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2024年6月26日

令和6年3月8日文教児童分科会

3月8日文教児童分科会

議  題

所管の予算について

 

○主査

それでは、所管の予算についてを議題といたします。質問のある方は挙手願います。

 

子ども・保護者の孤独と

学校側の“問題の矮小化”

 

◆井上温子

24ページのいじめ問題対策と25ページの教育相談事業に関連して質問をさせていただきます。文部科学省から令和6年度に向けて、行政による学校問題解決のための支援体制の構築に向けたモデル事業の募集が現在行われていると思います。区としての検討状況についてお伺いいたします。

 

◎教育総務課長

国・都の新しい補助関係のお話だと思うのですけれども、単体で取り出して、今利用する、しないという検討の形ではありません。昨年度から引き続き内部では検討しておりますけれども、いじめや不登校、また学校支援、様々な困難事例もあります。そういう中で、どういう形で現在進行形かつ今重要な教育関係のことを組織の中で対処していくかということを考えているところがございます。新年度も引き続き検討して、一定の形、結論を得たいと思っております。その中で、そういった直接的に我々が組織として対応する部分、またさらにはそういった助成制度を使って外部人材を使って対処する部分、こういったものの絵をしっかりと描くための検討をしていきたいなという状況でございます。

 

◆井上温子

最近、またいじめについても私のところに相談が入ってきています。結構重い問題が入っています。あと、以前にも学校と保護者で対立してしまっている案件など、私が把握しているだけでも数多くの深刻な問題が学校現場で起きていると思っています。そのような中で、教員がメンタルの不調で病気になってしまうという話も多々聞きます。校長も副校長も大きな案件を一つでも抱えてしまうと、ある意味、時間が幾らあっても足りなくなる状況がきっとあると思われます。また、電話をかけても指導室長の不在がかなり多く、対応に追われているのかと懸念しています。全体的に教育行政には余裕がないのかなと思います。根本的な解決をしていかないと、現場がどんどん疲弊していって、今でも教員不足というのがありますけれども、本当に難しいのではないかと思っています。このモデル事業は、チャレンジする価値はあるなと私自身は思っていたのですけれども、それではなかったとしても、根本的な解決を来年度きちんと取り組んでいくことを考えていらっしゃるのかというのが大変気になります。もう一度その計画についてお伺いいたします。

 

◎教育総務課長

個別の問題事についての根本的解決は、そう簡単にいくものではないので、その問題の解決ということでいうと、根本というのは難しいと思っています。そうではなくて、それに対処する仕組みを根本的にということであれば、現行は、学校が対処する部分、できればそれでいいのですけれども、難しいところについては教育委員会が様々な支援を行っています。指導室等が積極的に関わり、教育支援センターも積極的に関わりながら、指導主事等の教育公務員の専門家が学校現場に知見、経験も提供しますし、また、いろんな対応の部分でも助力をするということ、さらには、それでもやはりなかなか難しい、足りないという部分は確かにございます。そういう部分については、例えば現在は教育総務課が、私が直接様々な形で支援をさらにプラスアルファで行うこともありますし、また過去には教育委員会の事務職員も総出で対処するということもありました。今はそういう形で様々な困難事例、学校が疲弊したり学校現場が非常に大変なことになる状況においては、教育委員会が支援をするという形で行っております。ただ、これについても限界もありますし、様々な大きなトラブルごとがこれ以上増えてくると難しいところがあります。根本的な対応の仕組みを昨年度からずっと検討しているというところがあります。それによって得られたものをどこまで実行できるかというのはありますけれども、そのあたり、しっかりと対応していきたいという考えでございます。

 

