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2021年11月12日

20210921一般質問の報告(1.コロナ、2.オンライン授業、3.通学路、4.インクルーシブ、5.重層的支援体制整備事業)

 

 

○井上温子議員  無所属の会を代表し、一般質問を行います。

  1. 新型コロナウイルスについて

  • 自宅療養者の現状について
  • 自宅療養者数について

井上温子:東京都において自宅療養中の死者数は、9月11日までに80名と発表していますが、8月以降で35人と4割を占めているとのことです。急変した際に入院すらできずに、お亡くなりになってしまった方もいらっしゃると思うと、とても心苦しく思います。そこで板橋区の現状をお聞きしますが、自宅療養者数は何名いらっしゃいますでしょうか。

 

坂本区長:まず最初は、新型コロナウイルス数自宅療養者数についてのご質問であります。9月に入り患者数が減少してきておりまして、現在、区内の自宅療養者数は約300人となっております。

  • 自宅療養者の支援体制について

井上温子:自宅療養者への体調確認の頻度は、病状が軽い方だと2日に1回であったと聞いていますが、現状を考えると見守りを強化していく必要があると考えます。現状はどのようになっているでしょうか。また、保健所職員1人当たりの担当者数は、7月、8月、9月でそれぞれ何名程度でしょうか。保健所以外に体調確認を協力して実施していける連携医療機関をふやしていくことが重要と考えますが、在宅診療や薬局、訪問看護や介護など、連携状況はいかがでしょうか。

 

坂本区長:次に、自宅療養者の支援体制についてのご質問であります。保健所では、自宅療養者に対して電話で毎日、体調確認を行っているところでございます。7月下旬からの患者数急増の際には自宅療養者数が1,500人以上となり、保健所の業務量も膨大となったことから、保健師及び事務職の兼務発令を行うなどして体制の強化を図ってまいりました。引き続き、医師会、薬剤師会、訪問看護ステーション等関係機関と連携をし、自宅療養者を支援してまいりたいと考えています。

 

  • 入院先が見つからない事例について

井上温子:重症化し、入院先が見つからない事例は板橋区内で何件発生しているでしょうか。発生していたら、その件数をお答えください。

 

坂本区長:次は、入院受入れ体制についてのご質問であります。9月に入り新規陽性者が減少してきているため、現在入院が必要な患者は速やかに入院できる状況でございます。しかしながら、再び陽性者が増加し自宅療養者がふえたときのために、どこで療養していても医療が受けられる体制の構築を目指していきたいと考えています。

 

  • 自宅療養者への食糧支援について

井上温子:東京都では、自宅療養中の方に対して食料支援を行っていますが、入院待ちの人は対象外となっています。支援から漏れてしまっている人への支援を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

坂本区長:次に、自宅療養者への食料支援についてのご質問であります。自宅療養者で希望する方には、東京都からパルスオキシメーターや食料等が送られております。7月下旬からの陽性者の急増時期については、自宅療養者も急増し、物資が届くまで数日を要したことがあったと承知をしております。現在は陽性者数が落ち着いてきておりまして、2日程度でお届けできるようになっている状況でございます。お困りの場合においては、保健所からの健康観察の際などにご相談いただきたいと考えています。

 

  • ワクチンパスポートについて
  • ワクチンパスポートについての考え方について

井上温子:次に、ワクチンパスポートについてです。現在国では、ワクチンパスポートや陰性証明の提示によって飲酒や旅行などを緩和する施策を進めようとしていますが、区としてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

 

坂本区長:次は、ワクチンパスポートに関連いたしまして、証明書の提示と制限の緩和についてのご質問であります。板橋区では7月末から、国の定めた基準に基づきまして、予防接種証明書、ワクチンパスポートを発行しております。現在のところ、交付対象は、現に海外渡航の予定がある方のみとされております。この先、対象が拡大されるようなことがあれば、新たな基準に従いまして発行を継続していきたいと考えています。

 

  • ワクチンパスポートの板橋区における運用について

井上温子:また、板橋区ではワクチンパスポートや陰性証明によって、区の施設の利用ができるようにしたり、イベントへの参加を認めたりといった運用は検討されているでしょうか。私はこの流れに大変危惧を持っています。ワクチンは、打ちたい人、迷った結果打とうと思っている人、打ちたくない人、打てない人とさまざまな方がいらっしゃいます。そのような状況下でワクチンパスポートを行政が運用するというのは差別になると考えます。陰性証明書でワクチンを打てない人を救えるようにするといっても、それは現実的ではありません。証明期間を3日間と仮にするならば、何度も検査をしなければいけないのでしょうか。板橋区としての見解を求めます。

