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2013年8月23日

7/1 区が板橋警察に提出した告訴状が受理されました:介護給付費等不正請求について

昨年の決算委員会の時から指摘してきた、居宅支援費及び介護給付費の不正請求の問題に先月動きが出ましたので報告いたします。
まずは、

①この問題の概要です。
居宅支援費及び介護給付費の不正請求について概要
~H23.8.24 健康福祉委員会資料より~
重度身体障がい者Aは、平成15年3月から平成22年3月まで、訪問介護事業所(以下、「B社」) と契約して、支援費制度及び障害者自立支援法に基づく支援の提供を受けていたが、以下の不正があった。
(1)Aに派遣されるヘルパーは、B社が雇用契約を結んだヘルパーでなければならないが、
Aに派遣されていたとされる16人(平成22年3月時点)のヘルパーは、A自らが選任してB社に
登録したもので、B社との雇用契約が結ばれていなかった。
(2)Aは、B社が行うべきヘルパー派遣管理をA自らが行い、B社が個別に支払うべきヘルパー
報酬を16人分一括して、その中の1人の口座に振り込ませ、A自らその口座を管理していた。
(3)Aは、Aへの支援の実態とは異なるサービス提供実績記録をB社に報告し、B社に不正請求を行わせヘルパーの報酬を受け取っていた。

簡単に図にして今回の問題をまとめました。


次に、
②ポイントを3つあげます。
●2010年9月に不正が分かってから、2年経っても状況が変わらず、また2011年9月に警察へ告訴状の相談に行くが告訴状案のまま正式な提出はせず、進展がみられない。
→区議会に再度報告すると委員会の中で言いながら、1年以上報告がなかった。私が取り上げるまで、動きは止まっていた。
告訴状を出すと言いながら、やる気があったとは言えない状況であったと言わざるを得ない。
●監督をすべき東京都は、推定額8800万円程度の不正請求事件にも関わらず、現場に来ず、監査もしなかった。結果、5年分の6245万円しか返金されなかった。
→本来、不正があった際、事業者をチェックをすべき東京都は、板橋区からの報告を受けただけで対応をしなかった。
●区は、B社の経営者が変わったことや自主的に不正が過去にあったという事実を伝えてくれ誠実な経営者であること、またB社は、大きな事業者であり利用している区民に多大な迷惑をかけるということから、事業の継続を認めた。
→経営者が変わっても、会社は継続して責任は負うはず。また、誠実であるからといって、不正請求があったのに東京都の監査が入らなくて良いはずはない。区が事業の継続を認めようと動くのは根本的に間違っている。
B社に悪意があったかなかったかに関わらず、重度障がい者が詐欺を出来る環境をつくっていたのは事実。
例えば、会社はヘルパーと雇用契約をしておらず、本来やるべきヘルパーを派遣する業務も怠り、16人分のヘルパー代を1人に振り込んでいた。
指定を取り消すか取り消さないかは別にせよ、東京都の監査はきちんと入れて対応をすべきことであったはず。

③次に、経緯について説明します。
B社において、2003年3月〜2010年3月、不正請求事件発生。
2009年7月 B社:経営者交代
2009年12月〜2010年3月 B社:16人の雇用契約がないこと、報酬一括振込が判明
2010年6月~8月 B社:給与支払い報告書が返送されたり、ヘルパーから報酬をもらっていないことが分かる
2010年9月 B社:区に報告
2011年7月6日 B社: 6,245万円返還
(6245万円は、不正額5年分。東京都の監査を入れれば、加算請求可能だったはずだが、5年分のみの返還となっている。2年1ヶ月分返還されていない。)
2011年8月24日 区:健康福祉委員会にて報告
2011年9月〜2012年4月 区:警察へ告訴状の相談
2012年5月~10月 区:計5回警察へ電話
2012年10月23日 井上: 決算調査特別委員会 健康福祉分科会にて、不正請求について取り上げる。
→区の告訴状案の被告訴人が、重度障がい者Aだけであることを指摘。
→経営者が変わっても、責任は引き継がれるはず。
2012年11月1日 決算総括質問にて不正請求について再度取り上げる。
→総括質問の際、不正請求の資料配布をしないよう、障がい者福祉課長、福祉部長、副区長が、それぞれ議員控室に止めに入る。
しかし、2元代表制の観点から、この行為自体がおかしいことで、議会事務局も資料配布を止めることは妥当でないと判断。
2012年11月5日  本会議 平成23年度決算の反対討論にて不正請求に対する対応を指摘。
委員会での報告を求め、2012年12月4日   健康福祉委員会にて、経過報告がなされる。
→東京都の監査が入らなかったこと自体、課題であると指摘。
→加算請求出来たはずの2800万円程度の税金を無駄にしてしまっていいのか。
2013年4月1日 福祉部長、障がい者福祉課長が新しくなる。
2013年6月 その後の経過を障がい者福祉課長からヒアリング。
→旧福祉部長、旧障がい者福祉課長から、新しい部課長に不正請求の問題が引き継がれていなかったことが判明。
動きに全く進展が見られず、時効になることを恐れ、松島議員と法的アドバイスを頂きながら告訴状を作成し、2013年6月26日、検察庁へ告訴状を提出。

2o13年7月1日 板橋区が正式に告訴状を板橋警察へ提出。
2013年7月1日 板橋警察が告訴状受理。
2013年7月10日 検察に提出した告訴状は、返却。
→板橋警察に告訴状が提出されたため、経緯を見るとのこと。
こちらが検察に告訴状を提出しにいったら、板橋区は慌てたのかすぐに正式な告訴状を作成し、板橋警察も受理をするといった動き。今までの時間はなんだったのだろうか。
財政難なのに、区職員の対応には唖然とします。
こういう不正請求の問題にきちんと対処できない体質は、大きな財政課題を抱え、将来への負担にもつながると考えています。
告訴が受理されたので、行方をチェックして行きますが、そもそも、不正請求に対して、 行政がきちんと対応したいかどうかも忘れてはならない大事な点です。
来月、東京都の担当職員にも、この件で話を伺いに行く予定です。
また、報告いたします。

参考資料は下記をご覧下さい。

(2012 11/1の決算調査特別委員会の総括質問で配布した資料です)
https://atsukoinoue.jp/wp-content/uploads/2013/08/8e9300abd3eb9f0f8c4d26d161775077.pdf

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