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2025年3月25日

2025年3月24日 令和7年度板橋区予算に対する賛成討論を行いました!

議案第1号 令和7年度東京都板橋区一般会計予算、
議案第2号 令和7年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計予算
議案第3号 令和7年度東京都板橋区介護保険事業特別会計予算
議案第4号 令和7年度東京都板橋区後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第5号 令和7年度東京都板橋区東武東上線連続立体化事業特別会計予算

に対して、賛成の立場から、修正動議に反対の立場からいたばし未来会議の討論を行います。

板橋区の来年度予算は、財政調整基金からの繰入は行わず、収支均衡予算となっています。全体の財政指標も問題はなく、順調に推移していると考えます。
しかし、板橋区は、法人住民税の一部国税化等、国による不合理な税制改正の恒常化等で区の財政状況は楽観視できる状況にはないとの見解を示しています。
確かに、法人住民税は、法人が自治体から受ける行政サービスの対価として負担をしているものであるという趣旨からは、国税にするのはおかしいであるとか、地方同士で財源を取り合うのではなく、地方税の充実をとの視点は理解できます。しかし、一方で、東京に一極集中した財源を地方に還元していく仕組みの必要性は高いと考えます。もちろん、地方交付税がその役割を果たしており、調整後の一人あたりの収入額については、東京が多いとは言えないとの状況についても確認はしていますが、地方は広大な土地を維持したり、人口も少ないため、教育や福祉を効率的に提供するには難しい現状があり、一人あたりで比較するのは難しいとも言えます。
23区の区長会からも国税化に反対との主張が続けられてきています。東京は、基金で溜め込んでいるのではなく、財政需要に備えているのだという説明もありますが、板橋区においては、財政調整基金を見ますと、令和7年度当初予算額は368億円、義務教育施設設備基金も492億円まで積み上がっています。もちろん、経営努力の結果だというところもありますが、こんなに溜め込んでも尚、財源を地方に渡さず、自分たちの自治体にというのは、やはり難しいと考えますし、外から見れば、リッチな自治体です。

区長は、財源がもっと必要であるということであれば、財政調整基金に積み上げず、区民に還元できるよう、施策を打ち出す必要があるのではないでしょうか。財政状況が良い時に、試されるのは、今後の10年、20年先の未来を見据えた好循環を生む仕組み作りです。未来に投資するための仕組みに、しっかり財源投入をしていただきたいと考えます。

2025年は、すべての団塊世代が後期高齢者になる年です。5人に1人が後期高齢者になり、担い手が不足すると2025年問題が叫ばれてきましたが、もう今がその時となりました。
区は、区役所職員の人材不足への対応策に、人材派遣を導入すると発表しました。しかし、これは一時的な対策に過ぎないと考えます。また、区職員だけでなく、板橋区のさまざまな産業での人材不足による影響が深刻です。総務省の労働力調査によると、労働力人口は2024年が過去最高の6957万人でした。人口は減少していますが、女性や高齢者、外国人の就労を促進してきたことで就労している人数は増えてきましたが、それにも限界があるため、今後、減少していくとされています。
世帯あたり人数は減り、孤立化が進みやすいです。共働きでの子育ては時間に追われます。

複合的な課題解決が必要とされる時代の新たな政策は何か。私が26歳から提言してきたことは、常設型の地域交流拠点を小学校区につくり、障がい者や高齢者の活躍の場としたり、子どもの居場所や家事のシェアの場にするなど複合的な課題解決を行い、地域福祉のベースを本格的に作ることでしたが、地域共生施策の展開が不十分ですので、ぜひ、検討を前に進めていただきたいと思います。

 

次に、令和7年度予算案がプレス発表について意見を述べます。

①子育てに安心を、家族に笑顔を〜子育て支援策〜について
来年度の予算案では、新たに産前産後の育児支援ヘルパー派遣事業の無料利用枠を新設し、産後ドゥーラの利用料が低減されました。これまでの支援策は要支援家庭に限定されるものが多かったため、大きな前進です。
妊娠、出産が大変かどうかは、生まれた子どもや母親の体調によっても違いますし、周囲に支えてもらえる環境があるかないかによっても違います。だからこそ、誰しもが、手を借りたい時に、気軽に助けてもらえ、育児支援ヘルパーを利用しながら、子育てをするのが普通の環境を整備することが重要です。無料枠を有効に活用し、産前産後に、ヘルパーの利用予約をする機会を作ったり、里帰り出産や支援の利用を拒否された場合を除いて、自動的に育児支援ヘルパーを派遣したりするなど、各家庭に合ったサポートプランを作成し、地域で子育てを担える文化を育てていただきたく、引き続き、お願いいたします。

