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2021年11月30日

2021/11/30  文教児童委員会報告 1.板橋区立学校のPTA適法化についての陳情 2.いたばし学び支援プラン2025 3.板橋区立学校における働き方改革推進プラン 4.暴力行為、いじめ、不登校の状況に関する調査結果 5.スマートスクールプロジェクトの更新

 

令和3年11月30日文教児童委員会が開会されました。

下記項目について、私、井上からの質疑について報告いたします。

 

 

(1)陳情第181号 板橋区立学校のPTA適法化についての陳情

(2)「いたばし学び支援プラン2025」について

(3)「板橋区立学校における働き方改革推進プラン」について

(4)令和2年度 板橋区「暴力行為」「いじめ」「不登校」の状況に関する調査結果について

(5)スマートスクールプロジェクトの更新について

 

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(1)陳情第181号 板橋区立学校のPTA適法化についての陳情

◆井上温子
今回の件名が板橋区立学校のPTA適法化についての陳情ということですが、議論するときに、教育委員会や学校側がどう保護者と対応してきたのかというところが問われると思っています。PTAの入会については、申込書にするのか口頭にするのか、今のところ決まっていないという話でしたが、学校側がPTAの会長さんから、この方たちが会員ですと示されるときに、何を根拠に校長が判断するかというところが問題になってくると思っていて、個々のPTAさんなので、その手法は問わないというところがあるのかもしれませんが、教育委員会としては、校長に誰が会員なのか、誰から会費を徴収して良いのかというところは、きちんと取り扱わないと、望んでいない方がいらっしゃったときに、学校側がきちんとした確認をしないまま手続を進めてしまうということが、私は一番の問題だと思っていますが、見解を求めたいと思います。

 

◎地域教育力推進課長
おっしゃるように、PTAの内部でどのように会員を特定するかという手法は問わない。同時に、PTAの運営についてということではなく、区側が行う頼まれてのお金の引き落としや、個人情報を提供する場合、同意を得れば提供できると条例上もなっておりますので、そういう手続を踏まえて提供する場合の区側のそういった行為に対しては、明確になるべきだとは思います。
現時点で、手法まで細かく定めて、学校側に何か指示をしているかということではなく、あくまできちんと確認を取れている場合にのみ行うという話だけをしておりますので、そのあたりの細かな手段等については、これからしっかり考えないといけないと思っています。

 

◆井上温子
そういうことを踏まえると、学校側に教育委員会がどのように指導していくかというのは、これから問題にはなるのかなと思っていまして、PTAさんに対してというより、学校が正しく事務手続を進めていく、会費を徴収する、お金が関わることですし、きちんとした事務手続をやっていくための指針というのは、ある程度必要だと思うのですが、まず、任意加入というのをPTAさんがきちんとお知らせしているか、その上で加入しますというような、保護者それぞれが意思をきちんと示せているのか、校長が確認をする必要はあると思います。教育委員会が校長に対して指針を示していくということはできないのか、お伺いしたいと思います。

 

◎地域教育力推進課長
PTA活動云々ということではなくて、個人情報の提供ということで申し上げると、条例上で実施機関は、個人情報の適正な管理及び安全の保護を図るため、個人情報保護管理責任者を置かなければならないということで、これは各組織の長ということで、学校もそうですが、我々各課の長、課長たちも同じくこの任に当たっております。このあたりの条例を遵守して、その場合に適正にどう手続を踏むかということは、それぞれの個人情報保護管理責任者が当事者、責任者としてしっかりと対応するということになりますので、学校に通達するということよりも、学校も含め、我々も含めてこの条例をしっかり理解して、それにのっとった手続をするということがまず大事だと思います。
PTAの運営については、前野小学校での求めに応じていろいろ携わった経験から言うと、少なくともこの4月から10月までの間にしっかりと役員の方々が話合いをして、各会員に任意であることや、会員に関係なく子どもたちはみんな対応できる等、しっかりと説明してもらっています。さらに、今後も様々な改革を前に進めてくれると思います。同時に、連合会さんもしっかり受け止めて、いろんなことを今考えているようですので、まさに自主的な団体のそういった改革を見守っていきたいと思いますし、実際に改革が動いているという状態がありますので、今、日に日にそういった不明確な部分が明確になっていっている状況と考えております。

 

◎指導室長
個人情報に関しては年間3回のみならず、毎月、全体校長会の中でも服務の厳正ということで徹底して指導はしておりますが、PTAの第三者に対する個人情報の提供という意味では、もちろん各校長、その意識は持っておりますが、改めて今回、先日の代表校長会でももう一回お示しをして、改めて指導したところですし、これまで以上にさらにそういうところも、ちゃんとした条例にのっとった形での提供に努めていくように徹底を図ってまいりたいと考えております。