◆井上温子

よく分からなかったのですけれども、まず何が問題、課題なのかというのを絞って対処していくという必要があるのかなと思います。私自身が最近いろいろご相談を受ける中で思うのは、学校の先生たちの対処がうまくいかなくて教育委員会に行って、教育委員会でも難しいから私に対応を求めて来られる、大体そのステップで来るのですよね。それで課題をおっしゃるという話で、いろいろ整理していくと、学校関係の相談を受けて、やっぱり学校側は問題を小さく見せたいとか大ごとにしたくないとか、これ、よく教育委員会の方は否定されるのです。でも、先生や学校側は人間として考えうるものだと思うのですよ。どなたでもなるべく問題が起きたら小さく見せたい、なるべく大ごとにしないで解決したいということは、人としてそういうのはあるものだというところがまずありますよね。それ自体が悪いとか、いいとかではなくて、そういう特徴があるということを理解しなければいけないです。都合がいいやり方を学校側はしがちだというところですよ。これはいじめの案件のことではないですけれども、学校と保護者が対立したときのケースです。保護者側がどんどん孤立してしまう。学校と親が対立すると、保護者は孤立ですよ。誰も味方がいない状況になっていく。親も困っている。本当は医療にかかったほうがいいのではないかとか、カウンセラーさんに相談に乗ってもらったほうがいいのではないかとかと思うケースでも、学校からも教育委員会からもモンスターみたいに扱われていくので孤立する。虐待ではないから、子どもも保護もしてあげられないですよね。その家庭環境で育つお子さんは大変なものがあると思います。そこに関してはすごく課題だと思っています。でも、虐待ではないから子どもは保護できない。だから、子どもたち・保護者の孤立と、学校の先生が問題を小さく見せようとする、その2点がいつも思っています。そこら辺は課題を絞ってあげないと、解決策は出てこないと思います。根本的な解決を目指しているというのであれば、そういったところは考えていただきたいと思っています。保護者との、学校側が問題解決できないと、子どもはどんどんその中で成長していくので、将来への影響も大きくなっていくというのが懸念されると思います。学校も教育委員会も歩み寄りたいけれども、できないみたいな、そういったときに今回のモデル事業への応募というのは、私はすごく価値があることだと思ったのですね。アメリカのサンフランシスコだと「スクールメディエーション」が言われていて、どちら側の味方になるわけでもなくて、どちらのことも味方になってあげる、理解者になってあげることで解決していこうという手法です。教育委員会がやるとか先生たちがやるというのではなくて、そこの仲裁役というのが私は必要だと思っているのです。親御さんの味方に、どんなに親の主張が違うと思ったとしても、それを否定せずに味方でい続けてあげられる人がいないと解決にはいかないのかなと思うのです。スクールメディエーションに関する見解についてお伺いしたいと思います。

 

◎教育総務課長

今いろいろ頂きましたそういったことをしっかりと注意しながら、体制づくりを検討したいと思っております。

 

◆井上温子

ぜひ令和6年度に取り組んでいただきたいのが、いじめの問題でもそうですし、子ども同士のトラブルもそうですし、先生と保護者のトラブルもそうですけれども、自分たちで対話を重ねながらきちんと解決してほしいです。子ども同士はいじめが、大きいいじめは別にしても、問題が起きたときに先生が裁判みたいに、こっちが悪いとか、あっちが悪いとなりがちです。自分たちで問題解決能力を育んでいく時間、ゆとりがないのが大きな問題になっていると思います。そういったことも含めて、ぜひ今後やっていっていただけたらと思います。間に合うなら、ぜひモデル事業に応募して、教育現場が疲弊して、皆さん頑張っていらっしゃるでしょうけれども、本当に1個でも案件を抱えると終わりという感じの、学校全体が滞るところがあります。頑張ってもらいたいなと思っています。

 

「受益者負担」に違和感

 

◆井上温子

次に、産後ドゥーラについてお伺いしたいと思います。東京都の「とうきょうママパパ応援事業」の補助金を活用しているので、一般の方は都の補助額2,700円を引いた1,300円を自己負担として利用者に求めるということです。非課税世帯は半額で、生活保護受給世帯は免除となっています。私の認識でいうと、生活保護受給世帯よりも、非課税世帯のほうがすごく大変な状況にある場合もあると思います。生活保護以下の生活をしていても生活保護は申請されていないケースもあったり、様々なケースがあると思います。非課税世帯を半額にした理由についてお伺いします。

 

◎支援課長

受益者負担というところで、従来、現状の育児支援ヘルパーについては、有償ボランティアによる支援というところです。ファミリーサポートもそうなのですけれども、減免規定を設けておりませんでした。今般、事業者派遣型に切り替えるに当たって少しでも負担軽減を図ろうというところで、非課税世帯については半額減免、生活保護世帯については全額減免をさせていただきました。非課税世帯の減免が適切であるかどうかについては、様々ご意見はあるところだとは思います。これまでもショートステイ等についても、そのような形でこれまで減免規定というのをやらせていただいておりました。今後も様々なサービスを拡充する中で、利用者の負担については、状況をよく見ながら、頂いた課題については検討していきたいと考えております。

