2021年12月7日
2021/12/7 インクルージョン特別委員会報告 障がい児のいる家族に対する理解の促進について
令和3年12月7日インクルージョン推進調査特別委員会が開会されました。
今回の議題は、「当事者家族に対する理解の促進について」です。
以下、私、井上温子からの提言内容や質疑について、報告いたします。
――提言内容――
1.障がい者家族の離婚について
障がい受容ができず離婚するケースがすごく多いなという印象があります。特に父親が障がい児のお子さんを受容できるような支援の充実をさせていく必要があると思います。
2.支援者研修について
録画をするなどして、当日の参加だけではなく、様々な方が受けられるようにすることで、板橋区全域に理解者を増やしていく必要があると思います。
3.親の会や自主グループについての一覧作成について
許可を得た上で、一覧を作成し、障がい児のいる家族がつながるきっかけをより一層強めていく必要があると考えます。
4.地域の多様な人たちの関係づくりについて
障がい児と関係している人たちの輪の中で理解を促進するだけでなく、地域の多様な人たちの関係づくりを進めていくことで、インクルーシブな地域づくりをする必要があると思います。地域での理解促進の取組については、区としてもきちんと把握していて、こういった委員会のときに内容を報告できるようにすべきだと考えます。
5.当事者が発信する機会について
当事者家族の理解と書いてありますが、どちらかというと専門職がいかに支援するか、ピアカウンセリング的な当事者同士の理解みたいなところにとどまっているところがありますので、当事者が発信する、伝える機会というのをつくるべきと考えています。
6.障がい児や家族が相談できる機能の充実について
障がい児が家族や地域とともに長い人生をいかに生きていくか、短期的、長期的な視点も含めて相談できる機能の充実をすること、またどのような日々を過ごしていくのか。専門的サポートはもちろんですが、地域資源の活用も含めてケアプランを希望する人全てに作成できるようにすべきと思います。
――質疑――
◆井上温子
今回のテーマが、当事者家族に対する理解の促進についてということで資料を作っていただいていると思うのですが、当事者家族というのは、障がい児のいる親子ということだと思います。そういったときに、障がい児のいる親子に対する地域理解なのか、理解の促進というのがあいまいだと思います。この資料だと、障がい受容や相談支援、専門家がいかにサポートするかという視点で主に書かれているような気がしておりまして、幾つか当事者家族に対する理解の促進の部分も説明されているのかなと思うところが、障がい児をお持ちのお父さん同士が、お互いの障がい児や家族、そういったことに対する理解をするような会を行う、あるいはピアカウンセリング的に障がい児を持つ家族同士の交流みたいなところが記載されているんだろうと思いますが、このテーマというのが、当事者家族に対する理解の促進についてなので、もう少し幅広いものなのかなと理解しています。お父さん同士、障がい児を持っている同じ層の理解促進というところだけにとどめてよいのかというところがまず疑問点で、それ以上その輪を広げて地域理解の促進というところまでやっているような事業があれば教えてください。
◎障がいサービス課長
ご報告の設定の仕方が不十分な点がありまして、申し訳ございませんでした。障がい児支援の考え方の柱としては、家族支援のほかに、地域支援も掲げられておりまして、まず、地域との連携などを進める中で、地域とともに障がい児を育てていくような環境づくりといったことも障がい児支援の中で求められておりまして、それぞれの施設におきましても、地域との連携、一般のお子さんであるとか一般の障がい児の方との交流の機会ですとか、そういった取組については、それぞれ意識を持って取組をさせていただいております。若干地域連携というところでは、概要的に触れさせていただいていますが、そうしたところについても、今後それぞれの施設での実施状況については、よく把握してまいりたいと考えております。
◆井上温子
それぞれの施設や、事業所さんで地域交流、地域連携をやっているというのは存じていますが、そういったものがもう少しきちんと報告の資料として上がってくるようにしていただきたいと思っていて、地域生活支援拠点とかいろいろな議論もありましたが、地域の交流の拠点になっていくとか、障がいに関係ある人たちだけのグループだけではなく、そうではない人たちとの理解促進が必要になっていて、今報告していただいていることは、充実されてきたことなのかなと思うので、ぜひお願いしたいと思います。
確認させていただきたいのですが、支援者研修のところで先ほど質疑がありましたが、すごく人気のある研修で、定員の倍の参加がありましたということでしたが、こういった研修に参加してくださる方というのが同じような人になっていないかという危惧があったり、参加したいと思っていても、忙しくてなかなか参加できないという現状があるのでは、と思っておりまして、せっかくその専門家の方たちにお話ししていただく場があるのでしたら、そういったものを録画して、各学校や保育園などで時間を使って研修時間を取っていくということが、より一般化された研修につながっていくと思いますが、いかがでしょうか。
◎健康推進課長
こちらの支援者研修の内容の配信や情報提供につきましては、今検討しているところです。今後、正確に内容が伝わるということに注意しながら、例えば動画や、そういったことについても子ども発達支援センターとともに検討していきたいと考えております。
