2024年7月3日
令和6年3月19日予算審査特別委員会
令和6年3月19日予算審査特別委員会
予算審査特別委員会記録
○委員長
本日の総括質問は、民主クラブ、共産党、日本維新の会、いたばし未来、参政党及び無所属議員が行い、総括質問が終わりましたら表決を行います。なお、表決が終わるまで委員会を継続いたしますので、ご承知おき願います。
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学区内に遊び場を
ボール遊びができる公園を
○委員長
次に、いたばし未来の総括質問を行います。井上温子委員、お願いします。(拍手)
◆井上温子
通告に従いまして、令和6年度予算に対する総括質問を行います。よろしくお願いいたします。まず、最初に学区ごとの子どもの遊び場・居場所計画について質問いたします。以前、この件について一般質問で質問しましたところ、遊び場・居場所の計画は策定する予定はないということでした。そこで、質問します。学区ごとに小学生、中学生の遊び場、居場所に偏りがあることは板橋区として把握されていらっしゃいますでしょうか。
◎子ども家庭部長
学区ごとの遊び場や居場所の偏りの件ですけれども、板橋区としましては「こどもまんなか社会」の実現に向けまして、また板橋区が子育てしやすいまちであり続けるためにも、子どもたちが地域で楽しく安心して過ごせる遊び場や居場所があることが重要であると考えています。子どもへのアンケートの結果、その居場所についてはいろいろ民間施設を含めて様々あるというところを再認識しております。学区域ごとの単位ではないですけれども、子ども家庭部では26の児童館ごとに近接する公共施設や企業、商店街、学校などの地域資源を抽出しております。地域特性を生かすことを視野に、令和8年度の児童館のリニューアルも含めて検討を進めているところでございます。
◆井上温子
回答が分かりにくかったのですが、小学校や中学校の校区ごとには居場所の偏りがあるか把握しているのかいないのか。また、以前は計画をつくらないとおっしゃっていましたけれども、今の答弁ですと計画を進めていただけるのかと認識をできるのですけれども、居場所の計画をしていただけるということでよろしいでしょうか。
◎子ども家庭部長
学区域ごとについては、現在まだ分析はしておりませんけれども、必要な視点の一つだと認識しています。計画について、今回井上議員のおっしゃる話は横串を通すような認識だというふうに私の中では考えております。各行政部門の各種計画の中で横串を通した上で全体像を把握していくべきだと考えているところです。
◆井上温子
ありがとうございます。区が学区別の調査をするかしないか曖昧でしたので(重ねて質問しました)。私自身は、仲間とともに学区別の遊び場・居場所の調査を独自で進めております。スライドをご覧ください。例えば中学校区で見ますと、志村第一中学校ではi-youthがあり、またボール遊びができる公園が2か所あり、図書館があり、板橋区の中では子どもたちにとって居場所が充実した地区になっていると思います。一方で、板橋第二中学校ではボール遊びができる場所が1か所あるものの、室内の居場所がありません。中学生の居場所としての活用が期待される児童館も図書館もありません。中学生が安心していられる室内の場所について、地域資源の発掘が必要な地域となります。隣の板橋第一中学校はどうかというと、i-youth、図書館、ボール遊びができる場所はありません。児童館はあります。公園や空き地において、ボール遊びができる場所を設置できないか検討が必要です。候補地がなければ板橋キャンパスの整備と併せて設置するのも一つではないでしょうか。室内については、児童館を活用するのか、ほかに設置するのか、工夫が必要です。室内も板橋キャンパスを進めていく上で整備する可能性もありますし、また社会福祉法人が設けているグループホームの地域交流スペースを先日視察させていただいていますが、こういったところの活用もあり得ると思います。さらに場所がなければ、板橋区の区役所の会議室を夕方以降中学生の居場所にするといったことも最終案としてはあるのではないかと思います。これは、文京区でも同じスペースを日中職員の会議室として使っていて、夜は中学生の居場所、高校生の居場所にしているといった事例もあったからです。
