1. コミュニティの希薄化
  2. こどもの貧困・子育て環境の孤立化
  3. 若者やこどもの声が届かない
  4. 介護保険制度等の限界
  5. 地域経済の衰退
  6. NPO・ボランティア団体が活かせていない

現状の課題

「孤立しやすい」社会構造

家族形態が変化し、年々増加する「単独世帯」「夫婦のみ世帯」の割合は50%を超えています。
逆に、三世代世帯が年々減少しています。核家族化や、共働き家庭やひとり親家庭が増え、子育てや介護も、より「孤立しやすい」社会になっています。専業主婦or主夫でも、パートナーの帰りが遅くワンオペ育児で孤立しがちとの声があります。

(「平成28年国民生活基礎調査」作成) (「平成28年国民生活基礎調査」作成)

ひとり暮らし高齢者世帯の割合
(ひとり暮らし高齢者世帯数/全ての世帯数)

国勢調査 H22年 H27年
全国 9.2% 11.1%
板橋区 10.9% 12.5%
これからの社会に必要な事
地域で食事づくりや子育て、介護をシェアできる地域の交流拠点が、歩いていける範囲にあり、ひとり暮らしでも、核家族家庭でも、孤立せず、暮らしが地域を単位にシェアできる地域づくり。
今までやってきたこと
2013年3月、高島平にコミュニティスペース「地域リビングPLUS ONE」を開設し、現在7年目。
2014年、区内の交流拠点を運営する人たちと手をつなぎ、活動を普及していくために「いたばしコミュニティスペース連絡会」の立ち上げ。
2014年から、高齢者が会食や体操など介護予防を行う住民主体の通いの場(通所型サービスB)の制度化を提案し続け、2017年1月に実現しました。その結果、月2~5万円の補助額(年最大60万円)を介護予防に資する場所に補助できるようになりました。2017年度は、区内17団体が事業を行ない、15団体が補助金を活用しました。2018年度は、区内18団体が活用しています。
2018年度、こどもに無料もしくは低額で食事を提供する「こども食堂」に、月2万円(年間24万円)の補助実施がスタート。現在、こどもの居場所は区内24カ所にまで広がっている。

子育て環境の孤立化・子どもの貧困

子育てについての不安は、将来の教育にお金がかかることや、
小さいときの子育てにお金がかかることとなっています。

ひとり親家庭における親と子どもが過ごす時間は短く、約3割(27.6%)が平日に子どもと過ごす時間が1時間未満と回答しています。
また、土曜日勤務について59.9%の人が「ある」と答え、日曜・祝日勤務についても39.7%の人が「ある」としており、子どもと接する機会が 少ないことがわかります。

ひとり親家庭等生活実態調査(子どもの貧困対策実態調査) 結果概要より作成 (ひとり親家庭等生活実態調査(子どもの貧困対策実態調査) 結果概要より作成)

2017(H29)年度 板橋区の児童育成手当受給者数(区)は4,783人とされており、
これはひとり親世帯の数に近い数字とされています。

養育費の取り決めと受給状況(「板橋区ひとり親家庭等生活実態調査」(H29)より作成」)

養育費の取り決めと受給状況
ちなみに先進諸国の養育費受給率は?(2000年のデータ) ☆ちなみに先進諸国の養育費受給率は?(2000年のデータ)
これからの社会に必要な事
学校でも朝食や夕食をとることができるようにし、孤食をへらしていく。
居場所併設型の公園で、子どもたちが遊んでいるのを自然と見守れる環境を。
学校から「ただいま」と帰ることの出来る第2のリビングで放課後の居場所を。
認可・認証保育所・一時保育など、全保育サービスの1日あたりの保険料格差をゼロに。
離婚後、養育費を受け取ったことのない人が板橋区では約7割。ひとり親家庭支援として「養育費保証制度」の実施を。
家庭の経済状況に関わらず、子どもたちが民間の習い事やクラブなど、学習機会を選択できるクーポン事業の実施。
学校支援地域本部の有給コーディネーターの活動を促進し、学校と地域資源(NPO等)とをつなぎ、日常性のあるサポートの充実を図ることが必要です。
今までやってきたこと
2018年、こどもに無料もしくは低額で食事を提供する「こども食堂に、月2万円(年間24万円)の補助実施がスタートし、現在、こどもの居場所は区内24カ所にまで広がっています。
認証保育所利用者へ所得階層別の保育料補助実施を求め、実現しました。
学校での朝食・夕食提供や、家庭環境に関係なく民間の習い事に参加できるクーポン事業の実施、養育費の取り決めと保証制度の実施など、子どもの貧困対策調査特別委員会で提案し、前回はの賛同を得て、提言として残すことができました。