 

坂本区長:次は、施設の利用とイベントへの参加についてのご質問であります。現在板橋区では、施設の利用やイベントへの参加に関しまして、ワクチンパスポートのような証明書の提示を条件とすることは考えていないところでございます。将来的に何らかの指針が示されることがあれば、それに基づきまして検討を進めていきたいと考えています。

 

  • 子どもたちの影響について
  • 修学旅行について

井上温子:次に、子どもたちへの影響についてです。新型コロナウイルスの影響で、子どもたちの貴重な体験の機会が減ってしまっています。移動教室(や修学旅行)が中止となった学校もありますが、中止ではなく延期にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。学校負担でPCR検査などを実施した上で移動教室(や修学旅行)を実現していただきたいですが、見解を求めます。

 

中川教育長:初めに、新型コロナウイルスに関しまして、子どもたちの修学旅行についてのご質問ですが、板橋区では緊急事態宣言下におきましては、宿泊行事や交通機関を利用した校外学習については、感染症拡大防止の観点から中止としております。緊急事態宣言下では、日程の延期を最優先に検討し、実施が難しい場合におきましても、学びを止めない視点から、学校には代替行事の実施について検討するよう指示しているところです。

 

  • 最大限の機会の保障を

井上温子:オリンピック・パラリンピックでは、PCR検査をすることで国境をまたいだ移動をし、開催をしました。オリンピック・パラリンピックと同じように、子どもたちの大切な機会についても、最大限実現できるよう努力する必要があると考えますが、見解を求めます。

中川教育長:次に、最大限の学習の保障についてのご質問ですが、教育委員会では、児童・生徒の学びを止めないため、感染症予防に関する教育活動上の対応ガイドラインを作成し、各学校に周知しております。例えば、各学校では、学年ごとの表現運動の発表や、陸上競技会を運動会の代替行事とするなど、時間の短縮や分散実施などの内容の精選を行い、学習の保障に努めております。

 

 

  1. オンライン授業について

  • オンライン授業の出席の取扱いについて

井上温子:板橋区では、板橋区立小・中学校の2学期始業に向けて、保護者に宛てた緊急メールが送られました。この中で、新型コロナウイルス感染症不安によって登校しない場合、出席停止扱いとなり、欠席とはならないと通知しました。しかし、この出席停止扱いについて、内申書に影響があるのではないかなど不安もあります。文科省は、コロナ禍で感染不安によってオンライン授業を選択した場合は出席停止とするとしていますが、一方で2019年10月に、不登校の児童・生徒がオンライン授業を受けた場合、一定の要件を満たせば出席の取扱いとするとの通知も出しており、矛盾が生じています。そのような中、報道によると、江戸川区ではオンライン授業について、「出席として認めることも可能」とし、また福岡市でも、オンライン授業を出席扱いとするとの通知を出しているとのことです。自治体として国の矛盾点を指摘し、板橋区でも出席扱いとしていく必要があるのではないでしょうか、見解を伺います。

 

中川教育長:次に、オンライン授業に関しまして出席の扱いについてのご質問ですが、本区では、板橋区幼稚園・小中学校感染予防ガイドラインに基づき、感染症不安により登校を控えている場合は欠席ではなく出席停止扱いとしています。その際の児童・生徒への対応としましては、端末を活用した健康観察や状況確認、学習課題の配付、授業の様子の配信に努めているところです。今後も、オンラインで授業に参加している児童・生徒に対して細やかな配慮をするとともに、出欠席の扱いにつきましては、国の動向を注視し、学びの保障を進めてまいります。

  • 科目ごとのオンライン実施状況について

井上温子:現在、全ての学校において、希望があればオンライン授業が実施でき、全ての学校で授業を配信することができると聞いていますが、全ての科目をオンライン化できている学校は何割程度でしょうか。オンライン授業の実施状況を伺います。

 

中川教育長:次に、オンラインで授業の様子を配信している学校の割合についてのご質問ですが、教育委員会では2学期から、感染症不安で登校しない児童・生徒に対しまして、オンラインで授業の様子を配信するよう各学校に周知しております。科目ごとのオンライン配信状況を集計してはおりませんが、現在、全ての小・中学校においてオンラインで授業の様子を配信しているところです。

