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2021年10月4日

20221/10/4 インクルージョン推進調査特別委員会報告 「特別な支援を必要とする子どもへの支援について」

 

 

令和3年10月4日にインクルージョン推進調査特別委員会が開会されました。

今回の議題は「特別な支援を必要とする子どもへの支援について」です。

以下、私、井上温子からの質疑について報告いたします。

 

 

  1.乳児家庭全戸訪問事業について

  2.子ども発達支援センターについて

  3.あそびの会について

  4.保育園、幼稚園の発達支援について

 

 

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1.乳児家庭全戸訪問事業について

◆井上温子
最初に、母子手帳を受け取るのが遅い、またはもらわずに出産するケースが板橋区内に発生しているのか。もししているのであれば、その件数をお伺いさせてください。

 

◎板橋健康福祉センター所長
各健康福祉センターで、年に1件程度ございます。

 

◆井上温子
各センター1件程度ということですけれども、その場合のサポートは具体的にどのようにされているのかをお伺いしたいのと、あと、全戸訪問事業をされていると思いますが、乳児家庭全戸訪問事業で訪問できないケースとが何件ほど発生しているのかというのもお聞かせください。

 

◎健康推進課長
乳児家庭全戸訪問事業につきましては、昨年度の4月、5月は通常よりも6割程度の訪問になりました。そういったことで、例年、96%程度の訪問率ですけれども、昨年は86%、10ポイント程度は下がっています。ただ、訪問できない方につきましても、随時、都合のつく形で日時の調整をする、または電話による相談によって昨年度から対応しているところです。
それから、さらに訪問できないままお子様が大きくなっていくという状況は避けなければいけないので、必ず4か月健診のときには、訪問できなかった方をフォローできるよう、お顔を見てケアができるような形で取り組んでいます。

 

◎板橋健康福祉センター所長
母子手帳の交付を受けていない方ですが、医療機関から連絡が来ますので、その方に合った支援をさせていただいています。一概にこういうことだということはできませんけれども、妊娠期間中、あまりコンタクトがなかった部分、いろいろあろうかと思います。
また、母子手帳につきましては、出産後も発行させていただいていますので、そこからその子のフォローはしっかりできているという体制にはなっています。

 

◆井上温子
医療機関から、出産されてから逆につながってくるということだと思うのですが、そういった場合に、EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)の高値の方がどれぐらいいらっしゃるのか、もし傾向があれば教えていただけたらと思います。
あと、初期に訪問できなかった方で、同じくEPDSが高い方や、そういったフォローが必要な方がどのぐらいいらっしゃるのかというのもお聞かせください。

 

◎健康推進課長
昨年、全戸訪問が10ポイント程度落ちたというところは、1つに里帰り出産の期間が長くなったということがございます。通常、1か月から2か月の間は、出産した後は実家などで、出産したら戻られる。ですが、コロナということもあって、4か月健診直前に戻られる方もございまして、少しそのポイントが落ちたのかなというところです。
また、EPDSの傾向ですが、受診できなかった方を特に取り上げて統計を取っている数字はございませんが、全体的に見ると令和元年度は、EPDSを受けた方のうち、12%の方が要支援、産後うつの傾向ありということでしたが、令和2年度、昨年度につきましては下がっておりまして、452人ということで、10%前後下がっていますので、全体としてはコロナ禍で産後うつが増えたというところでは、板橋区では産後うつの母親の増加傾向は見られない状況です。

 

◆井上温子
コロナ禍の話を聞いているのではなくて、全戸訪問で行けない家庭というのが毎年、10%程度あるだろうという話で、そことEPDSの関係性を調査されているのかというところが気になっています。もし、資料としてあるのであれば、後ほど頂ければと思います。
あと、妊娠届出時におけるアンケートの集計結果を先日出していただきましたが、妊娠、出産で相談できる人や協力してくれる人がいますかという質問で、いいえが2.2%、妊娠したときの気持ちはうれしくないという方が0.5%いらっしゃって、今までカウンセラーや医師に相談したことがありますかという質問は8.7%、出産費や生活費の捻出に困っていますか、が6.6%ということで、妊娠された方でお困り事を抱えていらっしゃる方がいるということが私自身はこのデータで分かりましたが、これと出産後、産後うつの傾向というのをかけ合わせた資料や傾向は分析されているのか、お聞かせください。

 

◎健康推進課長
初めのお尋ねですが、こちらの資料につきましては、統計を取っておりません。
また、妊婦面接のときのアンケートの結果を基にした、クロス集計というものについても統計としては持ち合わせておりません。個別にそれぞれしていると、支援に努めている状況です。

 

◆井上温子
統計を取っていないということですが、板橋区では妊娠してから出産して、その子育てをするまで一貫した支援をしますということでやっていらっしゃると思います。そうしたときに、それぞれの時期にアンケートを取ったことや、集計したことを統合していって、その傾向を見ていくことで、今後の政策に反映していくということができると思います。
もちろん個別にケアして対応してくださっていることには大変感謝しますし、それが個々に全然違うというのも分かりますが、今後そういったクロス集計をしていって、もう少し傾向を分析できたらよいと思いますが、いかがでしょうか。

