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2024年1月24日

令和5年10月11日決算調査特別委員会文教児童分科会

令和5年10月11日決算調査特別委員会文教児童分科会

議題

所管の決算について

 

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○主査

それでは、所管の決算についてを議題といたします。質問のある方は挙手願います。

 

安心して保護者が利用できるサービスを

 

◆井上温子

最初に、主要施策の成果2ページの病児・病後児保育についてお伺いします。お迎えサービスについてお伺いしたいです。成果では、「病児保育事業では、保護者に代わり看護師がお迎えに行き、病児保育施設で預かるお迎えサービスを実施し、保護者の子育てと就労の両立を支援している」とあります。資料要求を毎年続けていて、こちらにも載っているとおり、令和2年度から実績はゼロになっています。その前に利用実績があったのはいつなのかお伺いしたいと思います。

 

◎保育サービス課長

申し訳ありません。これ以前の利用数は手元にございませんので、今はお答えしかねる部分です。

 

◆井上温子

私が疑問なのは、実績がゼロなのに、「両立を支援しました」という報告になっていますよね。お迎えサービスを実施して、「子育てと仕事の両立を支援してきました」とありますけれども、支援したと言えるのかお伺いしたいと思います。

 

◎保育サービス課長

「支援しました」という記載にはなってございません。あったときにはそういう支援になりますということで書かせていただいたところです。

 

◆井上温子

明確に、「保護者の子育てと就労の両立を支援している」と書かれています。書いていませんとおっしゃっているけれども、書いてあるのです。それがされていないのに、ゼロでもしていますというふうに書くのは、私はおかしいと思っています。この事業はどうなのですか。見直すのか、廃止するのか、考えなければいけないのではないでしょうか。

 

◎保育サービス課長

ここに書いてあるとおり、お迎えサービスはずっとゼロで推移してきたところでございます。ただ、5年度のお話になってしまいますが、5年度は実績も出ているところでございますので、まだすぐにお迎えサービスは受皿としてあればできますよということです。なくしてしまいますと、逆に使いたいときに使えないということになってしまいます。今のところ見直しの予定はございません。これからの推移を見てまいりたいと考えているところです。

 

◆井上温子

正直な話、使いたいときに使えないのは、今も一緒だと思うのですよ。使いたい親御さんはいっぱいいると思いますけれども、この制度自体が使えないのですよ。だから、ゼロが続いてきていて、令和5年度でたとえ1件でも10件でもあったところで、それは本当にセーフティネットになっているのかというのは見直すべきことではないのではないでしょうか。私はお伺いしたいです。区のホームページを見ますと、お迎えサービスのところに、お迎えに行くのは看護師ですが、「お子さんにとっては面識のない大人です。体調が悪い中、面識のない大人に知らない場所へ連れて行かれることはお子さんの心身への負担が大きいことを十分ご理解いただいた上で、お迎えサービスをご利用ください」と書いてあるのです。私も一当事者として、利用の検討をしました。それで、ホームページを見ました。この文章を読んだときに、胃が痛くなっちゃうのですよね。そもそもそんなふうに書かれる事業をやるなよと言いたくなります。だって、サービスを提供しているのに、サービスを使わないほうがいいですよと勧めているような文章が書かれているのですよね。だから、私は事業として成立はしていないのではないのかと思います。利用してほしいと思ってらっしゃるのでしょうか。まずお伺いしたいと思います。

 

◎保育サービス課長

利用する方は利用していただきたいということで、事業はやっているところでございます。ホームページの書き方につきましては、不快なお気持ちをされたということは申し訳なかったというふうに思っています。書き方については、今後こちらのほうもご利用される方が不快な思いにならないように見直してまいりたいと考えております。

 