 

◆井上温子
改めて指導されたということで、指導された内容があれば、後で資料で頂けたらありがたいと思います。やはり基本に返って改めていくということは大事だと思いますし、ぜひ、学校側がきちんとすることによって正しい運営をしていけるようにしていただきたいと思います。
あともう一つ聞きたいのですが、PTAの会費を学校側が、準委任契約にして、PTA会費を学校が徴収していると思いますが、PTAに入っている、入っていないというのをどのように確認を取られて、会費を徴収するという行為をしているのか実態を知りたいのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
PTAから学校側へ委任を受けて、学校がいわゆる学校徴収金、教材費や給食費、幾つかありますが、それらの徴収と併せて保護者の方から口座振替によって徴収するという実務を行っております。PTAの会員であるかどうかについても、PTA側から情報を受けて、実際には学校徴収金管理システムという電算システムを使っていまして、個々に、例えば給食費の場合でも就学援助を受けているご家庭については直接徴収しませんので、費用ごとに区別をつけており、学校側としてはその情報を得て徴収する、しないの区別をつけております。

◆井上温子

今までPTAの会員名簿だけでお金を徴収してきたのだとしたら、事務手続としては本当に緩いと思うのですが、何を根拠に入会だとみなして会費を徴収するという行為を学校はしているのでしょうか。

 

◎教育総務課長
個々の学校によって確認の仕方は様々あると思いますが、通常、入学の説明会の中で教材費等の私費会計の徴収については説明をして、同意をいただいているとこちらとしては理解しています。その上で依頼を受けて、徴収の代行は学校が行っていると認識しております。

 

◆井上温子
PTAに入りたい方にとってはすごく楽しい活動で、魅力的な活動だと思います。PTA自体が悪いとは思いませんが、そういう活動に積極的ではない方にとっては、同調圧力に負けて、そのまま同意したとみなされるのはよくないと思うので、そちらは今後変わっていくという理解でよろしいでしょうか。

 

◎教育総務課長
この一連のPTAの任意性や個人情報の問題、それから会費徴収の問題については、PTA側が意思確認をして、それから徴収についても了解いただくということが前提になります。ですから、そちらについては、連合会を通じた動きについてもお話がありましたが、PTA側で適切にその前提のところをやっていただくということで、区としてもそういった働きかけはしていく必要があると考えております。

 

○委員長
以上で質疑並びに委員間討論を終了し、意見を求めます。
意見のある方は挙手願います。

 

◆井上温子
3項目とも不採択を主張させていただきます。
この陳情が出てきたことによって問題点が可視化されるということは、すばらしというか、一定の問題提起をしてくださっていると思いますが、まず1項目と2項目に関しましては、やはり先ほども議論にありましたように、PTA団体というのが任意加入であり、そして独立している団体という意味では、区から通達をされるようなところではないと認識があります。PTAに対してというよりは、学校の事務手続が適正に行われているのか、個人情報をきちんと適切に扱っているのか、会費を徴収するときに、まず一番問題だと思いますが何をもって加入としているのか、自動引き落としをするときに本当に保護者の同意が得られているのかという確認をどのようにすべきか、学校側がしっかり考えなければいけないですし、教育委員会にある程度検討していただいて、示すべきだと思います。ですので、私は学校や校長、教育委員会の問題だと感じます。3点目に関しましては、個人情報の提供を行わないように各学校の校長へ通達することとありますが、こちらに関しては、無断でやることは問題だと思いますが、同意を得て個人情報の提供を行うことはできると認識しているので、採択ができないという見解です。

 

 

(2)「いたばし学び支援プラン2025」について

◆井上温子
家庭教育というところがありますが、課題の整理から入っているのはよいと思ったのですが、家庭教育の課題としてこの文章でよいのか少し疑問があります。それぞれ学校教育の課題や、家庭教育の課題、社会教育の課題ということで書いてくださっていますが、家庭教育の課題はこれ以外にないという理解でよろしいでしょうか。

 

◎教育総務課長
当方としましても不足しているという認識は持っております。例えば、前回の教育委員会の点検・評価におきましても、なかなかこの取組が認知されていないということもありますし、また教育委員会のコーディネートが必要だという評価結果も出ております。また、家庭での教育に関して、例えば家庭向けの講座の実施や、家庭教育の支援策というのはまだまだ考えられると思いますので、そのあたりも含めてこの課題についてもう少し整理、最終案に向けて整理していくというところで想定はしてはおります。

