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2022年3月22日

2022/3/22 予算委員会の報告 (産前産後の支援について)

令和4年3月22日、予算総括質問が行われました。

下記項目について、私、井上温子からの質疑について報告いたします。

 

 

  1. 産前産後の支援について

(1)不妊治療や出産、育児に関する学習の機会について

(2)児童館でのすくすくカードの配布について

(3)ケアプランの作成とサービスの申込みについて

(4)産院との連携について

(5)産後ケアの対象者数の把握について

(6)切れ目ない支援について

 

 

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1.産前産後の支援について

(1)不妊治療や出産、育児に関する学習の機会について

○井上温子

12月末に出産しまして、その際は議会もお休みさせていただきまして、ありがとうございました。今回、1の産前産後の支援については、自分自身の経験から見えてきたことや、10人ほどの知人・友人に産前産後の経験について聞き取ったことから質問をさせていただきます。
出産を通して、まちの温かさや行政サービスのありがたさを実感しておりますが、質問ではよりよい産前産後を目指しまして、課題の指摘になることをご了承いただけたらと思います。
最初に、産前産後の支援について、不妊治療や出産・育児に関する学習の機会について質問させていただきます。
不妊治療や出産・育児・産休・育休、さらにはお金に関することまで分からないことが多い現状があると思います。また妊娠できたとしても、流産してしまったり、死産や早産となったり、無事に出産できることは奇跡だと思うほどいろいろなことがあります。私自身一度流産した経験がありますが、診察室で診断された後、妊婦さんや赤ちゃん連れの待合室に出ていくのは本当につらかった出来事でした。実際35歳の女性では20%、40歳だと35%が流産する可能性があります。また妊娠と確認されたうちの約15%が流産し、妊娠女性の約38%が流産を経験すると言われています。決してまれなことではありませんが、それがあまり知られていないことのように思います。出産にかかる費用、産後の費用についてもどの程度かかるのか、不安な方もいらっしゃると思います。さらに、育休についても制度はどんどん変わっていきます。知っていれば不安の解消や、ショックが軽減されることもあると思います。現在行っている学びの場はとても範囲が狭いと思いますので、ぜひもっと範囲を広げて学習の機会を増やしていくことを提案しますが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

女性健康支援センターでは、不妊治療や妊娠・出産など女性の健康に関する相談やオンライン配信も含め様々な講座を実施しております。妊娠届を出された際には、母子健康手帳とともに母子保健バッグをお渡しし、妊婦さんの安心ミニブック、いたばし子育て情報ブックなどの冊子やリーフレットで妊娠中から出産・産休・育休の制度のほか、子育てに関する制度やサービスの情報提供を行っております。妊婦面接では、保健師や助産師が、妊婦さんの健康状況の確認のほか、ご家族の状況や育児支援者の有無などもお尋ねし、個別に必要なサービスのご案内を行っております。今後も情報媒体や方法を研究し、分かりやすい情報発信と学習機会の提供を工夫していきたいと思います。

 

 

○井上温子

多分保健所、健康福祉センターのほうではやっているつもりになっているのかなと思うのですが、なかなか当事者には届いていない現実があると思います。コロナ禍でオンラインがすごく普及したと思いますし、オンラインを活用してそういった学習の機会を動画配信するなども検討していただきたいですが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

情報提供につきましては、引き続き工夫をしていきたいと思います。

 

 

○井上温子

それで安心感が生まれる方たちもたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ積極的にお願いしたいと思います。
板橋区で妊婦向けに行っている母親学級ですが、私自身も申込みをしようとした際に、定員がいっぱいで断られてしまいました。コロナ禍であっても定員には余裕を持って断らずに済む企画にすべきではなかったでしょうか。またコロナ禍においては様々な催しや会に参加しづらい状況が続いています。開催回数を増やしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。先ほど渡辺委員の質問に対して、オンラインで実施をしていくというような回答がありましたが、今後は誰一人として断らないようなそういった学習の機会にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

