2020年10月1日
陳情審査報告:新型コロナウイルスにおけるPCR検査について等(2020年8月健康福祉委員会②)
8月25.26日に行われた、健康福祉委員会の議事録をベースに、主な内容と私の意見を簡単にまとめました。
陳情(「請願」「陳情」は、区政等に関する意見や要望を議会に対して述べる制度で、どなたでも提出することができるもの)も所管事項調査も盛り沢山の委員会でしたので、数回のブログに分けて報告します。
このブログは、陳情審査報告:新型コロナウイルスにおけるPCR検査について等(2020年8月健康福祉委員会②)についての報告です。
※他の記事については、下記にリンクしています。
・陳情審査報告:障がい者総合福祉センター・介護予防スペース等(2020年8月健康福祉委員会①)
・陳情審査報告:新型コロナウイルスにおけるPCR検査について等(2020年8月健康福祉委員会②)
・報告:高齢者保健福祉・介護保険事業計画2023と取組について(2020年8月健康福祉委員会③)
・報告:板橋区障がい者計画2023及び障がい福祉計画・障がい児福祉計画について(2020年8月健康福祉委員会④)
●陳情104号 新型コロナウイルス感染症について
井上:1項目、2項目継続、3項目を採択を主張。
〈質疑内容〉
○井上温子
PCR検査の検査に関しては、上限は設けていらっしゃらないということだが、検査可能数というのはあると思うのでお伺いしたい。
○予防対策課長
それぞれの検査会社の1日当たりの処理件数につきましては、各会社である程度の人員と検査機器の能力に応じて、1日当たりの検査の大体の目安があるかというふうにも推測をいたしますが、今現在、検査の会社それぞれ様々でございまして、区のほうでそれぞれの検査会社の上限については、今現在逐一の把握をしてはございません。
○井上温子
現状の検体1日とか1か月で、どれぐらいできるかというリミットが把握できていないっていう理解でよろしいか。今のご説明だとリミットはまだ分からないということだと思うのですが、ぜひ、ここに関しては今の協力していただける医療機関や、板橋区のPCRセンターなど、総合して1日(あるいは1か月)あたりで何件の検査ができるのかというリミットをやはり示していただけるとありがたいと思う。
今後、増やすといったときに、現時点のリミットと、1か月後どの程度増えているのかという指標も必要になってくると思うので、ぜひ、調べていただきたいがいかがか。
○予防対策課長
先ほど、鼻と口の拭い液を検体採取として行う場合の医療資源についてお話しをし、そこは、確かにこれまでリミットとなるような状況であったが、今般、変更が大きくされたのは唾液の検査。唾液の検査は、容器をご自分で持って唾液を自己採取するということが可能。この点、検体の採取が医療行為ではなくて、ご自分で検体を取ることができる。
これによって、飛躍的に検査を実施できる医療機関が増えるだろうということが、今見込まれている。板橋区医師会では、集合契約という形で、複数の医療機関が行政検査を行うために東京都と契約を進めており、そこでやはり多くの医療機関が唾液の検査で医療従事者も、それから検査を受ける方にも感染のリスクが少ないような形で検査を実施すると、そういった形で検査の受けられる数は、やはりどんどん増やしていきたいというふうに考えている。
医師会と私たち、情報共有しながら、そのあたりの準備も進めておりますので、実際の検査の実施数に関しては、今、1月ごとの数をホームページで公表しておりますが、今後、情報の集約の状況に合わせて、頻度も少し増やして、検査の実際の実施状況も含めて皆様にお伝えできたらと考えている。検査については1日ずつ、どんどん増やしていくと、上限なくリミットなく増やしていく。特に唾液の検体であればそれが可能であるというふうに見込んでいる。
○井上温子
唾液が始まると、どんどん検査しやすくなるとは思うが、現在のリミットがやはり必要だと思う。例えば7月で言うと、1万件できるうちの5,718件だったのか、それとも6,000件が限度というところの5,718件だったのかというのが不明なので、ある程度リミットを明示していただきたい。
また、検査ですごく大変になってしまうのはよくないとは思うが、高齢者や持病をお持ちの方を守るというときに、接する方たちがコロナウイルスを持っているのか、持っていないのかというのをある程度把握していく必要性はあると思う。その点についての板橋区の見解というのを、何かあればいただきたい。
○予防対策課長
今まさに今おっしゃっていただいた、特に高齢の方と接する職業の方たちの感染拡大防止のための検査という点においては課題だと考えている。実は、先週の金曜日に厚生労働省から行政検査に関する行政文書が各自治体に発出され、それは実際これまでの行政検査、いわゆる無料で受けられる検査。自己負担分を都道府県で公費での実施する検査については、対象を少し拡大していくというところで、先週の金曜日にそういった通知が出たばかり。
