2020年12月22日
【視察と質疑】子ども家庭総合センターの業務について
12月9日に、子ども家庭支援調査特別委員会が開かれました。
今回の委員会では初めに、子ども家庭総合センター※の業務について、荒川区役所へ赴き、視察をしました。
帰庁後、委員会を再開し、児童相談所開設準備課長・子ども家庭支援センター所長へ現状確認のための質疑が行われました。
※平成28年6月の児童福祉法改正により、特別区においても児童相談所の設置が可能となりました。板橋区では、これまで区が担ってきた「子ども家庭支援センター」における身近な子育て相談の機能と東京都が担ってきた「児童相談所」の機能を併せ持つ「(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター」を設置することとし令和4年度の開設に向けて現在準備を進めています。
🔵議題-————————————————————————-
(1)子ども家庭総合センターの業務について(視察)
(2)令和2年第1回・第2回・第3回定例会調査事項に関する提言の方向性について
(3)活動報告(素案)について
🔵質疑内容
【保護所の職員について】
○井上温子
まず、職員さんに犯罪歴がある方が入り込むリスクとかをどのようにお考えか(性犯罪、それ以外でも何か過去にあった方が入り込んでしまう可能性)。そのリスクをどのように受け止めていて、対応を考えていらっしゃるか。
○児童相談所開設準備課長
保護所のところの職員で、正規職員ではなく、多分非常勤職員のところのお話になってくるかと思うが、採用時の面接の段階で、しっかりとそこら辺の話もしながら、人物の判断をしていきながら採用のほうをかけていきたいと考えている。
○井上温子
実際に、民間の活動の中ではありますが、やはり性犯罪とかが起きてしまったという例がある。
正規の方だと入り込まないという確証もないのでは。また、非正規の方について、面接で見極めるといっても、短時間でなかなか難しい。やはり、万が一のリスクを最大限に考えながら対応することが必要だと思う。
対応策としては面接だけなんでしょうか。もう少し具体的に、例えば相互チェックの仕組みを入れるだとか、何か講じていかないと、性犯罪等が起きてしまってからだと遅いので、対応をお願いしたい。
○児童相談所開設準備課長
地方公務員法のほうに、犯罪歴があった場合に、地方公務員になれないといったものもありますので、そういったところも踏まえながらやっていきたいと考えている。
○井上温子
そうすると、公務員の場合は犯罪歴等があると、それが分かるということでよろしいでしょうか。応募されるときに、犯罪歴がある方はきちんと抜くことができるのかという、確実なところを知りたい。
また、非正規の方がたくさん入ってこられると思うが、その方たちについては、どこまでそういった情報を把握することが可能になるのか。
○児童相談所開設準備課長
採用時に書面でそういったところはないということを書くような形となっている。
また会計年度任用職員についても、正規職員と同じような形で会計年度任用職員といった形なるので、同じような採用方法になろうかというふうに思っている。
○井上温子
犯罪歴を照会かけられるという意味ではなくて、自己申告という理解でよろしいでしょうか。
○児童相談所開設準備課長
基本そのような形だと認識しているところ。詳細まで答えられなくて、申し訳ございません。
○井上温子
採用段階でそういった犯罪歴のある方を受け入れないように対策を万全に取るというのは、おそらく難しいのだと思う。
何か起きてからでは、本当に子どもたちに大きな精神的なショックも与える。
性犯罪やほかの暴力でも、そういったことが起きないように、犯罪歴のある方が紛れ込んでしまう可能性があるということを十分認識しながら対応策を考えていくということをお願いしたい。
○児童相談所開設準備課長
先行区さんがどのような形で採用しているのかも含め、検討していきたい。
【性の多様性について】
○井上温子
先ほど視察させていただいたときに、男性の子どもには男性が、女性の子どもには女性がということもありましたが、ここからちょっとまた論点を変えて話をお聞きします。
今、性が多様化していて、職員さんにもお子さんにもLGBTの方がいらっしゃると思う。
そういったときに、男性は男性、女性は女性というのを超えた対応が必要になる可能性というのも私は考えていただきたい。
性の多様性に関する対応についてはどのようにお考えか。
○児童相談所開設準備課長
まだ細かいマニュアル等は定めておりませんが、お子さんの状況をよく聞き取りをしながら、どういった対応が一番いいのかと、子どもの最善の利益といったところを考えながらやっていきたい。
【多言語対応について】
○井上温子
先ほど、多言語対応で翻訳タブレットの話があったと思いますが、板橋区の多言語対応、今どのようにやっていこうとされているのかお聞かせください。
○児童相談所開設準備課長
子ども家庭総合支援センターの中での話になりますが、そういったところで、多言語対応、非常に重要な部分だと思っている。また、外国籍のお子さんの相談等も多々あると思いますので、タブレット等を導入しながら、適切に対応のほうをしていきたい。
【要保護児童対策地域協議会について】
○井上温子
最後に、今日、要対協(要保護児童対策地域協議会)の個別ケース会議について。
荒川区ですと、子ども食堂だとか地域団体が個別ケース会議に参加し、その子どもに合わせて構成する方を決めていくというような話がありましたが、これについて今の進捗をお聞かせいただきたい。
○子ども家庭支援センター所長
要対協の中の構成員、個別ケース会議ですけど、NPO法人ですとか、そういったものも構成メンバーになり得るということで想定はしていますが、個別ケース会議に出席していただくというケースは今のところないというのが現状。
○井上温子
個別ケース会議に、できるだけその子のことを知っている方たちが入っていくことが重要だと思う。
守秘義務を課せられてやっていくというのは、もちろん非常に責任の重いことではあるので、どなたでもできるということではないとは思うが、やはりそういったことを想定していただきたい。
一時保護所を出られた後も継続的な支援をしていくという意味では、子ども食堂に限らず、民生委員さんやその他の団体でも、身近だった方が個別にきちんとその構成員を決めてもらい、その子のことを考えていただけるような仕組みというのが必要だと思う。
そのようなことがあった場合に、そういうふうな構成員を選ぶということの検討を進めていただきたい。
○子ども家庭支援センター所長
区の枠組みとして、そういう枠組みがあるということでございますし、どういったことが令和4年に向けて必要かというのは、先行区ですとか、いろんな区の状況を見させていただきながら、個別に判断していきたい。
【受入れが困難な児童という表現について】
○委員長
課題のある児童というのはちょっと言葉としてはふさわしくないというふうなご意見、私も同感でございますけれども。
こういった活動報告の素案にこのような文言、受入れが困難な児童というふうな表現はしていいのかというところ、お聞かせいただきたい。
○児童相談所開設準備課長
児童養護施設において、受入れが困難というのがどういう事態なのかというのがちょっとなかなか捉えづらく、そういったものに対してどういうふうな支援をしていくのかといったものが、区側としてちょっと言えるかどうかといったところに問題があるかなと思っている。
○井上温子
長くお子さん自体が引き籠もっていて、親御さんが育児できないという事例もある。でも、なかなかお子さんを無理やり入所させられない状況というのも、受入れが困難な例なんだろうなというふうには思うので、事例としてはおそらくあるのではないか。
表現方法については、ちょっと私自身も案があるわけではないのですが、受入れが困難な方に関しては、障がい部局だとか、福祉事務所だとか、様ざまな関係機関と協議して、支援がつながるようにサポートするというような内容が入ること自体は良いと思う。
🔵視察の様子