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2023年9月23日

令和5年3月8日予算審査特別委員会 健康福祉分科会-03月08日

令和5年3月8日予算審査特別委員会 健康福祉分科会-03月08日-01号

 

  • 仮称「いたばしコミュニティフリッジ」

①仮称名について

 

○井上温子

仮称「いたばしコミュニティフリッジ」について質問させていただきます。「コミュニティフリッジ」と聞いて、フードドライブを常設でやっている印象を持つ人は少ないのではないでしょうか。食を橋渡しする意味合いと板橋の「橋」を掛けて、「コミュニティ」よりも「フードブリッジ」のほうがいいのではないかと思うのですが、名称についてご見解を下さい。

 

〇生活支援課長

コミュニティフリッジは、岡山県で類似のシステムを開発し、全国的にも広がりがあるということで、コミュニティフリッジを仮称としました。今後の事業展開を考える上で、井上委員の意見も含めた上で検討させていただければと思います。

 

〇井上温子

分かりやすいことが大事だと思いますので、「いたばしフードブリッジ」をお勧めします。

 

②対象者の幅について

 

〇井上温子

「いたばしコミュニティフリッジ」の対象者が自立相談支援機関の相談を受ける者、ほかは児童扶養手当受給者やその他課題を抱えた子育て世帯となっています。子育て世帯に関しては対象を広くとらえていると思いますが、それ以外の人にとっては対象に含まれていない気がしています。せっかく常設のフードドライブができて、来訪したにも関わらず何も持たずに帰したということは絶対になくしてほしいです。受け入れてもらえなかったということがないようにしてほしいですし、配布する食品は寄付で集まったものなので、対象を狭めず広く来訪者にお渡しすることが必要かと思います。何かのお困りで来訪したのでしょうから、手ぶらで帰ってしまったということがないようにしていただきたいですが、いかがでしょうか。

 

〇生活支援課長

今回のスキームは自立相談機関をご利用した上でつないでいくいくということになります。相談に来られる方は、生活に対する不安や悩みというものをお持ちかと思いますので、なるべく厳格な審査というよりは広く支援していくという側面で寄り添った形でつないでいければと考えています。

 

〇井上温子

「誰一人取り残さない」という視点からみると自立相談を受けたからということではなくて、食品提供のほうを幅広く捉えるべきだと思います。相談のきっかけにもなると思います。食の配付は、私は以前からNPOで取り組んでおり、ホームレスの方にもお弁当をお渡ししたりしました。お弁当を渡しながら会話が始まる場面もありますから、考え方としては逆だと思います。自立相談を受けている方に食品を配付、もちろん配布していいですけれども、食材を取りに来た方に、その場でたわいもない会話をしながら相談につなげていくという方が現実的なのではないかと思います。誰一人取り残さないという視点により近いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

〇生活支援課長

今回想定している児童扶養手当の方については、コミュニティフリッジという食の支援があることを周知することになると思っています。その目的は最終的に相談につなげていくというところにあります。今回のこの事業につきまして、食の支援はあくまでもツールの一つとして、相談体制の強化を目指していきます。

 

〇井上温子

制度から抜け落ちてしまう方は非常に多いですし、何かの手当をもらえてない方や対象外の方でもお困り事を抱える人は多いと思います。せっかく常設のフードドライブをやるのに、対象を限定していたらもったいないと思います。相談に行ったけれども、何も得られなかったという方も多いと思います。生活保護を受給しないという決断をしたとか、あるいは、児童扶養手当の対象から勤労者が外れているけれども児童扶養手当が外れるときが一番怖いと、ひとり親の方からもご相談を頂いたことがあります。今までは何となく福祉のお世話になりながら公的なサポートを得られて安心感があったけれども、これから正社員で働くという場面で、全てのサポートがなくなる怖さ、ここから全部、自分が子どもを育ててかなきゃいけないし、家計のやりくりしてかなければいけない、時間的な余裕もなくなるという、そういうときにどうしようという不安を抱えている。その時点ではお金がない方もいます。(精神的にも経済的にも)いっぱいいっぱいでやってきて、いざ就職したとなっても、就職したらお金もいっぱいかかるわけです。今までとは違う日常になるわけですから。そういうときに、もう少し寛大に支援の対象者を広げてあげられたらと思います。ぜひ実施まで時間がありますので、ご検討をお願いしたいと思います。

あと、親御さんがお金持ちだけれども、子どもには一切お金を使ってくれなくて、奨学金も借りられない。自分で学費を貯めているお子さんもいらっしゃいます。こういった事例を見ますと、書面上の対象者か、そうでないかという点だけにとらわれてしまうと、取り残される方たちがいるという現実があります。もともとフードドライブのような活動は対象のすそ野が広く、ある意味、ゆるく運用することが重要だったわけです。行政が対象者を厳密にして、かちっとやるわけではないところがそもそものあり方であるという点を、少し考えていただきたいと思います。