 

◆井上温子
家庭教育として取り上げるのであれば、この記述だけではなくて、例えば家庭環境の変化、共働き家庭の増加、働いている女性が増えていく中で、家庭で料理を一緒に作る機会が減ったり、包丁の使い方を教える機会や時間がなかなか取れなくて大変だとか、何かそういう時代の変化とともに家庭でできること、家庭で子どもと一緒に過ごせる時間というのも変わってきていると思うので、家庭教育という項目で書かれるのであれば、現状の課題を捉えていただけたらと思います。
次に、生涯にわたる学びの循環ということで、一生の学びというのはとても大事だと思っていて、私自身も働いてから大学院に通ったり、オーストラリアに行ったときに、シニアの方たちが専門学校で若者と一緒に学んでいたり、そういった環境を見ていく中でやはり、いくつになっても新しいことを始められる環境づくりが必要だと思いました。そのときに、生涯にわたって学習することができる機会や場所を提供するために、社会教育の充実を図ると書いてありますが、どのように具体的に図っていこうとされているのか、具体策としてはあまり見えてこない部分があるので、見解を伺いたいと思います。

 

◎教育総務課長
今回のプランにおきましては、学校教育ばかりではなく社会教育のほうにウエートを置きたいという考え方を持っております。具体策、具体的な事業というのはこちらにまだ記載できていないのですが、例えば、板橋区の社会教育のところで、区の組織の各部門が連携し、生涯学習、社会教育という括りの中で、区民が各事業にアクセスしやすい仕組みづくり、プラットフォームづくり、あるいは多様で重層的な学習ステージの提供を進めるということを目指しております。また、具体的なところで板橋グリーンカレッジについては多世代型に対象者を拡大しているところで、そちらを視野に入れております。

 

◆井上温子
板橋グリーンカレッジのような取組はもちろん大事だと思いますが、例えば板橋の区内や区外でも、近隣にある大学、専門学校と連携して講座をするとか、学びのきっかけとなるような、より専門的な学びをしたい方もいらっしゃるだろうし、連携講座をしたときに何かを学んでみたいという気づきになる可能性もあると思います。ですから、板橋区が主導するそういった取組も良いとは思いますが、もう少し専門的な学び、大学院や、そういったものをきっかけとして、もっと専門的に学びたいと思えば入学できるような後押しもしていけると良いと思うのですが、大学や専門学校と連携した取組はより一層充実していくことが求められると思いますが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
今回のプランにどこまで記載するかというところですが、今後の事業を展開していく中では、今の点も含めて考えていくことができると思います。

 

◆井上温子
大東文化大学でもそうですし、立教大学院でも、やはりシニアの方たちの学びの場というのを積極的に開いてやっているという事例もありますし、そういったところとはぜひ連携をしていく方針というのを掲げてもらって進めていただけたらと思います。
51ページの家庭教育にまた戻りますが、先ほどは課題として家庭教育が触れられていて、こちらではめざすべき方向の(4)で板橋区の家庭教育と書かれていると思いますが、こちらも旧来的な価値観の中でそのまま書かれているようなイメージがありまして、もう少し家庭教育の問題点に触れていればそちらに対して目指すべき方向の提示ができるのではないかと思っています。例えば、所管は違いますが子ども食堂は今板橋区でもどんどん普及していて、今回柱として取り上げていただいていますが、居場所としては連携していくような事業になってくると思います。そのときに、子ども食堂に来るお子さんで、初めて包丁を持ったとか、初めてリンゴの皮をむいたとか、そういうお子さんが結構多いなという印象があります。ですから、家庭教育というのを、もちろん家庭でできる部分はあるかもしれないですが、社会環境が変化する中で家庭だけではできない、担いきれない部分が出てきたときに、いかに地域でやっていけるのかを目指すべき方向性として書かれるとよりよいものになると思うのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
家庭教育については、側面的な支援になるかと思います。プランニングについては、一方でいたばし子ども未来応援宣言2025のほうで子どもの貧困対策に取り組んでいますが、そちらとの連携で教育の側面でどのように関わっていくかといったところですが、行政として家庭教育というのは国の資料を見ても薄い部分ではありますので、どのような方策が有効なのかということは考えながら進めていきたいと思います。

 