 

◆井上温子

私、こういう産前産後の事業を聞いていて思うのが、「受益者負担」と言われるとすごく違和感があるのですよ。例えば、パートナーが育休を取れないとか、里帰り出産をしたいけれども帰る里がないとか、近くに見てくれる親がいないとか、親が高齢で見られないとか。その環境は自分が悪いのかと聞きたいです。多分、里帰りする方、近くに親がいるあるいは同居している、そういうのは産後ドゥーラを利用しなくても周りに手がいっぱいあって、支援の手があるので、親御さんは休めたり、産後、充実した支援体制の中でやれるという話があります。そうではない方に関しては、受益者と言われると、いらいらしてきてしまうのです。「受益者」というのですか。

 

◎支援課長

ご負担いただく皆様に「受益者」という表現を使うかどうかというのは別にして、行政を担う者としては「受益者」という表現を用いるということはあるということをご理解いただければと思います。児童福祉に限らず、介護保険あるいは医療もそうです。様々な障がい福祉もそうですね。本人の望む、望まぬに限らず、何らかのハンディを負う中で公的なサービスを必要とする者においても、現状3割負担であったり、一定のご負担をいただきながらサービスの提供を行っているところがございます。なので、児童福祉においても一定のご負担をいただくというところは、一定必要なのかなと理解しているところです。ただ、委員おっしゃるとおり、子育て環境については近年目まぐるしく変わっているというところもございます。そういった負担の軽減等については今後検討していきたいと考えております。

 

◆井上温子

受益者は誰なのかという意味での受益者というのはいいのですけれども、受益者に負担を求めるというのが私は違和感があると思っています。受益者負担、別にゼロでいいではないかという話です。誰のためにやっているのかといったら、そういった方のためという意味での受益というのだったらいいですよ。でも、そこに対して負担を求めなければいけないという考え方が納得できない。さらに全体的な構造として、どういうふうに政策を考えているのかという思いがあります。私は産後ドゥーラは1歳までではなくて、6か月までに限定するという方向でいいと思うのです。生活が変わって、母親も体が回復していなくて一番大変な時期という意味では、期間限定、産後ドゥーラに関しては、育児支援ヘルパーやヘルパー派遣、そういうのは別として、それはいいと思うのですけれども、里帰りをしていなかったりパートナーが育休を取れていない、独りで休みなく育児が続くという、一日も休みなくということを想定したときに、独りでの育児になると分かった場合に関しては、ほかの条件に関係なく、産後3か月までは無料で、週1回でもいいので、1回例えば6時間程度、昼寝ができる時間を確保してあげるような政策を取る。これは産後ドゥーラでもいいし、育児支援ヘルパーでもいいと思います。供給量を私は見込んでほしいなと思っています。需要見込み人数と書いてありますが、どういうふうに算出したのかが分からないです。私、前から言っているではないですか。里帰りしない人は何人いるのですか。パートナーが育休を取れなかったのは何人いるのですか。実家の親に頼れない人はどれぐらいいるのですか。母数を出して、その人たちは二、三か月は特にずっと寝られないですよ。そのときに1週間に1回は休みをあげようみたいな政策をきちんと体系的に考えてほしいところがあります。ご見解を伺います。

 

◎支援課長

父親の育児参加も言われながら、まだまだ母親のほうにかかる負担が大きい。とりわけ、特にひとり親世帯等で支援者がいない中で育児をするというご負担は非常に厳しいものがあると認識しているところです。そういった背景を受けて、今般子育て支援事業についても拡充をし、より広く使えるようにしていくものだと考えております。ご利用の方に一定ご負担いただくところについては一定ご理解をいただきながら、今後も重要な課題として検討していきたいと考えております。

 

◆井上温子

要支援利用がすごい狭過ぎると思うのですよ。一日も休みがない方に関しては、私は支援対象者だと思うので、そういった人数が何人いるのかというのをきちんと割り出してほしいというのは前から言っているのです。体系立てて支援をしていただきたいので、ぜひ今後ご検討いただけたらと思います。