②多様な学びの実現で誰一人取り残さない教育をについて
不登校数は、1300人を超えています。板橋区は、 児童・生徒が安心できる居場所を提供するとして、区立中学校における居場所推進事業の拡充や大学と連携した居場所づくり、メタバース空間による学習支援を行っていくとしています。メタバース支援の対象が小4以上となっていますが、学年で区切ることなく、一年生から利用できるように要望します。
また、不登校支援としては、目玉と言える取り組みがないのが気になります。例えば、大学と連携した居場所づくりはとても良いことと思いますが、月に1回では、子どもたちの日常には届きません。ぜひ、子どもたちの日常に溶け込めるよう、週に1回以上の開催を目指していただきたいです。また、海士町の島留学を参考に、板橋区内で留学するような、子どもが環境を変えられるような取り組みを行い、特徴のある学校を作っていってもらえたらと思います。
さて、不登校については、親の問題や責任を問うような声が、以前よりも強く聞こえてくるように思いますが、教育委員会や板橋区が何をすべきなのかを、改めて、問うて欲しいと願っています。
昨年は、不登校支援を板橋区と民間事業者が組み、親に働きかける形で試行しようとしたのは、やはり衝撃的な出来事でした。不登校の要因を親子関係に求め、結果的にであっても保護者を追い詰めるのは、とても苦しいことです。繰り返されることのないよう、注意していただきたいと思います。

③ゼロカーボンシティいたばしについて
ウォーターサーバーの設置が進んでいる点については評価します。ただし、常温と冷水のサーバーと、熱湯も出るタイプを比較した際に、費用は変わらないことが確認されていますので、熱湯が出るタイプに変更するよう提案します。また、先日の総括質問で、区の赤ちゃんの駅には給湯器がないことも指摘されており、湯をもらうために、わざわざ職員さんを呼び出すのは抵抗があると思われますので、合わせて解決をしていただきたく要望します。

④DXで叶える便利で安心な区民生活について
町会・自治会活動への地域交流アプリの導入支援が始まりますが、アプリ導入が本当に効果的かどうかについては疑問があります。普及が難しい可能性があり、代わりに町会の公式ラインの導入支援が良かったのではないかと考えます。
また、回覧板の経費についても、世帯数分を補助する仕組みで算出されていますが、実際の回覧数は不明で、私が1期目の際に、この問題を指摘しましたが、改善されなかったため、2014年に、この回覧板についての問題を住民監査請求したことが思い出されます。この時から、「全世帯に回覧板を回すという契約内容自体に無理があるため、次の広報手段、例えば回覧板でなくSNSやメルマガ等を検討すべきでは」と提言していました。時代に合わせた取り組みをしていれば、新しい層の参加ももっと望めたのではないでしょうか。改めて、補助金や広報手段について検討する機会としていただきたいと考えます。

 

その他、既存事業に意見を述べます。

①高島平のまちづくりについて
現状の計画、「100mを超えるタワマン」や「緑道を分断する道路」をつくるという計画については方針を変えるよう要望します。
緑道(グリーンベルト)を活用した区主催のイベントが、さまざま行われていたり、ウォーカブルな高島平にという計画を聞いていた中で、なぜ、突然緑道を分断しようとするのかがつながりません。都市計画原案に対する、区民からの意見でも、反対意見がかなり多く、区は、丁寧に説明するとしていますが、説明ではなく、再考した方がいいのではと思います。タワマンも緑道分断で車優先社会も、それでまちの魅力がアップするのか。高島平に住んでいる人たちの声を、ずっと聞いてきてくださっているはずですが、それがどう、これらの計画に活きているのか不明です。
また、高島平地域デッキネットワーク等検討業務委託では、来年度、2年間で最大2億を超える事業とのことです。駅前だけならともかくデッキネットワークを広大に伸ばすことは地面に日陰が増え、デッキ下は暗くなります。水害対策であれば、高島平団地の建て替えの際に、例えば5階のワンフロアをコミュニティスペースにし、普段はコミュニティ活動を行い、災害時は避難場所にするなどの方が現実的ではないでしょうか。
高島平団地の課題は、北側がずっと日陰になること、ビル風が強いことが挙げられますが、
高島平の街は、本当に、「平ら」で移動がしやすく、子どもにも障がい者や高齢者にも移動しやすい優しい空間です。車が平らなところを走って、歩行者や車椅子、ベビーカーがデッキを使わなければいけない(坂を登ったり、下ったりしなければいけない)ことがないよう求めます。

②小学生のランドセルとタブレットについて
ランドセルが重たい問題やタブレットを学校に置いてこられるようにする取り組みについて、大野区議が予算総括質問をしましたが、来年度中に前に進めてください。私自身も2022年に「こどもの視点展」にいき、ランドセルの重さについて指摘をしてきましたが、改めて、今回の総括質問のやり取りを見ていて、教育委員会に、子どもや親が見ても恥ずかしくない、課題解決思考と発展的な質疑を求めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

