2024年11月8日
決算調査特別委員会
「決算調査特別委員会 総括質問」を行いました。
今回は、地域センターや集会所の使用料の値上げ、いたばしのいっぴん、お迎えサービスと延長保育等について質問をしました。以下に答弁とスライドをまとめましたので、ぜひお読みください。
○委員長
いたばし未来の総括質問を行います。井上温子委員、お願いいたします。
【使用料の値上げについて】
○井上温子
通告に従いまして、総括質問を行います。まず、最初に使用料の値上げについて質問いたします。板橋区では、地域センターや集会室等使用料・手数料の大幅な値上げをするとしています。8月、9月、企画総務委員会で議論を続けてきたところですが、使用料の値上げの根拠が精査されておらず、到底納得できるものではありません。集会施設や体育施設などの維持管理経費や人件費など、フルコストに対して区民が負担している割合である平均原価割合は、平成24年は63.3%、平成28年は58.8%であったということですが、令和6年は改定後の平均原価割合が48.6%との説明でした。これだけの値上げをして負担割合が減るのはおかしく、理由を調べたところ、板橋区がフルコストや施設当たり原価を算出する計算式を変えたことが要因となっています。負担割合を8割、9割と定めながら、計算式を区がそのときそのとき変えてしまっていたら、目標値はいつまでも達成されません。また、これだけの値上げをしながら議会にも、報告書においても正しく値上げ根拠を説明できていないことは大問題です。今回の値上げは妥当性に欠け、不当と考えますが、見解を求めます。
○政策経営部長
使用料の算定の考え方は利用に供するために必要となる人的経費、物的経費を実態に合わせて反映させるものと考えております。
○井上温子
具体的に板橋区がなぜ今回説明がおかしいのかというところを取り上げていきたいと思います。
地域センターのフルコストは、平成28年と令和5年でフルコストが1億円も上がっています。所管は、投資的経費を原価に含めたが、それ以外で原価計算で変わったところはないと説明しています。また、施設の維持管理に係るコストは年々上昇、消費税の増税も含め様々な物価高に伴って上がってきている、現行使用料との乖離がどんどん広がっている、コストは上がっている部分を転嫁する必要があるという説明がありました。物価高がコスト増の要因だという説明でしたが、それだけで1億円も経費が上がるのかという話です。おかし過ぎると思い、資料要求をしたところ、その要因は人件費が1億円増加したことにありました。利用可能日から利用実績で案分することにより施設当たり原価が増となっていることももちろん問題ですが、こちらは委員会において説明がありました。しかし、今回地域センターのフルコスト増の要因は人件費が最大の要因でしたが、なぜ委員会において説明がなかったのでしょうか。調べていくと人件費が高騰したというよりも、人件費の算出方法を変えたことが最大の要因です。
これでは、平成28年から純粋にコスト増があったかは分からないため、平成28年の計算式でフルコストがどうなったのか調べたところ、フルコストは平成28年に2億3,002万円から令和5年2億2,910万円へ、フルコストは1,000万円ほど下がっているということが分かりました。委員会で所管が説明したような経費増というのは起こっていない。これは、明らかに虚偽説明です。また、平成28年度の計算方法で計算しますと、使用料改定後の区民の原価に対する負担率である平均原価割合は79%でありました。目標とされていた8割をほぼ達成していることになります。
しかし、板橋区は「人件費は28年度が間違っていて、令和6年が正しい数字だから平均原価割合は32%だ」という話をするのですよね。委員会でも説明されていないのに納得できるかと私は思いますが、一応人件費が本当に正しいのかというところも検証しました。委員会後の区からの説明では、地域センターの貸し館業務に係る人件費を面積案分してしまっていたので、令和6年は計算式を変えたと言っていますが、1億円増にそれが影響しているわけですが、地域センターの人件費は正しいのかというところですね。区民に負担を多く負わせようとしていないのか、それを調べた結果がこの表です。