◆井上温子

まず、お迎えサービスについては、看護師の配置で病院側には一円も支出していないということでよろしいかをお伺いしたいと思います。板橋区医師会病院や帝京大学医学部附属病院でお迎えサービスを実施していますとありますけれども、実績がゼロですから一円も支出してないのかというのをまず確認したいです。あともう一つは、こうやって実績がゼロの事業を放置しているから、いいサービスが生み出されないのではないかなと思うのです。安心して保護者が預けられないようなものだったらやるなよと私は言いたいし、違う案をつくってほしいと思うのです。だから、私は見直して、新しいサービスを生み出すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

 

◎保育サービス課長

看護師の増額につきましては、今の契約内容は手元にございませんので、やった場合、増額になるかというところは確認させていただきたいと考えております。それと、安心できないならやらないほうがいいというようなご意見も頂いたところでございます。実際、お子様が病気になったときにお迎えできないという方もいらっしゃるような状況が出ることも考えられますので、今すぐは見直しややめることは考えていないところでございます。

 

◆井上温子

資料で頂きたいです。お迎えサービスをしているところに加算がついているのか、実績がなくても支払われてきたのか、それは要らなかったお金ですから、やっぱり無駄な予算が使われたということだと思います。そこは見ていきたいと思います。何度も言うのですけども、利用したい人はいると思います。でも、利用できないのですよ。利用できないから、実績がほとんど上がってこなかったというところを真摯に受け止めていただきたい。体調不良児対応型や訪問型の病児保育もありますよね。国の資料を見ていると、病児保育事業で体調不良児対応型というのがあって、保育中に体調不良となった子どもを一時的に保育所等の中で預かることで、保護者が仕事を休まなくても引き続き保育ができるようにするものがあって、保護者のニーズが非常に高いということです。通っている保育所の中で1部屋をつくってあげていました。保育園に通っているお子さんはすぐ37.5度ぐらい超えるわけですよ。しょっちゅう呼出しがあるわけだけれども、大体は微熱でおさまったり、ちょっとした風邪で済むことのほうが多いわけですよね。そのたびに保護者が呼び出されて、大変です。先ほどのお迎えサービスで、病児保育室は知らないところに連れていかれると、子どもは不安だという話がありました。そうすると、体調不良児対応型を板橋区で早く検討して実施していれば、保育園も、だんだん子どもの数も減ってきて、空き室が出てくる可能性も高くなってきていますし、そこで、実際問題37.5度超えたとしても、そもそもすぐに保護者が来られわけではないので、実際37.5度を超えている子と超えてない子が共存しています。正直なところ、一緒にいるのですよ。それであれば、きちんと1室用意してあげて、体調不良児対応型を実施することで、お迎えサービスをしなくても済む環境というのを私はつくるべきだと思います。いかがでしょうか。

 

◎保育サービス課長

私立保育園に関しましては、1部屋つくる、あるいは人員の配置、見ている方の確保というのもございますので、私立のほうの運営状況とか受入れ状況も聞いてみなくてはなりませんので、今すぐお答えするようなお話にはならない状況でございます。

 

◆井上温子

私立はとおっしゃいましたけども、区立はどうなのかということと、病児保育に費やしているお金を考えれば、そこに加算するとか看護師配置をするとか、そもそも区立の認可保育園は看護師さんがいらっしゃると思いますので、対応は十分可能な形だと思います。いかがでしょうか。

 

◎保育運営課長

区立も、これまで待機児童がいたときには面積いっぱいまで預かっているということがございました。別にそういった部屋を設けるということになりますと、定員の見直や人の配置を検討する必要がございますので、検討の時間が必要かなとは考えております。それから、人の配置という点ですけれども、認可保育所全てに看護師がいるというわけではありません。基本的にはゼロ歳児をやっている保育施設については看護師の配置を求めているところです。

 