コロナの流行状況におきまして、母親学級の定員を絞らせていただいたり、開催を見送らせていただいたことは事実でございます。妊婦さんにつきましては、新型コロナウイルス感染症の特段の配慮が必要なため、集合形式で行う母親学級は感染リスクの回避を最優先とし、そのような措置を取らせていただいたものでございます。妊婦さんのコロナワクチン接種も進んできましたことから、令和4年度は以前と同じ年33回の開催を計画しており、感染対策を講じて開催していく予定でございます。
健康福祉センターは母子事業のほか数多くの事業を担っておりまして、母親学級の回数を増やすことは困難ですが、動画で妊娠中の過ごし方や赤ちゃんのお世話についてなどの配信を行っておりますので、こちらのほうもぜひ活用いただけるように周知に努めてまいります。

 

 

○井上温子

コロナ禍で定員を制限しなければいけないとなったときに、やはり開催回数を増やしながら、きちんと学びを保障していくことは重要だと思いますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

 

 

 

 

(2)児童館でのすくすくカードの配布について

 

○井上温子

第1子目出産後は児童館に行きづらかったという声があります。児童館デビューといった言葉も聞こえてきます。そこで、出産する前に妊娠中の児童館につながるきっかけとして、すくすくカードを児童館で配布することを提案しますが、いかがでしょうか。
健康福祉センターで母子手帳が交付され、妊婦面接を受けますが、そこから児童館ですくすくカードを受け取るといった順序で行政機関とつながることができると思います。児童館に妊娠中からつながることで、どういったサポートを受けられるのかを知ることは貴重な機会になると思います。区の見解を伺います。

 

 

○子ども家庭部長

すくすくカードですけれども、現在、ご承知のとおり、妊娠届を提出した際に、母子健康手帳と一緒に配布をしています。また妊娠中あるいは育児中のお子さんを抱えるすくすく利用の対象者の方には、区内に転入された場合、ご自宅に郵送して配布漏れのないよう対応をしています。
妊産婦の方が抱く子育てに対する不安や孤立に対して、児童館は重要な役割を担うものと認識しています。児童館の認知度を高め、多くの方に足を運んでいただきたいと考えています。児童館を知っていただくという観点では、令和4年度から妊婦の方の外出時の休憩や相談を受けたいと思っております。その立ち寄り場所として、マタニティステーションという形で児童館をPRして、板橋区版ネウボラ事業との連携を強化していきたいと考えております。

 

○井上温子

マタニティステーションという言葉はいいと思いますけれども、私が言いたいのは、妊娠中に児童館につながる動機、きっかけがないとやはり訪れないと思います。数少ない方が休憩に訪れるかもしれませんけれども、数多くの方は多分休憩しに行かない状況になってしまいますので、そこをいかにつなげるか、そういった戦略を考えていただけたらと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

○子ども家庭部長

児童館に足を運ぶ動機、きっかけに対しては、うまく事が運べば、すくすくカードの配布先ということで効果が出るかもしれません。しかし、妊娠期ということで非常に体的にも大切な段階で、区あるいは健康福祉センターのほうに届出をした、その際、すくすくカードは児童館に行ってくださいというところの負担感というのも少し考えなければいけないと考えています。今後、新しい子育てのアプリに関しては、アンケート機能なども盛り込むことが機能として加わる予定ですので、そういった生の声を確認しながら、検討していきたいと思います。

 

 

 

 

(3)ケアプランの作成とサービスの申込みについて

○井上温子

現在、核家族化によって妊娠前後のサポートが、家族だけでは難しいケースが多くなっています。また高齢出産の場合、親も高齢なので体力面や体調面で頼れない、もしくは頼りにくい場合もあります。さらに育児方針の違いや頼ることができない関係性の家族の場合もあります。よって、孤独な育児をさせないために、特に課題のあるご家庭のケースだけでなく、全ての方の産前産後をサポートしていく必要があると考えます。また産後について、友人・知人に聞いたところ、睡眠不足で産後の記憶があまりないとおっしゃる方が多く、もちろん嬉しいというところはありますけれども、睡眠不足で体力的につらかったといった方も大変多くいらっしゃいました。出産後は育児に忙殺されて、サービスの検討、申込みをすることはかなり現実的ではないと思います。ですから、利用するサービスを検討し、申込みを行い、産後の生活に向けて準備をしておく必要があると考えます。
そこで、妊婦面接時、一家庭一家庭に向けて、アセスメントシートを用いたサポートプランの作成をすることを提案しますが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

