かけて適性を確認し、就労に向けた意欲のある方であれば受け入れをしている。なお、就労意欲はあるものの集団生活や生活上のルールになじめない場合や、本人の希望がある場合には、さらに適切な施設をご案内する場合もある。
<5年後の施設活用について>
井上:5年後の施設活用について、今から検討していただきたいがいかがか。
区長:5年間の時限設置のため、施設は軽量鉄骨造で建設するため、閉鎖後は解体する予定。
<児童養護施設卒園者の家賃補助の予算化について>
井上:板橋区では、「児童養護施設卒園者の家賃の一部を助成する「児童養護施設卒園者住まい応援プロジェクト」について寄付を募り実施している。私は、福祉ど真ん中の施策について、こういったクラウドファンディングの手法を活用するのは間違っていると考える。ステップアップホームやセーフティネット住宅など、都や国の制度を活用しながら、区として予算化し、大学等へ進学する人にだけでなく卒園者への家賃補助を予算化するよう求めますがいかがか。
区長:社会的養護への取り組みについては、国や都道府県が実施主体であり、一定の自立支援事業が行われているが、より丁寧なケアが必要であると認識している。今回は子どもの貧困対策の観点から、卒園者が抱える課題や支援の必要性を広く発信をし、地域全体で子どもたちの未来を支える仕組みにつなげるため、寄附制度を活用した。来年4月には国の給付型奨学金拡充なども予定されていることから、今後も国や東京都の動きを注視しながら、本事業の成果を踏まえ必要な見直しを図っていきたいと考えている。
<セーフティネット住宅と居住支援法人による見守りについて>
井上:住宅の確保に配慮が必要な方の向けの新たな住宅セーフティネット制度は、高齢者だけでなく、障がい者やひとり親、養護施設卒業後でも活用できるものとなっており、縦割りを超えて実施可能な事業となっている。住宅部門と福祉部門の連携が必要であるため、全国的にも難航していますが、空き家や空室活用も兼ね、住宅の改修費&家賃補助について実施し、事業を進めていただくよう要望しますがいかがか。
区長:区としては、家賃助成のような現金給付的な事業については、経営革新の取り組みの中において財源の確保や将来の財政負担等を考慮し、慎重に対応すべきものと考えている。今後とも不動産関係団体等との連携をし、空き家活用の観点からも研究するとともに、貸し主となる方々への制度周知に努めていきたいと考えている。
◉こども食堂などの居場所支援とお迎え送りなどの訪問支援について
<こども食堂などの居場所支援について>
井上:長年、こども食堂への区独自補助について、要望してきていますがいかがか。先進区に比べ、だいぶ遅れをとっておりますが、特に常設のこども食堂については、継続的な予算化が必要と考えるが見解を求める。
区長:区独自の補助につきましては、活動団体の連絡会の立ち上げ支援をする際のご意見を参考にしながら、必要性を研究していきたいと考えている。
<子どもの送迎支援について>
井上:ファミリーサポートは日常的に使うには高く、継続利用が難しい状況である。歩いて行ける範囲に社会的資源がそろっていない状況では、他地域に移動できる手段があることで子どもたちの機会拡大が保障できる。安価に利用できるような改善や訪問支援を行う団体への補助を求めますがいかがか。
区長:子どもの外出時の移動支援としましては、ひとり親家庭ホームヘルプサービス事業により、あいキッズや保育園への送迎が可能となっている。また、移動が困難な障がい児の方に対しましては、外出のための支援事業も実施しており、いずれの事業も所得に応じた負担額を設定している。このほか、ファミリーサポート事業においては、習いごとや子ども食堂などへの送迎についても有償で実施をしておりますので、活用していただきたいと考えている。
<住民主体の訪問型サービスB について>
井上:高齢者の居場所については、通所型サービスBを実施し、現在、21か所で開催されている。在宅を支援する訪問型サービスBについての制度化についても実施を求めてきましたが、ヒアリング調査の状況はいかがか。来年度の事業開始を目指していただきたいと思いますが状況を伺う。
区長:板橋区では、買い物や外出時の同行などの訪問型サービスを提供する住民主体の訪問型サービスBについて検討を進めてきた。これまでサービス実施団体にヒアリングを実施し、事業内容の把握を通じて制度の適用範囲の課題を認識したところ。こうしたサービスの実施団体の状況や、買い物や通院などの外出に対する支援を求める声を踏まえて、今後、実施に向けて検討を進めていきたいと考えている。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
井上:自然環境、子ども、居住支援と質問してきましたが、豊かな自然環境を未来に残すこと、また誰一人として例外なく、健康で文化的な暮らしを過ごせることを願いまして、一般質問を終わります。