 

  • 双方向のオンライン授業の実施について

井上温子:また、現在はほとんどの学校が一方的に授業を配信していると聞いていますが、双方向でのやり取りができるように改善をしていく必要があると考えますが、見解を伺います。

 

中川教育長:次に、双方向のオンライン授業の推進についてのご質問ですが、本区では2学期から区内の小・中学校で1人1台端末を活用し、授業の様子を配信する形でのオンライン授業を行っています。教育委員会では各学校の実情に応じて、できる範囲で双方向の活動を取り入れるよう指導しているところです。今後は、双方向によるオンライン授業の推進に向けて、各学校の効果的な取組みや課題等を共有し、内容の充実を図ってまいりたいと思います。

 

  • 長期入院中や一時保護時などにおける教育の機会の補償について

井上温子:また、長期入院中、一時保護時など、教育の機会が途切れてしまう状況においても、オンラインであれば教育の機会を保障し続けられる可能性が高いと考えます。長期療養が必要な場合のオンライン授業の案内を作成してはいかがでしょうか。一時保護所においては、さまざまな注意点があると考えますし、担当課と連携し、実施に向けた検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

中川教育長:次に、病気療養児等に対する取組みについてのご質問ですが、教育委員会では、病気療養児等、さまざまな事情により、児童・生徒が学校に登校できない場合、オンライン等を活用し、学習を保障することが重要であると捉えています。今後も、全ての児童・生徒の教育機会の確保や学習意欲の維持向上、学習や学校生活に関する不安感の解消のため、案内の作成や他部署等との連携を含めて、柔軟に対応していくよう努めてまいります。

 

  • オンライン授業の活用について

井上温子:オンライン教育が進んでいくと、国内にいながら海外との交流をいつでもできるようになり、グローバル人材の育成につながると考えます。途上国のNGOとつないだり、ヨーロッパの町並みを見てみたり、活用方法によっては可能性が広がります。所得によって経験の格差が広がりがちですが、国内で留学体験をしたり、オンラインを活用して、学校においても子どもたちが視野を広げられる環境をつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

中川教育長:次に、海外との交流をオンラインでとのご質問ですが、板橋区立学校の中には、海外の学校の情報提供や交渉支援などを行う東京都国際コンシェルジュ等を活用して、海外の子どもとオンラインで交流している事例もございます。1人1台端末の配付や新教育ネットワークの稼働により、学校で児童生徒一人ひとりが海外の生徒とオンラインで交流できる環境が整ってきました。オンライン等での海外生徒との交流は、言語や文化について体験的に理解を深める視点からも有効であり、今後も学校の実態に応じて実施できるようにしてまいりたいと思います。

 

  • ランドセルの重さについて

井上温子:オンライン授業についての最後に、子どもたちが持つランドセルの重さについて質問します。先日、小学校1年生の保護者の方から写真が届きました。ランドセルの重さを計ったら、5.4キロあったそうです。タブレットの重さは、カバーを合わせて1.4キロです。荷物にタブレットがふえたことで、ランドセルの重さが増したようです。その1年生の子の体重は17キロ程度なので、体重の3分の1のランドセルを背負うのは重た過ぎると考えます。文科省は置き勉を可能とする通知を出していますが、タブレットの持ち帰りがふえた今、ランドセルが重くなり過ぎないようにさらに配慮していく必要があると考えますが、見解を求めます。

 

中川教育長:次に、ランドセルが重いというご質問ですが、学校では学習上の必要性、登下校の安全確保等を考慮し、何を持ち帰らせるか、また何を学校に置くこととするかについて、児童・生徒や保護者に伝えております。今後も、児童・生徒の実態や保護者からの要望等を踏まえ、児童・生徒の過度の負担にならないように、タブレットの持ち運びも考慮し、適切に対応するように指導してまいります。

 

  1. 通学路について

  • 学童擁護員やスクールガードの調整について

井上温子:日々、子どもたちの通学路については、学童擁護員、スクールガード、見守り隊の方々が安全を見守ってくださっていますが、それぞれ活動目的が異なるため、配置調整は行っていないということです。しかし、実際には学童擁護員さんと同じように、毎朝子どもたちの通学路の安全を見守ってくれているスクールガードさんも多数いらっしゃいます。ボランティアで日々見守ってくださっているスクールガードさんが事情で退任されることもあります。スクールガードさんが退任された場合においても、ほかの学童擁護員やスクールガードなどで補完できるよう調整することが必要と考えますが、見解を求めます。