それによると、高齢者施設等の職員や入所された入所者の方に防止策として、感染者が出ていない状況において検査を行うという場合も、行政検査として実施をすることが可能であると、それが保険適用で検査を実施して、通常であれば3割の部分は自己負担になるわけですが、これまでの診断のための検査がそうであったように、3割負担を求めるのではなくて、3割の部分は都道府県で公費で補うということで、検査については自己負担ゼロという形で検査を行うということが医療保険の担当部署とも協議をしているという、了解済みであるといった、そういった通知が出た。
ですので、介護施設の担当課とも協力をしながら、支援という形で、特に保険診療で行えるということが大変大きなメリットだと思うので、各施設と嘱託関係を結んでおられる医療機関で、保険診療で検査が行えるような体制の構築というところは今後検討課題だと考えている。
○井上温子
ぜひ進めていただきたいと思う。
最後ですが、板橋区のPCRセンターの現状について。最初週2回とおっしゃっていたと思うが、現状の月の検査回数と、検査数、それから全体の検査のうちの何%程度を板橋区のPCRセンターが担っているのかというのをお伺いしたい。
○健康推進課長
5月に検査を開始して、8月21日までで検査総数は169件、その中で陽性者が8名ということで、陽性率は4.734%になっている。
月別ですと、5月が38人、陽性者ゼロ。6月が30人で陽性者2人、7月が69人検査で3人が陽性、8月が32人検査をして、21日までですが、3人が陽性という形。
検査体制は、原則ですが、水曜日と金曜日、午後の2時間が検査に当てられている。当初は1時間に6名なら感染のおそれが少ないだろうということで始めているところ。1時間に6名なので2時間で12名、1週間で言うと12名ということになっている。一番多いのが1日12件だったのが今までで3日あった。
今、板橋区医師会と協議をしており、9月から1日当たりの検査数を増やす方向。
○井上温子
検査件数が5,718件と、7月だと増えてきているが、その中で板橋区のPCRセンターの件数はかなり少ないように思う。それなりに予算をかけてやられているとは思うが、これは継続していくということでよいの。それこそ唾液検査が広がっていったり、充実していったりしたときに、費用対効果はどのようになるか。
これはほかの医療機関で検査できない方が板橋区のPCRセンターにいらしているということなのか。板橋区のPCRセンターの有効性というか、政策的有効性というのが何かもしあれば教えていただきたい。
○健康推進課長
PCRセンターについては、4月28日に区のほうで設置して、5月の連休明けから開始しておりますが、その時点では、検査ができるところが区内の医療機関で4か所、5か所程度で、早急に検査をする体制をつくる必要があるということで、東京都医師会をはじめ、各地域の医師会が中心になってPCRセンター作ろうという話の中で、板橋区も設置したところ。
当初は、センターに来た人同士が接触することで感染が広まるということもあり、地域住民の方のご理解、ご心配等々勘案してこの人数を考えたわけですが、1日12名を今のところその倍の24名まではできるのではないかと今医師会と話している。そうすると、週当たり48名なので、1週間を延べにして1日当たりを出すと、大体1日当たり7件ということになる。
先ほどの5,045件を1日当たりに直すと168件、そのうちの7件ということで割合的にはどうなのかなというのはあるす。ただ、当初の目的としては、とにかく検査をする機械が本当に少なかったので、行政検査する必要があったと理解している。
唾液の検査については、今後増えていくとは思うが、まだ全ての民間の検査センターで唾液を使った検査ができる体制になっているわけではない。
鼻咽頭の拭い液等で検査をする、今区がいろいろなところで検体を取ってお願いしている民間の検査センターは、まだ唾液のほうの検査ができないような状況。これが、色いろなところでできるようになってきて、全体の中の流れの中で、区のPCRセンターの今後どうするかというのは決まっていくのかなと思っている。
今、週2回程度でやっているが、日数についてもまた検討する必要があるのかなと思っている。
〈井上の意見pickup〉
・板橋区のPCRセンターに関しては、ちょっと政策的有効性というのが。4月の時点では必要だったと思うが、どんどん状況も変わることだと思うので、その政策的な意味合いというのをもう少し検証し直したほうがいいのかなというふうによいのかなと思っている。そのときに、集団検査で板橋区のPCRセンターを使うのかなど、その辺も検証していただきたい。ですので、今後も議論しながら、検査体制の整備というのを検討したいという意味で、継続とさせていただく。
・2項目に関しては、医療関係者の負担を減らしたり、仕事しやすい環境整備をしたりというのはもちろん重要なことだとは思うが、全会派一致でなければ意見書を上げられないということと、中身をどうしていくのかというのが、見えてきていないので、継続とした。
・3項目に関しては、保健所の機能充実というのは確実に必要なことだと思っていますし、今後、まだまだ長期戦になることが予想されますので、人員増含めて来年の予算等につなげていく必要がある。
→陳情第104号第1項は継続審査となる。
→陳情第104号第2項は不採択となる。
→陳情第104号第3項は継続審査となる。
※陳情の項ごとの詳細は後日追記予定です。