2025年11月5日
9/22一般質問報告<2>高島平のまちづくりについて
<<高島平のまちづくりについて>>をここでは報告します!
*東京新聞にも取り上げられているので、よかったらご覧ください。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/437703
簡単に報告すると・・。
・高島平団地33街区の建て替えについて、URは情報公開に消極的で、不透明。区は居住者の立場に立って、住まいの保障を求めてもらいたい。
・緑道の分断はすべきではない。
・高島平団地は、平らで移動がしやすく、子どもにも障害者にも高齢者にも移動しやすい優しいまちだが、今後、車が平らなところを走って、歩行者や車椅子、ベビーカーがデッキを使わなければならないことがないよう、また、デッキの日陰で暗いイメージにならないよう求める。
・最先端のまちづくりを進めていくためには、大企業等との連携やイベントだけではなく、団体との意見交換を幅広く行い、連携し、日常を豊かにしていくことやグランドデザインの進捗確認、更新をしていくべき。
質問全体は以下です。<3>で改めて、報告いたします。
1 こどもの遊び場について
(1)こどもの池について
(2)学校施設等の活用について
2 保育園について
(1)午睡について
(2)外部講師の活用によるプログラムの充実について
(3)延長保育について
3 高島平のまちづくりについて
4 広報について
【高島平のまちづくりについて】
① 住まいの保障について
〇井上:URは、先月25日に、高島平団地の建て替えに伴い、転居が必要となる33街区の居住者に計画の概要を説明し、転居先の希望についてアンケート調査を行いました。その選択肢は4択で、新たに建設される七小跡地のタワーマンションへの引っ越し、高島平団地内での転居、ほかの賃貸住宅への転居、ほかのUR賃貸住宅への転居でした。しかし、そこにはタワーマンションの賃料等、詳細は記載されておらず、不明確な中で取られたアンケート結果で、計画を進められても、住民は不安です。URは以前から団地の高齢化率や空室率等を公開することに消極的で、不透明な組織です。板橋区はURと協定を結んでいますが、どこまで情報をつかんでいるのでしょうか。板橋区には区民である居住者の立場に立って、住まいの保障を求めてもらいたいですが、見解を求めます。
〇坂本区長:高島平のまちづくりに関連いたしまして、住まいの保障についてのご質問です。UR都市機構は、高島平二・三丁目周辺地区地区計画の都市計画決定を受け、団地再生事業に着手すべく、計画概要説明会を本年8月末から9月初めにかけて開催をいたしました。この説明会では、建物計画が未定であることから、家賃等の詳細な条件提示には至っておりませんで、移転対象となる居住者の心配や不安につながっているものと考えております。区は、建て替えに伴い、居住者の希望に応じた居住環境を整えるよう、支援策の充実も含めて、URに対し働きかけを行うとともに、引き続き情報の把握に努めていきたいと考えています。
② 緑道の分断について
〇井上:板橋区は計画の中で、高島平の緑道2か所、車が通れるように分断しようとしています。区はウオーカブルな高島平にと発信してきた中で、なぜこのようなことをするのでしょうか。高島平団地は車が入りにくいからこそ、子どもから高齢者まで安心して歩くことができるまちです。かなり前になりますが、ドイツのまちづくりを視察した際、パーク・アンド・ライドという考え方を学びました。その考えとも逆行しています。都市計画原案に対する区民からの意見でも反対意見がかなり多く、2か所とも再考したほうがいいのではないかと思いますが、見解を求めます。
〇坂本区長:緑道の分断についてのご質問です。区は、高島平地域交流核形成まちづくりプランにおいて、けやき通りやプロムナードを中心に、誰もが歩いて楽しい、居心地がよい空間を形成することによって、ウオーカブルなまちを実現する方針を示しております。そのために、自動車や自転車、歩行者等にとって、より安全で快適な道路空間となるよう、地域内交通を円滑に処理できる道路交通ネットワークの整備が必要であると考えます。区が目指す人中心のウオーカブルなまちの実現には、多様な交通手段による適切な分断、役割分担、役割分担の下、快適な移動環境を充実していくことが重要であると考えています。