健康福祉センターでは、妊婦面接を通じて妊婦の方の状況をアセスメントし、支援の必要性等について個別支援計画を立てております。個別支援計画に基づきまして、地区担当保健師が妊娠中から随時助言や支援を行い、出産後はお母様、お子様、ご家庭の状況を見ながら、必要な育児サービスのご利用を紹介するなど、個々に寄り添う支援を継続しております。妊婦面接の際にお渡ししております妊婦・出産ナビゲーションシートは、その時期に利用できるサービスをご案内するツールとなっておりまして、ケアプランに当たるものと考えております。

 

 

○井上温子

もしナビゲーションシートがプランに当たるものだと考えていらっしゃるなら、それはかなり認識の差があるのではないかと思います。さらに、支援が必要な方に対しては、個別計画をつくっているとおっしゃっていますが、健康福祉センターの皆さんが思っている以上に、もっと多くの方をサポートしていく必要があると思います。せっかく妊婦面接を行っているのですから、一人ひとりに対して個別の手書きでもいいと思いますけれども、サポートプランをつくってあげて、その後、全戸訪問でプランの見直しいかがですかと、実際全戸訪問は産後2週間程度でいらっしゃると思いますので、その間に何かサービスを使っていただいて、その結果どうでしたかというお話をして、その後、必要があれば児童館などでまた相談受けますよといったようなつながりをつくっていく必要があると思います。
こちらは2年前の資料ですけれども、厚生労働省が子育て世代包括支援センターということで、支援プランの策定を行うと既に2年前に書かれています。その後、こちらは今年の資料ですけれども、真ん中にサポートプランの作成を行って、様々な資源による支援メニューへつなぎますと書かれています。こちらも今年の資料ですが、左下に支援プランというのが消えてしまっていますけれども、支援プランを作成しますということで、対象者数もかなり多くの方たちを捉えて書かれております。
板橋区では、子育て世代包括支援センターや子ども家庭総合支援拠点、そういったものを大きく描いていますけれども、絵に描いただけでは、それは切れ目ない支援にはならないと思います。一人ひとりがどのようにサービスを使うかというのを、一人ひとりの目線でサポートプランをつくらないと切れ目ができてしまうと思うので、再度そういったものを一人ひとりにつくっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

今お話しいただいた内容は十分理解できますので、使っておりますナビゲーションシートを引き続き工夫をしてまいりたいと思います。

 

 

○井上温子

一人ひとりに寄り添うというのは、ご家庭の状況や、親御さんが週に何回ぐらい来れそうなのか、里帰り出産するのか、そういったことを踏まえて、一人ひとりに対してサービスの提案をすることが重要だと思うので、ナビゲーションシートは、本当にあくまでも支援の一覧表みたいなものだと思いますので、そこはもう少し前に進めていただけたらと思います。
サービスの申込みについても、かなり課題が多くあります。育児支援ヘルパーやショートステイ、ファミリーサポート、産後ケア事業など、それぞれに対する申込みが必要で、その紙を書くだけでも本当に一苦労です。さらに、初めて見る方にとっては、それぞれがどのような事業なのかを把握するだけでも大変なのではないでしょうか。
本来、サービスの利用者にとって、どこの部署が行っているかは関係のないことです。そこで母子保健と子ども家庭部の事業に横串を刺し、サービスの内容を整理し、一括で申込みしやすい仕組みにする必要があると考えます。オンラインで申込みができて、空き状況も一目で分かりやすい、例えばホットペッパービューティのように、予約ができるような改善を求めます。さらに、紙の申込みについては、それぞれのサービスごとではなく一括で申込みをすることができるように改善を求めますが、いかがでしょうか。このスライドには申込書を全部画像で貼り出していますけれども、それだけでも7種類、8種類ぐらいの申込書がありまして、同じようなサービスに対して1枚ずつあるので、子どもの名前を書いたり、親の名前を書いたり、住所を書いたりというのが本当に一苦労だと思います。ぜひ改善を求めます。いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

