2024年9月4日
令和6年6月6日一般質問
6月6日に行われた一般質問で登壇し、以下の内容について、質問をしました。
区長答弁をまとめましたので、気になる箇所がありましたら、ぜひお読みください
【地域づくりと福祉のまちづくりについて】
○井上温子 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。最初に、地域団体と連携した地域づくり・地域福祉について質問をしていきます。地域づくりと地域福祉の関係性で言えば、地域づくりは、様々な課題を解決する最大とも言えるポピュレーションアプローチとも言え、セーフティーネットの役割を果たし、地域福祉を向上させていくと考えます。これを進めていくためには、多様な地域住民や地域団体と連携し、協働していくことが大変重要です。しかし、板橋区は、残念なことに地域福祉のほとんどを社会福祉協議会へ委託するばかりとなっています。多様な地域団体との協働が弱いと考えますが、板橋区の考える地域団体と連携した地域づくりと地域福祉のビジョンとは、一体どのようなものなのでしょうか、お伺いします。
○区長(坂本 健) それでは、井上温子議員の一般質問にお答えいたします。最初は、地域づくりと地域福祉のビジョンについてのご質問であります。福祉分野における地域団体との関係につきましては、区民や地域団体の皆様と板橋区との協力体制を確立し、連携して地域づくりを進めていくことが必要と考えております。地域保健福祉計画においては、地域団体を含めた区民と行政が住み慣れた地域でつながり、豊かな地域づくりに向けまして、将来像を「住み慣れた地域でつながる保健と福祉のまち」といたしました。また、将来像を実現する地域づくりにつきましては、互いに認め合い、支え合い、助け合い、つながることによって、孤立しない地域づくりを目指すと基本理念で示しているところであります。
○井上 次に、地域団体への予算化の区長の考え方について問いたいと思います。プレーパークを例として、板橋区の地域団体への扱い方の問題点を取り上げます。板橋区では、近年プレーパークの担い手の掘り起こしや育成などを主体的に行わないまま、担い手がいないと長年言っています。また、プレーパークを無料やボランティアでやらせようとしており、お金をかけようとしない姿勢が透けて見えています。過去の議事録を遡ってみますと、平成14年の厚生児童委員会の議事録では、当時の議員から下記のような提言がなされています。「東板橋公園でNPOが2年半プレーパークの活動をしている。助成金を受けながら開催してきたが、助成金は長い間受けられるものではないので、児童課で予算をつけてほしいということ。世田谷では、この時点で人件費等に270万円つけていたということ。その後、運営団体は平成18年3月末に廃止されている」とのことです。私は、予算がつかない中で、地域にとって必要なこと、地域の人が自ら民間の助成金を活用したり、個々人が持ち出しをしたりして、事業を立ち上げて何とか頑張っている姿をよく見ます。ただ、それはなかなか長くは続かないものも多く見受けられます。もちろん資金繰りという問題だけではありませんが、大きな要因であることは間違いありません。様々な地域づくり予算を地域事業に継続的につけていくことがどれだけ地域福祉の推進につながるか、もう少し理解が広がることを期待しています。公共性を担保した多くの子育て世代に喜ばれるプレーパークを本気で進めるには、何度も機運を高めていくといった答弁を繰り返すのではなく、予算化し、事業化することが重要です。無料や安くやらせればよいということでは、協働はうまくいきません。予算化についての見解をお伺いします。
○区長 続いて、地域団体への助成の考え方についてのご質問であります。区でもかつて3か所の公園においてプレーパークが行われておりましたが、現在は実施されていないところであります。23区におきましても、多くの区においてプレーパークが設置されておりまして、一定のニーズがあることは理解をしておりますが、各区とも1か所から数か所にとどまっているところであります。プレーパークの運営を行うプレーリーダーの掘り起こしに注力するとともに、運営に関わる地域団体への助成の効果などにつきましても、他区の状況を研究していきたいと考えています。
