2015年6月15日
一般質問報告(2) 新しい総合事業における通所型サービスおよび認知症カフェについて
こんにちは!先日6月8日(月)に開かれた本会議でおこなった、
一般質問の内容をご報告します♪
3回に分けてお届けしております。今回は二回目です。
通所型サービスと、認知症カフェについて質問しました。
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平成27年第2回東京都板橋区議会定例会会議録(6月8日)
<通所型サービスについて>
■井上温子:通所型サービスA・Bについて取り上げます。
高齢者だけでなく多様な人たちが共に過ごしたり、またそこでつくったものを販売が行える場、コミュニティスペース併設型でも通所型サービスA・Bを行うことは可能でしょうか。
また、東京都の指定から、区の指定となる小規模デイサービスについてはどうでしょうか。
区長:新しい総合事業の実施に当たり、訪問型サービスや通所型サービスの設置基準について、現行の国基準を緩和したものを区が定めることとなります。このため、高齢者の介護予防に寄与するものであれば、コミュニティスペースの併設も可能となるよう検討を進めていく考えであります。
また、地域密着型サービスの施設基準につきましては、国の基準を踏まえて区の条例で規定をしておりまして、コミュニティスペースを併設することが可能かどうか、今後、研究してまいりたいと考えています。
■井上温子:板橋区では、ボランティア団体主体で行われる訪問型・通所型サービスについてアンケート調査をNPO団体に向けて実施しましたが、その後動きがありません。
関心有りと答えた38団体への意見交換の実施や実態調査を行うべきではないでしょうか。来年から事業開始予定とすれば、早急に実施していく必要があるのではないでしょうか、見解を伺います。
区長:平成26年度に、区内NPO法人とボランティア団体2 28団体を対象に新しい総合事業の住民主体のサービスについて調査を行ったところ、38の団体から興味があるとのご回答をいただいております。
これを踏まえて、さらに具体的な参入意向調査を行うことで、介護予防・生活支援サービス事業の体制整備のために配置しました生活支援コーディネーターと協議を行っているところであります。
住民主体サービスにつきまして、今回の参入意向調査も踏まえ、区としての実施方法、運営基準などを検討した上で、参入希望団体への事業説明会の中において意見交換会等を行っていく考えであります。
■井上温子:次に、新しい総合事業の訪問型サービスA-D、通所型サービスA-Cの予算規模はどれくらいになる予定でしょうか。お伺いいたします。
区長:介護保険事業に要する経費は、介護保険事業計画に基づき3か年の見込み額を計上しておりまして、平成28年度の介護予防事業を含む新しい総合事業全体の見込み額は18億6, 278万3,000円でございます。
このうち訪問型サービスは5億3,926万円、通所型サービスは9億2,586万3, 000円で、両サービスの合計につきましては1 4億6, 5 12万3,000円を見込んでおります。
なお、新しい総合事業の訪問型サービスと通所型サービスの見込み額は、両サービスの平成25年度実績額、平成26年度見込み額から国が示した計算式によって総額を算定しておりまして、サービスの類型ごとの内訳は算定をしていないところでございます。
■井上温子:通所型サービスBの補助額については、高齢者の受け入れ人数や開催時間にもよりますが、区の公共施設利用の場合は、人件費分を、そして民間の場を利用しての場合は、家賃と人件費を最低限確保した補助制度の設定が必要だと考えますがいかがでしょうか。
区長:住民主体によるサービスについて、国の指針におきましては、区が実施主体に対しまして補助を行うことが可能であるとされております。このため、参入希望団体に対する意向調査も踏まえ、今後、家賃や人件費に対する補助制度について検討していく考えであります。
■井上温子:どこの自治体もボランティア主体の取り組みの部分は困惑している様子が伺えます。