 

中川教育長:次に、通学路に関しまして、学童擁護員とスクールガードの調整についてのご質問ですが、地域の方々のボランティアによるスクールガードは、通学路周辺のパトロールを行うものであり、小学校ごとに結成されております。また、区の委託による学童擁護員は、通学路上で交通ルールの指導啓発を行いながら児童の安全確保を行うもので、学童擁護業務の従事状況は学校が把握しております。いずれの活動につきましても学校が関与して行われており、通学路上の安全を確保する両制度が最適化するよう、学校が調整を試み、教育委員会も必要に応じて、学童擁護員の配置検討を行っている現状であります。

 

  • 学童擁護員の増員について

井上温子:板橋区では、通学路安全プログラムで通学路の安全点検を行い、危険箇所の対策を検討し、実施しているとのことですが、年度途中で、例えばスクールガードさんが退任された場合や、危険な通学路への土木的な対策を計画している段階においては、学童擁護員を増配することが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

中川教育長:次に、学童擁護員の増配についてのご質問ですが、板橋区における通学路の安全確保は、板橋区通学路安全推進連絡会が策定した通学路安全プログラムの年間スケジュールに基づいて行われております。危険な箇所が確認された場合、教育委員会、警察、道路管理者立会いによる合同点検を行い、学童擁護員の配置に限らず、信号機の設置等、当該箇所に最適な対策を検討しております。学童擁護員の配置が適している場合は、予算措置を講じた上で増配しており、近年では平成24年度と令和3年度にそれぞれ1名の増配を行ったところであります。

 

  • けやきの公園付近の通学路について

井上温子:けやきの公園付近の通学路については、環7から富士見街道沿いを通って中山道への抜け道となっていることもあり、交通量が多く、トラックもたくさん通っている状況です。信号の設置やスクールゾーンなどの通行規制の検討、学童擁護員の配置が必要かと考えますが、いかがでしょうか。

 

中川教育長:次に、前野町所在の通学路についてのご質問ですが、ご指摘の箇所につきましては、該当の小学校から、昨年度の通学路安全点検報告で信号機の設置等の要望を受け、警察、道路管理者、教育委員会立会いの合同点検で、警察による新規標識の設置の方向で対応することといたしました。今年度の点検報告で再度、信号機の設置等の要望がありましたので、今後、合同点検を行い、関係者による現場確認を踏まえ、対応を協議してまいります。

  1. インクルーシブ施策についての考え方について

  • インクルーシブ教育について
  • インクルーシブ教育の実現状況について

井上温子:板橋区ではインクルーシブ教育を進めるとしていますが、実現は現在されているとお考えでしょうか。インクルーシブ教育とは、障がいのある子どもを含む全ての子どもたちに対して、子ども一人ひとりの教育的ニーズに合った適切な教育的支援を通常の学級において行う教育と考えます。このインクルーシブ教育を考える際、4つの段階、エクスクルージョン、排除、セグレーション、分離、インテグレーション、統合、インクルージョン、包摂・包容を念頭に置いていくことが必要です。現在の特別支援学校、特別支援学級、特別支援教室、通常級について、4つの段階のうち、どこに当てはまるとお考えか、お伺いします。ここで言うインクルージョンとは包摂であり、インクルーシブ教育が実現されている状態ですが、現在の通常級の教育環境ではインクルーシブ教育が実現されているとお考えでしょうか。

中川教育長: 次に、インクルーシブ教育の認識について、現状についてのご質問ですが、国はインクルーシブ教育システムについて、同じ場で共に学ぶことを追求しつつ、児童等の個別の教育的ニーズに対して、自立と社会参加を見据え、最も的確な指導が可能な多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとしています。これに対応し、小・中学校における通常学級、通級指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を用意することが必要であり、区教育委員会としましても、特別支援学級等の拡充に取り組んでいるところです。特別支援学級と通常学級が、総合的な学習の時間、音楽科等の授業や運動会等の行事において一緒に学ぶことや、特別支援学校との副籍交流なども実施しております。

次に、どの段階に当たるかについてのご質問ですが、インクルーシブ教育システムは、各学校及び各学級は連続性のある多様な学びの場を形成しており、4つの段階を意識しながら、今後も一人ひとりの児童・生徒に寄り添い、きめ細やかな対応を継続してまいります。