◆井上温子
家庭教育はあまり資料として調べた事がなく、今回書かれていたのでいろいろ読んでみましたが、基本的にベースになるものだと。家庭での教育が必要と書かれていて、しかし、そこがやはり難しいという家庭は絶対に増えているので、いたばし学び支援プランなので教育に関してのものですが、その中で家庭教育を取り上げるのであれば確実に関係してくるものですし、今回55ページで新たな柱として誰一人取り残さないための居場所づくりというものを新たにつくってくださったわけじゃないですか。居場所づくりを地域や社会でやっていくという意味でその輪っかの中に入れられたのかなと思うのですが、そうすると、今取り上げられている居場所、この後に様々な個別事業が載っていますが、今まで既存でやっていた事業がほとんどで、柱として居場所づくりを新たに取り上げてくださったのはとても嬉しいですが、事業としては同じじゃないかという話になってしまって、何か目新しいものがない状況だという認識です。そのときに、所管が違うといえども新たな子ども食堂や、学びの場、学習支援団体さんなど、色々な地域の居場所づくりの団体が増えていますので、そういったところと連携して家庭教育というか生活の場で自然と子どもたちの生活能力、生活の学びができるように仕組みづくりをしていくというのはとても大事だと思います。行政がやっている居場所づくりだけを書かれると、せっかくの柱とした意味が薄れてしまうのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
居場所づくりはやはり区だけでということではなく、お話のNPOですとか地域で活動している団体もございますので、そうした団体と連携していくということは、この記載としては出てこないですが、もともとの社会教育の充実の中ではそうした関係団体との連携は考慮に入れていまして、今言われたことも踏まえて事業は展開していきたいと思います。

 

◆井上温子
ぜひお願いしたいと思います。家庭教育と書かれたときに、旧来型のことばかり書かれたり求められたりしても、現代には追いつかないというか、もちろんそういう価値観が今もある世帯というのはあると思いますが、共働きで朝から晩まで働いているようなご家庭にとっては家庭で教育しろと言われても、言われること自体が苦しくなってしまったり、もちろんやってあげたい気持ちもあるけれど、できないという現状だとか、もちろん全ての家庭がそうだと言っているわけではなく、少数かもしれませんが、でも共働き世帯は増えていますし、それこそひとり親の方、父子家庭の方とかもいらっしゃるわけで、そうするとお父さんがいて、お母さんがいて、家庭でゆっくり時間をかけて子どもの教育ができるところはよいと思いますが、できないご家庭もあるという想定で、ある程度計画はつくっていただいて、書いてあるように誰一人取り残さないということに繋げられるようにしていただきたいと思います。
あと84ページに特別支援学級・特別支援教室等の専門性向上とありますが、専門性の向上というと、やはりきちんと資格を取っていただく事が必要になってくると思いますが、そこについては全く触れられていなくて、資格取得率の目標値を設定するとかそういったことは全く考えていらっしゃらないということでしょうか。

 

◎指導室長
今現在は、もちろんいろんな研修会に自ら学びに行って、そういったところの専門性のスキルアップということはお話としてお伝えすることはできますが、区として一律必ず資格を取りましょうとか、そのようには特に考えておりません。

 

◆井上温子
特別支援教育に当たる先生たちがそういうことを学んだことがない、知識がないというのが体罰やそういったものにつながってしまうと思います。一般的に指導して従ってくれないから怒鳴るとか、そうなってしまうことが懸念されるので、ここについてはきちんと資格取得の周知や啓発をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

◎指導室長
おっしゃるとおりかと思いますので、来年度以降につきましても特別支援教育は大きな柱と考えておりまして、そちらのそれぞれの力量、資質を上げていくことは、最重要課題と指導室としても捉えておりますので、しっかりそのあたりのところも支援していければよいと考えております。

 

◆井上温子
また、105ページの中高生・若者支援の拡充と活性化のところですが、やはり若者の支援というのが手が薄くなってしまうと思います。ここに拡充と活性化とありますが、具体的な目標や年度別計画というのがないので、具体的にどのように拡充していきたいと思っているのか、教えていただきたいと思います。

 

◎生涯学習課長
予算投下は特にしているものではないので、具体的な計画は今のところ作成できていないのですが、一つひとつの事業について目的とその結果を考え、計画を立てて事業を実施していくというのがまず第一歩だと思っています。そういった形で今のこのコロナ禍であったり、状況に合わせた若者に向けた事業であったり、あとは今ある施設、設備の中でどのようにより子どもたち、若者にとって居やすい場所にしていくかということはしっかり検討していきたいと思っています。

 

◆井上温子
中高生や若者の支援というのは、計画としては抜けてきてしまう部分だと思うので、本当はもう少し予算的にも拡充していただけたらよいとは思いますが、説明は理解しました。