このように学区で区切って地域資源を見ながら、子どもたちの居場所を計画的に進めていれば、他部署が管轄する施設や土地に子どもたちの居場所を提案していけると思います。現状は、結局その学区ごとの偏りやこの地区に何が必要かというような抽出ができていないので、大山のまちづくりや高島平のまちづくりが進んでいったときに、子ども家庭部として、子どもたちに大切な居場所の提案がまちづくりにおいてできていないのではないかと思います。先日、公園について寺田区議が質問された際に、土木部長からは以下のような答弁がありました。「ボール遊びを含めた子どもの遊び場については、個々の施設の内容や面積、均等配置がいいのか、児童数を反映した配置がいいのか、そういった目標や基準がない。このことが計画的な整備を遅らせる原因だと認識しております」。このように答弁されています。計画的な整備を遅らせる原因が分かっていたら、区が改善をしていくことが重要だと思うのですが、見解を求めます。
◎子ども家庭部長
子どもの遊び場や居場所の整備について、地域資源の把握に加え、各地域の人口、既存施設の活用の可能性、財源確保など、総合的に検討する必要があると考えております。個別に計画を作成する予定はございませんが、令和8年度から次期の「いたばし子ども未来応援宣言」の計画の策定を予定しておりますので、頂いたご意見の趣旨を踏まえながら、子どもの遊び場・居場所の全体像について、計画への反映を検討してまいります。
◆井上温子
そうしましたら、ぜひその中に居場所の乏しい地域、学区、特に小学生においては「学区の中で遊んでください」というような指導が先生から来ることもあるわけですね。中学生においては、2キロ範囲ぐらいだと移動されているというのがi-youthの調査からも分かります。その実態を踏まえて、学区に一つずつ遊び場があるような未来を目指していただきたいと思います。反映していただきたいと思います。
次は、ボール遊びができる公園の学区ごとの配置について伺います。区議会においては、平成26年、そして令和元年度をピークに、様々な会派からボール遊びができる場所を増やすよう要望が上がってきております。私自身も、平成25年からこういった質問をしてまいりました。であるにもかかわらず、なかなか前に進んでいない現状があると思います。板橋区は、ボール遊びのできる公園が15か所あるとしていますが、私が資料要求した令和元年度から一つも増えていないと伺っております。スライドをご覧ください。中学校区が22ある中、ボール遊びができる公園がないのは11か所となっています。小学校区51か所のうち、ボール遊びができる公園がないのは37か所となっています。ボール遊びができる公園の分布を地図で見てみますと、特に板橋第六小学校から板橋第十小学校辺りは全くボール遊びができる場所がないことが見えてきます。また、高島平のエリアにもボール遊びができる公園がございません。ボール遊びができる公園がない学区は、ボール遊びができる公園を設置できるよう公園や空き地等の調査、検討を行ってはいかがでしょうか。ボール遊びができる公園のところを青い丸にしていますが、公園の数は板橋区は多数あるわけですよね。その中で使われていないような公園、そういったところも見繕って、ないところに設置していくということも可能だと思います。また、これはみどりと公園課の資料要求で出てきた資料ですけれども、逆に赤塚公園や土手、様々な場所で総合的に見ていくことで、学区別に子どもたちにボール遊びができる公園を提供していくこともちろん可能だと思うのですね。そういったことをぜひ進めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
◎子ども家庭部長
ボール遊びがしたいという子どもの思いを尊重することは、令和5年の4月に施行されました、こども基本法の基本理念にものっとるものであると考え、子どもも社会の一員であるという認識の下、その意見を可能な範囲で施策に反映することが求められているという認識でおります。ボール遊びにつきましては、令和4年度からほぼ全小学校の土日祝日の施設開放において、軟式野球ボールやサッカーボールで遊べるような対応になったということもありますが、引き続きそのような様々な創意工夫を重ねる必要があると考えております。土木部のほうでも、来年調査委託としまして一定規模の大きい公園を抽出して、調査をする予定と聞いております。都市部における限られたオープンスペースの有効活用について、引き続き子ども家庭部としても認識してまいります。