◆井上温子

区立では、そういった見直しをしていける可能性はあるという理解でよろしいのでしょうか。ゼロ歳児がいれば看護師さんがいるということと、あと今、定員割れしているところが増えてきていますから定員の見直しは別にしていけばいいと思うのですよね。定員割れが起きている状況においてはそういったお部屋、すごく頑丈な部屋をつくる必要が本当にあるのかっていうところも、国の要綱を見ていただきながらやっていただいければと思います。保護者の様子を見ていると、お迎えに行ける層と行けない層というのもあるなと思っています。微熱が出たときに、全然お迎えに行けるよというお仕事のされ方の方と、フルタイムで本当にばりばり働いていて行けない、結構無理だよという方と、あると思うのですよ。だから、そこもやっぱり保育園を選ぶ中で、全ての保育園が絶対できなきゃいけないというわけではないと思うと、定員をある程度調整して、体調不良児対応型というのをつくることで、ある程度解決できると思います。利用がほとんどゼロみたいな、5年度はありましたよとおっしゃったけれども、それで、さらに「そんな慣れてない環境に置くのはかわいそうだよ」みたいなプレッシャーをかけながらやる事業よりは、はるかにいいのではないかと思います。いかがでしょうか。

 

◎保育運営課長

いろいろ、今、保育をめぐる課題は国のほうでもありますけれども、様々です。その中の一つに体調不良対応型というものもあるのかなというふうに考えております。検討課題の一つということで考えていければなとは思っております。当面は、今でも運用で何とかしているというところもありますので、そういったところで利便性の維持向上に努めていきたいと考えております。

 

◆井上温子

運用で何とかしているというイメージがよく分からなかったです。37.5度を超えたら、基本的には呼び出されるというのが通常なので、呼び出されない運用があるのかどうかが分からなかったです。やっぱり働いている女性を支える現実的な制度、そして子どもにとっても過ごしやすい、安心して暮らせる制度を真摯に受け止めて、考えていただきたいなと思います。やっぱり事業で駄目なものは駄目だから廃止するというのは、区長が言っていますよね。スクラップ・アンド・ビルドでしたか、昔おっしゃっていた気がします。ゼロに近いようなものをずっと続けるのではなく、新しいことをきちんと考えて、暮らしやすいようにしていただけたらと思っています。

次に、決算書の保育料の収入のほうをお聞きしたいです。保育料の減免申請というのは、昨年度でいうと何件あったのかということと、減免の申請理由というのはどういったことがあったのかお伺いしたいと思います。

 

◎保育サービス課長

件数は、今、手持ちでございませんけれども、内容といたしましてはお子さんが増えたとか、あと収入が変わったところで申請があることが多いです。

 

福祉制度を保育所が案内するアウトリーチ

 

◆井上温子

後ほど、減免の申請別に件数を資料で頂けたらと思います。私が気になるのは、例えば病気になった、あるいは入院した、家計が急変した、家族で何かがあったみたいなときに、保育所はそういった制度をご案内できているのかなというところが私の懸念材料です。結局全ての福祉サービス、医療サービスは申請主義で、知っている人しか使えないみたいなところがあると思います。保育料の決定通知書の中にいつも「減免申請できます」というのが入っているのですけれども、実際に当事者になったときにそれが活用できているかというのはすごく心配なところだなと思っています。公立の保育所、私立の保育所、様々ありますけれども、そういったところが(保護者の)家計が急変しても大体保育所が日常(保護者と)きちんと話していれば、何かしらつかむことが多いと思います。そのときに制度のご案内ができているのかどうかをお聞きしたいと思います。

 

◎保育サービス課長

保育利用の手引のほうにも記載させていただいているところで、お調べいただければホームページ等で分かるようになってございます。

 

◆井上温子

答弁になっていないですよね。私は、保育所がそういった福祉サービスとかつなぐ役になっているのですかとお聞きしているのです。手引を見れば分かるとか、手紙には入れていますというのは、全然アウトリーチになっていないですよね。気づかなければ、そのまま放置されてしまうことで、しかも減免申請はやった次の月からしか適用にならないのですよね。だから、早くやらないと、本当に次の月からというのもおかしいなと思うのですけれども、過去には遡れないというときに、本当に大変な状況下にある世帯がそれを気づけるのかというのは、大きな課題だと思います。だから、そこをきちんと保育所がご案内をすることが必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