 

里親への支援体制について問う

 

◆井上温子

次に、20ページのヤングケアラーのところですけれども、ヤングケアラーの人数は出ていないことが気になっています。以前の委員会で、例えばやりたいことができないのとケアが重なっている、あと、精神的につらい、そういったこととケアが重なっている、そこの人数をきちんと抽出する必要があるという話を私はしたと思います。兄弟の面倒を見ているというケアと、自分のやりたいことができなくなっていたり、日常生活で体力が消耗していたり、朝寝坊しちゃう、そういう生活環境に影響を与えるケアは全然違うと思います。そこをまだ割り出してもいないということなのかをお聞かせください。

 

◎子ども政策課長

その辺の細かい分析はまだ至っていないというところです。来年度はアドバイザーも来ますし、我々、その方々とも相談しながら、そういったところ、あと教育現場もありますので、そういったところと連携しながら、数や支援の在り方を検討していく予定でございます。

 

◆井上温子

せっかく貴重なアンケートを行ったと思います。そこをきちんと、そこから支援が必要なヤングケアラーはどれぐらいいるのかを数として、想定人数となると思いますが、出していただきたいと思います。

次に、19ページの里親支援・普及啓発事業について伺いたいですけれども、里親を育てる親御さんで結構大変な思いをされている方が数多くいらっしゃると認識をしています。里親が広がったらいいなと思う反面、支援体制がどうなっているのかが気になるところです。現状をお聞かせください。

 

◎援助課長

里親の支援につきましては、現在、子ども家庭総合支援センターに里親係がおります。そのほかにフォスタリング機関として委託の事業をしております。こちらの里親さんについてお子さんが受諾された場合には、委託当初の訪問や相談体制といったところには、すぐに相談に応じられる形にはしております。

 

井上温子

里親支援・普及啓発事業の予算の内訳を聞けたらありがたいです。フォスタリング機関として、民間に委託してという資料は頂いているのですけれども、令和6年度に向けて変更点や充実した点などありましたら教えてください。

 

◎援助課長

令和6年度に向けて、内容的には大きな変更はございません。

 

◆井上温子

里親を倍増していこうという形で、意欲的に取り組んでいることについては、大変評価が高いと思っています。里親を委託など板橋区の中でやっていくに当たって、何が課題となっているのかを教えていただきたいです。また、委託件数と、また委託解除するということもあると思うのですよね。1年以内の解除が結構多いと聞きます。そういった委託件数と解除数というのを教えてください。

 

◎援助課長

すみません。先に普及啓発の課題について、まだ区内での啓発は始めたばかりのところですので、これから地道に活動して、そこの効果が出てくるのは、少し先のところかなとは思います。ただ、一応確実に東京都でやっていたときよりも新規の登録数は増えてございます。令和5年度、本年度については、新規の養育家庭の登録数9件、新しく登録になっております。一応、委託と解除というお話ですが、今年、区内の里親さんに新しく委託をしたお子さんは5件ございました。解除も、たしか2件程度ございます。解除については、やはり年齢が高いお子さんだと、当然、お子さんの生活環境とご家庭の生活環境が異なったところといったところと、あとはやはり、当然まだまだ新しく受けるというのですかね、新しくお子さんを受ける里親さんなので、慣れていないところもございます。幾つか、やはり里親さんの中で、ここが課題、不安だといったところが出てきた場合には、こちらもそれを当然ご相談もし、フォローもしていくところです。やはり大きな問題にならないところで、またこちらも対応していくといったところで、今やっているところでございます。

 

◆井上温子

実親の元に戻るとか、やむを得ない事情というのも、もちろん解除の中には含まれてくると思います。慣れない中で、最初に試し行為とか、いろんなことが起きやすいと言われている中で、最初の半年、1年を乗り越えることが大変になってくると思います。そこら辺の支援は、委託でやっていることだと思うのですけれども、どのように連携して取り組まれているのか。家庭訪問や相談支援はしているというのは見ているのですけれども、具体的に、例えば、育児・家事援助者派遣みたいなのもあると書いてあるのですけれども、里親になった方の何割ぐらいの方が使われているのか、状況について教えてください。

 