高齢者新聞においての14区に対するアンケート調査では、通所型サービスBを手がけるボランティア団体はあるかとの問いに対して、板橋区のみが「適度にある」と回答し、その他の区では、「わからない」「まったく足りない」といった回答でありました。依然、ミニデイサービスやコミュニティスペースを活用した通所型サービスBについては、全国的にも事例がほとんどない状況です。ぜひ、板橋区からモデルを発信していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
区長:23区において新しい総合事業を開始している5区については、住民主体のサービスを見送っております。板橋区としましては、制度改正の趣旨を踏まえ、多様なサービスを確保するため、住民主体のサービスも平成28年度から開始できるよう各区内関係団体と協議をしていく予定であります。
■井上温子:今後、認知症カフェ含め、住民主体の活動を広報するための冊子づくりや住民主体の通いの場づくりを広げて行くための講座、研修等していくべきだと考えますがいかがでしょうか。
区長:認知症カフェや住民主体のサービスについて、対象者にその利用を推奨するための広報につきましては、冊子の作成も含めて検討してまいりたいと考えています。
また、参入団体の拡大に当たりまして、区としてその担い手の育成を支援する必要があるとも考えておりまして、講座や研修の開催についても検討してまいりたいと考えています。
■井上温子:介護保険の改正において、いこいの家を活用する方針が昨年度の答弁で明らかになりましたが、前項でとりあげました居場所併設型公園づくりで集会所を活用していく案についてはいかがでしょうか。
区長:新しい総合事業における住民主体のサービスの提供の場所として、いこいの家の施設の一部を使用し、通所型サービスの担い手の育成支援を検討しているところでございます。また、 いこいの家のほかに、区民集会所を含めた区の集会施設を活用することは、今後、検討してまいりたいと考えています。
<認知症カフェについて>
■井上温子:次に、認知症カフェについて伺います。
東京都の認知症カフェの補助を活用するには、認知症の家族や当事者の方々とコミュニティスペース等の場と、医療機関を結びつけることが重要です。ぜひ、各機関をつなげるサポートを進めて下さい。
区長:認知症カフェは、認知症の人の家族介護の負担軽減を図るため、認知症の人とその家族、地域住民、専門職種、専門職等の誰もが参加でき、集う場でございます。認知症カフェは、 コミュニティカフェのほか、介護施設や喫茶店など様々な場で開催がされておりまして、認知症の人や家族介護者、認知症にかかわる関係者が身近な地域で利用できるよう地域包括支援センターが支援をしているものであります。
今後も、区といたしましては、地域の中において認知症の人と家族介護者が気軽に利用し、医療機関等の関係機関と地域包括支援センタ ーが連携をして認知症カフェの運営を支援するとともに、新たに立ち上げを検討している方に対しましては個別に相談に応じるなど、きめ細かく支援をしてまいりたいと考えています。
■井上温子:担い手を広げて行くためにもHPに説明会資料の掲載、助成していない認知症カフェの紹介、認知症カフェを始めたい方への欄を記載し改善してはどうでしょうか。
区長:認知症カフェに関するホームページにつきましては、既に認知症カフェを運営している方 や、これから始めようと考えている方がわかりやすくなるよう、要綱のほ力輔助金に関する説明資料などの掲載を含めて改善に向けた検討を行っているところであります。
また、認知 症カフェの設置を広げていくために、認知症カフェの運営にかかわる方や支援者による(仮 称)認知症カフェ支援者交流会の開催を予定しておりまして、情報交換や課題の検討、認知 症カフェ関係者のネットワーク化を図っていく考えであります。
■井上温子:若年生認知症についての記述も全くありませんが、改善すべきではないでしょうか。板橋区の中でも、若年生認知症の当事者グループが立ち上がろうとしています。是非、バックアップをして頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
区長:板橋区では、これまで若年性認知症施策につきましては、毎年1回、講演会を開催して、若年性認知症に関する知識の普及及び啓発に取り組んでまいりました。