人件費率が地域センターだけなぜこんなに高いのでしょうか。地域センターのみ人件費率が約5割になっているのですね。もともとは平成28年度だと23%だったのが、倍以上になっているということになります。それ以外にもシルバー人材センターに1億577万円委託しているわけでして、資料頂いたところ、平日は地域センターに常時2名の職員が貸し館業務に専念されているという計算になっています。さすがに地域センターの貸し館業務のみでそれはないのではないかなと思います。また、地域センターの職務としては、地域センターの貸し館業務だけでなく、様々な貸出し施設の使用料の支払いや地域の集会室の管理などが考えられます。むしろ面積案分していたときのほうが正しい数字だったのではないでしょうか。別の例においても高島平区民館ですが、平成28年の段階で、平成28年の考え方でいけば、原価割合は既に95%となっています。このままでいけば値上げは必要ない場所でした。しかし、利用可能日から利用実績で施設原価を出すように転換したことがきっかけとなって値上げしているのですね。それで、区民負担割合が95%から75%に下がったと言われても、詐欺のように感じられないかなと思います。今回の改定後の使用料は、元の計算式で計算したところ、平均原価割合は105%です。平成28年度の計算式だと105%区民に負担を負わせている。委員会で説明をされたコストが上がったから、その分を区民に負担してもらうことになりましたという説明は成り立っていないのですよ。計算方法を利用実績に変更したから使用料を上げることになったと素直に言えばいいのに、「物価高です、人件費高騰です」というのは、私はおかしいと思います。また、利用実績で案分すると、利用していない日の経費まで利用した人が支払う、これに関しては区は自分たちの経費をあらかじめ引いているので、利用していない日の経費は区は負担しないと言っているのですよ。それだって、一利用者として区がいるのだったらおかしいですよね。平成28年と令和6年の比較ですと、フルコストが下がっている施設もハイライフプラザや郷土資料館、生涯学習センターがあるのですね。だから、いずれもコスト下がっているのです。でも、いずれも計算方法の変更で使用料が上がっています。ハイライフプラザで言えば、平成28年のフルコストが3,231万円で令和6年が3,007万円で224万円経費下がっているのですけれども、利用可能日で算出した場合にも問題が発生していて、使用料、手数料の検討が行われるときにたまたま工事があったとかすると利用可能日が少なくなっちゃうのですよね。こういうおかしい事例ばかりです。突き詰めて計算すればするほど、これは整合性がつかないみたいなところがいっぱい出てくるのですね。このように精査が行われないまま区民に値上げをお願いすることは本当にあっていいのですか、委員会で、ほとんど虚偽ですよ、全部合っていなかったです。値上げの理由をちゃんと説明しないで値上げをするなんて議会軽視も本当甚だしいし、精査できていないのはどう説明してくるのかお答えいただけますか。
○政策経営部長
今回の使用料・手数料の見直しにつきましては使用料・手数料検討会を設置いたしまして、見直しの範囲や方向性なども検討を進めてきたところでございます。今回の見直しで、前回の改定時と比較分析、詳細の把握が十分にできていなくて委員会に臨んだというところでは、政策経営部として改めるべき点があるという認識でございます。
○井上温子
改めるべきと言われても、議案が成立してしまったら値上げしちゃうのですよ。明らかに根拠のない値上げです。だって、平成28年の計算式と同じようにやってみて、どれぐらい区民の負担割合が上がったのかということも説明できていないですし、何度も何度も課長とやり取りしても、何で地域センターこんなに原価上がったと言っても答えてくれないのですよ。分かっていないです。それって企画部門の情報集約と分析力が足りな過ぎるのではないですか。全部、それは所管じゃないと分からないとか言いながら、じゃ何で使用料・手数料の報告書は企画部門が説明するのですかという話になりませんか。そういったところは、もう少し区全体を捉えられていないことが露呈していますから。分析力を高めたり、整合性が取れるような分析力を身につけていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政策経営部長