◎援助課長

家事援助、レスパイト、お子さんを場合によって預けることができるという制度もございます。確かにそれを使っている方、使っているところもいらっしゃいますが、数としてはそれほど多くはございません。新しく委託されたご家庭が大変なのは、そのお子さんに、それぞれお子さんの特質があります。どんな対応をすればいいかといったところが一番お悩みのところで、そこについては、一応、親御さんのお話を聞く、親担当の児童福祉司、それから、当然子どもにつく子ども担当の児童福祉司、そのほかに、児童相談所とはまた別の立場で親御さんの話を聞いたり、相談したりというのがフォスタリング機関になります。フォスタリング機関が、日々の子どもにこんな対応、こんなことをやっているのだけれども、こんな対応をすればいいのではないかというアドバイスは、フォスタリング機関がしています。場合によっては、児童心理司や児童福祉司がお子さんと親御さんを呼んで、一緒に通所のことをやったり、対応の仕方を一緒に考えたりしております。

 

◆井上温子

板橋区の中で、里親に関わる方というのは専任の担当職員がいる状況になるのか、それともほかと兼任しているという状況なのか、教えてください。

 

◎援助課長

板橋区の中で、里親専任でスタッフが4名おります。

 

◆井上温子

専任で里親のことを第一優先で考えられる環境が大変重要と思います。それが足りているのか、足りていないのかというのは分からない。そういったところに課題があるのか、ないのか、教えていただけますでしょうか。

 

◎援助課長

数的なところを言えば、フォスタリング機関もついていますので、ある意味で数は十分かとは思っております。ただし、どのようにお子さんに対応していくのか、里親さんは24時間お子さんに対応しており、かなりご苦労いただいているところも、十分承知しております。そこにどういった形で、里親さんのお悩みに応えていくか。子どもの特質を一緒に考えていけるか。そこの質といいますか。アドバイスの質の問題かなと思っております。そこは職員と里親さんと一緒に学んでいかないといけないところかと考えております。

 

◆井上温子

分かりました。十分だということで、よかったなと思うのですけれども、これから倍増していく形で、どんどんケース数が増えてくると、また手が足りなくなってきたりするのかなと危惧します。あと、解除の件数がやむを得ない理由を除いて、なるべくないように、子どもが同じ大人と愛着関係を育めるといいのかなと思っています。障がい者、大人の支援をしている中で、やっぱり子ども時代に、すごく壮絶な環境で暮らされていたという背景を聞いていたりするのです。障がいを持つお子さんの里親、委託とも、一番小さいときは分からないかもしれないですけれども、だんだん大きくなるにつれてそれが見えてきたりすることもあると思います。障がいをお持ちのお子さんの委託というケースも、現在ではあるのでしょうか。専門的なほうの里親になるのかもしれませんけれども、いかがでしょうか。

 

◎援助課長

障がい、いわゆる愛の手帳をお持ちのお子さんを委託しているということはございます。あと、やっぱりお子さんにより、発達に偏りがあるとか、特質があるというお子さんもお願いをしております。それぞれかなりご苦労というか、やっぱり里親さんなりに随分、それぞれの子どもに応じた対応はしていただいていると思っております。

 

育児支援ヘルパー、

児童相談所と関係機関の連携について

 

◆井上温子

次の質問に移りたいと思います。次は、育児支援ヘルパーについてお聞きしたいのですけれども、今年度からパソナライフケアへの委託が始まったと聞いています。この事業者がベビーシッターの訪問を担当されているのかなと見受けられるのですが、委託金額やベビーシッターとの兼ね合いでの一括委託になっているのかだとか、その辺の金額と手法についてお聞かせください。

 

◎支援課長

まず、今年度実施しているベビーシッターの利用派遣事業ですけれども、こちらのプロポーザルで公募をさせていただきました。その中で複数応募があった事業者の中から選定をさせていただいた結果、パソナライフケアさんが選定されたというところでございます。育児支援ヘルパーの事業者派遣型につきましては、来年度の4月1日から開始をするというところで、現在準備を進めているところです。こちらにつきましても同様に、プロポーザルで事業者の募集を行いました。応募は1者のみだったのですけれども、結果、パソナライフケアさんと契約させていただいているというところになります。それで具体的な契約の金額ですけれども、すみません、今具体的な金額について手元に資料がないので、それは後日、資料等で回答させていただければと思います。