板橋区における若年 性認知症の家族会につきましては、若年性認知症の家族や関係者の方々による家族会の発足の準備を進めていると伺っておりまして、区といたしましては、今後、会の発足や、また、自主的運営について支援をしていく考えであります。また、若年性認知症についてホームペ ージ等でも広く知識の普及啓発を図るとともに、家族会等の情報についても掲載をすることによって、区内の若年性認知症の人と家族の方に向けた情報提供を行っていく考えであります。
■井上温子:先日、認知症カフェについての補助金説明会が開催され、一歩前進したことを嬉しく思っていますが、開催時期は、1年遅かったと思います。
26年度から活用できたはずの助成金が、結果として、区が知っている認知症カフェだけに支援をするといった形で終わってしまいましたが、これは問題だと思います。なぜこうなってしまったのでしょうか伺います。
区長:平成26年5月、東京都から、医療機関との連携が課されている認知症カフェを対象にしまして、運営補助制度を開始する旨の通知がございまして、7つの認知症家族交流会などで 構成されている家族の会ネットが平成26年4月に立ち上げた認知症カフェへの補助を検討し、利用に至ったものであります。
■井上温子:板橋区では、他にも認知症カフェをされている方がいらっしゃいましたが、行政は、自分たちの腕の中で育った団体へばかり支援し、目を向けがちです。
しかし、自立的に始めたところにこそ、行政は出向き、課題をお聞きしたり、また介護や医療関係機関や企業との連携に等による発展のアドバイスをする等の姿勢を見せるべきです。認知症カフェに限らず、ボランティア・NPOの育成には、こういった視点が重要だと考えますがいかがでしょうか。
区長:認知症カフェにつきましては、平成25年度から7つの認知症家族会などで構成されております家族の会ネットが準備を開始したため、区も支援しながら26年4月に大山に発足した経緯がございます。
また、平成26年度には、徳丸や高島平の地域におきましても、認知症カフェの開設について相談を受けておりまして、地域包括支援センターで支援をしているところでもございます。今後も、引き続き地域の認知症カフェの開設や運営について情報収集し、地域包括支援センターとともに支援をしていく考えであります。
■井上温子:補助制度は収入を差し引いた支出の部分のみ助成をするとしていますが、これでは会費を集めなくて良くなり、自立的運営にはつながりません。かかった経費の8割補助といった形にする等、工夫が必要と考えますが、いかがでしょうか。
区長:自主的な認知症カフェの運営を目指し、会費制の導入や投資家からの寄附を活用することは、充実したグループとして活動の幅を広げていく有効な手段の1つであると考えます。
立ち上げ当初は、持続可能な運営基盤を確立していただくという考え方から、現行の補助制度による支援が必要であると考えておりますが、その後は、自立した運営を促していくことも重要であるとも考えます。今後も、認知症カフェに対する国や東京都の財政支援の動向を勘案しながら、補助制度のあり方についてを検討してまいりたいと考えています。
■井上温子:東京都の補助は、28年度までとなっていますが、その後、板橋区としてどういった支援を行うのでしょうか。
全てを自立というのは認知症カフェの趣旨から言って難しく、低所得者が参加出来ないものとなったり、場所を貸し出す側が負担を負う事になったりしまいます。新しい総合事業に含ませながら独自の補助を行えないか、見解をお聞きまします。
区長:東京都における認知症カフェの補助制度につきましては、平成26年度から平成28年度までの3年間の制度でありまして、来年度が最終年度となります。
板橋区では、来年度から開始されます新しい総合事業の枠組みでは、通所型のミニデイサーピスなどのサービス提供が基本であり、現在のところ、認知症カフェは対象としていないところであります。しかし、国の新オレンジプランにおきましては、7つの柱の1つとして、認知症の人の介護者への支援を掲げておりまして、その中において、認知症カフェの設置が示されていることからも、将来的に何らかの財政支援がなされることも想定がされると考えています。板橋区としましては、国や東京都の動向を注視しながら、今後の補助制度のあり方について検討をしてまいりたいと考えています。