 

 

 

(3)「板橋区立学校における働き方改革推進プラン」について

 

◆井上温子
まず24ページに目的達成に向けた目標とありますが、プランに掲げる目的を達成するためとあって、このプランに掲げる目的というのは左ページにある子どもたちのための教育の質の向上という最大の目的というところを指しているのか、3ページにある計画策定の目的にある「誇り」と「やりがい」をもって専門性を発揮でき、教育に専念できる環境を整えることにより、質の高い教育活動の実現を図ることを目的としますを指しているのか、どちらをまず指しているのかを教えていただきたいと思います。

 

◎教育総務課長
双方を指しているとご理解いただければと思います。やはり教育の質の向上というところが最終的な究極の目的になりますので、同意義ということでご理解いただければと思います。

 

◆井上温子
この目的という言葉は統一したほうがよいと思うので、子どもたちのための教育の質の向上というのを書くのであれば、鍵括弧で、3ページも同じ文言を使ったほうが、目的はこれですと端的に言うときに、読み手が混乱しないと思うのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
そうですね、ご指摘の点も最終案に向けて考えてみたいと思います。ありがとうございます。

 

◆井上温子
お願いします。あと、目的に対しての目標が45時間を超える残業をゼロにするということですが、目標を達成するための重点施策の1、2、3があって、それに対してそれぞれ取組があって目標がある構成という理解でよろしいでしょうか。

 

◎教育総務課長

様々な取組を進めていく中で残業時間も減ってくるということで、これはあくまで労働時間の効果指標のための目標という捉え方をしております。最終案では、その辺の表現の仕方も変えようと思っております。目的は、3ページに記載の将来像、それからその結果としての目的を目指しているという関係になっております。

 

◆井上温子
分かりやすい目標を掲げるというのは大事なことでもありますし、複雑過ぎるとわけが分からなくなるというのも理解はしているので、今ブラックな働き方が問題とされている中で、まずはこの目標を一番に掲げてやりますというのでしたら、それはそれで理解をするところですが、目標に対する重点施策1、2、3で45時間を超える教員をゼロにしますという目的が、教育の質の向上という、枠組みが、若干の違和感はあるなというところでした。
あと、意識改革のところに入るか分かりませんが、持ち帰り残業をゼロにするというのも記載する必要があるのではないかと私自身は思っていて、在校時間がゼロになってもやる仕事はあって、家に持って帰らないといけないみたいな暗い側面を残すと、問題の本質が解決されていないことになってしまいますし、前回の委員会でも言いましたが、個人情報の観点からも、業務は家に持ち帰らないという基本があって当然のことだと思っています。しかし、現状は多くの教員の方たちが持ち帰り残業をしているという状況ですので、これは指標に入れておかないと、残業時間は減ったけど持って帰ってますというアンケート結果が出てしまうと問題になると思いますので、見解を伺いたいと思います。

 

◎教育総務課長
仕事の持ち帰りは、基本的にはなしというところで、持ち帰らずに済むような状況をつくっていくことにまず取りかかっていくということで進めていきたいと思います。

 

◆井上温子
せっかくアンケート調査をされて、持ち帰り残業の方がそれなりにいらっしゃるということが判明したのですから、やはり記載することによって、教員の方たちも持って帰らなくてよいと、教職人生の質の向上に繋がりますし、プライベートに仕事が入ってこないというのは本当にうれしいことだと思います。帰宅しても、明日の授業の準備をしなければならないとか丸付けが終わっていないとか、寝る間を惜しんでやるというのは生活の質が悪くなってしまうと思いますので、文言としてきちんと入れていただくという必要はあると思います。

 

◎教育総務課長
今お話を伺って、やはり持ち帰らないという意識づけの効果は出てくるかもしれませんので、前向きに検討させていただきます。

 

◆井上温子
ありがとうございます。ぜひお願いしたいと思います。31ページに、業務改善モデル校という取組が紹介をされていて、教育委員会事務局職員がモデル校とともに業務改善を行うと書かれておりまして、前回の委員会でも、教育委員会が学校に入り込んで一緒に汗を流して業務改善していったらどうかというお話をしていたので、こういった取組がされていくことに対して大変うれしく思うのですが、取組の目標として、モデル校における定型的業務を10%以上削減するとありますが、これは年何校ぐらいをやられる予定なのか。小学校何校、中学校何校なのか教えていただけたらと思います。

 

◎教育総務課長
これは一点集中でやりたいと思っていまして、1校を選定したいと考えております。

 