真摯に受け止めまして説明責任が果たせるように取り組んでまいりたいと考えております。
○井上温子
値上げの根拠は正しくなかったってことで認めてくださるということでいいですか。区民負担割合は高島平区民館が105%ですよ、地域センター79%ですよ。それが現実的にそうなっているし、地域センター本当に常時ずっと2人貸し館業務に専念しているのですか、お答えください。
○政策経営部長
今回の地域センターの人件費の算出に当たりましては、平成28年度が面積案分していたと。その前の人件費コストは1億7,700万円で、それに30%ほどの面積案分を掛けて5,600万円というような形になっておりまして、他の施設と同じ計算に今回合わせたというものでございます。また、地域センターに従事している職員の積算については正しいという理解でございます。
○井上温子
地域センターの職員さん、貸し館業務以外2人ずっととしないでいただきたいですね。地域センターに電話してみましたよ。どういうふうに貸し館業務やられているのですか。随時窓口にいらしたときに対応されていると。貸し館業務だけじゃなくて、地域の集会所のこともやっているし、ハイライフプラザなど様々なところの使用料・手数料の支払いにもいらっしゃるし、貸し館業務に専念じゃないですよ。そういったところを全然分かっていないでコスト計算をしないでいただきたいというのが、次回に生かしていただきたい視点として提言しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【減免制度について】
○井上温子
減免制度についてお伺いいたします。障がい者団体や高齢者団体、子育て支援団体などについての減免をどのように考えているかということですね。8月の企画総務委員会では、平成28年度に減免規定について整理したというふうに言われたのですけれども、減免規定を取り寄せた結果、検討もなされていないし、整理もされておりませんでした。見解を求めます。
○政策経営部長
使用料・手数料検討会の中で、減免について特段論点として事務局から挙げて議論はされておりませんでしたけれども、例えばふれあい館の価格の据置きのような必要なことについては議論されたという理解でございます。
○井上温子
平成29年に減免規定について整理したと明確に言われているのですよ。でも、減免規定を取り寄せたらそんなふうにはなってなくて、やっていないことをやっているかのように言われるのが私は一番嫌いです。子育て、高齢、障害、様々な視点において、減免規定をどう検討するのか。使用料・手数料上げるのであれば、どうやって必要な方たちに減免規定を整備するのかというのを併せて考えなければいけないじゃないですか。福祉の森サロンの助成金についても伺いたいですけども、使用料・手数料を上げるということは団体の人たちには経費を増すということになりますから、さらに板橋区がそういう物価高騰で大変だというのだったら地域団体だって大変ですよ。そしたら、併せて福祉の森サロンの助成金なども上げるとかそういう検討されるべきじゃないですか。
○政策経営部長
まず、福祉の森サロンの補助制度につきましては、社会福祉協議会が行う事業ということであるため、区として特段見解を述べる立場にはないのかなと思っております。また、使用料の改定に限らず、補助事業に関しまして必要経費が変動している場合には関係機関等と協議の上対応していくものと考えております。
○井上温子
そういうときだけ社協の事業だって言わないでいただきたい。一緒に区がやっている団体だとずっと今まで言ってきたのだから。こういうときこそちゃんと社協と相談して、必要経費の上げる検討というのを、今おっしゃったように物価高騰大変だったら、経費をきちんと補助できるようにとか考えていくことが重要じゃないでしょうか。先ほどの減免規定では、高齢者団体は学校施設のみが減免対象だったですけれども、幅広く介護予防を捉えていくことが必要で、対象施設を広げるということが重要ではないでしょうか。現状、介護予防事業として登録している団体がウェルネススペースを使う場合や集会所の一斉予約終了後に空きがあって、2回まで減免できるとそういったのはありますが、会場が遠かったり、回数制限があったり、不便なこともあります。いっそ集会所の減免制度の中で位置づけを行って、どこの集会所でも高齢者の集まりの人たちが減免がなされるように制度改善が必要じゃないでしょうか。見解を伺います。