◎保育サービス課長

私立園につきましては、個別の減免のご案内等があれば、保育サービス課のほうにお願いしますということで案内をしていただくことになります。家庭状況につきましては、逆に保育所にあまり言いたくないという方も一定数いらっしゃいます。私どもは直接区のほうに申請いただくという、そういう流れにさせていただいているところでございます。実際にそういう状況になったときになかなか気がつかないということであるので、あらかじめ利用の手引にも書かせていただいて、何かのときにこちらのほうに書いてあるということを思い出していただきたいということで書かせていただいています。やはり今の保護者さん、分からないことがあればすぐにお調べになるというようなことも割とできる方も多いので、そこでホームページ等で掲載させていただいて、保育園から、あなた、何とかですよと言うことはできませんけれども、ご自分でお探しいただく、あとこちらで広報をさせていただく、そういったことで対応しているところでございます。

 

◆井上温子

だから、そういう自己責任で終わっちゃうと、漏れてしまう方が出るよねという話をしています。自分で調べられる人、自分でできる人はいいです。ただ、保育園側はある程度、(保護者の)家計が変わったとき、病気になったとき、何かあったときに気づくと思うのですよ。そのときに話せる関係性であってほしいと思うし、それをすごく秘密にしたい人に開示しろということはもちろんないですが、信頼関係がある程度築けていて、話せる関係であったとき、保育士側が気づいているときにきちんとその情報を届けられているのかというところです。情報を届けるべきだと思うのです。それがアウトリーチというのではないですか。そこの認識は、気づいていても情報提供しないのが保育士であるべきだということなのでしょうか。

 

◎保育サービス課長

気づいていても何もしないのが保育士であるべきとは、私は今までの中で申し上げたつもりはございません。もちろん保育園も、皆さん、やはりご家庭に何か変化があれば、ちょっとここに相談したらどうですかということは、例えばお金の面でなくても、お子さんの健康のこと、そういったことは全てアウトリーチということで保育士たちはやっているというふうに私は考えています。その中で、やはりお金の問題は、なかなか人に言いづらいということがありますから、そこで出れば、もちろん減免制度は区に相談したらどうですかというふうになると認識しているところです。

 

◆井上温子

減免制度だけじゃなくて、全ての福祉制度をきちんと案内ができる保育所であってほしいということですよね。だから、そこら辺をできているのかできてないのか、そういう役割があるとお伝えできているのかというところも含めて考えていただきたいと思います。

次に、出欠確認のところで、Kids Viewで、最近、欠席連絡についてで、保育園児の痛ましい事故を受けて、欠席の連絡がない場合は保育園から連絡を入れさせていただきます。欠席の日は、Kids Viewあるいは電話連絡で必ず保育園に連絡を入れてくださいと書いてあったのですけれども、今まで欠席なのに確認をしなかったということに大変驚いています。これは私立保育園に関しても区立保育園に関しても、今まで全くやってなかったということなのか、私立保育園は今後どうなっていくのかをお聞かせください。

 

◎保育サービス課長

私立保育園につきましては、Kids Viewだけではなくて、園で様々なそういったアプリ等を入れているところでございます。ICT化しているところは様々なメーカーのものを入れていると認識してございますし、まだ入れてないところもございます。私立に関しましては巡回支援指導をしておりまして、欠席時の確認というのも巡回支援指導の中で必ず項目として挙げさせていただいております。園として、欠席の場合は連絡をしているということは確認しているところです。

 

「育ちのエリア」と公立保育園のあり方

 