 

◎健康推進課長
先ほどの個別支援計画についてもう少し詳しく説明いたしますと、妊婦面接でそれこそ要支援でした特定妊婦さんになりますと、それぞれの地区の保健師さんにまずつなげます。そちらでその方の支援計画を立てますので、その中でつながっていくということで、ずっと妊娠期からケアを続けていくということに力を注いでおります。
先ほどの統計ですが、傾向の分析についてはやはり必要だと捉えておりますが、そちらについてはいろいろと現場の状況や、また個人情報に配慮しながら、政策に反映できる方向で考えていきたいと思っております。

 

◆井上温子
ぜひお願いしたいと思います。
あと、EPDSが20点以上の重たい方はどのぐらい年間にいらっしゃるのかというのもお聞かせください。

 

◎健康推進課長
現状、EPDS、エジンバラ産後うつ質問票での要支援対象者が452人ということで、約10%ございます。ただ、そちらが非常に重いということについては、その後、適切な医療機関で改善が図られるということで、その産婦さん、お母さんにつきましても継続的な支援を行っておりますので、健康福祉センターのほうでそれぞれケアをしているという状況です。

 

◆井上温子
20点以上の方が何人かというのは把握されていないということでしょうか。20点以上になってくると、過食症やアルコール乱用など、いろいろほかのことも複合的に原因となっているケースというのもあると思うのですが。

 

◎健康推進課長
それぞれの個々に応じたご本人の家庭環境、健康状態、生活状況に応じて対応している状況で、点数によってこういったサービスですとか、支援を行うということについては、決められたものはございません。

 

◆井上温子
今後、ある一定の指標を使うのであれば、何点以上がどのぐらいだという把握、現状認識としてはしていただきたいと思います。
あと、先ほど、支援が必要な乳児家庭については、支援計画をつくられて支援されているということですけれども、産後うつの方や、複合的なものを抱えている方というのは、自らが主体的に動くということがすごく難しいと思うのですが、支援計画に関しては、保健師さんがつくってくださるという認識でよいのかということと、あとプランを立てること自体も大変だったりすると思います。それを提案してくださってサインをするだけなのか、何かしら同意するだけなのかというような状況でやれているのかお聞かせください。

 

◎健康推進課長
支援計画につきましては、担当の保健師が十分にご本人、また家庭の状況も考慮しながら立てさせていただいております。

 

◆井上温子
あと、妊婦面接に関してオンラインでやることも選択肢として考えられているということですけれども、多分現在は対面でもやられていると思いますし、妊婦さん側がオンラインでやりたいということであれば、もちろんそれは否定するものではないのですが、対面で会うというのも重要で、多数の人たちが密集して集まるものではないと思うので、基本的にはそういう感染症の中でも対策をして、対面でやるということをぜひお願いしたいと思うのですが、状況を教えてください。

 

◎健康推進課長
実際、妊婦面接につきましては、対面を原則としながら、それぞれの状況に応じて、希望者につきオンライン相談、そして様々な検証をしながら進めていきたいと考えております。

 

 

2.子ども発達支援センターについて                                     

◆井上温子
子ども発達支援センターのことですけれども、今日の朝も9時半過ぎにお電話してみたら、やはりつながらず、相談中ですということでしたが、これは切れ目のない支援をしているとはとても言い難い状況だと思うのですが、相談までの時間がどのぐらい今はかかっているのか、電話の回線を増やす予定があるのか、教えていただければと思います。

 

◎健康推進課長
本日、電話がつながらなくて大変申し訳ございませんでした。いつも必要とするときにつながることが必要だとは認識しています。
現状、子ども発達支援センターにつきましては、志村健康福祉センターでの出張相談も行っておりまして、場所の利便性の向上等にも努めているところです。また、待機時間につきましても短くなっておりますので、そのことも含めて、来年度は志村の健康福祉センターにおきましてITを活用した相談なども考えておりますので、必要な方に適切につながるような形で今後も取り組んでいきたいと思います。現在、1.5か月程度の待ちとなっております。

 

◆井上温子
ほかの委員が質問で結構取り上げられていて、1.5か月だと本当に気の遠くなるような待ち時間だと思うので、そこはぜひ改善できたらと思います。

 

 

 

3.あそびの会について

◆井上温子
コロナ禍であそびの会というのが中止されているということですけれども、私としては、そんなにたくさんの人たちを集めてやることではないと思うので、先ほどの相談も1.5か月待ちとか、色々なことが待たされる状況の中で、心配なお子さん、親御さんが集える、相談できるところは、できる限り続けてもらうということが原則になるかなと思いますが、今も休止中ということで、再開の見込みを教えていただけたらと思います。

 