母子保健法に基づく母子健診は全ての母子を対象とし、受診時期に合わせて個別にご案内を送付しております。母親学級や産後ケアなどの母子保健事業は、健やかな育児を支援することを目的に実施しており、必要な方にご利用いただいております。申込みが必要なサービスの申請につきましては、電子申請の導入を検討しておりまして、利便性が向上するものと考えております。

 

 

○子ども家庭部長

子ども家庭部の関連に関しましては、令和3年度から育児支援ヘルパーとファミリーサポートセンター事業の利用に関する電子申請を開始いたしまして、さらに令和4年度からはショートステイの電子申請も開始する予定となっています。また、これまで別々の事業者に委託していた子育て支援サービスの受付業務を、令和4年度から1つの事業者に委託をしまして、一括受付を開始する予定であり、その点、申込みの煩雑さの解消を図ってまいりたいと思っております。また、紙の申込書が案件によって若干記入箇所が違うと、種類が多いという点につきましても、今回この事業者が一本化するというところの中で改善について、検討を実際に進めていきたいと思っております。このように、1事業者に事業委託をすることで、利用者の実情に見合ったサービスを紹介し、利用につなげる、コーディネートをするような調整も可能となります。必要に応じまして、この事業委託の業者につきましては、子ども家庭総合支援センターに入りますので、同一施設内のセンターと連携を取りながら、適切な支援につなげてまいりたいと考えております。

 

 

○井上温子

少しずつ改善が進みそうな回答がいただけたとは思いますが、今の電子申請もそれぞれに申込みをする形になっていて、区の事業なのにもかかわらず、全部個別に申し込まなければいけないというのは、不思議な話だと思いますので、ぜひ改善していただきたいと思います。さらに空き状況が分からないというのも、なかなか申込み、インフラになりにくい、安心していつでもサービスが使えるという安心になりづらいことになってしまうと思いますので、そこに関してもぜひオンライン化を進める上で検討いただけたらと思います。

 

 

 

 

(4)産院との連携について

 ○井上温子

高額療養費の申請については、入院中の手続は本人や家族の負担になると思います。働いていて日中に区役所に行けない場合、電話で区に連絡をし、申請書を自宅に郵送してもらい、記載してまた区に返送します。その後、区から限度額と認定証が自宅に郵送され、病院に届けてもらい、やっと提出ができるという流れになります。たまたま私の場合は年末年始を挟んだこともあり、入院中は手続が終わりませんでした。一度自己負担で全て払い、後日、再度病院に行く、退院後、すぐに行かなければいけないというような状況でした。これは出産に限りませんが、病気やけがなど緊急のときも多いと思います。家族もなかなか時間を取りにくい現状もあると思います。そこで、病院と区で連携して、申請用紙を病院に直接郵送する。もしくは申請書を病院に置いておくようなことをすれば、さらに認定証の送り先も入院している病院にするなど行えば、かなり皆さんの負担が軽くなるのではないかと思いますが、見解を伺います。

 

 

○保健所長

出産費や新生児に係る医療費については、退院時に病院窓口で産婦の方の医療保険や自費による清算をしていただいており、乳幼児医療証は電子申請や郵送による申請が可能となっております。出産の医療機関の選択は妊婦さんが行いまして、里帰りですとか都内、近県など区内の医療機関とは限らないところです。各医療機関の出産費用等の支払い手続は、医療機関ごとのルールによるため、区の事務手続にご協力いただくよう依頼することは難しいところです。高額療養費も含めまして、入院中に退院直後の支援が必要な場合は、病院やご本人様から連絡いただいて、健康福祉センターの保健師が産婦さんの状況を確認して支援をしてまいりますので、郵送先等についてもご相談いただければと思います。