◆井上温子
土日祝日については校庭開放がという話がありましたけれども、平日の夕方に関しては活用ができない現状にあります。あいキッズを利用していない小学生や中学生で部活がない子どもたちに関しては行く場所がない、ボール遊びがしたいと思ったときに使える場所がないというのが現状です。そこを踏まえて、一歩進むのに何年かかるのかというのが分からないというような現状ではなくて、きちんと整備計画をつくっていただいて、いつまでにどれぐらいの量を整備するのかという目標値を決めていただいて、やっていただきたいと思います。まずは、中学校区に遊び場が、きちんと子どものボール遊びができる公園を造る、そういったことができないのかということについてぜひ前に進めていただきたいと思います。今、校庭開放のことも出てきたのでお伝えしておきたいですけれども、先日土日の校庭開放についてもほかの議員から質問があったと思います。ボール遊びを1時間だけやれるようにしていると話されていました。もっと長い時間で議論してほしいという質問に対して、幼児もいるので安全性を考慮してそれは難しいといった回答があったと思います。私は本当に思わず「えっ?」となったのですよね。幼児連れの親子が校庭に、あえてそこを選びますかというところです。校庭は、ぜひ小学生や中学生のために第一優先に活用させてあげてほしいと思います。私も乳幼児を連れて歩きますけども、別に何もない校庭にあえて行こうとは思わないですよ。別に児童遊園でいいし、赤塚公園の広い公園も幾らでもあるわけですね。そこで、そういったことを原因に小学生、中学生のボール遊びを妨げるようなことはしないでいただきたいと思うので、ぜひそういったことを整理して、計画を進めていただきたいと思います。
次に、室内の遊び場・居場所について質問いたします。室内の小学生、中学生の居場所がない学区については設けるように検討を進めていくべきと考えます。小学校については、中高生の居場所はあいキッズが機能していないことから居場所の整備が必要ということは区とも共通見解が持てるようになってきました。中学生の居場所もi-youthを今後増やしたいということで、うれしく思っています。今後、計画的に小学生、中学生が過ごせる室内の居場所を整備していくに当たって、活用可能な施設を学区別に整理していくことが必要と考えます。スライドをご覧ください。志村第四小学校については児童館が2つ、図書館はありません。どちらかの児童館の午後の時間は小学生中心の居場所にしてもいいのではないでしょうか。一方で、板橋六小については児童館も図書館もありません。大山の再開発の中で整備をしたり、福祉施設だと「クローバーのさと」がありますが、連携した整備ができるのかなど可能性として考えられます。このように児童館しかない学区には、小学生の居場所を積極的に設けたり、児童館がないところには図書館を活用して居場所を設けたり、地域資源がないところには新たに子どものスペースを設けるなど、その他の公共施設や民間資源を活用するなど工夫していく必要があるのではないでしょうか。小学生は特に行動範囲が狭いということを念頭に置いて、学区ごとの居場所整備に力を入れていただきたいと思います。中学生においては、i-youthは2か所しかありませんので、整備が行われていない学校は20学区となります。中学生については、学区を越えての移動も容易と思われますが、i-youthの調査からは約2キロ圏内の中学生の居場所が必要です。今後、児童館での若者の居場所を推進することが検討されていくと思いますが、地域別の課題を見据えての設置が必要です。志村第一中学校と板橋第一中・第二中に関しては、先ほど地域別のスライドを紹介したのでここでは省きますが、例えば一中であればグリーンホール、文化会館、区役所といったところへの居場所の整備も検討できます。学区別に何が足りていないのかを検討することで、若者の居場所の整備は突然ベストにならなくてもベターな環境をつくっていけると思いますが、見解を伺います。
◎子ども家庭部長