◆井上温子
ありがとうございます。あと、親の会についても聞きたいのですが、親の会というのが一覧でご案内できるような形になっているのかというところを教えていただきたいと思います。区がやっているような親の会もそうですし、民間がやっている親の会、障がい児を育てるに当たって、不安な方はすごく多いと思います。そういったときに、同じような経験をされている方と、いろいろ日常生活などを話せる機会はすごく大事なことだと思っています。そういったものに早く出会えるというのは、すごく重要なことだと思いますが、そういった一覧のご案内などはされているのか教えてください。
◎板橋健康福祉センター所長
私どもがやっている親の会ですが、これは育児支援の一環としてやっておりまして、親の会をきっかけに自主グループができればよいかなというのも射程の範囲には入っておりますが、まだそこまでは行っていないようです。また、ほかの親の会についてのメニューについては、うちのほうでも把握し切れていないところで、特別提供しているということはございません。
◆井上温子
分かりました。あと、ケアプランや相談支援について聞きたいのですが、高齢者だとケアマネージャーさんがケアプランを書いてくださって、ある程度計画してくださるわけですが、お子さんや障がい者の方たちはなかなかケアプランを書いてくださる方が見つからなかったり、相談支援をきちんと受けられないという現状があるように思いますが、その辺の現状についてお聞かせください。
◎障がいサービス課長
障がい者につきましてはケアプランを相談支援事業所の皆様に作成をいただいておりますが、絶対量を含めて不足している状況です。大まかなところですが、いわゆるセルフプランの方というのが大体4分の1という状況でして、やはりこういう方々への支援というものをどう高めていくかということが、今、障がい福祉の課題の1つになっておりまして、相談支援事業所の充実ということについては、引き続き、区としても方策も含めて検討しているところで、いずれにしましても、そうした相談支援の充実というか、皆様を円滑にサービス利用につなげられるようにということにつきましては、引き続き、区としても検討を進めてまいりたいと考えております。
◆井上温子
ありがとうございます。あと、お父さんプログラムのところで、読んでいて思ったのですが、お母さんプログラムとお父さんプログラムが別というのはなぜなのか疑問に思いました。頻度も充実度も違いますし、今の時代それでよいのかなというところがまずあるのと、障がい児を育てているご家庭で、離婚や虐待の兼ね合いをどのように板橋区として考えているのかというのも併せて教えてください。
◎障がいサービス課長
家族支援の中でも保護者支援のアプローチは、様々な仕方があると思っております。その中で、こちらの事例では、お父さんとお母さんを分けたプログラムということでさせていただいております。分けている趣旨につきましては、実態として、お母様のほうがストレスや、ご負担を抱えている状況という中で、お母様に対するケアであるとか、また、お父様については、例えば、実際にご参加されていただいている方の中ですと、単身赴任で、なかなか子育てに関わる機会が持てないですとか、それぞれの事情がある中で、分けて実施をする形のほうが適切だと考え、実際にこうした取組をさせていただいてはおりますが、基本的には家族支援というのは、保護者を包含した考え方なので合同で行うというのも当然1つのアプローチとして考えておりますので、こういったところの今後の動向についても、区としては事業者さんとのやり取りの中で、いろいろ注視していきたいと考えております。
また、当然こういう家族支援の中で、いろいろな状況が明らかになってくるということは、支援に当たる者としては認識を持って対応させていただいているところです。虐待や、ネグレクトなどの疑いであるとか、やはり育児に関するご負担がかなり強いという中で、心理的なケアが必要な状況、そういう状況がある場合については、より突っ込んだ支援でありますとか、また専門的な支援につなぐなど、そういった対応の必要性は、家族支援の中で求められているところなので、それぞれのセンターにおきましては、そういう視点に立っての支援に取り組んでいると聞いております。
◆井上温子
分けてはいけないと言っているのではなく、お父さんだけ、お母さんだけのほうが話しやすいこともあると思いますし、両方がいたほうがよいときもあると思うので、絶対分けるなとは思わないですが、お母さんプログラムだけが充実していて、お父さんプログラムがその4分の1ぐらいで良いのではないかという感じは、私は違うと思っていて、さらに離婚との関係性をお伺いしたいのですが、やはり父親の障がい受容はやらなければいけないのでは、と思っていて、離婚される方は多いのではないかというところがありまして、その辺の見解を伺いたいと思います。
◎障がいサービス課長
お父様については、お子様との関わりが全てではないですけれども、薄いケースが多いという状況の中で、障がい理解という点ではハードルが高いということは聞いているところです。そうした状況では、理解を促進するということでいえば、確かにおっしゃるとおり、お母様に対する支援よりも注力すべきところもあるかと思いますので、いずれにしましても、こうした取組というのは、家族支援を進めていく中で取り組んでいるところですので、そうしたお父様が置かれている状況に対して、よりマッチした支援ができるように、今後ともこうした事業者さんとのやり取りの中で深めてまいりたいと考えております。