③運営主体について

〇井上温子

運営を社会福祉協議会に委託するということですが、なぜ民間と連携しないのでしょうか。あともう一つ疑問なのは、せっかくフードパントリーを地域センター前でやってらっしゃるにも関わらず、(いたばしコミュニティフリッジを)地域センターなどの前でなぜやらなかったのかなと思います。地域の食材や食品を集めて、地域で受け取ってもらう機会ができて、地域センターをこれから核にしていくことで、地域センターのあり方が変わっていくと思います。地域センターが重層的な活動や共生社会に向けた活動をしていくとすると、そこにフードドライブが常設であったら大変画期的です。今回も新聞報道で出ましたけれども、そうすればさらにいい事業になったのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

 

〇生活支援課長

社会福祉協議会の委託事業ということで考えていますが、今まで社会福祉協議会は、区と共催ということで食品配付会等を実施していました。そういった過去の実績関係からということで考えたところと、加えて、事業を展開するに当たって、場所の問題がありました。今回は常設ということで、そうしたところを含めて、社会福祉協議会に安定的にまず実施してもらいたいということで委託先としました。また、地域センターとの関係ですが、今回1か所ということで実施しています。今後、いろいろなご意見が出てくるかと思います。地域の拠点としてどうしていくのかということは今後の検討課題であると考えています。

 

 

2.社会福祉協議会以外の事業主体となる民間団体の育成・協働について

 

〇井上温子

「子どもの居場所づくり活動支援事業」や「生活支援体制整備事業」は、公募をせずに社会福祉協議会(社協)が主体となっています。以前、質問させていただいた時に協議体に関しては公平に実施できる団体は社協しかないという趣旨の回答がありましたが、その姿勢は大変残念だと思っています。近年、子ども食堂、高齢者の居場所づくりはさまざまな団体と行政が連携して実施しています。フードバンクのような事業は本当に社協でなければできないのでしょうか。社協も大変だと思います。様々な事業が委託されています。そろそろちゃんと民間を育て、協働で実施していきたいと思いますが、いかがですか。

 

〇生活支援課長

社会福祉協議会につきましては、社会福祉法に位置づけられた公益団体です。その目的とするところは、やはり地域福祉社会に対しての推進ということであり、その活動力にも期待しているところです。ただ、一方で井上委員のご指摘のとおり、民間活力の導入ということも大切かと思っています。今後、区としても子ども食堂をはじめとして、民間の力を借りる、そしてまた育成、そしてまた連絡・共有できればと考えています。今後の検討課題とさせていただければと思います。

 

〇井上温子

ぜひお願いしたいと思います。

 

3.地域福祉コーディネーターのあり方について

①地域福祉コーディネーターの設置場所

 

〇井上温子

「地域福祉コーディネーター」に関して社協に委託し、常勤にはしないという話がありました。板橋区が地域福祉コーディネーターをどのように運用していくのかというイメージがとらえにくいです。地域福祉コーディネーターはどこに駐在しているのですか。

 

〇生活支援課長

基本的には社会福祉協議会を拠点として、そして現場のほうに出向くという形です。

 

〇井上温子

地域にずっといない人が地域のコーディネートができるわけがないと思いますので、そのあり方はやめていただきたいです。社協の立場で考えてみると、いきなり拠点をどこかに構えるのは難しいでしょうから、地域センターを拠点にしてもいいと思います。しかし、社会福祉協議会の事務所にずっといて、もちろん時には現場を訪問されるのでしょうけれども、でも帰る場所は社会福祉協議会となるということでしたら、私は帰る場所は地域であってほしいと思います。その地域福祉コーディネーターは地域にいて、そこに行けば、「困りごとを抱えた人がいるのですけれども」と言いに行ける人であってほしいと私は思います。例えば、子ども食堂を運営している人が「大変なケースがあります」と電話をしたら、地域福祉コーディネーターが「5分~10分で行きます」と言ってくれるような距離感が理想ではないでしょうか。例えば、「子ども食堂もこのまちにもうちょっと増やしたい」となったら、地域福祉コーディネーターが地域の人と一緒につくっていこうといって実施できることが理想なのではないでしょうか。見解を伺います。

 

〇生活支援課長

地域福祉コーディネーターは、例えば地域センターの集会所を活用しながら、講座や研修会、その他の事業展開をしていくということで想定しています。そして、一方、連絡先につきましては、携帯電話等を所有していますので、その番号は公表しております。地域の現場にいる地域福祉コーディネーターが直接受信して、対応を行うという考えです。

②地域福祉コーディネーターの委託先、民間団体との協働について

 

