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2012年11月5日

H23年度決算に対する反対討論報告

報告第1号「平成23年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決算」認定に反対の立場から、報告第2号「平成23年度東京都板橋区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算」、ほか特別会計決算の認定について、賛成の立場から討論を行います。
平成23年度は、東日本大震災や原発事故影響の対応に追われる年となりました。原発の安全神話の崩壊とともに、政治への不信感がさらに増大しました。
板橋区の6月補正予算では、2億1,907万3,000円が組まれ、備蓄物資や震災対応特別融資など、災害対策に力が入れられました。この大震災後という変化の年度に、板橋区としては大きな第一歩を踏み出せたのでしょうか。
まず、放射線対策です。
私が議員として初めて問い合わせたのが、東電福島第一原発事故に伴う放射線の問題でした。最終的に区として、空間線量の測定や給食のサンプル検査、産地表示等に取り組むこととなりましたが、スピードは遅く、不十分であったと言わざるを得ません。
また、産地表示の方法については、学校ごとにばらばらで、改善を申し入れても、それぞれの学校の方法に委ねるとし、教育委員会からは、区民に伝わりやすい方法に統一するような指導を行いませんでした。
学校行事や授業など、学校の自主性を尊重するものと、東電福島第一原発事故に伴う放射線対策やリスク管理等については、自主性に委ねず、区民や子どもにとってよりよい方法を教育委員会として指導するべきものとで分けて考えるべきではないでしょうか。
次に、エネルギー政策です。
東京都内の多くの自治体が、使用する電力を新電力(PPS)から購入しようとする動きが、震災後加速しました。
2012年1月29日の東京新聞では、既に東京都では、23区中19区が実施・検討しているとしたのに対して、実施していなかったのが、板橋区を含めて3区のみでした。
太陽光の設置補助の予算を増額するだけではなく、早期のPPSの導入やエネルギーの地産地消政策をもっと大々的に実行するべきではないでしょうか。
続いて、新しい公共の推進についてです。
現在、地域振興課や産業振興課、生きがい推進課、社会福祉協議会やボランティアセンター等、さまざまな部署や機関でボランティア推進やNPO活動の推進、生涯学習等を行っていますが、重複業務も見られますし、同じような事業もそれぞれで分断されています。総合的に見て、コーディネートしていく必要があるのではないでしょうか。
また、平成23年度には、町会・自治会の加入率調査を初めて区として取り組みましたが、加入率は5割程度でした。老人クラブの加入率は1割程度です。
区としては、地縁組織や高齢者に目が行きがちですが、積極的に新しい団体や若者の声も取り入れるよう、工夫を求めます。
例えば、地域会議の準備会として行われている地域情報連絡会は、傍聴ができるようにと要望してきましたが、実現できたのは数えるばかりでした。既に選出された連絡会のメンバーの意向ばかりを気にするのではなく、区民全体を意識し、公開の原則を区が進めるべきではなかったでしょうか。
次に、決算の総括質問にて取り上げた居宅生活支援費介護給付費の不正請求についてです。
重度障がい者Aさんと障がい者福祉サービス事業者B社が、一緒に不正請求をしていたことに対する区の対応です。
区は、昨年の健康福祉委員会に初めて報告した際に、多数の議員から、「経過をまた報告してほしい」と要望されていたにもかかわらず、その後、1年以上経過しても委員会での報告はしませんでした。
また、告訴状案では、Aさんのみを被告訴人としており、B社の旧経営者については、「証拠が不十分」とし、見送っています。しかし、不正受給額は、Aさん約5,200万円、B社約1,000万円と、それぞれ明らかになっており、また、B社から16人分の給与が特定の人に振り込まれていたことを証明する書類も区は持っています。証拠が全くないわけではないのです。告訴状を警察と相談するのではなく、事件を起こした被告訴人両者を明記し、適切に提出することを求めます。
B社の旧経営者を告訴することで、B社の社名がいずれ明らかになることを恐れている様子もうかがえますが、事実に基づく対応をしていただきたいと思います。
さらに、B社は事業者としての責任を果たすよう、利用者への説明をするよう、区は指導するべきではないでしょうか。
公共サービスが民営化されていきますが、税金で事業を行う公共サービスの担い手は、区と同じように説明責任を果たす義務を負うべきでしょう。
ほかにも、ティールームこすもすの存続が決まらないまま、障がい者就労支援事業ハートワークのプロポーザルが実施されました。運営事業者が変わっても、住んでいる障がい者や支援者は変わりません。現場でかかわっている利用者が不安にならないよう、区が10年、20年、30年の長いスパンで責任を持ち、方針を示すべきです。
プロポーザルの方法も、区内団体の育成をできるよう工夫も必要です。私は、何でも民営化に反対というわけではありませんが、事業の評価や継続性、不正や事故の事実を区民に示せないような責任逃れをするような民営化は容認できません。
以上の理由から、一般会計歳入歳出決算認定に反対をし、また、特別会計については賛成をし、討論を終了します。

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