2014年4月12日
世田谷区視察:①「ミニディおとこの台所」に行ってきました!
だいぶ間が空いてしまったのですが・・・
先月3月15日に、世田谷区の「ミニディおとこの台所」と「空き家活用フォーラム」の視察に行ってきました!
「ミニディおとこの台所」は、定年退職後の男性たちが、料理を通じて自分たちの活動の場づくりをしているサークル、
「空き家活用フォーラム」は、世田谷区の空き家を地域貢献のため活用することを目的に、区が空き家のオーナーさんと活動団体を仲介するという事業です。
*1月にも世田谷区の空家等地域貢献活用事業を視察しています。その時の様子はこちら
それではまず、「ミニディおとこの台所」のご報告から。
男性が定年退職後、なかなか地域に溶け込めない、活動の場を広げられない、といった悩みをよく耳にします。
「ミニディおとこの台所」は、定年退職後の男性が集まって楽しく料理を学んでいくサークルなんです。
(「ミニディ」とは、世田谷区社会福祉協議会が支援する地域の支えあい活動のひとつ)
現在、世田谷区内8か所で活動しており、スタッフ40名を含め、総メンバー数はなんと250名以上!
今回は、八幡山の「おとこの台所」におじゃまし、16名のメンバーの方にお料理をふるまっていただきました。
台所はメンバーの方でいっぱい!みなさん和気あいあいとお料理されていました。
おそろいの帽子とエプロンがお似合いですね^^。
流れ作業でお手のもの!
「おとこの台所」と聞くと、ガッツリ系の油ものを想像される方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、実際はとってもヘルシーです♪
3月のメニューは、「丹波黒豆のちらし寿司・帆立貝のピカタ・おからの炒り煮・蕗のお浸し・はんぺんのチーズ焼き」。
どれもとても美味しく、繊細な味。見ためも色鮮やかで、まるで料亭のような味!
月に2回定例会を開く他、女性や世田谷区に住んでいる東日本大震災の被災者の方々、また世田谷区民の方々をゲストに招いて、お料理を振る舞ったり、出前シェフなどもしています。
お食事前に、スタッフの名取さんにお話を伺いました。
活動のきっかけは、12年前、ある方から、「男性は料理なんてできないでしょ」と言われたこと。
「そんなことはないよ!」と最初は参加者5人とごく小規模で活動がはじまりました。
その後参加者はどんどん増え、最初は4人だったスタッフも、現在は40名にまで増えました。(まだまだスタッフ募集中)
活動場所ももっと必要だそうですが、キッチンが付いていて、ある程度広い部屋を無料で借してくれる場所がなかなか見つからないとのことでした。
会費は500円程度。料理教室ではなく、あくまでサークルとしてみんなで楽しく作業して、自然とお料理が身につくというスタイルです。
ご家庭でもふだんお料理するのですか、とおたずねしたところ、意外にもほとんどいらっしゃなかったのですが(やはり奥さまの手料理がいちばんなのでしょうか^^;)、
個別にお話を聞いてみると、「おとこの台所」でおぼえたレシピをいくつか持っていらっしゃり、ときどきご家庭でふるまうと、ご家族の方にとてもよろこばれるそうです。
また、ある方はデイサービスの食事担当としてボランティアをされているとか。
みんなで輪になっていただきます。
後片付けもバッチリ!
頭を使い・手を動かし・味覚を楽しむお料理は認知症予防によいと言われていますが、「おとこの台所」では、地域の人と交流し会話も楽しむことにもなるので、さらに効果が得られそうですよね。
しかも、「おとこの台所」をきっかけに、自然発生的にスケッチサークルや飲み会、BBQ、小旅行などさまざまな活動が生まれているそうです。
お料理を通してどんどん活動の場が広がり、お家に閉じこもりがちな生活が、地域とのつながりのあるアクティブなものに変わるなんて、想像以上でした。
既存のサービスに頼るだけではなく、自分たちに必要な場を自分たちでつくり、運営していく。そんな姿勢にとても刺激を受けました。