次に、インクルーシブ教育の実現についてのご質問ですが、インクルーシブ教育には共生社会の形成に向けて経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てる上で大きな意義を有すると考えます。一方、児童・生徒の自立と社会参加を見据えつつ、個別の教育的ニーズに対して手厚く教育を行う特別支援教育は非常に重要な役割を担っていると認識しています。これらの視点を踏まえ、一人ひとりの児童・生徒の実態に応じた教育を今後も進めてまいりたいと思います。

 

  • 就学先の決定について
  • 通学先の決定について

 

井上温子:特別支援学級や特別支援学校への入学を希望される方や小学校のステップアップ教室の入室を希望される方などに、教育支援センターでは就学相談を行っています。お子様にとってどのような就学先が望ましいか、保護者の意見を尊重しながら教育相談アドバイザーが相談に乗っているとありますが、就学相談では、医師面談や行動観察、審議が行われ、審議結果が保護者に知らされます。その結果、通常級を希望していたけれどかなわなかったとの声も聞きます。しかし、インクルーシブ教育を掲げているのであれば、本人や保護者が通常級を希望した場合、その子が通常級で適切な教育を受けられるよう環境づくりをすることこそ必要なのではないでしょうか。

 

中川教育長:次に、就学先の決定についてのご質問ですが、就学相談では、在籍校・園からの資料や医師の診断書、心理検査結果、集団行動観察等により就学先を総合的に判断していますが、最も尊重しているのが保護者の意向であります。就学相談会におきまして、保護者の要望、希望に沿わない審議結果となった場合でも、障がい程度のより軽い就学先は選択できるため、再相談を受けております。今後も保護者の心情に寄り添い、共感しながら、子どもの可能性をより一層伸長する教育環境について丁寧に説明し、深い理解と納得が得られる就学相談を心がけてまいります。

 

  • 学校生活支援員の配置について
  • 学校生活支援員の配置状況について

井上温子:また、インクルーシブ教育を実現するに当たって、支援が必要なお子さんが通常級に通われる場合、人員配置をふやすことが必要な場合が多いと考えます。学校から生活支援員の配置の要望が上がってくることと思いますが、その必要性に対して何割程度配置が実現できているのでしょうか、伺います。

 

中川教育長:次に、学校生活支援員の配置についてのご質問ですが、学校生活支援員は、各学校からの申請に基づき配置を行っているところです。令和3年9月1日現在で、小・中学校合わせて96名の定数に対して、小学校では71名、中学校では16名、計87名の学校生活支援員を配置しているところです。

 

  • 学校生活支援員の募集について

井上温子:支援が必要な子に対して生活支援員を配置したいが、生活支援員の成り手がおらず人材が不足しているとのことですが、その人材不足を解消するための募集や育成に力を入れているとは思えません。本格的に募集、育成をしていただきたいが、いかがでしょうか。

 

中川教育長:最後に、学校生活支援員の募集についてのご質問ですが、学校生活支援員の募集につきましては、窓口に募集チラシを置くほか、板橋区公式ホームページや「広報いたばし」で行っております。加えて、人材派遣のサービスへの登録や学校関係者や大学からの紹介等で募集を行っております。

 

  • わーくはぴねす農園について
  • インクルーシブの段階について

井上温子:インクルーシブ施策として、区長の見解も伺いたいので質問をします。ソーシャルファームわーくはぴねす農園は、先ほど提示した、エクスクルージョン、排除、セグレーション、分離、インテグレーション、統合、インクルージョン、包摂・包容のどの段階に位置しているとお考えでしょうか。委員会においてインクルーシブ施策を議論していると、いつも擦れ違いを感じます。インクルーシブとはどういった環境を指すのか、共通認識を持つ必要性を感じます。お答えください。

 

坂本区長:次は、わーくはぴねす農園におけるインクルーシブとの関係についてのご質問であります。わーくはぴねす農園では、水耕栽培ができる環境を整備し、各企業により雇用された障がい者が就業できる環境を提供しております。区では、障がい者の就業機会の充実と自立を促進するため、令和2年6月にエスプールプラスと相互に協力する目的において協定を締結いたしました。わーくはぴねす農園については、インクルージョンを目指していこうとする事業であると認識しています。

 

