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2023年10月27日

10/24令和4度決算に対する討論

10/24に板橋区の令和4度決算に対する討論いましたので、報告します。
報告第1号 令和4年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決算
報告第2号 令和4年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
報告第3号 令和4年度東京都板橋区介護保険事業特別会計歳入歳出決算
報告第4号 令和4年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
報告第5号 令和4年度東武東上線連続立体化事業特別会計歳入歳出決算
に対し、賛成の立場から討論を行います。
令和4年度の決算については、実質単年度収支がマイナス16億円となりましたが、
令和3年度から繰り越された125億円の歳計剰余金による影響が大きいものとなっています。
この歳計剰余金は、新型コロナウイルスが蔓延する以前と比べて倍近くになっており、近年の物価上昇の影響も受け、特例的な年度が続いてきました。
そのため、令和4年度の実 質収支比率も望ましいとされる3~5%を超えて7.3%となっています。令和3年度は9.5%で高い値が続いていますが、この%が高ければ高いほど、黒字ということになります。
民間企業であれば、黒字であればあるほどよいかもしれませんが、地方自治体である板橋区においては、過度な黒字は良くないとされ、歳出が少なすぎたと言えます。
非常事態ともいえる、コロナや物価高の時代に、適切なときに適切な支援を行わなければ、セーフティネットから落ちてしまう人が増えてしまい、一度落ちてしまうと立ち上がるのは大変です。
給付が行き渡ったのか、支援策をもっと打ち出せなかったのかについては、真摯に振り返る必要があると思います。
板橋区においては6次に渡る補正予算が組まれてきました。
新型コロナウイルス感染症対策や価格高騰対策、給付金など、状況に合わせた支援を行ってきたことを評価します。
しかしながら、物価高騰対策における支援金については、保育や障がい、高齢施設に支給しても、例えば施設がその対象事業を委託している場合、適切に支払いが行われているのかは不明であることが委員会での審議でわかりました。この点については改善を要望します。
令和3年は10、令和4年は6次にわたる補正が年度内に組まれてきたのは、コロナが始まって以来ですが、危機が落ち着いた後も、この経験を活かし、その時その時に求められる事業を即座に打ち出していっていただきたいと考えます。区民の生活の質向上に向け、臨機応変に補正予算を組み対応する区政であり続けて欲しいと願います。
また、財政調整基金については、令和4年度は35億4百万円を取り崩しましたが、これを上回る42億62百万円の積み立てを行いました。財政調整基金の残高は275億52百万円となり、過去最高を更新しています。
 コロナや物価高騰、戦争など、大変な世の中となっていますが、板橋区政の財政状況は未来に投資していける財政的なゆとりがあると判断し、以下、事業について意見を述べていきます。

◯病児保育

病児病後児保育事業においては、保護者に代わり、看護師が保育園にお迎えに行き、病児保育施設で預かるお迎えサービスを実施しているとしていますが、令和2年度、3年度、令和4年度とお迎えサービスの実績が「ゼロ」にも関わらず、対策をしないまま、継続がなされています。
お迎えサービスについて案内するHPを見ても、「お迎えに行くのは看護師ですが、お子さんにとっては面識のない大人です。体調が悪い中、面識のない大人に知らない場所へ連れて行かれることは、お子さんの心身への負担が大きいということを十分理解した上で、お迎えサービスをご利用ください」とあります。読んでいるだけで、利用する気がなくなるのは私だけでしょうか。
さらに、驚いたのは、1件も利用実績がないのに、お迎えサービス実施の1施設当たり:510万円(年額)が定額支出されていることです。実績がないところに予算をつけ続けるのはすぐに改善をすべきです。
板橋区が自らHPに書くように、おすすめできない事業を実施するより、新しいサービスを作るべきではないでしょうか。
例えば、病児保育事業の体調不良児対応型の実施を代替案として提案します。この事業は、保育中に体調不良となった子どもを一時的にそのまま通っている保育所の中で預かることで、 保護者が仕事を休まなくとも引き続き保育ができるようにするもので、保護者のニーズが非常に高いと言われています。板橋区のお迎えサービスとは違い、いつもの慣れ親しんだ保育園で、面識のある大人に見ていただけます。子どもにとって心身の負担は低いものであり、保護者も利用しやすいものではないでしょうか。