○井上 現在、子ども食堂の補助については、以前と比べたらとても充実したものとなっていますが、先ほどのプレーパークとは違い、板橋区が子ども食堂を本気で増やしていこうという気持ちは感じられます。しかし、改善の余地があると思います。例えば、子ども食堂を月1回開催する団体と月に何度も開催する団体の補助額が同じとなっている現状にあります。開催頻度による子ども食堂の特徴を考えると、開催頻度が少ないところは、地域の人や商店が一緒になって力を合わせて開催するなど、地域振興や地域活性化の機能も果たし、地域に顔見知りなどつながりを創出していく効果を果たしていると考えます。開催回数が多い場所は、地域振興的な要素に加えて、行政や学校とつながりながら子どもたちへの福祉的な支援も可能な場合が増えていくと考えます。そこで問いたいのが補助金の支給の在り方です。私は、活動回数や機能に応じて補助の仕方を工夫したり、福祉的機能を持つところには人件費等の補助を行うなど、段階をつけて支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○区長 次に、地域福祉団体の活動回数等に応じた人件費等の補助の在り方についてのご質問であります。地域福祉団体の活動回数や機能に応じた補助の在り方につきましては、公益上の必要性や公平性、区民ニーズとの合致及び財源措置の目的に抵触していないなどの視点も踏まえて、事業ごとに適切に検討すべきものと考えています。
○井上 次に、重層的支援体制整備事業の枠組みについてです。予算の答弁では、「訪問Bは要支援者や事業該当者しか補助対象にしない。介護保険を使っているのだから仕方がない」といった答弁がありました。誰も取り残さないどころか、制度上は、対象から外れれば、目の前に困っている人がいても助けられない、どんどん取り残す形となっています。こうした問題点について、国では既に包括的な支援体制を整備するために重層的支援体制整備事業を創設しています。再度、板橋区の枠組みの整備状況についてお伺いいたします。
○区長 次は、重層的支援体制整備事業の枠組みの整備についてのご質問であります。重層的支援体制整備事業の導入につきましては、今年度から2か年をかけて行います次期地域保健福祉計画の策定の中において検討して進めていきたいと考えています。今後、重層的支援体制整備事業で求められております事業と既存事業との比較なども行いまして、導入における課題の整理を行ってまいりたいと考えています。
○井上 次に、訪問型サービスBについてですが、立ち上げを行う団体の広報支援や担い手養成に係る区からの講師派遣、講演会を開催する際等の板橋区の後援名義など、積極的に協力していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○区長 次は、訪問型サービスBに関連いたしまして、団体支援についてのご質問であります。本事業の要となる活動団体向けの研修につきましては、個人情報の取扱いなど、訪問時に注意すべき事項があることから、区が実施することとしております。また、区の補助金申請につきましては、手引を作成するほかに申請予定団体への説明会を行いまして、補助内容等につきましても丁寧に説明を行う予定であります。後援名義の使用や広報等の運営支援につきましては、他の介護サービス事業や生活支援事業とのバランスを考慮しながら判断をしていきたいと考えています。
○井上温子 また、訪問Bへの補助は、使途に制限があることが課題で、団体が使いやすいように改善するよう求めて予算総括質問で質問をしましたが、賃料など、ほかの事業でも使う可能性があるものには使えないということでした。しかし、総合事業では、住民主体の活動では捻出が難しい間接的経費を補助することで、住民主体の活動を助けていこうという方針があります。団体にとって重要な活動拠点となる事務所費は必要不可欠です。子ども食堂の補助金や通所Bで賃料を出せるようになっていますし、改善可能なはずです。使途制限の緩和や補助金の報告書を簡易するなど、団体が運営しやすくなるよう改善を求めますが、区長の見解を伺います。
○区長 続いて、家賃助成についてのご質問であります。住民主体の団体が訪問型サービス事業を実施する訪問型サービスB実施主体に対しまして、その事業等に係る費用の一部を区が補助することとしております。現在の補助制度に加えまして、今後、団体の活動状況を見極めながら、持続可能な運営につながる方策につきまして、可能性を探ってまいりたいと考えています。