  • インクルーシブ施策で目指している社会の姿について

井上温子:インクルーシブや共生という言葉は、区政においても度々使われていますが、簡単に使われ過ぎていて、どういった環境を指しているのかが明確になっていないと考えます。保育でも教育でも、就労や地域社会においてでもインクルーシブな仕組みづくりを本当にされようとしているのでしょうか。障がい児の保護者の方がインクルーシブ教育を受けたいとしたとき、また、大人になったときにインクルーシブな就労をしたいと思ったとき、それが選択できるような社会を目指そうとされているのか、お伺いをします。

 

坂本区長:次は、区が目指すインクルーシブについてのご質問であります。区では、障がい者の就労については、身体、知的及び精神障がいのほか、難病や発達障がい、ADHD、自閉症等、障害者手帳の有無に関わらず支援を行っております。また、障がい者の就労を進めるに当たりまして、まずは就労の機会を充実させ、障がい者の自信や生きがいを創出し、自立を促進していけるように今後とも努めていきたいと考えます。さらに働き方につきましても、障がい者がその能力や適性を活かし、健常者と同じ環境の中において統合され、包摂・包容されたインクルージョンな社会を目指していきたいと考えています。

 

  1. 重層的支援体制整備事業について

  • 介護事業関連について
  • 補助金の一体的運用の検討状況について

井上温子:3月18日に質問した予算総括に続き、以下、検討状況について質問します。最初に、補助金の一体的運用について。子ども食堂や高齢者の介護予防、障がい者の居場所づくり、地域活性化施策については、補助金の一体的運用が可能な分野です。板橋区としての検討状況はいかがでしょうか。

 

坂本区長:次は、介護事業関連における補助金の一体的運用の検討状況についてのご質問であります。重層的支援体制整備事業においては、介護、障がい、子どもなど、分野の垣根を超えて一体的な経費の運用ができると考えます。現在、本事業の要件ともなっている相談支援、参加支援、地域づくりに向けた議論を行っておりまして、補助金活用の在り方を含めて、区の実情に合った予算執行体制を検討しているところでございます。

 

  • 通所型サービスBの検討状況について

井上温子:住民主体の通所型サービスBは、事業対象者や要支援者から要介護になると、板橋区の制度としては利用から外れています。しかし、要介護状態になっても、通い続けられる地域の居場所が必要なのは言うまでもなく、国は制度を見直ししました。板橋区においても制度の見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

坂本区長:次は、通所サービスBの検討状況についてのご質問であります。要支援者までを対象とした通所サービスBについては、介護保険法施行規則の一部改正により、令和3年4月から、要支援者が要介護認定後も継続的に利用する場合においては利用が可能となりました。要介護者の受入れに当たりましては、国が関係者への研修の実施や緊急時の対応マニュアルなどの留意事項を示しておりますが、緊急事態宣言の発出などにおいて、研修の実施等、一部準備が整っていない状況でございます。引き続き、対応マニュアル等の作成や関係者への研修の開催、制度の周知など実施に向けての準備を行い、継続利用を希望する要介護者が通所サービスBの利用ができるようにしていきたいと考えています。

 

  • 訪問型サービスBの検討状況について

井上温子:また、訪問型サービスBについての制度化の検討状況を伺います。制度設計として、要支援者や事業対象者に限らず、全世代に支援が行き届くよう、全世代型訪問事業を目指すことを求めますが、いかがでしょうか。例えば、支援が必要なお子さんへの宅食と支援が必要な障がい者や高齢者への宅食は同時にやってはいけないのは制度的な弊害となっています。見解を求めます。

 

坂本区長:次は、訪問型サービスBの検討状況についてのご質問であります。訪問型サービスBにつきましては、実施上の課題について近隣自治体への状況調査等を行うなど、制度化に向けて検討を行っているところでございます。

次は、全世帯型訪問事業についてのご質問です。地域保健福祉計画においては、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制について検討を行っております。ご提案の全世代型の訪問事業につきましては、包括的支援体制を構築するにおいての有効性や費用対効果など課題を整理し、事業化につきましては今後の研究としていきたいと考えています。

 

  • 地域の拠点づくりについて
  • 重層的支援体制整備事業の検討状況について

井上温子:包括的相談支援、参加支援、地域づくり支援、継続的支援の具体策の検討状況をお答えください。包括的相談支援は、地域センターや地域包括支援センター、子ども家庭総合支援センター、児童館などが拠点として考えられると思いますが、現状はどういった検討を行っているのか伺います。包括的相談支援員の設置についても必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