③ タワーマンションで目指しているモデルについて
〇井上:高島七小跡地にはタワーマンションの建設が予定されています。しかし、タワマンについては、災害対策やテナントの空きなど、課題となっている事例も増えてきています。板橋区はタワマンを建設するURと協定を結んでいますが、板橋区として目指しているモデルをお示しください。
〇坂本区長:タワーマンションで目指しているモデルについてのご質問です。URが旧高七小等の跡地に建設予定の建物は、低層部にスーパーマーケットなどの地域住民向けの店舗等が入り、それ以外はURの賃貸住宅となる予定であります。二丁目33街区のUR賃貸住宅の建て替えに伴う住宅や店舗などの受皿として建設されることから、テナント等の対応についてはURが責任を持って行うものと考えております。また、本地域においては、荒川氾濫時の浸水が予測されているため、建物には一定の浸水対策を講じながら、激甚化・頻発化する水害にも対応できる災害に強いまちづくりを目指していきたいと考えています。
④デッキネットワークのイメージについて
〇井上:高島平地域デッキネットワーク等検討業務委託では、今年度2年間で最大1.2億円を超える事業で公募されました。デッキネットワークを広大に広げると、地上に日陰が増え、デッキ下が暗くなることが懸念されます。水害対策であれば、高島平団地の建て替えの際に、例えば、5階のワンフロアをコミュニティスペースにし、ふだんはコミュニティ活動を行い、災害時は避難所にするなどの検討のほうが現実ではないでしょうか。高島平団地の課題は、北側がずっと日陰になること、ビル風が強いことが挙げられますが、高島平のまちは平らで移動がしやすく、子どもにも障害者にも高齢者にも移動しやすい優しいまちです。車が平らなところを走って、歩行者や車椅子、ベビーカーがデッキを使わなければならないことがないよう、また、デッキの日陰で暗いイメージにならないよう求めますが、板橋区がイメージしているデッキネットワークについて説明を求めます。
〇坂本区長:デッキネットワークのイメージについてのご質問であります。区は、まちづくりプランにおいて、高島平とまちをつなぎ、誰もが移動しやすく、水害にも機能するデッキネットワークを形成する方針を示しました。駅前の商業、交流、公共施設等の各機能をデッキでつなぎ、地域全体へと効果を波及させることが重要であり、今年度から具体的な検討に着手をしたところでございます。具体的には、建物とデッキが一体となり、公共と民間の敷地境界を感じることなく、開放的な屋外空間を演出し、全ての利用者にとってシームレスな移動を可能とするデッキネットワークをイメージしております。
⑤団体との意見交換について
〇井上:2015年に高島平地域グランドデザインが策定されてから既に10年となります。グランドデザインが策定時、板橋区の職員が様々な団体と意見交換をされていた姿が思い出されます。しかし、その後、説明会ばかりで積極的に意見交換したり、計画について話し合ったりする姿は見受けられないように思います。高島平のまちづくりは何十年にもわたる長期計画となり、地域の方と話していると、自分たちはそのときはもう死んでいるからという意見も伺います。しかし、計画に掲げられたウエルフェアなど、ソフトに係ることについては、今から進められることも多々あります。私自身は以前にも、常設の地域交流拠点と生活支援をセットで拡充し、サービス付き多世代向け住宅の構想等を提案してきました。最先端のまちづくりを進めていくためには、大企業等との連携やイベントだけではなく、団体との意見交換を幅広く行い、連携し、日常を豊かにしていくことやグランドデザインの進捗確認、更新をしていくべきではないでしょうか。見解を伺います。
〇坂本区長:団体との意見交換についてのご質問です。まちづくりにおいては、活動の主体となる地域住民の皆さんや、将来像に共感する利用者を巻き込みながら、まちづくりを自分事と捉え、主体的に参画する意識、いわゆるタウンシップを醸成していくことが重要と考えます。特に、約50年にわたり培われてまいりました成熟したコミュニティを有する高島平では多くの地域団体があり、多様な活動が日常的に行われている土壌がございます。こうした地域団体との意見交換は、区が目指すタウンシップ醸成の核をなすものであるため、あらゆる機会を捉えて、地域とのネットワークの構築に取り組んでいきたいと考えています。