◆井上温子

歳入歳出決算書の保育園管理運営経費のところで質問させていただきます。先日、育ちのエリアについて質疑がなされておりましたが、令和4年度、今年度と、どう公立の保育所のあり方を検討されてきたのかを伺いたいと思います。もともと、令和3年度までに育ちのエリアについて報告しますということで、話が出ていたと思います。何が理由で止まっているのかというのが、きちんと説明がないまま、なかったものにされているような状況です。ご確認させてください。

 

◎子ども政策課長

こちらの育ちのエリアも含めた公立保育所のあり方については、令和3年度、4年度というところで報告という話はさせていただきましたが、児童館、健康福祉センター、福祉事務所のあり方も含めて、令和4年度から令和5年度に延伸したというところがございます。コロナの状況があったり、こども家庭庁ができた、また子ども家庭総合支援センターができたというところで、様々背景が変わったというところもございます。改めてちょっともう1年間時間を頂きまして、保育所のあり方、保育所の方向性について、ご説明させていただきたいということで、今年度末までに、当委員会にご報告させていただこうと思っています。

 

◆井上温子

公立の保育所は、一定割合残すことは今でも継続しているのかということと、あと育ちのエリアという、そもそも考え方がなくなったのかどうかというところが、明確にきちんとお答えいただきたいと思っています。私も、今回議事録を遡らせていただきましたけれども、令和4年3月10日時点で、大田議員が、国が公立の保育所だと補助金を減らすみたいなところがあって、公立の保育所をずっと維持していくのはできるのか、育ちのエリアはそのままやっていくということでいいのかという趣旨の質問をされていました。保育サービス課長は、「育ちのエリアにつきましては、公立保育所も重要な役割を当然担っていくし、地域の子育てをどのように支えていくかというところについて、子ども家庭総合支援センターを核として、そこからブランチ的に各地域に子育て支援をしていくための拠点を設けていく必要もあると、当然、公立保育所もその役割を担っていく必要があると、そういった観点からエリアの検討を進める」と書いてありました。時代の流れと逆行しているとは思えないですよね。コロナがあった、こども家庭庁ができた、いろいろおっしゃるのですけれども、時代の流れとともに育ちのエリアが必要なくなったという捉え方はしにくい現状にあるのかなと思っています。この間の委員会ですと、育ちのエリアがなくなっていきそうな雰囲気を感じました。そこを明確にご答弁いただけたらと思います。

 

◎子ども政策課長

すみません。そういったものも含めて、今年度末までの保育施策のあり方というところで、育ちのエリアも含めてご報告させていただこうと考えてございます。公立を残すのか、残さないのかとか、育ちのエリアが残るか残らないかも含めて、そこで明らかにできるかなと思っています。ただ、一定育ちのエリアを発表してから8年、9年、経っています。その間に、背景も変わってきていますので、そういったものを含めて、今この場でなくなる、なくなりませんということは申し上げられませんが、総合的に判断してご報告をさせていただこうと思います。

 

◆井上温子

それは不誠実だなと思います。令和3年度までに育ちのエリアをつくりますよと言っていて、それをやらずに、もしかしたら公立保育所がなくなるかもしれないみたいな発言をされてしまうと、それは議会軽視と言ってもいいのではないかなと思います。そもそも変わりますよ、みたいな(アナウンス)があって、新しくリニューアルされるならまだしも、あり方を示されて、あり方を実現することもないまま新しいあり方を言われるというのは、おかしいのではないかなと思います。民間の保育園に関して言いますと、新しい保育士さんの人材が流動的であったり、区立保育園のほうが勤務経験が長くて、それなりに長期的に見てくださる方が多かったりという現実はあると思います。さらに、こども家庭センターが出てきたときに、在宅子育て家庭も含めて、保育園で支援していくというところもきっとあるのだと思います。そういったときに、公立の保育園のあり方、役割というのは、重要だと考えますが、その点の感覚についてお伺いしたいと思います。

 