今回、学区域のお話がかなり出ているのですけれども、必要な見方の一つであるという認識ではあります。学区域は大小様々でございまして、あと井上委員の資料でも、その境目にある施設というのがなかなか取扱いが難しかったりします。我々区としましては、限られた施設資源を、例えば徒歩圏内や高低差、太い道路が通っているとか、様々な捉え方で総合的に考えていきたいと思います。それから、小・中学生の話ですけれども、年代別にのびのびと過ごせる居場所を設置することが必要だと考えております。今定例会で最終報告を行いましたけれども、児童館については乳幼児だけでなく小学生向けの機能拡充や一部の児童館におけるi-youthのサテライト化について、令和8年度に施行できるように検討を進めているところでございます。引き続き、子ども自身の声にも耳を傾けながら、中学生、小学生の居場所について拡充を進めてまいりたいと思います。
◆井上温子
学区にこだわらないという話もありましたけれども、学区も一つの単位だと思います。学区の端と端に、例えばその子どもたちがいられる場所ができたのであれば、そこで十分だから学区の中にはないけれども、こういう学区の境目に2つ造ったので解決したとか、そういうもちろん見解でもいいのです。子どもたちが困らなければそれでいいのですけれども、学区ごとに一応1年生から6年生、例えば中学生だと7年生から9年生と、それなりの人数がいらっしゃるわけですよ。その子たちがどこで過ごせるのかというのを、学校としてご案内できるぐらいきちんとそういった子どもたちの居場所の確保というのを努めていただきたいので、最後にもう一度決意を聞きたいと思います。
◎子ども家庭部長
子ども視点というのを忘れないで、施設の整備についても努めてまいります。
◆井上温子
ありがとうございます。ぜひお願いいたします。本当に小学生3年生が例えば移動できる範囲はどれぐらいなのだろうということを、子どもの視点に立って地域をもう一度改めて歩いてみる、眺めてみるということを通して、ぜひ前に進めていっていただきたいと思います。
生活支援コーディネーターは
何を課題解決しなければならないか
建設的な分析を
◆井上温子
次の質問に移りたいと思います。地域福祉コーディネーターと生活支援コーディネーターについて質問します。最初に、活動報告書について質問します。板橋区では、地域福祉コーディネーターも生活支援コーディネーターも設置したものの、どういった活動が行われたのかが不明なのが問題となっています。住民主体という言葉を盾にふわっとしています。また、活動実態が分からないので、指摘のしようがなく、私自身も年月が過ぎていきました。文京区では、地域福祉コーディネーター、生活支援コーディネーターについての活動をまとめた報告書がありまして、実績や役割、課題がよく分かるものとなっています。この報告書を見た際に、板橋区に何が足りなかったのかがよく分かりました。例えば生活支援コーディネーターは、生活体制整備事業であるにもかかわらず、実績として何が整備をされたのか、何が課題で整備が進まないのか、どういった提言をしているのかも分からない状態です。地域福祉コーディネーターは、モデル配置期間中ではありますが、モデル配置だからこそ報告書にすることが重要です。文京区では、約50ページにわたる年度の報告が出ておりまして、読んでいても大変勉強になるものでした。ぜひ地域福祉コーディネーター、生活支援コーディネーター、それぞれで年度別の活動報告書をきちんとまとめるべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎福祉部長
地域福祉コーディネーターにつきましては、令和5年度、今年度より板橋区社会福祉協議会に委託して実施をしているものでございます。活動報告につきましては、月ごとの報告を受けるとともに、年度の活動終了後に社会福祉協議会において年間活動報告書が作成され、区に対し報告、提出されます。報告書の内容につきましては、他の自治体の報告書等を参考にし、作成するように社会福祉協議会と協議をしてまいります。
◎健康生きがい部長