○政策経営部長
いこいの家を廃止する際に導入しました制度ですけれども、こちらは少しずつ活動が増えてきている状況でございまして、いろいろ使用方法に課題があると聞いておりますので、適宜見直しを検討していきたいというふうに思います。また、介護予防事業を行う団体との利用につきまして、民間事業者との橋渡しをしたり、活動場所の確保に関する工夫とかをしながら、活動しやすい環境が整うような支援の方向で進めさせていただきたいと考えております。
○井上温子
政策企画部門、私、今回企画総務委員会に初めては属しましたけれども、政策企画部門とは本当にこんなものなのかなと思ったのが率直な感想です。板橋区のあらゆる政策をきちっとまとめたりとか、使用料・手数料を総合的に考えたりとか、そこで利用されている団体のことを考えたりとか、そういうのが当たり前だと思うのですよ。政策を経営するわけですから。経営していかなきゃいけない、区政を経営しなきゃいけないし、企画していかなきゃいけない、総合政策やっていかなきゃいけないという意味では、ただただ値上げできるように頑張って値上げしていくだけじゃなくて、もっと精査して頑張っていただきたいなと思います。
【板橋のいっぴんについて】
○井上温子
次に、板橋のいっぴんについて取り上げたいと思います。平成20年に追加認定以来、板橋区としてのいっぴん事業は停滞気味でしたが、令和4年に新しいいっぴんを公募し、選定しました。その際の審査結果について、応募者には説明がなく、票数も知らされていないとのことです。審査結果を公表できないというのは、応募した人に失礼ではないでしょうか。フィードバックがないとの声が届いていますが、見解を求めます。
○産業経済部長
よろしくお願いします。令和4年度の板橋のいっぴんは、区民の皆様の投票を得て、区民代表の特別審査員及び各分野で活躍する専門家による審査会を実施し、決定をしております。審査会では、区民投票結果を踏まえて、味、見た目やパッケージなどのデザイン、商品へのこだわり、商品の独自性、お店の地域との関わり、貢献度を総合的に評価をし、様々な角度から選定をさせていただきました。フィードバックすることを前提に審査を実施していないため、結果の詳細について現時点で公開することは難しいのですが、今後は全ての参加店舗が板橋のいっぴん審査に申し込んでよかったと思っていただけるような審査の仕組みを検討いたします。
○井上温子
一生懸命商品づくりをして、応募して、でも何で落ちたか分からない。何が改善点かも分からない。どういうふうに今後やっていこうかというのも分からない。票数も、みんな応募してくださいと言ったけども、何票だったのかも分からない。それは悲しいじゃないですか。そういった声が複数届いていますので、ぜひ審査結果の公表というところまで考えていただきたいなというふうに思います。ネット上に公開しなくてもいいと思うのです。その応募した方にちゃんと説明をすることが大事かなと思います。
いっぴんについては令和4年のリニューアルから3年間事務局を東京ガスコミュニケーションに委託して運営されてきております。3年間で約3,600万円の委託金額となっています。令和4年の委託契約書の中で、「認定店舗による新しい組織体の設置を想定している」と書かれておりまして、委託先に「組織の運営方法や民間活力を生かした区の支援の在り方など、板橋のいっぴんブランドを維持するためにどのような組織体にしていくかについて提案を行うこと」とあります。
また、同じく契約書の中に新規に認定する板橋のいっぴんの概要(想定)では、店舗組織について「運営規定や区の支援方法等を協議の上、設立」(現在の多摩市のいっぴんの店舗組織であるいっぴん会とは別組織にする)と書かれています。委託先の事務局からは、どのような提案があり、区としてはどうされているのでしょうか、説明を求めたいと思います。
○産業経済部長
