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2013年11月2日

平成24年度決算対する反対討論報告

11月30日に平成24年度決算に対しての反対討論を行いました。
討論内容を下記にご報告いたします。

報告第1号「平成24年度東京都板橋区一般会計歳入歳出決 算」に対する反対討論を行います。
平成24年度の決算の特徴は、予算時に財政調整基金からの 繰り入れで予定していた52億1400万円を全額回避し、ま たさらに基金に16億5200万円の積立が出来たこと、また 経常収支比率は前年度91.1%から1.3%改善し89.8% へ、交際費比率も前年度から0.2%改善し、5.0%となり、 財政の硬直化は以前続いているものの改善が進んだことだと言えま す。
しかしながら、その要因として、歳入の大半の56%をしめる特別区税(6億5500万円の増収) と特別区交付金(23億6100万円)増額による影響が大きいもので楽観は出来ない状況であると考えます。
平成24年度予算編成の際に、区長は「行財政改革を協力に 推進し、聖域なき事務事業の見直しを進めること、区民生活に 密着した課題への重点的な対応など総合的な取り組みを行う 事を基本に編成した。」と説明されていましたが、財政効果を 求めるがあまり、各事業への歳出抑制を優先し、「区民生活に 密着した課題への重点的な対応」については遅れをとってしま っているのではないでしょうか。
いくつか例をあげていきますが、最初に、総括質問でも取り 上げた保育料の問題です。 板橋区では平成24年度予算発表では、第二期板橋区保育計画 に掲ける保育サーヒス定員1,000名増の目標達成を目指して取 り組むとし、現在では、さらなる追加待機児対策として都内最大規模のスマート保育を導入するとし、待機児童解消に大変前向きに進んでいるところです。待機児童解消に前向きなところには賛同しますが、その質も大切です。子どもたちを預かる環境を始め、保育士の就労環境も課題です し、決算総括質問でも取り上げました認証保育所の高い保育料 は低所得者には大変つらいものとなっています。
認可保育園に通わせている方の平均保育料は約17000 円であり、その保育料は所得にあわせて設定され区民税非課税 の方は0円から子どもをあずける事ができます。しかしながら、認証保育所の保育料は、各保育所に定められている保育料を支 払うのですが、5万円以上はかかってしまいます。板橋区 が認証保育園利用者に補助をしている1万円を差し引いても、 毎月4万円はかかり、認可保育園の所得別保育料に照らし合わ せてみると、1000万円を超える方が支払う金額であること が分かります。認証保育園に通う事になったからと言って、当 然このような差があってはなりません。認可保育園と認証保育 所で、公費負担が一人当たり約4.4万円も違うのは公平性の観 点からもすぐに改善しなければならないおかしなことです。
認可保育園への入園は、保育できない状況を指数化し、指数の高い方から優先的に入園するものですが、一昔前と違って現在は 非正規雇用も増え、家計の為に働きたくても週に5日働けない等、様々な 状況があります。
男女平等参画社会実現のための第四次板橋区行動計画いたばしアクティブプラン平成24年度実施状況報告書では、男女平等参画のために大変前向きに取り組まれているように示されていますが、保育については待機児童についてしか言及されていません。
女性の社会進出や若手世代の生活応援のためにも区長はこの問題こそ「区民生活に密着した課題への重点的対応」をすべきであるのになぜ放置しているのでしょうか。このままの状態で認可保育園でなく認証やスマート保育を進めるのは一部に負担をかけることになり無責任です。
 次に、平成15年3月から平成22年3月に発生した居宅支援費及び介護給付費の不正請求推定額8800万円の事件の対応についても大きな課題が残りました。2011年9月に板橋区が警察へ告訴状の相談をしてから、2012年度はなんら進展なく、この事件に対しての姿勢の甘さが見られ ました。2013年度に入り、福祉部長と障がい者福祉課長が移動し新しい方になりましたが、6月までこの事件について引き継ぎもされていなかったことも問題です。対応がきちんとなされていないことから、6 月26日に検察庁へ告発状を出しましたが、その途端、翌月の 7月1日に、板橋区が正式に告訴状を板橋警察へ提出し、同日にその告訴状は受理されることとなりました。ここから読み取れることは、きちんと対応しようとすれば、これだけのスピード で出来たはずだったということです。2013年4月に福祉部長、 障がい者福祉課長が変わり、6月にこの事件を認識してから告訴状を正式にだすまでかかったのは、たった1ヶ月です。2011年9月に板橋区が板橋警察へ告訴状の相談をしてから2 年10ヶ月経って、ようやく正式な告訴状を出したのです。つまり2012 年度は何をしていたのか?誠実さにかける対応はいかがなも のでしょうか。
 この事件は、不正請求に対して請求可能な5年分6245万円のみ返還がなされましたが、本来であれば加算請求をすることで約2800万円の残りの被害額相当のお金も返還してもらえたはずでした。東京都にもこの事件について、お話を伺ってきました が、板橋区が加算請求する権限があったということで、加 算請求すれば取り戻せた約2800万円を捨ててしまったも同然の対応は許されません。
このように、聖域なき見直しと言いながら、区の対応には甘さが見られます。
町会・自治会が受託してきた回覧板も、馴れ合いなのか契約内容が果たされておらず、区は実態すらつかんでいません。 2012年度まで、「回覧を、町会・自治会の区域内すべての世帯 に対し、町会・自治会の加入・非加入を問わず、行うものとす る」としてきた契約を一体どれだけの町会・自治会の方々がご 存知なのでしょうか。契約を果たして来なかった金額分は返金 するのが筋のはずですが決算総括質問の答弁では、契約金額が 安いから返金するにあたらないというようなことが言われていました。この発言は、「委託」とか「契約」といった意味を根本から覆すものです。委託金額の高い・低いの問題でないはずであり、癒着体質から脱却すべきです。その厳しさがなかった故に、この回覧板の契約が続いてきたのです。そもそも 区域内すべての世帯に回覧するという実現不可能な契約書を結び続けていたことがまずおかしいのです。本来、状況をきちんと把握していれば、とっくの昔に、 回覧板を回せる世帯が減ってきたから、回覧板の他にもメルマ ガで情報発信できないかとか、検討出来ていたはずです。
これはあくまでも一例です。私が常日頃から思うのは、既存事業、既存団体にとらわれていては、本当の意味での聖域なき見直しは不可能だということです。毎年、既存団体に、この仕事をお願いするという固定概念や癒着体質が新しい発想を不可能なものにし、新しい団体が育ちにくい環境となるのです。
学校の跡地活用の検討等、いつも若い人の発想は活かされる余地もありませんでした。大変残念な事です。
 一律カットといった規模縮小の行政運営ではなく、新しい発 想や新しい団体を育てる行政を、そして縦割り行政を打開しながら新しい事業を創造する区政への転換を求め討論を終わり ます。

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