◎板橋健康福祉センター所長
あそびの会ですけれども、現在は休止中です。これは、子どもたちが直接触れ合って遊び、密を避けることができない仕組みの事業ですので、休止とさせていただいています。
また、この事業そのものが子どもたちを集めるというのが前提になりますので、アフターコロナの後に同様の形でやるという部分については、なお研究が必要なのかなと思っております。
一方で、ただ単に子どもを集めるだけではなく、その遊びを指導する、または、遊びの中心になる、今だと保育士さん、あるいは児童館職員の協力を得てやっておりますけれども、児童館あるいは保育園でも様々な取組をやる中で、人材がなかなか確保できないという課題もございます。
少人数にして心理士の先生だけで、ということもいろいろ提案はさせていただいたのですが、あまり少人数だと効果が少ないということですので、これについてはなお研究をさせていただきたいと思います。
また、保護者を対象とした情報交換会、悩みの相談会みたいなものは、引き続きやっていく所存です。

 

◆井上温子
コロナ禍で密を避けるために、逆に回数を増やすとか、本当は触れ合ってやってもらうものでしょうけれども、個々に遊んでもらうような形にするとか、もちろんそこで発見の度合いが下がってしまうというのは分かりますが、やはり心配な親御さんにとってそういった場は貴重なところだと思いますので、工夫をしていく。1回当たりの参加人数が少なければ、リスクも下がるでしょうし、児童館を普通に開けているのであれば、同じようにそういった遊びをやれたらよいかと思います。

 

 

 

4.保育園、幼稚園の発達支援について

◆井上温子
保育園や幼稚園で発達の心配がある方、区の事業は平日の昼間にやっているので、なかなかそこに参加できないというケースが増えると思うのですが、保育園とか幼稚園への発達のサポートみたいなものや、親御さんへの相談の機会というのは連携してやられているのかお聞かせください。

 

◎保育サービス課長
既に保育園でお預かりをしているお子さんにつきましては、日常的には保育園の中で、保育を通してそういった発達を支援するという取組をさせていただいています。保育園におきましても、保育サービス課で臨床心理士等の巡回指導を取り入れておりますので、そちらのほうで発達を見守っていく、また支援していく形になります。
また、保育園に通われているお子さんの中にも、療育に通われているようなお子さんも当然いらっしゃいますし、あと場合によっては、園のほうでそういった機関を通した発達を促していったほうがいいですよとアドバイスさせていただいても、なかなか親御さんがそれを受け入れないというご家庭もあります。そういったお子さんに対しても巡回支援の中で支援を要するお子さんと同じように、園のほうではできる限りの対応をさせていただくという形で対応しています。

 

◎学務課長
幼稚園におきましても、私立幼稚園に向けて心理の専門員による巡回指導、相談等を行っています。また、要支援児を受け入れている私立幼稚園に対しまして、人件費の補助等も行っております。
また、障がい福祉サービスになりますが、保育所等訪問支援事業等で保護者の方が児童発達支援事業所等に相談された場合には、そちらと連携して対応するということも実施しているところです。

 

 

委員会としての提言のまとめに向け、各委員の意見を求めます。
理事者に対する質疑ではなく、提言をまとめるための委員会への意見、提案をお願いいたします。
質疑の中でも意見が述べられている部分もありましたが、改めてこの場でも述べていただきたいと存じます。

 

◆井上温子
幾つかありますが、最初に、子ども発達支援センターの電話がいつでもつながるように、またすぐ相談ができるように体制の見直しをすべきということが1点目です。
次に、乳児家庭全戸訪問事業の産後うつEPDSの結果等、妊娠届出時のアンケート結果や乳幼児健診などの結果は、きちんとクロス集計を行い、今後の施策に生かすべき。
3つ目がやっていること、できたことだけではなく、全戸訪問で訪問できなかった数、支援がつながらず解決困難であったことや、そういった課題、行政としても認識している課題にきちんと着目をして、そういったことをまずこういったところで報告していただいて、どうしたら解決できるのかを議題に上げていくということ自体が大変重要だと思います。
いつもは、報告を受けているととてもすばらしくて、全部できていて、問題は全くないですという感じで聞こえてしまいますが、現場としてはそんなことはないと思いますし、一生懸命やってもつながらないケースが絶対あると思いますので、そういったことを一つひとつ拾っていくような話合いができたらと思います。
次に、あそびを通した早期発達支援事業、あそびの会や臨床心理士との座談会の場を設けて、育児不安や悩みに対応する支援事業、ほっとプログラムがコロナ禍で休止や縮小を余儀なくされているわけですけれども、何かこういった時期こそきちんと回数を増やすとか、安心して参加できる形に再構築するということを努力すべきだと思います。機会の縮小を避けて、事業の継続をすべきということです。
次に、発達や知的、身体の障がいがある人、ない人と分けやすい社会になってしまっているなというのは、私自身も少し人と違うだけで言われるとか、そういうことは多いというのは認識しています。ですから、発達、知的、身体の障がいなどを個性であり、ギフトと捉えた上で専門的サポートを行うということがとても重要であると思っています。
昨日、高校3年生の言葉を発する事ができない障がいがある方の親御さんのお話を聞きましたけれども、この子の個性ですという捉え方をされていたので、遅れとか障がいと言われると悲しくなってしまいますが、人は皆何かしらの障がいを持っているぐらいの感覚で、個性として捉えたサポートを心がけていけたらよいと思います。

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