○井上温子 次に、第2層協議体・生活支援コーディネーター、地域福祉コーディネーターについてですが、予算総括質問では、的を射てない質問に対する答弁がありましたので、再度区長から答弁を頂きたいと思います。地域づくりと地域福祉を向上させていく上で、第2層協議体・生活支援コーディネーター、地域福祉コーディネーターについては、重要な役割があると考えていますが、現状はその役割を果たせていません。区長は、現状の課題と展望についてどのようにお考えなのかを伺います。
○区長 続いて、第2層協議体・生活支援コーディネーターの課題と今後の展望についてのご質問であります。協議体は、主な主体、構成員が地域住民であり、生活支援コーディネーターが地域の実情に応じまして情報や課題を共有し、地域づくりセミナーなどを通じまして活動報告を行っているところであります。一方において、発足8年目を迎えます協議体もある中、自律的・持続的活動を継続する上で、新たな担い手の発掘やコーディネーター未配置地域の解消が課題ともなっております。今後の展望といたしましては、新たな担い手の発掘に向けました地域の専門職や民間企業との連携、さらなる活動の活性化、協議体の認知度向上などを目指して、引き続き取組を進めていきたいと考えています。
続いて、地域福祉コーディネーターについてのご質問であります。地域福祉コーディネーターの課題につきましては、他のコーディネーターとの役割や機能の明確化と、課題の解決に向けた支援機関とのネットワークづくりの困難さなどがあると認識しております。今後の展望につきましては、モデル地区における相談件数及び解決または支援機関へのつないだ件数などの事業効果と地域の評価を踏まえ、方向性を検討していきたいと考えています。
【ボランティアセンターについて】
○井上 私は、今までいたばし総合ボランティアセンターの公募要件変更等の問題点について、何度も議会で取り上げてきました。過去の経過は、今回は述べませんが、ボランティアセンターの今後の在り方検討や新たな基本構想の策定について、今までの問題で嫌悪感を抱いていた人たちにも再度関わってもらい、正面から話し合い、新たなスタートを切れるようにすることが必要であったと考えます。以前より、今後の在り方を検討する際の手法については、今までボランティアセンターに関わってきた人や市民団体、区民と共に参加型で行うよう求めてきました。しかし、結局のところオープンな場の設定はなく、クローズな検討会や協議体の中で進んでいきました。そして、令和5年12月にいたばし総合ボランティアセンター運営ビジョン2030が出されていますが、閉じられたメンバーのみでビジョンを策定したことが大変残念でなりません。区長はどのように認識されておりますでしょうか。
○区長 次は、いたばし総合ボランティアセンター運営ビジョンの策定についてのご質問であります。ビジョンの策定に当たりましては、ボランティア活動推進条例に基づきまして、ボランティア活動推進協議会を設置し、議論を行ってまいりました。ワークショップは開催しておりませんが、協議会の委員については、公募委員を含めて幅広い分野から人選を行いまして、各委員の持つ経験や知見に基づきまして、貴重なご意見を頂戴いたしました。
○井上温子 また、事務局の選定方法については、今後どのようにしていく予定でしょうか、伺います。もしも今後のプロポーザルによる公募を継続していくのであれば、社会福祉協議会に対して委託している区の事業や、災害ボランティアセンターについて加点するような不公平な採点は改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○区長 続いて、ボランティアセンター運営事業者の選定についてのご質問です。令和7年度以降の運営事業者の選定につきまして、現時点においては、前回同様にプロポーザル方式で実施する予定でありますが、具体的な実施方法については、今後決定していきたいと考えています。
○井上温子 また、公募の応募団体数については、NPOが1団体しか応募がなかった際には、このことを問題とし、競争性の担保をするという観点から、受託要件の緩和を、公募要件の緩和をしたとのことでしたが、その後、社協が事務局を奪った後の2022年の公募には、社協1団体しか応募しておりませんでしたが、ほかの法人の参加はなく、そのため、競争性の担保がこちらでも問題ではないかと質問したところ、区長は、知識と経験、問題解決能力や専門性を高めるための事業展開など、事業の難易度が高いから応募団体が少なかったという答弁をしています。NPO1者の応募だと問題で、社協1者の場合だと問題がない、こういったものは、ダブルスタンダードというのではないでしょうか、見解を求めます。
