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2019年11月6日

『ひきこもり』の長期化・高齢化という問題について

こんにちは。スタッフブログです。今回は「ひきこもり」の問題についてです。

内閣府は今年3月、2018年12月にはじめて実施された中高年層を対象にしたひきこもり調査結果を発表しました。それによると、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるそうです。その7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めています。15~39歳の推計54万1千人を上回り、ひきこもりの高齢化、長期化が明らかになったのです。

今年9月には都庁で、第1回「東京都ひきこもりに係る支援協議会」が開かれました。
『若年期にひきこもりになった状態が長期化、高齢化していることや、ひきこもり状態にある当事者とその家族が抱える悩みも医療・介護・所得・就労など多岐に渡ることを踏まえ、年齢によらず、当事者・家族の状況に応じた支援の在り方についての検討及び情報共有の場を設け、切れ目のないきめ細やかな支援を行うこと』を設置目的とした同協議会。

私は当日傍聴に行ったのですが、委員は学識経験者や関係機関等の方々から構成されており、様ざまな角度からの意見を聞くことができました。東京都においても他職種が一丸となってまさに具体的に動き出したところです。

最近では「8050問題」としてメディアでも取り上げられる事が増えたように思います。
8050問題は、80代の親が50代の子どもの生活を支えるという問題です。この背景にあるのが長期化した「ひきこもり」なのです。

支えてきた親が高齢化し、生活が立ち行かなくなるケースが年々増えてきている現実があり、これまでは見えていなかったひきこもり状態にある方たちが、表面化してきたのです。しかし、いまだ「ひきこもり=恥ずかしい事」と思いこみ、家族内で抱えてしまいがちなのもこの問題の特徴だそうです。

同じ区域に住んでいる民生委員さんでさえ、そこにお子さんがいることを知らず、親に介護が必要な状態になり自宅に訪問介護が入るようになり、実は何年も前から子どもが同居していたのだと分かることも少なくないそうです。

井上温子事務所の『いたばし未来ラボ』においても、ひきこもりについての学びを深めていくところです。

研究員の方(ひきこもりを経験した方)を中心に、この問題について当事者目線で考えを深め、板橋区でできること、足りない支援や体制等を洗い出し、議会での質問につなげていけたらと思います。

先日、研究員の方と事務所で1回目の打ち合わせをし、ひきこもりの高齢化や中高年のひきこもりの人の孤立、中高年のひきこもりの人ほど相談機関に結びつかない等の課題について共有し、現状を確認しました。

打ち合わせ終えて、ひきこもりの原因は一人ひとり違い、また様ざまな要因が絡み合っていること、とてもデリケートな問題であること、課題解決にはかなりの労力と時間を要することなど、改めてこの問題へのアプローチの難しさも感じましたが、具体的に動き出している当事者やその家族が主役になれる居場所づくりや、当事者(または経験者)が発信できる場所のなさが分かりました。

また、ひきこもりを経験した人が社会にまたつながるための体制づくり(いきなり就職ではなく)が不可欠だと思いました。

引き続き、ラボでもひきこもりについて深めていきたいです。

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