生活支援コーディネーターは、区が板橋区社会福祉協議会に委託している生活支援体制整備事業、先ほどご紹介いただきましたが、この事業におきまして地域の支え合い会議ごとに配置しており、地域の住民や介護施設等で働く専門職などが担っているところでございます。生活支援コーディネーターは、毎月地域ごとに活動連絡書を作成しており、区もこれを確認するとともに、毎月開催される支え合い会議の定例会には区の職員も同席し、生活支援コーディネーターの活動を把握、共有しているところでございます。今後、生活支援コーディネーターがより一層役割を果たせるよう、報告等のあり方も含めて活動状況の把握に努めてまいります。
◆井上温子
地域福祉コーディネーターも、生活支援コーディネーターも、報告書は私も拝見したことがあるのですけれども、その中身は具体性がないですよね。何をしました、何件相談ありました。で、どうしたのという話ですよね。その中身の充実というのが大事だと思います。地域福祉コーディネーターはモデル配置なのでこれから頑張っていただきたいなと思いますけれども、生活支援コーディネーターは報告書の内容やこの何年間も特にあまり変わらない状況に対して、部長としては課題意識がないということでよろしいでしょうか。それとも、きちんと文京区の例を参考により充実したものに改善していこうという気があるのかお答えください。
◎健康生きがい部長
生活支援コーディネーターの活動の状況でございますけれども、具体性に乏しいというようなお話もいただきました。ただ、一方で今年度区役所の1階でご覧になられた方もいると思いますけれども、支え合い会議ごとのパネル展示を行いまして、それぞれの地域でどんな活動がされているかということについて、それぞれの地域が頑張ってつくったパネルを紹介したところでございます。活動内容が全く分からないという委員のご意見を、支え合い会議のメンバーが聞くと非常に悲しい思いをするのではないかと思います。その旨伝えるとともに、こういった広報のものがきちんと皆さんに伝わるような形になるように、数字等も具体的に入れながら作成するといいですよとアドバイスをいただいたと思いますので、その形で伝えるとともに、取りまとめております社会福祉協議会にも伝えてまいります。
◆井上温子
言っていただいて構わないです。イベントやお祭りではないですよ。協議体は集っていただいて、やる気のある人たちがいっぱい話し合っていただいて、すばらしいことだと思いますよ。でも、生活支援コーディネーターは別ですよ。協議体と生活支援コーディネーター、分けて考えていただきたい。生活支援コーディネーターは、有給の職員さんを配置できるようになったという可能性を考えて、毎日の活動をいかに変えていくのか、そしてその担い手をつくり出していくのかというところで実績が出てこないのです。そこを私は地域づくりを進めていく上で本当に重要だと思っていますので、パネル展示しましたよ、イベントしましたよ、毎月協議体を開いていますよ。それが、生活支援コーディネーターが実績として挙げていいことではないですから。そこをやっぱり認識していただきながらやっていただかないと、文京区さんとか頑張っている自治体とは大きな差が開いていってしまう。そこを私は認識していただきたいと思います。次に、地域福祉コーディネーターの役割としてはなく、生活支援コーディネーターにあるものとして、住民主体の活動を創出する役割があると思います。板橋区の生活支援コーディネーターは担えているとお思いでしょうか。お伺いします。答弁できないみたいなので、次に行きたいと思います。
○委員長
答弁できますか。
◎健康生きがい部長
大変失礼いたしました。新しい事業の創出等、支え合い会議、それから生活支援コーディネーターが担えているかというようなお話をいただいたと思います。現状、支え合い会議はかなり高齢化が進んでいて、住民主体でやっている中で専門職も入っている中ですけれども、例えば文京区さんが行われているような、特筆するような新しい事業というのはなかなか生み出せていないというのが現状のところでございます。
◆井上温子
ぜひ、みんな頑張っていますね、すばらしいですね、生活支援コーディネーターがいっぱい実績を出していますねというのをまとめる以上に、きちんと何を私たちはしていかなければいけないのか、これから何を課題解決していかなければいけないのか、生み出さなければいけないのかというのをぜひ建設的に話し合っていただきたいなと思っています。私自身、地域活動をずっとやってきたからこそ、そこに思いがあって厳しいことを言っているということも理解していただきながら、前に進められたらいいなと思います。