 

 

○井上温子

もちろん里帰りされているところの病院との連携というのはなかなか難しいとは思うのですが、板橋区内の病院については、高額療養費の申請書を病院の窓口に置いてもらうことは現実的に可能な気がします。さらに産院と相談して返送先も本人がいる病院にしてもらうことは十分可能になるのではないかと思うのですが、再度見解を求めます。

 

 

○保健所長

それぞれの病院の支払いシステムもございますので、今後医師会等と相談はさせていただきます。

 

 

○井上温子

医師会と相談していただけるということでしたら、ぜひ進めていただけたらと思います。個別の事務が違うということは理解しますけれども、病院も早めにそういった証書が届いたほうが事務は円滑化するはずです。私もいつ届きますかと何度も病室に来ていただいて、年末年始だったのでいつになりますかねというような、私のことは今事例として話していますので、そういったことが病院側もその手続が負担になる可能性がありますから、その辺りはぜひ検討していただいて、前に進めていただけたらと思います。
私は妊娠高血圧で予定より早く入院しましたが、入院した際に切迫早産で入院されている方々と同室でした。その部屋だけではなく、フロアには切迫早産でたくさんの方たちが入院されていらっしゃるとのことでした。切迫早産は全妊婦の13%から14%、早産は全妊婦の5%から6%に起こるとのことです。長いと3か月以上入院することもありまして、妊婦は精神的につらい状況になります。上のお子さんがいる場合には家庭の状況も一変し、実家に頼れないご家庭は日常生活もままならないと思います。妊娠期から切れ目のないサポートといいますが、切迫早産などで早期に入院したケースでは、妊婦や家庭が大変な状況でも、保健所が把握できていないことが多く、出産後に知るケースがほとんどではないでしょうか。まずは切迫早産など早期に入院するケースについての支援策の検討を行っていただきたいですが、いかがでしょうか。

 

 

○保健所長

早産となる危険性の高い状態である切迫早産の方は、医師から安静の指示が出されて、日常生活での注意事項などを産院で指導され、自宅で過ごす場合や入院の場合がございます。自宅で安静を保持し、早産を予防しながら健康的な生活を送るため、健康福祉センターでは妊婦さんからの電話相談に応じ、必要な場合には家庭訪問をさせていただいて、妊婦さんの健康や生活上の工夫などの相談に応じるなどの支援を行っているところです。

 

 

○井上温子

その姿勢が問題だと思います。本当に皆さん放置されている。そこをサポートしてもらっていると思っている切迫早産の経験者は本当にいないと思うので、そこをしっかりやってあげてほしいと思います。個別に相談できるようなものとも思っていない、自分で解決しなければいけないと思っている方が多いから、なかなか相談しないんだと思いますけれども、個別のプランをつくってあげないと解決はしないと思うのでその辺りをもう少し把握していただけたらと思います。

 

 

 

 

(5)産後ケアの対象者数の把握について

 