令和4年度新たに認定する店舗につきましても、既存のいっぴん会さんのような自主的に活動するすばらしい事例がございますので、そういったことを例に組織体の在り方について仕様書に記載したところでございます。ただ、新たに認定を受けた店舗の中には、まだ組織に加わって活動することが難しい店舗もあると聞いているため、現在ニーズを確認しているところでございまして、現在のところは設置には至っておりません。ただ、我々が今検討しております産業振興構想2035においても、3つの基本的な視点の一つに連携、つまりつながり支援というのを掲げておりまして、いっぴん会のようにご自身たちでつながっている前向きな活動については支援をしていくという考えでございます。
○井上温子
2008年までに認定された元祖いっぴんについては、認定以来、認定店の有志が集まっていっぴん会を結成して、自立して運営されてきております。区としてもそれを認め、契約書の中にいっぴん会についての説明書きがございます。
さらに、令和4年の契約書の中に現在の板橋のいっぴんの概要について、「主にいっぴん会による自主運営」と書かれておりまして、板橋区の事業としては展開がなかった期間にもいっぴん会が中心となって担ってきてくださったことが分かります。現在のいっぴん会には、元祖いっぴんからも新いっぴんからも有志で参加されていらっしゃり、今後の展開について板橋区との話合いを求めていらっしゃるとのことですが、区は一部認定店舗のみが参加している任意団体なので、会議への参加は控えるというスタンスとのことです。いっぴんの事務局は3年間の期間限定での委託契約ですし、新たに選定したいっぴんの支援を行うことになっておりますので、元祖いっぴんの方々もそうですが、いっぴんの支援期間の最終年度3年目ともなれば、元祖と同じように令和4年度の認定のいっぴんも実装してくれと言われていく方向ですから、長期的な話やブランド戦略について板橋区と話し合いたいというのは理解できるはずです。ぜひ区とのコミュニケーションを図りながら、いっぴんブランドの維持拡大をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○産業経済部長
板橋のいっぴん事業を開始した平成15年以降、いっぴん会を立ち上げた皆様が認定されたいっぴんのおいしさ、品質を長期間にわたり維持され、売上げ向上、販路拡大のため努力されていることに大変感謝するとともにうれしく思っております。一方で、板橋のいっぴん事業につきましては、いっぴんの認定、いっぴんブランドのPRを通じた魅力あるお店を含む区商業・産業全体の支援を区は担っている立場でございまして、基本的には店舗との調整などは委託事業者を通じて行い、事業を推進しているところです。いっぴん会の会合につきましては、その内容に応じて委託事業者が参加し、迅速に報告を受け、区も把握しており、また全体に関するイベント等に区が参加した際に機会を捉え、いっぴん会の方を含め直接意見を伺っているところです。
○井上温子
委託契約書を見る限り、元祖の方たちとか、いっぴん会との話合いというのは、委託先の東京ガスコミュニケーションがやることにはなっていないと思うんですけれども、いかがですか。
○産業経済部長
委託事業所、委託をしているという時点で、基本的には店舗さんとは事業者さんを通じて会話等を、いろいろコミュニケーションを図っていくというスタンスではございますが、ただいっぴん会さんの皆様とも機会を捉えて話を続けていくということには変わりありません。
○井上温子
いや、委託契約書を見ると新いっぴんのプロモーションですね。旧いっぴん、元祖いっぴんとの方たちとか、いっぴん会との関係性、そういったことは書かれていないです。何度も読んだけども書かれていないです。書かれていないことを東京ガスコミュニケーションズができないわけですよ。今、いっぴん会さんとは話合い続けていきますと話がありましたけれども、私は拒否する理由がないなと思っています。一部の店舗だというのであれば、今の新いっぴん、旧いっぴんの方たちにも、それこそ支援方法を模索していると書いてありましたよね。委託契約書に、板橋区がどのようにいっぴんの人たちの支援を継続していくか。3年間は委託事業者を使って支援するけども、その先どうやって支援していけばいいのかというのを委託事業者からも提案してくださいと書いてあるように、板橋区のいっぴんの人たちへの関わり方法を模索しているという事実があるわけですから。一部の店舗だというのであれば板橋区が支援して、新も旧もいろんないっぴんの人たちに声かけて、みんなで店舗、組織つながって、これからもイベントだとか自主的にできるようにプロモーションやっていこうよ、自分たちがやっていこうよという人たちが生まれることを願って、声がけすればいい。そこに3年間の期間限定の事務局だけじゃなくて、板橋区が積極的に話合いを行って、長期ビジョンを策定していたりすることはとても板橋区の産業振興にとって有意義なことだと思います。見解を伺います。