次ですけれども、生活支援コーディネーターと地域福祉コーディネーターの兼務について伺います。地域のネットワークづくりや住民主体の活動を進める生活支援コーディネーター、地域資源につなげたり、参加支援を行う地域福祉コーディネーターは、地域づくりを行う中での一連の流れでありまして、共通の部分も大変多くあります。一体的に進めることも可能であると考えます。一体的になる人材や団体を育成し、兼務についての可能性を検討するべきと考えますが、見解を求めます。
◎福祉部長
地域福祉コーディネーターの事業につきましては、モデル事業として今年度開始したものであります。生活支援コーディネーターの兼務について現段階では検討していないところであります。まずは、現在行っておりますモデル事業の効果検証を進めるとともに、関係部と連携をして、仮に兼務した場合のメリットや課題を整理するなど、その可能性について研究を行ってまいります。
◆井上温子
ぜひ研究、検討していっていただきたいと思います。
居場所づくりは地域づくりの体系化を
地域保健福祉計画に入れ込むべき
◆井上温子
次に、常設の多機能共生型地域交流拠点と非常設の居場所について質問をしていきたいと思います。以前から区議会で常設の居場所や単発の居場所の整備計画などについて提言してきていますが、板橋区が立ち止まっている最中に、文京区では地域づくりのゴールを体系的に示し、一つの常設の多機能拠点に複数の単機能、中機能の居場所をワンセットとして9セットの整備を進めてきています。板橋区においても、子ども食堂、高齢者の居場所、認知症カフェなど、様々な居場所づくりを進めてきております。各部署での居場所として終わらせずに地域づくりの居場所として体系化し、地域保健福祉計画の中に入れ込むべきだと考えます。見解を求めます。
◎福祉部長
居場所などの地域づくりの全体像の作成につきましては、居場所の設置数が多岐にわたる機能と所管などの情報を集約、整理する必要があります。常設型の居場所づくりや全体像の作成は、社会福祉協議会等の関係団体と連携する必要があり、次期地域保健福祉計画の策定の中で、関係団体が運営する居場所も含め、その数や機能の把握の仕方も含めて研究をしてまいります。
◆井上温子
地域づくりのイメージや居場所づくりのゴールイメージというのを文京区では示しているのですけれども、福祉部長はどうなのでしょうか。こういうイメージというものを板橋区の中で描いていけると考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
◎福祉部長
具体的には、その居場所がもたらす効果、それとそれが起こす普及する効果、そういったものを踏まえながら考えていく必要があると思っています。どういった配置がいいのか、どういった機能がいいのかというところまで含めて考えるべきだと思っています。今、具体的な全体像が頭の中に浮かんでいるわけではございませんが、オリエンテーションを踏まえて、そういったものも併せて研究、検討していくべきものと思っています。
◆井上温子
常設の居場所、拠点ができると、生活支援コーディネーターもここの常設の拠点に常駐したり、一緒に地域づくりを地域の人と行いながら困り事を解決したり、孤立している人を地域活動につなげたり、地域活動をつくっていくものと考えると、常設の多機能拠点への予算化というのも鍵となってくると思います。文京区では、月20万円の予算を常設の拠点につけております。私自身は、こういった提案を議会でも地域活動でもしてきてもう何年もたちます。ほかの自治体では取り入れられていっていますが、なかなか板橋区の地域福祉としては進んでいません。協議体の予算は約8,000万円、重ねて話し合いをするよりも一つの場所をみんなで試行錯誤しながら運営していけば地域福祉は向上していきます。常設の居場所に月20万円、年間240万円を33か所つくると同じ8,000万円です。常設の居場所を運営するといろいろな人が来るし、また毎日の運営について話し合わなければいけないし、結果的に地域福祉が向上していきます。デイサービス1か所の給付費が仮に2,400万円だったとすると10か所の居場所ができます。介護保険料が上がっていきますが、こういった居場所の予算は地域福祉を向上させ、元気高齢者を増やしていくための予算として有益と考えます。ベースが定まることで生活支援コーディネーターや地域福祉コーディネーターも動けるようになるのではないでしょうか、見解を伺います。