◆井上温子
あと、この目標の達成は、年度ごとの目標でしょうか。何年で達成したいと思っている目標なのかが見ていて分からなかったので、いつまでに達成しようと思って書かれているプランなのか教えてください。

 

◎教育総務課長
このプラン自体は、計画期間の設定はあえてしておりませんので、毎年度見直しをして、検証しながらやっていくと。目標についても、軌道修正する場合もあり得るかと思います。
ただ、学び支援プラン2025の柱の1つに据えておりますので、そういう意味では2025年が一応の節目になると思います。それまでに達成できればというところで取り組んでいきたいと考えております。

 

◆井上温子
そうすると、2025年まで、年数は定めていないという事ですね。日々見直していくということ自体は大事だと思うので、毎年更新していくのは良いと思いますが、最終目標の、例えば45時間を超える残業をゼロにしますというのぐらいはいつまでにというのがしっかりないと、達成できたのかできないのかという検証ができないですし、これが20年後に達成されていても先生たちは困ってしまうでしょうし、来年達成できるのか、5年後に達成できるのか目安はやはりつくっておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
そうですね、やりがいや教員の方の健康の保持、それから教育の質が高まっていくという、ある意味、明確なゴールがないといいますか、常にそこを目指して改善、回復をしていくという考え方が前提になっておりまして、そういう意味であえて、東京都のプランも同様ですが、計画期間の設定はしておりません。一応学び支援プランに基づく計画にはなっていますので、当面は2025年を目指すというところで進めたいと思います。

 

◆井上温子
こういうすばらしい計画をつくっていただいたからには、ぜひ2025年には絶対達成しますという形で真剣に取り組んでいただく事が重要だと思います。結果的に達成できなくても、またそこで反省して、もう一度どこが問題だったのか検証すれば良い話だと思うので、やはりゴールを決めないと、学校の先生たちと話していても、教育委員会は高い理想を掲げたけれど、それがいつ達成できるか分からないみたいな、緊張感がなくなってしまうということにつながると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
先ほどの業務改善モデル校のところは、1校を想定していますというお話でしたが、これは年1校の話なのか、2025年までに1校の話なのか、小学校で1校、中学校で1校なのか、例えば2年単位で1校ずつやっていくとか、そういった計画が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

 

◎教育総務課長
一応、各年度で1校選定してやっていくと。小中どちらにするかについては、選び方ということで決めていきたいと思っております。

 

 

 

 

 

(4)令和2年度 板橋区「暴力行為」「いじめ」「不登校」の状況に関する調査結果について

 

◆井上温子
不登校の要因で、小学校、中学校でいじめがゼロだと先ほども指摘がありましたが、小学校だと2,834件、中学校だと211件いじめがあって、この方たちは皆さん学校に元気に通えているという調査結果だと思うのですが、そういう認識でよろしいでしょうか。

 

◎指導室長
いじめのところで理由を挙げてないお子さんについては、不登校の数目にはないので、そのお子さんたちは通常の登校ができていると考えております。

 

◆井上温子
子どもがアンケートに答えたのか、それとも教員、学校長なのか。誰が答えたのかを教えてください。

 

◎指導室長
年間3回のいじめや生活に関係するアンケート、子どもたちの様子も聞きながら、保護者とも面談をしています。そのお子さんが不登校になっている要因につきましては、アセスメントシートの段階で保護者の方とも面談をしながら、どういったところに原因があるのかというところも話をしていますので、そこから拾ったところで、学校からの回答となっています。

 

◆井上温子
では学校が答えたアンケート結果ということですかね。板橋区としても、今いじめは普通に発生するものだという認識で調査していただいていると思いますが、いじめで不登校になることはゼロというのが、違和感がある結果だなというところがありまして、真実味が正直ない。
教職員との関係をめぐる問題もかなり数が少なくて、私自身、お子さんの悩みを聞くと、先生とのトラブルやそういうのもそれなりに聞くので、いじめや教職員、学校側に何か問題はないのか、本当に調査できているのか心配なのですが、そのあたりは教育委員会としては問題ないという認識なのか教えてください。

 

◎指導室長
決して学校に原因がないような形での答え方はしていないと思いますので、私どもとしましては学校から、いろんな要素が絡んだ中でそこに当てはまるかなというところで報告をいただいておりますので、うちのほうとしては正確な情報だと認識しております。

 