○産業経済部長
ご指摘いただきましたとおり、先ほども申し上げたとおり、産業振興構想のところでもつながり支援というのは考えているところですので、今後いっぴん会さんももちろんですし、いろいろな企業同士のつながりということは考えて、しっかりやりたいと思います。ただ、今にあるその事業との契約の中では、確かに具体的には記載されていない部分がございますので、いただいたご意見もしっかり受け止めて、今後の展開を考えていきたいと思います。
○井上温子
今後の展開についてもお伺いしたいです。3年間で令和4年度の新いっぴんは3年間の事業なので1回終わるのですが、来年度またさらに新しいいっぴんを選定するということになるのか。また、事務局を3年間委託することになるのかというのをお伺いしたいのと、事務局をほかに委託したからといって、板橋区がそういう店舗会さんたちと話さなくていいということではないと思いますので、そこは十分認識していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○産業経済部長
板橋のいっぴんは、委員からのご説明もございましたけれども、平成15年度に初回認定して、平成17年度・20年度に追加認定、令和4年度にリニューアル認定ということで、14年以上空いておりました。そういったところで、板橋のいっぴんを通じた産業全体のPRとしては、一時期取組が少なかった状況であったことはこちらとしても認めている状況です。今後は、より多くの魅力ある商品を扱う店に板橋のいっぴん事業を活用いただいて、新たな商品を定期的に認定するなど、板橋のいっぴん事業を通じた産業全体のPR支援を継続して実施できるように丁寧に検討を進めたいと思っております。当然、各店舗さんとのコミュニケーションというのもタイミングを見て、しっかり図っていく考えです。
【お迎えサービスと延長保育について】
○井上温子
ありがとうございます。次に、お迎えサービスと延長保育についてお伺いいたします。お迎えサービスは以前にも質問しましたが、利用実績が伸び悩んでいます。令和2年度以降は、利用件数ゼロが続いてきました。周知に努めるとのことでしたが、令和5年度も5件の実績のみです。
しかし、決算額は毎年1,200万円支出しているので、1件当たり240万円の経費ということになります。高過ぎますし、利用しにくいものを計上する意図が分かりませんので、理由を説明していただきたいと思います。あわせて、お迎えサービスの代わりにいつも通っている保育園の中で病児保育を行えないかということで、体調不良児対応型病児保育の実施を求めて、令和5年10月に質問したところ、検討課題の一つということで考えていければということでしたが、検討状況を教えてください。
○子ども家庭部長
お迎えサービスは、保育所登園後の急な発病の際に保護者がすぐに迎えに来られない場合の支援を求める要望がありまして、平成21年度にお迎えサービスを開始したところでございます。お迎えサービスには、看護師の確保が必要なため、一定の経費を必要としますが、児童の体調の急変時における保護者の安心感につながるなど、どうしてもお迎えに行けない場合のセーフティネットの役割を果たしていることから、事業を継続して実施しているところです。さらに、体調不良児対応型保育についてでございますけれども、実施する施設の児童のみがこの制度の対象となっていまして、児童の数は看護師1人当たり2名程度ということになっております。板橋区には、多数の保育施設がございまして、数か所のみで実施した場合は入園希望者が殺到、集中してしまうおそれや地域の格差も発生するなど様々な課題がございます。保育の現場からも看護師の人手不足が深刻化していて、確保が相当難しくなっているという声も聞いておりまして、現状においては体調不良児対応型病児保育事業の実現は困難であると認識しております。