 

◆井上温子

分かりました。育児支援ヘルパーを担当されていた今までの職員さんは、どうされるのかというのを教えてください。

 

◎支援課長

現在、育児支援ヘルパーで活躍いただいている方々につきましては、2回説明会のを行わせていただきました。希望者につきましては、引き続きパソナライフケアさんが契約を結んで、引き続き、同じように支援を入っていただけるという体制をつくっております。

 

◆井上温子

職員さんのほうですね。板橋区の職員が今までやっていたのではありませんでしたか。育児支援ヘルパーは、板橋区が窓口になって派遣していたのかなと記憶しているのですけれども。それを委託で外出しをすることによって、その職員さんの仕事がなくなるのではないのかなと思うのですけれども、その方が来年度どういうふうな形に変わるのかを教えてください。

 

◎支援課長

失礼しました。派遣につきましては、令和4年度から、育児支援ヘルパーの派遣の調整等の事務についても委託をしておりまして、有償ボランティアである区民の方がいて、委託事業者が区民とのマッチング、調整等を図っているところで実施をしておりました。今回、令和6年度からは、今までの事業者、窓口から、また新たに別で育児支援ヘルパーのみの事業者の調整等を行うところで、事業者さんにお願いをする形になります。

 

◆井上温子

令和4年度から区がやっていなかったってことなのですね。区民の方といろいろ話している中で、児童相談所から虐待に関して、各施設やあいキッズ、保育所、そういったところや様々なところに、研修という形でいろんな文書が配られるようです。その中で、あいキッズの職員さんも指導してください、たたかないように指導してくださいとか、虐待が起こらないように指導してくださいみたいな文言が結構あったようなのですね。あいキッズの職員さんのお話を聞いていると、日常の関係性を育むために、あまり強く指導やいろんなことをできない環境にあるみたいな話をされていました。現在、児童相談所から研修という形で、区内の施設や子ども関係のところにいろんな文書を出すのだと思うのですけれども、どういったものが出されているのかというのが私もまだ把握できていません。それが資料であれば頂きたいですし、どういった連携体制を取っていかれようとしているのかを教えてください。

 

◎支援課長

いわゆる児童福祉法で定める児童虐待については、保護者から児童に対する身体的虐待等を指しているところで、あいキッズであったり、そういった事業者の従業員等から児童に対する暴力というふうになると、児童福祉法の範疇ではないところの課題になってくるところがございます。我々、子ども家庭総合支援センター等の機関から、各関係機関に発出する場合には、児童虐待防止対応ガイドラインで、例えばけがをして学校に来た、あるいはあいキッズに来たお子さんを発見した際に、どのような流れで、我々のところに通告をしていただくのかであったりとか、けががひどい場合については、写真撮影をお願いしたりする場合があります。どのように写真を撮ると望ましいのかであったり、そういった流れについて定めたガイドラインというのがございます。今2年に1回更新をしながら配布をするとともに、要保護児童対策地域協議会の専門の職員が今、アウトリーチということで、各機関を回っております。ガイドラインの説明を行ったり、早期発見、未然防止のための周知は行わせていただいております。そういった意味合いでのガイドラインのご提供であれば、資料としてお出しすることは可能です。

 

◆井上温子

お願いします。未然防止のために、委託先の職員さんにどういうふうに対応をしてほしいみたいなものが、伝達されているみたいです。それに課題があるかないかは資料をもらわないと、全然私の中でも判断がつかないのです。ただその職員、あいキッズの方は、違和感を覚えていたということがあったので、そこをきっかけに見させてもらえたらというふうに思っています。さらに、保護されたケースで委託先の事業所が要対協にも入れないというケースがあるみたいです。私にとっては保育所やあいキッズだったら、優先的に、一緒に要対協に入って、考えていくものなのではないのかという認識でした。その辺の認識が違かったのであれば教えていただきたいです。あと、もう一つ、一時保護所がいっぱいなのか、一時保護所自体ではないような気がしているのですけれども、一時預かりなのか分からないのですが、そこがいっぱいで、民間の子ども食堂が1泊、2泊預かったみたいなケースがあるみたいです。現状、そういったケースが発生しているか、ショートステイでも、一時保護所でも、今文教児童委員会の関係各所で、何かしらのショートステイなのか、定員がいっぱいでお断りするようなケースが児童相談所案件だけではなくても、あるのであれば教えていただきたいと思います。