◯一時保育事業

また、保育料格差について、長年指摘してきましたが、保育所・保育園間の保育料格差は以前と比べて解消されてきた点は評価します。しかしながら、一時保育は毎時600円かかっているところは課題です。定期利用保育も保育料が高いままです。
東京都はベビーシッターを無料で使える事業を始めていますが、1対1の保育ではなく、馴染みの場所で定期的に一時保育を利用した保護者もいるはずです。高い一時保育の保育料の改善を求めます。また、小規模保育施設において、余裕活用型一時保育事業がスタートしていますが、こちらは保育料の記載がありません。各施設に問い合わせをすることになっていることも不便なため改善が必要です。
現在、大きく、子育て環境が変化してきており、ベビーシッター、一時保育、定期利用保育、保育所、ファミリーサポート、育児支援ペルパー等の制度の役割分担等、改めて見直す必要があると考えます。

◯児童館・I-youth・あいキッズについて

令和4年度に、児童館の全館調査を行い、夕方や夏休みの小学生の利用についてやI-youthの中学生の利用範囲と課題、あいキッズが高学年の居場所として機能していないことについて提言させていただきましたが、児童館の在り方検討の中で、小学生や中高生の利用にまで検討がされており、大変期待が持ててきています。I-youthにおいても、増設に向けて期待をしております。
○こどもの池について
決算総括質問にて、大野議員から、こどもの池の実施日数について課題を指摘しましたが、改善をしていただきたい旨を改めてお伝えいたします。
誰のための池なのか、長年運営してきてくださっている方たちには大変感謝をしますが、高齢化や人材不足、温暖化の影響等を鑑みますと運営体制を今にあった形にすることは重要です。こどもの池の形を転換していくとしても、転換するまでの間は運営改善をしていっていただくことを要望いたします。

○小中一貫型学校

小中一貫型学校の現状の計画では、小学生の校庭が板橋区1狭いものとなってしまうことに、大変懸念しています。一人当たり4.14平米が1番狭い小学校の校庭面積でしたが、小中一貫型学校では小学生の一人当たりの校庭面積は3.9平米です。あいキッズもその狭い空間で過ごすことになります。
また、文教児童委員会では今までの区の説明では、地権者から志村小の土地についての返還要求が出ていると一貫して聞いてきましたが、少なくとも、地権者から明確に、返還を積極的にしてもらいたいものではない旨の申し入れがあった時から、虚偽説明が続いたことになります。地権者が返して欲しいといっているなら、志村小を残したかったけれど、仕方ないとの発想になるのは自然なことで、区側がこうした事実を隠していたのは誠実性に欠けますし、大きな問題です。
先日、志村小、志村4中を一体化する小中一貫型学校についての説明会に参加しました。近隣の方や地域の方からの反対の声が予想よりも大きく、驚きました。一方で、今までの検討会では反対の意見もなく、賛成や期待の声が大きいとのことでした。私は常々思うのですが、区が主催する協議会や検討会等には、区が示す方向性にNoをいう人を受け入れていないのではないでしょうか。多様性はなく、排除を感じます。また、当事者の子どもたちへの説明、意見聴取も欠けていると考えます。

○こどもの声

こども関係の行政施策を変更していこうとするとき、新たに何かを開始するときは、こどもたちへの説明をする機会を設けること、こどもが直接関わることについては、こどもたちが話し合って、提案できる機会を設け、こどもたちが政策決定に携わっていけるようにすべきです。こどもたちが自分たちでルールや施策を作ることは、大きな学びにもなりますし、社会を考える機会になります。

◯児童相談所

令和4年度は、児童相談所の開設されました。一時保護所は暗くて行きたくない場所というイメージを持たれがちと考えていましたが、板橋区が板橋区の一時保護所の利用を終えるこどもたちに実施したアンケート結果を見せていただいたところ、満足されて過ごされる子どもの多さに驚きました。職員の方が、子どもたちに愛情を持って接してくださっていることが伝わってきて、心から嬉しく思いました。
保護されたお子さんの7~8割が家庭復帰をされると伺いました。今後、保護にまでいかなくても地域で支える環境づくりや保護された後の家庭復帰後の見守り体制が大変重要なことと思います。

◯養育支援訪問事業について

児童相談所や子ども家庭総合支援センターの職員が、困難な家庭を継続的に支援していく際に、武器となる支援メニューがあるのかが気になり決算の文教児童分科会で質問をしました。
有料のメニューでは、困窮家庭は利用が難しかったり、長期的な利用は中間所得者層の家庭においても利用が難しいです。そもそも、利用に前向きでない家庭に支援を入れていくにあたっては、有料であることは大きなハードルとなります。
養育支援訪問事業においては、無料で養育支援を行えるとのことでしたが、育児支援ヘルパーの利用実績は令和4年度1人、ファミリーサポートの利用実績も1人となっていました。
地域で活動をしていると、無料の養育支援訪問事業が必要なご家庭はたくさんいらっしゃると思います。
どのような家庭でも、子ども家庭支援センターの職員さんが必要と判断した際には、支援のコーディネートを行い、無料でサポートする必要がないでしょうか。
 突然、交通事故にあってしまった、突然病気になってしまったということは、どのような家庭でも起こり得ますが、無理をさせない環境こそが、虐待や一時保護を防ぐキーになると思います。そして、こういった緊急事態においては、収入や今まで要支援だったか否かを問わず、無料での支援サービスを提供し、集中支援体制をとるべきではないでしょうか。
 それが、結果的に、板橋区における一時保護や生活保護世帯の減少、就学援助課程の減少につながっていく可能性があると考えます。