◎子ども政策課長

公立保育園の果たすべき役割は、一定あるかというふうには認識してございます。今後、どのように公立・私立含めて、どういったものが板橋区の保育園として必要なのかというところは、考えていきたいなと思っています。その中で、公立ならではの役割がどういったものがあるかというのは、もう一度再度整理させていただいて、ご提案、ご報告をさせていただこうかなと思います。

 

◆井上温子

一定の役割があるということをおっしゃっていただいたのでいいのですけれども、私も全て民営化するなという考えの持ち主ではないのです。ただ、やっぱり公立であるからこそできる役割はあると思っています。やっぱり、民間にはお願いはできても、強制はできないではないですか。そこは大きな違いです。こういった役割をお願いしますとできるのは、お願いします、区立だからこそできる地域拠点の役割というのはあると思います。民間にはお願いベースでしかできませんから、そういった意味での役割を、きちんと検討していただきたいなと思っています。

 

家事や育児、子育てのシェアの一般化

 

◆井上温子

次の質問に移ります。主要施策の成果の子育て支援事業の推進、在宅子育て支援策についてお伺いしていきたいです。育児支援ヘルパーやファミリーサポートは、対象者数に対して利用率がかなり低くて、育児支援ヘルパーだと対象者が1万1,707人に対して、利用者数実数が229人ということで2%になるのですね。育児支援ヘルパーの登録者数が1,556人いるのです。その方を母数としたとしても229人しか使っていないので15%になっています。様々いろんな施策を展開していくというのはいいことだと思うのですけれども、やっぱり利用率が伸びない。家事や育児、子育てのシェアの一般化ができていないと、あまり意味をなさないのではないかなと思っています。ファミリー・サポート・センターも同じで、対象者数が4万7,901人いるのですけれども、登録者が1万282人で、利用者数が304人。対象者数に対しては1%しか利用していなくて、登録者数を母数にしたとしても3%しか使っていないのが現状になっています。先ほども、どなたかの質問でコロナの話で利用者数が減っているという話がありました。実際数字を見てみると、利用会員は増えているのですよね。でも、援助会員が減っているという現状で、ニーズに対してマッチングができていないのではないかなと思っています。この現状を踏まえて、いかに認識されているか、お伺いしたいと思います。

 

◎支援課長

在宅支援サービスに関する利用率ですけれども、令和4年度から子育てサポートについて一括で事業者のほうに委託をして、その周知であったり、あと利用者に対する周知、援助者に対する周知、あるいは援助者の研修等も、これまでばらばらに行っていたものを一括で行う、また、内容とか質の向上というところも図っているところです。そういった中で、対象の板橋区における利用者数が一定数いて、その次に登録者というお話がありました。一度登録された方については、一度登録をして特に育児支援ヘルパーであったり、ファミサポも低年齢な乳幼児期に、特に手がかかって大変だといった際に、利用数が多いといったところもあります。ただ一度登録をすると、自ら退会する、手続はすることなくそのまま登録したままになっていて、対象年齢に達した段階で、登録人数から除外していくという形になります。どうしても登録人数としては積み上げで、一定多くなってしまうというところで、実人数としては数百人というふうな数字になっているという実態がまずあります。利用実態が適切であるかというところについては、なかなか難しいところはあるのですけれども、我々としては、例えば健康福祉センター、あるいは児童館といったところで、在宅子育て世帯等がいらっしゃる拠点、目に触れる機会を通じて、こういったサービスがあるということは周知をしていくことで、利用を伸ばしていきたいと思っております。また、ファミサポについて援助会員が減っているというのは、確かに現実おっしゃるとおりでございます。この部分は我々も課題であるというふうには思っております。来年度以降も子育て支援施策の拡充については、今検討を進めているところです。包括的に、子育て家庭にそういったサービスが行き届くように、推進していきたいと考えております。

 