児童虐待

虐待についての理解が社会的に深まり、通報件数が増えた結果ですが、、
厚生労働省 児童虐待相談対応件数の推移(H29)によると対応件数は増え続けています。

厚生労働省 児童虐待相談対応件数の推移(H29)
これからの社会に必要な事
板橋区に児童相談所と一時保護施設が設置される予定です。子どもも保護者も「助けて」と言える仕組み作りを。
短期里親や里親の普及をしていきます。
要保護児童対策委員会に、地縁団体等のみならず、子どもに関する活動をしているNPOやボランティア団体の代表に守秘義務を課した上で参加してもらい、 子どもたちの日常的サポートへ。
今までやってきたこと
私が代表をしているNPO法人ドリームタウンにて、2015年4月から続けているこども食堂「おかえりごはん」があります。無料・低額で食事をすることができると共に、多世代交流ができ、情報交換や困りごと・悩み事の相談などができる環境になっています。
子ども食堂の開設講座やフォーラムなど、主催したり、事例として活動を紹介したりしてきました。
障がいのある子どもや、不登校の子どもたちの居場所機能も果たしています。

進む高齢化

板橋区の高齢化率は、2003年には約17%でしたが、2019年には約23%となりました。
2025年には65歳以上の人口のうち58.3%が75歳以上(後期高齢者)になると推計されています。

- 2003(H15)年 2019(H31)年
総人口 520,931人 566,885人
65歳以上 87,029人 130,895人
高齢化率 約17% 約23%

(板橋区HPより作成)

これからの社会に必要な事
常設の居場所の運営に十分な補助実現を求めていきます。
いつまでも住み慣れたまちで自分らしく生きられる社会を目指し、住民主体の訪問型サービスBを制度化し、介護保険等で対応できない訪問支援を行なっている地域活動を補助できるように提案していきます。
ビスBを制度化し、介護保険等で対応できない訪問支援を行なっている地域活動を補助できるように提案していきます。
地域の支え合い・助け合いを促進していく「協議体」は、現場の活動を有しし、ボトムアップで。
今までやってきたこと
元気な高齢者の方が活動する場所の一つとして大切な集会所。2011年に73カ所あった集会所は、 2018円には59カ所にまで減りました。委員会や一般質問でこれまで何度も、集会所の必要性を訴え、削減に反対してきました。
2014年から、高齢者の通いの場(住民主体の通所型サービスB)の制度化を提案し続け、2017年1月に実現しました。 その結果、月2~5万円の補助額(年最大60万円)を介護予防に資する場所に補助できるようになりました。2017年度は、区内17団体が事業を行ない、15団体が補助金を活用しました。 2018年度は、区内18団体が活用しています。

介護保険制度等の限界

板橋区で介護保険料や健康保険料が上がり続けています。板橋区の 65 歳以上の高齢者人口は、介護保険制度が開始された平成 12 年当時、約72,700 人でしたが、その後約 129,000 人(平成 29 年 10 月現在)となり、高齢化率も約 14%から約 23%に上昇しています。
また、認知症高齢者やひとり暮らしの高齢者が増加しているほか、板橋区の要介護認定者数は 24,000 人を超え、介護保険給付額は約 380 億円となっています。

介護保険料問題
第57回社会保障審議会・介護保険部会(平成28年4月22日開催)「参考資料1 保険者等による地域分析と対応(参考資料)」から転載 表 第57回社会保障審議会・介護保険部会(平成28年4月22日開催)
「参考資料1 保険者等による地域分析と対応(参考資料)」から転載

第 7 期介護保険料基準額は、(月額)5,940円 (基金活用前の基準額 6,259円)ですが、
2020年には8,500円にまで上がると言われています。

第1期から第7期及び第9期 の介護保険料基準額 第1期から第7期及び第9期 の介護保険料基準額
これからの社会に必要な事
高齢者が元気で居続けられるよう活躍の場を増やします。
制度のサービスだけでなく、制度外サービスを充実させ、生きがいを持って暮らせる地域づくりを進めます。
地域の支え合い・助け合いを促進していく「協議体」や、地域の高齢者を見守る民生委員さんの活動が重要となっていきます。
今までやってきたこと
住民主体の活動への予算かを進めてきました。専門家だけが福祉を担うことから、 多様な人たちで支え合う地域づくりへ。ボトムアップの視点で、持続可能な地域づくりを進めてきました。
民生委員さんの見守り活動は、一人1,141人受け持ち年々大変に。他の介護予防事業等と連携し、 日常から見守りができている人については訪問を減らし、支援が必要な人に時間がかけられるように提案してきました。(2019年2月健康福祉委員会)
協議体の進め方について、勉強会から始めるなど提案し、提案が活かされてきました。

最期を迎えたい場所は
「自宅」が半数を超える

「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」について

  • 「自宅」…54.6%
  • 「病院などの医療施設」…27.7%
  • 「特別養護老人ホームな どの福祉施設」…4.5%
  • 「高齢者向けのケア付き住宅」…4.1%
  • 「子どもの家」… 0.7%
  • 「兄弟姉妹など親族の家」…0.4%
  • 「わからない・その他」…8.0%
	※出典:平成24年度 高齢者の健康に関する意識調査(内閣府)※出典:平成24年度 高齢者の健康に関する意識調査(内閣府)
これからの社会に必要な事
住み慣れたまちで、最後まで過ごすことができるように、在宅医療の普及が必要です。
自宅で継続的な医療が受けられれば自宅にいられるのであり、本当はそうしたいと思っている人がたくさんいるのです。自宅に介護の手がないために入院や施設に入所している人も多いのです。
自宅での生活を充実させるため、住民主体の訪問型サービスBの制度化が必要となります。
介護士人材の養成や待遇改善による人材の確保を。
今までやってきたこと
2018年、訪問型サービスBの制度についての勉強会を実施し、2020年度制度化に向け動いています。