坂本区長:次は、重層的支援体制整備事業の検討状況についてのご質問であります。社会福祉法が定める重層的支援体制整備事業については、行政だけではなく、社会福祉法人や地域住民など地域資源との連携、活用が必要となります。現在、地域保健福祉計画実施計画2025の策定作業中でありまして、相談支援体制、参加支援、地域づくり、継続的な支援体制についても検討を行っているところでございます。引き続き、包括的支援体制の構築に向けて準備を進めるとともに、地域保健福祉計画の共同体での議論を通じて、方向性を示していきたいと考えています。

 

次は、地域資源の活用についてのご質問であります。包括的支援体制における地域づくりの観点から、既存施設を活用した地域拠点の設置は選択肢の一つであると考えます。地域に拠点を整備した際の人員体制につきましては、ご指摘の包括的支援員の機能を含め、引き続き検討していきたいと考えています。

 

  • 地域センターの機能について

井上温子:特に規模の大きな自治体では、顔が見える範囲の地域センターごとの取組みが重要です。地域センターに公民館機能を付加し、地域に参加し、学ぶ場やレクリエーションの場として、顔の見える関係性づくりが求められると考えますが、見解をお示しください。

地域の交流拠点や活動の場に、参加支援や地域づくりを行う支援員を設置していくことについての検討状況はいかがでしょうか。3層の地域の現場にコミュニティソーシャルワーカーがいることによって、制度から外れていた人たちのサポートが進むと考えます。検討状況をお示しください。

 

坂本区長:次は、地域センター機能についてのご質問であります。地域センターは、地域住民相互の交流を促進し、コミュニティ意識の啓発や地域団体を育成、支援する役割を持っております。昨年度から新たな地域センターとしてかじを切り、相談業務の強化やフードドライブの実施など業務範囲の拡大を図り、地域の身近な施設として利用拡大に取り組んでいるところでございます。ご提案の機能につきましては、地域保健福祉計画における包括的支援体制の方向性と整合性を図りながら、地域拠点としての機能を精査してまいりたいと考えています。

 

  • コーディネーターの配置について

井上温子:重層的支援体制整備事業が記載されている地域づくりを行っていくためには、身近な地域を単位としたミニボランティアセンターの機能も大切です。設置についての考えを伺います。

 

坂本区長:次は、コーディネーターの設置についてのご質問です。地域保健福祉計画の策定に当たりましては、包括的支援体制をどのように構築していくかが重要なテーマであると考えます。また、SDGsの理念に掲げる、誰一人取り残さないという観点から、属性を問わない相談体制の実現のために、地域福祉コーディネーターの在り方について検討を行っております。配置に当たりましては、適切な規模の圏域をはじめ、役割、運営体制、コストの面から議論を重ねてまいりたいと考えています。

 

  • 障がい者施策と重層的支援体制について
  • 障がい者施策における制度の狭間について

井上温子:障がい者施策についてです。重層的支援体制整備事業を検討するに当たっては、今までの制度では支援できてこなかった具体的な人を考えることが大変重要であると考えます。地域や福祉の現場では、現場の支援スタッフが制度につなげられなかった人の事例がたくさんあると思いますが、それが政策決定の場に上がってきていないのではと危惧しています。

そこで2点伺います。支援のはざまに落ちている支援を利用できていない人というのは、どういった方がいらっしゃると思いますでしょうか、お答えください。その方たちをサポートするにはどういった施策が必要だとお考えでしょうか、お答えください。

 

坂本区長:次は、障がい者施策における制度のはざまについてのご質問であります。区では、誰一人取り残すことのないよう、障がい者施策に関わらず、制度のはざまに陥ることがないように努めてまいりました。しかしながら、障害者手帳を申請していない方のほか、難病、大人の発達障がいやADHD、自閉症など、支援が届きにくい方の存在は認識をしているところでございます。
次は、制度のはざまの方へのサポートについてのご質問であります。障がい者や制度のはざまと思われる方への相談では、相談者の側に立って一緒に考えていくとともに、医療機関や療育機関を紹介する場合においても、必要に応じて適切な支援をしていきたいと考えています。なお、制度のはざまで支援が受けられない方に対するサポートの在り方につきましては、今後も包括的支援体制を構築するに当たり、関係機関とも協議しながら検討を深めてまいりたいと考えています。

 

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