◆井上温子

東京都のベビーシッターはこの間補正予算が通って、これから運用が開始していくと思います。すごい転換期だと思いますよね。ファミリーサポートや育児支援ヘルパーがこれからどうなっていくかというところを、真剣に考えて事業を練り直さないと、ちょっとずつ消滅していくという事業になりかねないのではないかなと私自身は考えています。そのときに、利用料はまず1時間800円かかりますよというのは、大きな課題ですよね。1時間800円だと、積み上げていくと結構な金額になってしまうので、まずそこをどうするのかというのがあると思います。担い手に関しても、通常、料理を頼んだら味つけまでやってくれるようなものが、ファミサポさんだと切るところまでで終えたり、サービスの内容という意味でもどうかなという声は幾つか届いています。すごくいい事業だとは思いますけれども、やっぱり利用料や担い手の問題でいかにしていくのかというのは、きちんと考えなければいけないと思います。さらに、ベビーシッターがどんどん増えてきて、無料で使えて、育児支援が拡充するのはすごくいいことだなと思うのですけれども、それが例えば、児童相談所が関わっている案件や要支援家庭に対しての有効な手段になっていくのかというと、またそれは違ったところがあると思うのですね。現在、まだベビーシッターがない状況において、児童相談所や子ども家庭総合支援センターの職員が支援が必要だなと思う対象の家庭において、ファミリーサポートや育児支援ヘルパーが有効な手段となっているのかというのをまずお聞きしたいです。そのときに、利用料がかかることに対して、負担感がないのか、勧めづらさがないのかをお聞きしたいと思います。

 

◎支援課長

現在のファミリーサポート、あるいは育児支援ヘルパーの有効性については、やはり子育てにかかる負担を軽減するというところで、虐待の防止、あるいは虐待とまで言わないまでも、不適切な養育環境の改善というところには、一定の効果を出していると考えております。そこにかかる経費負担は、負担を軽減していくと当然利用は増えていくので、今度は提供側の数の確保といったところで、今までの育児支援ヘルパーやファミリーサポートは、基本的には相互扶助、区民同士の扶助というところを原点としております。事業として行っているわけではないといったところ、要は給料・報酬を得てヘルパーをやっているわけではないと、一定の対価はあるんですけれども、基本的にはボランティアといったところで、マッチングをしてやっているといったところは、これまでの区の子育て、こういったサービスとして取り組んできたところです。そういった中で、一定のご負担をいただきながら、相互扶助、相互互助の中で、このサービスを活用していただいていたというところです。そういった中で、さらに我々支援課あるいは援助課、児相部門のところで関わっているケースの中で、よりこういったサービスの導入が必要だ、しかし、今経済的な負担から導入ができないという家庭に対しては、養育支援訪問事業といった事業の中で、負担を免除することも一定行っております。そういった家庭について、なかなか現場として難しいところは、必要だなと思う家庭ほど、公的サービスが家庭に入ることを拒否といいますか、なかなかスムーズに導入に至らないところが、現場の非常に苦しいところではあります。制度としては設けており、また、児童福祉法の改正によって、来年度から子育て支援サービスの利用勧奨や措置も可能になっております。今現在、そこも予算措置に向けて調整をしているところではあります。委員おっしゃったとおり、必要なところにお金がかかってしまう、経済的な負担がかかるから導入できないといった課題は、法的な裏づけも持ちつつ、来年度以降、より積極的に取り組んでいきたいと思っているところです。

 

◆井上温子

例えば急に入院してしまった、子育てできなくなってしまった、養育困難という家庭に、サービスを紹介したときに、有料であることがハードルが高い。それを毎日使ったら、すごい額になってしまうわけですよね。万単位になってくる。だから養育支援訪問事業については、どのぐらいの件数をやられてきたのかを後で資料で頂けたらと思います。公式にきちんと周知できているのか、養育支援訪問事業で、対象者に関しては育児支援ヘルパーやファミサポさんが、無償でもいいというところが周知されているのかどうか、教えてください。