〇井上温子

講座や研修会はどうなのでしょうか。講座や研修会、会議は、たくさん地域で行われています。そういった(研修会などの開催)ことではなく、地域づくりを一緒にやるとか、一緒に動く、一緒に日常を共にするということが大事で、日常を共にしていてこそ、伴走型の支援ができたり、気軽に相談できたり、コーディネート機能が果たせるのではないかと思います。私は社協に委託という形ではなく、地域で活動している団体に地域福祉コーディネーターの機能を担ってもらえばいいと思います。障がい者団体でも、高齢者団体でも、子育て系の団体でもどこでも、日々地域で活動されている方たちがいらっしゃるのですから。自分たちがやっている事業以外の抜け落ちた課題に関心がある団体でなければいけないとは思いますが、自分たちは、例えば高齢者の事業やっているけれども、どうしてもその家族のことが気になるとか、それぞれに地域福祉を担っていたり、地域で事業をやってらっしゃる方たちは自分たちでは対応できなかったこと、つまりぽろぽろと抜け落ちていく課題は見えてらっしゃるのではないかと思います。だから、そういった地域の事業者が地域福祉コーディネーターとなって、自分たちの事業とは別のものの課題解決の窓口をつくって、困りごとを抱えた人と一緒に食事を取るとか、一緒に過ごすということが大事なのだと思います。そうした活動をしながら、行政の支援などへつなげていかないといけないのではないでしょうか。社会福祉協議会にいたら、生活支援コーディネーターがあまり機能しないのと同じです。第1層、第2層についても予算があれだけついたのに実効性については疑問に思っています。実態のあるものをやってほしいと考えますが、いかがですか。

 

〇生活支援課長

先ほど例示いたしました講座、研修につきましては、地域づくりの一環として捉えています。その手法だけということで考えてはいません。あくまでも、今後、地域をバックボーンとしながら、そこの地域で地域福祉コーディネーターが活動していくことを考えています。あと、社会福祉協議会に一極集中していることが問題だというご意見もあるかと思いますが、今回、あくまでモデル事業として実施します。今回の実績を評価・分析した上で、今後の適切な支援のあり方、事業者の選定も含めて考えさせていただければと思います。

 

③地域福祉コーディネーターの問題解決のあり方について

 

〇井上温子

モデル事業でちゃんとした事業ができなかったら、いい事業は進まないです。だから、まずは社会福祉協議会に事務所を構えるのではなく、地域の中に事務所を構えてもらうことと、加えてどういった立場で伴走支援していこうとされているのかが重要です。どちらかというと悩まれている方の家族的な役割や、親しい仲間としての役割で問題解決を図っていくという理解でよろしいですか。

 

〇生活支援課長

地域福祉拠点の役割としては、地域と行政機関の相談窓口をつなぐ間の役という形で考えています。どちらかといいますと地域の団体と協働しながら、理解を促進していくという形で考えていますので、地域住民に溶け込んだ形での位置づけだと認識しています。

 

〇井上温子

地域福祉コーディネーターの役割として、お困りの方の相談というのは重要だと思います。その方にどういうスタンスで関わっていくのかという質問をしました。困っている人にどういうスタンスで向き合うのですかという問いかけです。私は、伴走型支援というものは、つなぐ人たちが家族になった気持ちになることだと思います。家族にはなれないけれども、その人の家族となった気持ちで親身に相談して、もちろん専門的な見地も交えながら、どういうふうな道を選んでいったらいいのかなということを、時間をかけて解決するまで寄り添っていくと言うことだと思います。具体的なイメージを持って、実行してもらえたらいいなと思います。地域福祉コーディネーターにこれからなる方たちにも、どういう立場で仕事するのかという説明をする際にも、分かりやすい言葉を出してほしいです。「行政と地域をつなぐ人になってください」と言われても、日々何かあったことを行政に伝えたら、「つないでいる」ことになってしまいますよね。どういうスタンスでやるのですかという、私はその答えが知りたいです。

 

〇生活支援課長

お困りの方に寄り添うような形でのスタンスで対応させていただくという考えです。ただ、一方で、やはり個々の状況において、やはりそれぞれ複雑な課題等がございますので、それに応じて、福祉事務所に設置している自立支援委員がアウトリーチ機能を持っていますので、そこと連携しながら対応していくことになるのかなと思っています。

 

〇井上温子

そこでつないだら終わりというご認識でしょうか。

 

〇生活支援課長

それぞれどういった形で支援をしていくのかということですので、それはその方々の特徴に応じて決めるものなのかなと思っています。

 

〇井上温子

扱ったケースをつないだら、つないだ結果はどうなったのかというのは見るということですよね。もし、それが家族や大事な人だったらそうしますよね。だから、結局、社会から取り残されたり、社会から孤立してしまったりしている人は、その方のことを真剣に寄り添って長くサポートする人がいない場合が多いです。一人暮らしでお子さんがいない、あるいは親戚がいない、引っ越してきて仲間がいなかったり、そのときに長期的に親身になってもらえるような活動をしていただきたいと思います。

 

4.子ども食堂の立ち上げ支援について

 

〇井上温子

最後に、子ども食堂の立ち上げ支援というのは、空白地域に関しては何か特別なメリットがあるような形で支援をするのかお聞かせください。

 

〇生活支援課長

子ども食堂につきましては、空白地域の情報提供を積極的に行うということで考えていまして、特段、助成金等のメリットはございません。

 

 

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