○井上温子
お迎えサービスについては、セーフティネットなっていないから5件だと思います。なので、そこに関してはスクラップ・アンド・ビルドと区がよく言うのに、何でこれずっと続けているのかなというのがすごい疑問です。ぜひスクラップしていただきたいなと思います。
○井上温子
次に、延長保育についてですが、コロナ後利用が減少しています。令和元年度28万件あった利用者数は令和5年度17万件となっています。その要因についての見解と今後の方向性はどのように考えているのか聞きたいです。働きながら子育てをする世帯にはそれぞれ特徴があって、全ての世帯に延長保育が必要ではないことは利用実態を見てからも分かります。もう少し利用世帯の割合など分析を進めていく必要があるとは思いますが、昔は延長保育がいっぱいでスポット利用は埋まってしまってできないという状況もあったそうですが、現在は延長を利用する世帯が1日1から5世帯程度というところも多いようです。少ない子どもの人数に保育士を配置していくのは、保育士不足が顕著になっている中でも厳しいものがあるのではないでしょうか。延長を行わない保育園と延長を行う保育園を分けていくのも一つではないでしょうか。延長を行う保育園とそういう体調不良児対応型の保育をやる園というのを集中的につくっていくことで、フルタイムの共働き家庭であるとか、ひとり親の家庭であるとか、そういったところが延長とか体調不良児対応型が必要になってくるわけですから、そういったところに特化してちゃんと支援をしていくことというのが重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○子ども家庭部長
延長保育は、新型コロナウイルス感染症が蔓延した令和2年以降減少しております。要因としては、平成30年に長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現などが示されたことやコロナ禍において急速に在宅勤務が普及拡大し、国もテレワークの推進を行うなど、育児と仕事の両立支援について社会の意識が変わってきていることも考えられます。延長保育については、私立保育所は自主事業として実施しているため、各園の判断となりますが、区立保育所については多様な働き方を支えられるよう現状を維持していく予定でございます。
○井上温子
検討を始めてから、突然延長保育終了することはできないでしょうから、延長保育の減少というのをちゃんと真摯に受け止めながら、どういうふうに方向性出していくのかという私は考えたほうがいいと思います。本当に保育士不足深刻ですし、延長が必要な家庭と必要じゃない家庭、そういうのも大分違いがありますから、その辺は見ていったらいいのではないかなと思います。
【こども食堂及び支援対象児童等見守り強化事業について】
○井上温子
次に、子ども食堂についてお伺いします。今年度より子ども食堂の補助については、今までの標準型に追加して連携強化型がつくられて補助額が増額されるなど、大変感謝をしているところです。しかしながら、その開催回数が増えていきますとなかなか場所の確保などの課題があるのかなと思います。場所の確保支援を進めてはいかがかと思います。また、保育園の夜の時間帯を活用した保育園子ども食堂の取組もありまして、保育園の夜の時間を民間団体に貸していただいて、民間団体が子ども食堂へもいいのかなと思うのですが、見解を求めます。
○福祉部長(福祉事務所長兼務)
子ども食堂の場所の確保につきましては、板橋区社会福祉協議会において、場所を提供したい支援者の相談に応じるとともに、開拓も行い、区民団体を紹介してございます。さらに、社会保障議会と連携して、場所を提供したい支援者と実施場所を探している運営者とのマッチングを行えるよう、情報を投稿、掲載できるシステムの検討を行っており、今後実施していく予定です。また、昨年になりますけれども、私立保育園が子ども食堂を行う、今委員さんが話した、行うことができる場所と考えまして、園長会のほうに区から実施または施設提供の協力を求めたところでございます。引き続き、実施場所の確保に向けた支援を行ってまいります。
○井上温子