 

◎支援課長

まず、関係機関との連携ですけれども、基本的に、あいキッズ、学校、保育所については、そこに所属をするお子さんについて、何らかの虐待であったり心配な事柄があって、関係機関で役割分担等を見直すときには、関係者会議等を行って、情報共有、また役割分担というのを行っているところです。あとは、恐らく私人として関わっている場合に、その方にどこまで参加をしていただくのかといったところは、課題になる場合はあるのかなと考えております。

 

◎援助課長

一時保護のことについてですが、子ども食堂という話が出るのは、それは個別の案件なので、ただそれはそういうことはないと思います。話の成り行き上、ある意味でいろんなお話の中で保護に至らなかったといったところはあるかと思いますが、必要な場合においては一時保護はいたしております。あと、すみません、前の質問に戻るのですが、あいキッズさんなどの関係機関のご対応について、それぞれの関係機関、保育園、あいキッズ、保護者との関係があるので、それはそれを尊重しつつ、ただ、ある意味で児童に関わる施設の方には、ぜひやっぱり児童虐待の対応についてはご理解をいただいて、やはり体罰は禁止だといったところに法律も変わっておりますので、そこのご理解をいただいて、ぜひそれぞれの職場でやっていただきたいといったところを要対協の実務者会議などを通じてお願いをしているところはございます。

 

◆井上温子

民間の施設で宿泊というのは、どうなのかなというのがあったので気になって、区のショートステイとか、そちら側は大丈夫なのですか。一時保護やショートステイというと、いろんな事業があるなと思ったので、満員で受け入れられないという、定員をオーバーしてしまうようなケースが、子ども家庭総合支援センター系でなくてもあるのだと思うのですよ。だから、どこのことを言っているのかが私には分からなくて、そこら辺で何かあれば、教えていただきたいですけれども。

 

◎支援課長

ショートステイについては、利用の枠に限りがありますので、どうしても利用いただいても枠がいっぱいですとお断りするケースがあるというところがございます。一時保護につきましては、当然保護所には定員がありますので、それを超えての入所は限度はあります。特別区で児相設置区あるいは東京都とも連携をしながら、相互に一時保護の委託をすることで、一時保護が必要なお子さんを、いっぱいだからしないという判断はないと思っております。個別の、今例に挙げられていたケースについては、非常に具体的な個別の事案になりますので、子細を申し上げると個人情報のところに触れるところもあります。具体的な説明はできないのですけれども、我々としては一時保護ができる環境ではありましたが、ご本人の意思であったり、その状況から一時保護には至っていなかったのかなと、恐らく、今伺っていて想定しているお子さんについては、そういったところなのかなと思っております。

 

◆井上温子

板橋区の定員がある程度いっぱいになってしまうということは、断りやすさを生むとは思うのですね。自分たちに余裕があれば、どちらか迷ったときにうちで受けられますということが言えると思うのですけれども、9割方いっぱいな状況が続いてしまうと、必要なケースか、必要ではないかとなったときに、お帰りいただこうという選択肢を取りやすくなってしまうという事実はあると思います。そういった課題はないという認識でよろしいのか、教えてください。

 

◎援助課長

かなり一時保護所、ほぼ100%に近い状況にはなっています。やはり少なくとも去年よりも、今年の保護人数は増えておりますので、そこは今後やっぱり考えていかないといけない課題かと思っております。ただ、保護が必要な場合には、申し訳ないですけれども、本当に部屋を子どもたちに我慢してもらって、お泊まりはいただいている状況ではあります。今後、ほぼ対応すべき案件には対応していると考えております。

 

 

○主査

再質問者が一巡いたしました。

再々質問につきましては、残り時間を質問希望者で割った時間が1人当たりの質問時間となりますので、ご承知おき願います。それでは再々質問のある方は挙手願います。1人当たりの質問時間が確保できませんので、3巡目の質問は行わないことといたします。

以上で本日の調査を終了いたします。

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○主査

これをもちまして、文教児童分科会を閉会いたします。

 

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