障がいのある人の日中の居場所

板橋区における障がい者数は、31,387 人(平成 29 年4月1日現在)です。
障がい者数は全般的に増加傾向にありますが、主に増えているのは知的障がい者や精神障がい者、指定範囲が拡大している難病で、
身体障がい者の数は微増にとどまっています。

障がい者が日中の過ごす場所について

障がい種別でみると、身体障がい者、精神障がい者、難病患者で「自宅にいることが多い」の割合が高くなっている。(身体41.5%、精神45.2%、難病40.9%)また、知的障がい者で「福祉施設、作業所などに通っている」の割合が高くなっています。(46.6%)

障がい児について

障がい種別でみると、すべての障がい児で「幼稚園や保育園、学校などに通っている」の割合が高くなっています。
(全障がい種別平均80.3%)
(「板橋区障がい者・区民実態意向調査結果報告書」より)

これからの社会に必要な事
日中や夕方以降の街中の居場所や移動支援の拡充をし、障がいがあっても地域で暮らし続けられるようにしていくことが重要と考えています。
また、区民の障がい者に対する理解を深め、社会的障壁をなくすこと、重症心身障がい者の1対1支援促進で一人あたりにあった生活プランが立てられるようにすることが必要です。
今までやってきたこと
だれもが参加できる居場所づくりを通して、実践・研究・提案につなげました。一人ひとりとの出会いから必要な施策を提案して、実現につなげました。
重度訪問の担い手の育成や24時間ヘルパーの拡充、だれでもトイレへの大人用ベッドの設置など提案、一部実現してきました。
新中央図書館では休憩スペースの設置を行うとの答弁がありました。
幼児教育での手話導入や、行政職員の手話習得を提案しました(2018年度健康福祉委員会)。

非正規雇用者数の上昇

1990年に881万人だった非正規雇用者数は、2014年に1962万人と2倍以上になりました。 正規雇用者数は、1990年代半ば以降、ほとんどの年で減少し、一方、非正規雇用者数は、1994年及び2009年を除き増加しています。

非正規雇用者が正規・非正規雇用者の合計に占める割合は上昇しています。 非正規雇用者が正規・非正規雇用者の合計に占める割合は上昇しています。
平成27年板橋区議会議員選挙 年代別投票率

(総務省より)

これからの社会に必要な事
非正規雇用者が非正規の職に就いた理由で、『正規の職員・従業員の仕事がないから非正規雇用の職に就いた者』は、非正規雇用者の約2割に留まり、約8割は、時間の都合のつけやすさや家計の補助を得ること等を理由として非正規雇用を選択しています。一方、本来は正社員を望みながら、非正規社員として働かざるをえないという人が増えているという現実もあり、だれもが不安を抱えることなく、安定した雇用形態で働ける社会が求められます。

NPO・ボランティア団体が活かせていない

板橋区では、NPOやボランティアとの対等な協働関係が築けていない現状があります。

これからの社会に必要な事
ボランティア・NPOと行政の対等な協働関係の促進をし、まちづくりや地域のことを住民主体で決めていけるようにする必要があります。 また、まちづくりの外部委託化の是正を求めていきます。
今までやってきたこと
ミニ・ボランティアセンターを小学校区に設置することを提案してきています。
ボランティアセンターは、基本理念を尊重し住民・NPOの自立的運営をと、行政運営の根本姿勢について厳しく追及してきました(2015年一般質問~2019年予算検討まで7回指摘)。
社会起業家の育成について、質問してきました。

外国人の人口の増加

板橋区の外国人人数は年々増えており、10年前に比べ11,193人増となっています。
それにより外国籍の児童・生徒も増加しています。10年前と比較すると小学校で253人、中学校で24人増で、特に小学生の増加が顕著です。 その一方、外国人の子どもや親(大人)を中心として行っている施策等は行われていないのが現状です。

板橋区HPより作成
小学校(人) 中学校(人)
H30/5/1 526 140
H29/5/1 463 136
H25/5/1 224 123
H20/5/1 273 116

※親の国籍がどうかまでは確認していない

これからの社会に必要な事
外国人との共生社会に向け、地域に住む外国人を主人公にした国際交流の促進、学校においても外国籍の子どもやその親が中心となり活動できる取り組みの拡充を。
住まいや仕事における外国人差別解消を。
日本在住の外国人へ社会保障制度等、母国語での説明を。
今までやってきたこと
地域の外国人を中心とした国際交流の促進について質問し、「検討する」との答弁、今後も具体的提案につなげていきます。
外国人の人権について一般質問で質問し、支援体制の拡充を求めました。