○地域医療構想

在宅医療の推進では、現在、在宅で医療・介護を受けている方や在宅で最期を迎えた方の数の把握や今後の見込みについて調査し、必要な地域資源を検討するなど地域医療構想の策定を進めることを要望いたします。
○医療・介護情報共有システム
また、地域包括ケアシステムを推進していくためにも、医療者や介護事業者、地域包括、保健師等が情報共有を行うシステムについて、早急に構築を求めます。

○自転車駐車対策

自転車駐車対策の決算内訳は、自転車利用ルール推進に約1億5千万円、放置自転車撤去・保管に1億6千万円、自転車駐車場建設に2千万円で計3億3千万円の決算額となっています。この金額が今後も毎年継続してかかる可能性が高いですが、駐輪禁止エリアには駐輪場が不足しているという、そもそもの原因があるので、まずはその改善に取り組んでいただきたいと思います。

○住宅管理

区営住宅の抽選倍率は、最高で高齢者住宅の単身者向けの36.7倍となっています。抽選に外れた方には、都営住宅の案内も行われていますが、その倍率も非常に高く、希望している方が公営住宅に入居出来ない事案が多く発生しています。
公営住宅への入居が叶わない方達への支援方法をセーフティネット住宅や居住支援法人の活用を始め、区として検討していくことを求めます。

○魅力ある公園づくり

公衆トイレの洋式化については令和5年4月時点で146箇所のトイレについて、完了していますが、トイレ改修対象数は229箇所で65%の進捗となっています。
和式で用をさせない子どもは多いです。公園の環境美化にも繋がるため、前倒しでの改修を求めます。

○まちづくり

 高島平のまちづくりについては、説明会に参加しましたが、大きな組織同士で頑張っています感に溢れていました。地域住民の存在、地域活動団体の存在は、未だに考えていない雰囲気に、残念な気持ちになりました。
また、高島平の自治会が主催するお祭りと板橋区やUR、大企業が協働で開催したお祭りが同じ日に開催されたのも、私には理解できません。そもそも、板橋区やUR、大企業が自分たちが好む団体を呼んで開催するお祭りに何の意味があるのでしょうか。民間の活動は自由で良いと思いますが、そこに板橋区が参加するとなると、設計に問題があると考えます。地域住民や地域団体と信頼し合える関係、率直に対話し合える関係、期待しあえる関係の構築を求めます。

○コミュニティ活動の支援

最後に、こういった各々の事業のベースには、地域共生社会で言われる地域づくりや生涯教育、市民活動があると思います。
地域保健福祉計画で縦割りの福祉計画を統合するだけでなく、教育や市民活動領域も、地域を単位に活動ができ、新たなコミュニティを生み出す事業です。
板橋区においては、どこがリーダシップをとってくれるのかがまだ未知数ではありますが、壮大な計画を練る一方で、まずは先日提案した「ベンチ」や「多世代の居場所」といったコンテンツを決めて、プロジェクトベースで具体的につくっていくと、地域共生社会や重層的支援といった実感が湧いてくるものと思います。

○国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療事業特別会計

国民健康保険は65歳〜74歳の方が多く加入され、75歳以上は後期高齢者医療制度に入ることになります。
現役世代と高齢者の負担を分けるとして始まった後期高齢者医療事業ですが、現役世代からの支援金が年々増えています。高すぎる国民健康保険も持続は難しいと考えるため、制度根本の見直しが必要と考えます。

○介護保険事業特別会計

実質収支比率は黒字に。収入未済額、不納欠損額減となっています。介護保険料の調停額に対する収入率は上昇しており、改善していると言えます。要介護や要支援になっても、いかに地域の中で役割を関係を持ち続けられるか。また、介護保険料を支払っているにも関わらず、使わない人、使いたくない人をいかに支えていくか、供給量を増やしていくためには人材不足をいかに解消していくかが重要です。
以上で討論を終わります。
ありがとうございました。

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