保育園子ども食堂が広がっていくと、小学校区に1か所子ども食堂というのも現実味が帯びてくると思いますので、ぜひ進めていただきたいなと思います。人のところは飛ばさせていただいて、この子ども食堂食材提供事業のほうに移りたいと思います。
ふれあい農園会さんのお野菜を板橋区が買い取り、子ども食堂に届けていただく事業ですけれども、農作物の購入費が26万円などに対して運搬費が75万円というのは高過ぎないでしょうか。74%が配送費です。地産地消で板橋区産の野菜を子どもに食べてもらうということは賛成しますけれども、事業構造を見直す必要があると考えます。いかがでしょうか。
○福祉部長(福祉事務所長兼務)
本事業は、区内で収穫された野菜をその日のうちに提供することによって食育を推進するとともに、子どもたちに区内農家の大切さを周知することができ、また農家の耕作意欲の向上も図れる有意義な事業であると考えてございます。運搬費用につきましては、調整された任意の日に農家の収穫時間に合わせた収集に向かい、また子ども食堂の時間に合わせて届けるため、どうしても拘束時間が長くなってしまっています。競争によって事業者を選定しているのですけれども、1日当たり2万2,000円の運搬コストがかかっているというのが現状でございます。ただし、コロナ禍が始まった本事業は開始から5年が経過しております。経費も含めて、事業の在り方について検討したいと考えてございます。
○井上温子
経費が高過ぎるのは課題だと思うので、再検討していただきたいなと思います。
次に、支援対象児童等見守り強化事業について伺います。支援が必要な子育て家庭に食品をお土産に持参しながら同時に訪問し、子どもと保護者を見守り、支援をつなげたり、人のつながりをつくっていくすばらしい事業と考えますが、活動経費について疑義がありますので質問します。
団体に活動してもらう際の活動経費については、令和5年は1,900円でしたが、令和6年になり突然1,670円に減額されました。理由を聞いたところ、本事業の開始が令和5年7月であったため、令和5年度は活動経費の総額を9か月にならしていたが、6年度については12か月にならして算出するため、230円の減額となったと社協から説明を受けているということでした。でも、そもそもこの説明がおかしいじゃないですかということと、根拠がない減額をせずに戻していただきたいと思うのですが、見解を求めます。
○子ども家庭総合支援センター所長
支援対象児童等見守り強化事業は、個人、協力団体の訪問員が食品などを持って家庭訪問し、子どもやその家族を地域で見守り、社会的孤立を防ぐ事業で、令和5年7月より板橋区社会福祉協議会に委託して実施しております。開始2年目に当たる令和6年度より1人当たりの食品単価を増額する一方、教育団体に支払う活動経費については減額するなど、見直しを図ってきたところであります。事業を推進・拡充していく上で、食品単価などの経費を含め、絶えず見直しは必要であり、今後も社会福祉協議会と協議し適正な経費を見極めていくとともに、事業を支える個人、協力団体の皆様へは丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
○井上温子
社協の説明は説明になっていないですよ。板橋区は、7か月分の事業費だったら7か月分で事業費出すでしょうし、12か月分だったら委託費12か月分出すわけですよね。それを今年度は何か月だったから説明になっているとおかしいので、そこは検討していただきたいと思います。最後に、子ども食堂と支援対象児童見守り強化事業の連携の構想についてお伺いしたいと思います。
○子ども家庭総合支援センター所長
協力団体の中には、子ども食堂を運営する団体もあり、訪問員が家庭を訪問した際、子どもやその家族を子ども食堂へつないでいる事例があることは承知しております。こうした事例では、家庭訪問や子ども食堂の利用を重ねることで、孤立しがちな子育て家庭が訪問員のみならず、地域コミュニティともつながる機会になっていると効果を感じているところでございます。そのため、希望する家庭をこれまで以上に子ども食堂などの社会資源へつなげることのできる仕組みを今後検討してまいりたいと考えております。
○委員長
以上で、いたばし未来井上温子委員の総括質問を終了します。