◎福祉部長
いわゆる居場所事業への新たな運営補助や助成につきましては、子ども食堂のように既に補助、助成を行っている事業もあるため、全体の現状について把握する必要がございます。常設型の居場所事業への支援のあり方につきましては、居場所の全体像の作成と併せて研究をしてまいります。
訪問型サービスB
担い手養成・活動のバックアップが遅すぎる
◆井上温子
次に、訪問型サービスBについて伺います。来年度予算に訪問型サービスBが入ったことはうれしく思っています。しかし、提案してからなぜこんなにも時間がかかってしまったのでしょうか。私自身は、平成28年6月に質問し、令和元年9月に再度質問した際、今後実施に向けて検討を進めていきたいと区長の前向きな答弁がありました。かなりの時間がかかっております。板橋区が危機感なくゆったりと検討する中で、訪問型サービスとして長年、高島平で活動してきてくださった高島平二丁目団地助け合いの会は活動を終了してしまうことになりました。財政的にも苦しく、また助ける側の会員が減ってしまったといいます。年間250件訪問し、医師会病院への同行は毎月10件あったといいます。高島平の住民にとってはとても大きな損失です。この予算の成立が少しでも早く行われ、それこそ生活支援コーディネーターが機能していて、担い手の養成や活動のバックアップを行えていたら歴史は変わったのではないでしょうか。伺います。
◎健康生きがい部長
時間を要したというご質問いただきました。途中、コロナウイルス感染症の蔓延の影響などで検討を進めづらい時期もありましたが、この間継続して制度実現のために住民主体で活動している団体へのヒアリングや他自治体の調査、ニーズの改めての検討、既存の類似事業であります板橋区社会福祉協議会のぬくもりサービスとの整理と一歩一歩確実に検討を進めてきたところでございます。これらの検討を基に制度の内容も確定し、また既に類似事業を実施している団体等のコロナ禍明けの活動状況も確認できたなど、事業の実施に向けて一定のめどが立ったことから、このたび予算化に至ったところでございます。高島平二丁目のお話をいただきました。大変いい団体だったとは思います。ただ、住民主体のサービスを提供してくれる団体の方の高齢化が進んでいるということで、確かにいろんなものを急いでいかなくてはいけないというのは事実だと思います。一方、この介護保険の支援に当たるあるいは生活支援に当たるような部分のところを住民の方に担っていただくということは、担っていただく方の高齢化が進んでいる中で今後どういう形で進めていくのかというのは、改めて考えていく必要もあるのかと考えているところでございます。
◆井上温子
よく分からなかったのですけれども、担い手の養成で高島平もどんどん若い高齢者も増えてくるのですよね。そういった人たちの養成、マッチング、もっともっとできることはあったと思います。私は本当にすばらしい活動をしてきてくださった人たちに敬意を表したいと思います。訪問型サービスBは前にできた制度で、それの重要性に対して、なぜこんなにご認識が遅かったのかなというのは私は後悔しかないですね。
次ですけれども、月に3万円の予算ということで、少ない予算ではありますが板橋区として訪問型サービスBに支出してくださることになりました。しかしながら、またコーディネーターに1万円、消耗品にまた2万円、またいろいろ予算が細かく決められたりしているのですね。また、事務所費にも出せないということが課題となっていたり、「ボランティア謝礼に出したいのだ」というような団体さんのお声もありました。様々な声を伺っていて、板橋区が一方的に予算の配分を決めるのではなくて、住民側からの提案を聞きながらもう少し柔軟にしていけないかと思うのですが、いかがでしょうか。
◎健康生きがい部長
訪問型サービスBに係る事業を区が実施するに当たり、本事業が介護保険制度に基づき税金である国や東京都の公費、そして被保険者の保険料などを財源とする以上、サービス実施主体に対する補助の内容を一定限定することは、ほかの介護保険サービスとのバランスからも必要なことと考えてございます。また、NPO団体等におきましては、住民主体の訪問型サービスB以外の事業を実施していることもあり、補助対象経費を算出する上でほかの事業との区分や重複しないことの確認の難しい家賃等については補助の対象としなかったところでございます。提供したサービスに対する対価がベースとなっているほかの介護事業や生活支援サービス事業とのバランスを考慮しつつ、今後各団体からの実績報告等の内容も踏まえ、補助制度のあり方については研究してまいります。