◆井上温子
私自身、学校に通っていないお子さんでいじめの相談に乗ったこともあったので、それはどこに集計されるのか、結局、例えばいじめと何かの問題が2つあったときに、いじめではないほうを選んだりしているのか、やはり気になりますし、信頼性に欠けると思いました。あと、今はオンラインで授業が受けられるようになっていると思いますが、今は文科省も、不登校のお子さんに関してはオンラインでも出席扱いにしますよという形だと思うのですが、そうすると、今年度に関しては学校に行けていなくてもオンラインで授業を受けることによって出席となるのか教えてください。

 

◎指導室長
いわゆる不登校でオンラインの授業を受けたお子さんに関しては、出席とするというよりも出席扱いとすることができるという形になっています。
話はずれますが、コロナ不安によるお子さんに対しては、同じオンライン授業を受けても出席停止というような、分かりにくいところではありますが、そういった形になっております。

 

◆井上温子
ダブルスタンダードのような感じになっているので、コロナ禍では出席停止扱いだというのは文書としては読んでいるのですが、今年度からオンラインが始まっていて、不登校のお子さんがオンラインで授業を受けて出席扱いになりますといったときに、集計データとしては、オンラインで出席扱いになった方が数として出せるような形で今年度以降は集計してくださるのか、それとも不登校としては数えないのでデータとしては上がってこないのかというところが気になるのですが、いかがでしょうか。

 

◎指導室長
文科省のほうからは、オンラインで授業を受けた場合は指導要録に別記をするという通知が出ております。学校のほうでは、オンライン授業を受けた日数やその子が参加したかどうかというところも記録をつけて、最終的に年度の終わりに指導要録に明記することになっていますので、数目としては把握をしているところです。

 

◆井上温子
ぜひ、出席扱いになっても、データとしてはどのぐらいのお子さんが学校に通わずにオンラインで出席扱いになっているのか把握していただいて、報告もいただければと思います。
あと、調査結果でお伺いしたいのが、コロナ不安で不登校だった方もそれなりにいたと思いますが、これというのは無気力、不安などに入っているかと思ったのですが、コロナ不安は別で何か集計するということは考えなかったのかお伺いします。

 

◎指導室長
コロナの不安で登校ができないというお子さんについては、学校のほうからも報告をいただいていますので、単なる不登校ではなくて、コロナの不安によることを起因として登校を控えるという数は、学校から報告はいただいております。

 

◆井上温子
その数字というのはここには載っていないのですか。コロナ不安の方は、無気力、不安のところに含まれているのか、それとも別でコロナ不安という方がいらっしゃるのか、それぞれ小学校と中学校で何人程度いらっしゃるのか教えてください。

 

◎指導室長
コロナの不安で登校を控えるお子さんにつきましては、報告していただいたことを別で集計しております。小学校では、全体で98名で、中学校は全体で54名となっております。

 

◆井上温子
こういう報告を上げていただくときに、もちろん今のコロナの時期の限定的要因ではあると思うのですが、不登校であることには変わりがないので、今後はきちんと別表でもよいと思うので、報告をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
あと、コロナ不安の方たちは、現在は出席停止扱いで授業には参加しているという認識なのか、コロナ不安だけれどもオンラインでも授業を受けられていないというお子さんもいらっしゃるのか、状況を教えてください。

 

◎指導室長
頂戴いたしました数につきましては、今回はこういった形でのお示しをさせていただきましたが、そういった情報のところもお示しできるものは考えてまいりたいと思います。
それから、現在のコロナ不安のお子さんのオンラインの授業の状況ですけれども、各学校でそれぞれその子に応じて、今日はオンラインで授業を受けたいというお申出に応じて授業を配信し、そこで参加したかどうか等も把握しております。中には、そろそろ出ていきますというところで登校になっているお子さんもいますし、それはその子その子の状況によりますけれども、決して欠席という扱いではなく、必ず出席停止という扱いで、そのお子さんについては対応している状況です。

 

◆井上温子
コロナ不安の方は、オンラインで授業を受けるということだと思いますが、オンラインでも授業を受けられていないお子さんがいらっしゃるのか、もともとはコロナ不安で、本来であればオンラインで授業を受ければよいはずだけども、受けられていないという課題に直面しているお子さんがいらっしゃるのかなどは把握されていますか。

 

◎指導室長
学校のほうでは、そういうお子さんがいるときには、本人が拒否しない限りは必ず学校の授業を配信するという形を取っていますので、体がお元気で、本人も望むということであれば、大概のお子さんにつきましてはオンライン授業を受けていると学校からは聞いておりますので、必ず全校、そういうお子さんが全員こうですということは、はっきりとした明確なことはお答えできませんが、一応学校としてはそういった形でやっているところです。