 

◎支援課長

この養育支援訪問事業は、一般的に募集をするような種類のものではなく、あくまでも我々が関与しているケース、ご家庭の中で必要だというところに、事業があることをご紹介をして、サービス利用に結びつけるといった種類のものとなっております。

 

◆井上温子

子ども食堂や支援団体に周知してもらいたいなと思っています。支援が必要だからサービスを使ってほしいと思う家庭ほど、先ほどの心理的な拒否感や経済的な負担感がある方がいます。それなりの収入があったとしても、長期的にそれが必要なケースとなってくると、どの世帯でも例えば毎日5時間、1時間800円で4,000円ぐらい、ずっと払い続けるのはつらいことだと思います。でも、それが全然周知がされていないので、そういった免除されるケースがあるということを周知していただきたいです。いかがでしょうか。

 

◎支援課長

関係機関に対する周知というところですけれども、なかなか難しいところがあります。必ずしもご案内いただいて、この制度を利用できるわけではないといったところがあります。我々の相談員ないし児童福祉司等がその家庭に関わる中で、育児支援ヘルパーやファミサポ以外も、相談員等の関与、あるいはほかの関係機関の関与、支援といったものをいろいろコーディネートする中で、必要なサービスがあり、その中ではそれが経済的なところ等がネックになっている場合にご案内するというところがあります。あらかじめそのような無償化できることをご案内をしてしまうと、かえってそういう無料で使えるというような誤解につながる可能性もあります。必要性があるご家庭が、もしそういったNPOさんであったり、子ども食堂さんの関与があれば、まずは子ども家庭総合支援センターにつないでいただいて、我々の担当等が関与する中で、ご案内をさせていただければなと考えております。

 

◆井上温子

つないでくださいということはできるわけではないですか。そういう負担を軽減することが可能性としてできますということを周知することによって、利用料がかかるから紹介すらできないということが防げると思うのです。まずそこの時点で分かっていないので、私自身ですら知らなかったのです。「無料にできることがある」と言われて、「そうなんですか」という話だったのです。それだったら、もう少し支援をつなげることが可能性としてありますよね。東京都のベビーシッターに関しては、事業者と直接やり取りするので、それが虐待や養育困難の家庭のサポートになるのかどうかというのはこれから見極めが必要だと思います。しかし、在宅子育て支援を充実させないと、児童相談所から在宅に帰ったときもそうですし、一時保護につながるかつながらないかといったケースのときに、在宅の支援策を充実させることによって、それを防げることになると思います。その辺の見解を教えてください。

 

◎支援課長

委員おっしゃるとおり、こういった在宅子育て家庭であったり、子育て家庭に対する支援の拡充が、虐待、あるいは虐待までは至らないまでも、重篤なケースの未然防止、予防に資するというところは、今我々取り組んでいるところでも感じているところです。一定の費用対効果であったり、限られた財源の中でできることを我々としては模索せざるを得ないというところがあります。当然、経済的な負担を軽減していけば、利用も拡充することはおっしゃるとおり、想定はされますが、限られた財源の中で、いかに効果的にやっていくのかというところは、しっかりと検討していきたいと思っております。また、養育支援訪問事業、あるいは来年度から始まるサービスの利用勧奨、措置の制度については、様々なケアを通じて、伝え方も考えなければいけないです。機会を捉えて、しっかりとお伝えできるようにしていきたいと考えております。

 

○主査

再質問者が一巡いたしました。再々質問につきましては、残り時間を質問希望者で割った時間が1人当たりの質問時間となりますので、ご承知おき願います。

それでは、再々質問のある方は挙手願います。1人当たりの質問時間が確保できませんので、3巡目の質問は行わないことといたします。以上で、本日の調査を終了いたします。

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○主査

これをもちまして、文教児童分科会を閉会いたします。

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