◆井上温子
月3万円で団体さんがいかに運営をうまくやれるように考えてもらえるかというのが大事で、3万円で経費が収まるわけではありませんので、団体さんもそれぞれやりくりをするわけですよ。そういったときに、いかに使いやすい補助制度として区が提供できるかというところはすごく重要なので、全てを賄ってくれと言っているわけではありませんから、もう少し考えていただけたらと思います。次に、訪問型サービスBは要支援者事業対象者に対してのサービスとなっていますが、地域の団体によってはひとり親支援や障がい者支援、多様な方を支援している団体もございます。訪問Bを使うと、そういった方への支援をやめなければいけないとなってしまうと、地域福祉は向上するどころか悪化します。そういったところを考慮して、多様な属性の方への支援を行える制度という理解でよろしいかということを聞きたいと思います。
◎健康生きがい部長
各事業実施団体が地域支援事業に基づく訪問型サービスBと同様のサービスを障がい者や子どもに提供することを妨げるものではございません。補助に関しましては介護保険制度の地域支援事業交付金等を活用して実施する以上、介護保険制度の適用を受けない障がい者や子どもに対するサービスに関しては、補助制度の対象外とはなるところでございます。
◆井上温子
様々質問してきました。ありがとうございました。今後、訪問型サービスに関しましてもぜひ地域保健福祉計画に共生型の訪問サービスとして位置づけるなら……。(拍手)
○委員長
以上で、いたばし未来、井上温子委員の総括質問を終了いたします。
○委員長
これより表決に入りますが、表決方法について申し上げます。本委員会の理事会で協議いたしました結果、初めに議案第29号の修正動議について起立表決を行います。次に、議案第1号 一般会計予算について起立表決を行い、最後に議案第2号 国民健康保険事業、第3号 介護保険事業、第4号 後期高齢者医療事業及び第5号 東武東上線連続立体化事業の4特別会計予算について、一括して起立表決を行うことに決定いたしました。
初めに、議案第29号 令和6年度東京都板橋区一般会計予算に対する修正動議について起立表決を行います。
議案第29号の修正動議を可決することに賛成の方はご起立願います。
起立少数(共-自・公・民・維・い・参・しいな委員)
退席(五十嵐やす子委員)
○委員長
ご着席願います。起立少数と認めます。よって、議案第29号の修正動議は否決すべきものと決定をいたしました。
次に、議案第1号 令和6年度東京都板橋区一般会計予算について、起立表決を行います。
議案第1号を原案のとおり可決することに賛成の方はご起立願います。
起立多数(自・公・民・維・い・参・しいな委員-共)
○委員長
ご着席願います。起立多数と認めます。よって、議案第1号は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に、議案第2号 令和6年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計予算、議案第3号 令和6年度東京都板橋区介護保険事業特別会計予算、議案第4号 令和6年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計予算及び議案第5号 令和6年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計予算について、一括して起立表決を行います。
議案第2号、第3号、第4号及び第5号を原案のとおり可決することに賛成の方はご起立願います。
起立多数(自・公・民・維・い・参・しいな委員-共)
退席(五十嵐やす子委員)
○委員長
ご着席願います。起立多数と認めます。よって、議案第2号、第3号、第4号及び第5号は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。