○井上温子

産後ケアの利用率は、宿泊型が産婦の3,824人のうち58人の利用で1.5%、訪問型は489人の利用で13%となっています。利用した方たちは1人当たり平均1回の利用となっています。二、三か月の親の会は、平成29年度には1,032組の利用者がいましたが、コロナ禍で2年度はゼロ人、3年度は68人と激減、令和4年度も336組のみの利用の見込みとなっています。同時期に出産した親同士でつながれる貴重な機会だと思いますし、この数字は見直しが必要だと思います。
また離乳食の講習会は、29年度1,096人でしたが、コロナ禍でこちらも激減しました。来年度見込みは1,240人となっています。しかし、こういった数字を追っていて、ふと疑問に思います。この事業を必要とするだろう対象者は何人で見込んでいるのだろうかと。毎年利用実績が少し増えました、減りましたといった報告が繰り返されていますが、その数で十分な人数にケアが行き届いているのか否かは把握されていません。産後ケア事業であれば、産婦数に対してケアが必要な人は何人か、企業なら当然のターゲティングが行われていないように思います。里帰り出産をされている方の人数や家族から定期的なケアがあり、サービスは要らない人が何人、逆に特定妊婦は要支援妊婦に限らず、周囲から十分なサポートを得られず、孤立したまま産後を過ごす家庭は何人いるのか、セグメントができていないことは明らかです。
文教児童委員会で育児支援ヘルパーを取り上げて、同じことを指摘しましたが、課題のある家庭だけではなく、核家族化、共働き家庭の増加している現在、産後ケアや育児支援ヘルパー等はより一般化すべきです。いたばしアクティブプラン2025にも書かれているのですが、女性が家事や育児、介護を一人で抱え込まず済むよう、ケア労働のアウトソーシングが必要な時代です。そのための具体的な選択肢や方法を提示していく。アウトソーシングすることが快く思われない雰囲気が根強くあるため、そういった心理的なハードルを取り払うともアクティブプランに記載されています。一人きりで孤立した育児にならないようサポート事業の一般化をするべきと思いますが、見解を伺います。

 

 

○保健所長

産後ケアの対象は全ての産婦さんと考えております。健康福祉センターでは妊婦面接の際に、産後の母子保健事業や子育て支援サービスのご案内をしておりますが、実際にお子様を迎えて生活が一変すると、なかなか手続が思うようにできないというのはご紹介いただいたとおりかと思います。妊婦面接や新生児訪問の際に、担当の保健師名もお伝えしておりますので、直接担当保健師にご連絡いただくと、ご家庭の事情などもよく理解した上で相談対応ができるかと思います。ぜひご利用いただければと思います。また、サービスのご利用に特段制限を設けているという認識はございません。ですので、必要な方はご利用いただくべきだと思いますし、そのように必要な予算はつけていくものだと考えております。

 

 

 

 

(6)切れ目ない支援について

 

○井上温子

もともと平成24年には都市公園法で、公園における建物の建蔽率というのは定められていて、それが2%でした。地方分権一括法で区の条例に公園の建蔽率が定められるようになり、そのときに集会所に一定数既存不適格であるということが分かったわけですけれども、今回Park-PFI、民間事業者の公募で公園活用しますということで、条例がこの間通りましたけれども、Park-PFIで民間事業者が建物を建てるとき、12%まで建てていいという条例になりました。しかしながら、集会所は2%のままとなりまして、これでは地域の人たちが納得できるのかというのが私自身は大変疑問です。集会所のパーセンテージというのもきちんと見直して、既存の集会所を建て直せるように検討を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

○土木部長

カフェなどの便益施設、アスレチックなどの遊戯施設と同様に、公園機能を全うするための集会所ならば、Park-PFIの法の定める要件を満たすことで割増を使って整備することができないということではございません。地方公共団体の都市公園に係る条例につきましては、都市公園法の規定によりまして、都市公園法の基準を参酌して定めることとされておりまして、集会所を特定して建蔽率を拡大するということは法律上も妥当だとは思われないところです。先ほどのPark-PFIの活用ですけれども、この制度につきましては、単なる申請を受けるということではなく、一定の仕様を示して公募をさせていただきまして、事業者が採算などの見通しを持って提案や応募を行うということですので、採算に見合う需要ですとかニーズ、事業者の社会貢献の意欲などがそろうことが実現への条件になっております。

 

 

○井上温子

Park-PFIの中で集会所もできるみたいな話が今ありましたけれども、実際板橋区の集会所は壊さずにできるということでよろしいでしょうか。集会所もきちんと枠内でできるようになっているかというのを確認させてください。

 

 

○土木部長

事業者の採算への見通しなどが条件になってまいりますので、今できる、できないということは申し上げられませんけれども、集会所をPark-PFIが排除しているということではございません。

 

 

○井上温子

採算性というところでいったら集会所というのは、採算を取るところではないので、そういった公共施設というのをきちんと確保できるように、今後見直しをしていただけたらと思います。

 

↓今回の資料です。良かったらご覧ください。

総括20220318f

 

 

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