2023年9月13日
TOKYO BENCH PROJECT・視察レポート20230908
街中に一休みできる場所があったら、もっと移動しやすい街になる。
・子育て中、荷物を置ける場所、休憩できる場所があると助かる
・足が悪いので、ベンチがあると外出に安心
・こども、若者がふらっと滞在できるといい
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ベンチを街に増やしていけたら良いなと思い事例として、TOKYO BENCH PROJECTさんを視察させていただきました。
以下、井上温子事務所研究員の篠田さんがレポートしてくれました。
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板橋区には道でひと休みできる場所が少ない。
そう感じた私たちは今回、街にベンチを置く活動をしているTOKYO BENCH PROJECTの田中元子さんにお話を伺いに行ってきました。
田中元子さんは2014年から公園や道で無料でコーヒーを振る舞いながら街の人とコミュニケーションをとる「フリーコーヒー」という活動をしています。
活動をする中で、田中さんは街中に滞在する場所、ベンチが非常に少ないことに気付いたそうです。
「東京にはベンチがもっと必要だ」
一息つく場所がないから、東京の街は人の姿が見られない、寂しい街に感じるのではないか。
そう感じた田中さんが立ち上げたのがTOKYO BENCH PROJECTでした。
田中元子さんは東京ビエンナーレを始め各地でベンチを置く実証実験を行ったり、制作会社さんと一緒に独自のベンチブランドFandalineも立ち上げたりして、ベンチを広げる活動を展開しています。
今回は田町駅のビルに常設で設置されることになったベンチも見せていただきました。
ベンチはただ座れる場所を提供するだけではありません。
ベンチがあることで、人の歩行距離は伸び、その街に滞在する時間も長くなるそうです。
その結果、ベンチは人々の健康度を高め、街に経済効果をもたらすかもしれません。
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田町駅ビルのベンチのあるスペースはかつて立ち入り禁止区域だったそうです。しかしベンチを置くことがきっかけとなり、こだわりの植栽を植えたりキッチンカーを呼んだりするなど、素敵な場所になったそうです。
また、茨城県の友部駅前にベンチを置くというプロジェクトのように、行政と進めているプロジェクトもあるそうです。
駅前の広場にたくさんベンチを並べることで、ちょっと友達と会話していける場所として若者たちにとっての居場所にもなるのではないか。
そしてその風景が駅前の元気さを取り戻すことを期待して、実証実験の準備を進めているそうです。
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ベンチは高齢者や障がいをもつ人だけでなく、赤ちゃん連れの親御さんや若い人たちにとっても暮らしやすい街をつくる力があります。
板橋区にもベンチを広げて、もっとふらっと出かけやすい街にしていきたいと思いました。
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視察レポート:井上温子事務所研究員 篠田