③子どもたちの居場所について
あいキッズが小学生の高学年の居場所になっていないこと、i-youthは、近隣の2つの中学生しか主に利用しておらず、他の学校の中学生には居場所が提供されていないこと、フリースクールの充実及び経済的支援が必要なこと、児童館が乳幼児専門から新たな機能を担う必要性が高いことなど、子どもたちが過ごす居場所整備は待ったなしです。何度も求めてきているため、改めては述べませんが、早急な検討を求めます。

④いっぴん事業について
板橋区は、板橋のいっぴんについて、H20 年の追加認定以来、特に施策は展開してきませんでした。今までいっぴんの認知が継続されてきたのは、その時に認定された店舗が集まって「いっぴん会」を結成し担ってきたからです。当時の担当者に、自走して欲しいということを伝えられ、自分たちでやってきたとのことです。
それから長い年月が経ち、2022年に、板橋区は、新しいいっぴんを公募し、選定。それから3年経ち、来年度も板橋のいっぴんを選定する予定ですが、現状の運営方法の課題は大きいです。先日、開催されました、いっぴんの説明会を傍聴させていただきましたが、その際の区の受け答えは、かなり消極的で、改善すべき点が多くありました。民間との協働の姿勢で大切にすべきなのは、例えば、「板橋区は、新たな認定店の支援で精一杯なので、元祖から2025年認定店のネットワーク組織を維持してくれることや自主活動はとてもありがたい。今後も情報交換や連携をしていきたい」という姿勢ではないでしょうか。質疑の最後の方では、「区の職員さんはいっぴんが好きですか?」と聞かれるほどの展開で、見ていて残念でした。
2022年の委託契約書の中で「認定店舗による新しい組織体」を作ることが想定されており、「組織の運営方法や民間活力を活かした区の支援のあり方など、板橋のいっぴんブランドを維持するために、どのような組織体にしていくかについて提案を行うこと」と書かれていましたが、いっぴん会があるので、新しい組織体を作らなかったということであれば、どう支援をしていくかは検討すべき事項ではないのでしょうか。せっかくのいっぴんコミュニティが3年ごとに分散してはもったいなく、ネットワークを作るべきというのは誰しもが思うことではないでしょうか。ぜひ、前向きに検討を求めます。

⑤使用料について
2025年4月1日から地域センターや集会室等の使用料を大幅に値上げします。
区は、主な値上げの要因を、物価高と説明していましたが、計算方法の変更が要因であることが明らかになっています。旧計算式で改めて試算したところ、なんと、コストが減っていた施設区分は60%もありました。また、区民に負担してもらう経費の割合(平均原価割合)は、80%としていますが、旧計算式では、80%をすでに超えているのが約360区分、100%を超えているのが約30区分ありました。原価の算出方法を大きく変えたことに伴い、使用料を大幅に値上げしても、コストに対する区民の負担割合が低下するというというのは、受益者負担の適正化とはもはや言えず、改善を求めます。

 

次に、特別会計についてです。

①国民健康保険事業特別会計について
国民健康保険の保険料は高く、根本的な見直しが必要ですが、板橋区としても、特別区長会を通して、国に要望をあげています。また、来年度は、ほとんどの世帯で値上げはされない予定であり、賛成しますが、議案第42号であげたように、子育て世帯の保険料軽減を検討していただきたく、要望します。
国の方では、高額療養費医療制度の負担増が見送りになりました所得によって上限は異なりますが、大病などを負い、支払額が高額になってしまった際に、月の限度額を定め、自己負担額を少なくする制度です。誰もが、大きな病気になる可能性がありますが、限度額の引き上げは、安心社会からはほど遠くなり、防衛反応を引き起こし、貯め込みを促進し、経済はさらに悪化するように思います。これは、低所得者だけの話ではなく、中高所得者にとっても、多額に納税してきたのに大病を負った時に、毎月多額の医療費を払わざるを得なくなるのは、厳しい現実です。この高額療養費の制度変更によって、減額される予定であった保険料は年間500円程度とのことです。ぜひ、改悪されることにならないよう、これについても区長会等を通じて、強く要望をお願いしたい次第です。

②東武東上線連続立体化事業について
東武東上線連続立体化事業については、立体化やそれに伴う広場については反対するものではありません。しかし、特に26号線を通すことによる、商店街の分断や歴史あるアーケードを壊すことについては、大山らしさを失うことになるのではと考えます。
同時進行でまちづくりが進んでいますが、その街らしさが失われることのないよう求めます。

 

最後に、今年度末で退職されます、全ての皆様に心から感謝申し上げます。
以上で、いたばし未来会議の討論を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

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