 

 

 

(5)スマートスクールプロジェクトの更新について

 

◆井上温子
まず、77ページですが、生徒の学びを保障するというところで、新型コロナウイルスについての記載はありますが、病気で療養中や、一時保護などで学びが途切れてしまうような状況においても、児童・生徒の学びを保障することが必要だと思います。感染症のみに限られているところが課題かと思うのですが、見解を伺います。

 

◎教育支援センター所長
こちらの項目が、感染症拡大を防止しながら児童・生徒の学びを保障するという項になっているので、そういう書き方にはなっていますけれども、必ずしもコロナ不安だけではなくて、病気や不登校で学校に来られない子の学びを保障していく必要があるという認識をしていますので、こちらの指針の中で、それも見えるようにしていきたいと考えています。

 

◆井上温子
指針の中でというのは、何のことですか。これから更新する中でという話ですかね。

 

◎教育支援センター所長
スマートスクールプロジェクト、一応表紙にも書いてあるように、板橋区立学校教育ICT活用指針ということにしていますので、指針と申し上げました。以上です。

 

◆井上温子
ぜひ、感染症だけの話ではないと思いますので、学びを保障するということをきちんと明記していただけたらと思います。
以前、広報いたばしですかね、GIGAスクールが始まりますという特集記事が書かれていたときがあったと思いますが、あの記事はすごく可能性を書かれていて、期待ができるものに仕上がっていたと思っているのですが、今回のスマートスクールプロジェクトのICT活用指針は、方法論が多くて、結局何ができるようになるんだろうみたいな、その目標やビジョン、効果みたいなものが、読みとりにくい感じがしたのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育支援センター所長
そうですね、そういうご指摘もあるかと思いますが、できるだけ活用に当たって、具体的に学校がどのように活用していったらよいのか、少し具体的な形で掘り下げていきたいという形になったので、方法論的なところに寄っているというご指摘のとおりかなと考えています。

 

◆井上温子
私自身も、JamboardやGoogle Homeなど使うことはあるので、読んでいても身近なものが取り上げられているので、そこまで読んでいて大変ではないのですが、ただ伝わりにくいというか、まず最初に、GIGAスクール構想で何を目指しているのか、どういったことが実現できるのか、それこそ不登校の方でも授業を受けられるとか、例えば国際交流もできるようになるとか、ほかの議員さんがよく取り上げられている出欠もそういうのを活用してできるようになるとか、授業でこんな魅力が生まれるとか、何かそういう未来を描いてから方法論が書かれていたら、示された目標や、描かれたライフスタイルに対しての、どこに対しての方法論なのかが分かれば、書かれていても違和感はないのですが、結構早い段階からずっと方法論が書かれているので、ICTというかこういったGIGAスクール構想のソフトが大好きな方でしたら、読んでいて楽しいのかもしれないですが、私もパソコンもインターネットももちろん使いますが、一般の感覚からすると読めないなというのがあったので、構成を変えるだけでも全然イメージが変わるのではないかと、何に対する方法なのかみたいな分かりやすさというのが、少し工夫できると良いと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

◎教育支援センター所長
まず、このスマートスクールプロジェクトは誰に向けたものなのかというところですが、まず第一は、学校の教員です。その次に児童・生徒であったり、その保護者であったりというところに向けて書いたものです。そういうところもあって、方法論に寄っているというところがあるのかなと考えています。理想像、GIGAスクールによってこう変わる、こうよくなるという理想像のところは、今回策定をされます学び支援プラン2025のほうにも言及がございます。学び支援プラン2025とこのスマートスクールプロジェクトの整合を取りながら策定をする、改定をしていくと考えていますので、両方で、併せてそれが見えるように取り組んでいきたいと考えています。以上です。

 

◆井上温子
いたばし学び支援プランとの整合性とおっしゃっていたと思いますが、もしそうであれば、そこと関連している部分だけでも、きちんとビジョンとして見せてから方法論に入っていかないと、学校の先生たちでしたら、パソコンの知識のレベルがそこまで私たちと変わらないかなと思っていて、ITや専門家の人たちが読むのでしたら、これでこんなふうにできるとどんどんイメージがつくのかもしれませんが、一般的な方が読むに当たっては、何のためにこのソフト使うのか、Jamboardを使うのか、Google Homeでアンケート調査簡単だとか、それをやることによってどんな成果が上がるのかとか、それこそ働き方改革、今までパソコンでやっていたのがこれだけ効率的になりますということが言えると思うのですが、その辺りの構成については検討していただきたいと思いました。以上です。

 

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