○区長 続いて、ボランティアセンター運営事業者選定時の評価についてのご質問であります。事業者選定の審査項目については、ボランティアセンターの多岐にわたる事務事業について、確実に実施できる事業者を選定するために設けたものであります。特定の団体が有利になるように設定した項目はなく、配点に偏りもないと考えております。次回の選定に当たりましては、他自治体の状況も参考にしながら評価項目の内容を検討していきたいと考えております。
次は、ボランティアセンター運営事業者選定時の競争性についてのご質問であります。平成22年度の公募におきましてNPOの応募が1者のみであったために、競争性を担保するために、次回の公募から非営利法人までに公募要件を拡大してまいりました。ボランティアセンターの事業運営に関しまして、様々な分野の事業者が応募することができる現在の公募要件は、適切なものと考えています。現在は社会福祉協議会が運営をしておりますが、多くの団体を公募する中から事業者を選定することが最善であると考えておりまして、公募要件につきましては、引き続き検討課題であると認識しております。
○井上 また、将来的にNPOの自主的な運営とするようにしていくとしていたボランティアセンターの運営方針は変わったのでしょうか。方針をお聞きします。
○区長 続いて、ボランティアセンターの自主的運営についてのご質問であります。いたばし総合ボランティアセンター基本構想におきましては、将来的にボランティアやNPOの自主的な運営とするという記載がございまして、その考えは新たなビジョンにおきましても受け継いでいるものと考えています。
○井上 新たな運営ビジョンでは、ボランティアセンターのブランチ機能について言及がなされています。地域の居場所や福祉施設、学校等を生かして、地域に身近なボランティアセンターがあると、人と人とのつながりが促進され、地域活動はより活性化することと思います。ブランチ機能についての区長の見解をお伺いします。
○区長 続いて、ボランティアセンターのブランチ機能についてのご質問であります。ブランチ機能の拡充につきましては、ビジョンにおきまして、活動拠点不足を解決する手段として記載をされていることから、区としても課題であると認識しております。ブランチ機能拡充の実現に向けましては、各種関係団体の参画が必要不可欠であるために、協力を求めてまいりたいと考えています。
次は、運営組織の現状と今後についてのご質問であります。運営モデルには様々ございますが、区では、組織のビジョンや理念を明確にして、これを共有した上で、職員の意欲や主体性、自律性を引き出す職場づくりに取り組んでいるところでございます。今後も職員一人ひとりが自らの社会的使命を果たせるように、得意分野の経験や能力が発揮できる環境、区政の持続的な発展を可能とする柔軟性、機動性の高い組織運営を推進していきたいと考えています。
3、魅力ある学校づくりについて。
○井上 現在、学校は、小規模校になってきた際に、いかに工夫をするかという議論が十分になされていないように思います。例えば、新河岸小は、今少しずつ児童数が減ってきている学校ですが、特色のある学校づくりを考えたときに、立地や環境としても特徴を出しやすいエリアにあります。少し遠くの事例になりますが、島根県にある海士町では、廃校になりそうな高校を残そうと、島留学といったコンセプトを打ち出し、全国からの子どもたちを受け入れています。新河岸は、海士町とは環境は違いますが、土手があったり、川があったり、板橋区の中では面白い環境かと思います。かわまちづくりも発表されていますが、学校づくりからも地域づくりを行い、より魅力的な地域をつくれる可能性があると思います。生きづらさを抱えている子も多くいる現在ですが、学校も独創的に特色のある学校づくりをしていけるとよいのではないでしょうか、見解を伺います。
○区長 残りました教育委員会に関する答弁は、教育長から行います。
○教育長(中川修一) それでは、井上温子議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。初めに、魅力ある学校づくりに関しまして、特色のある学校づくりについてのご質問ですが、区立学校では、中学校を核とした学びのエリアでの9年間をつないだ特色ある学びを中心として、魅力ある学校づくりに取り組んでいます。一方で、他自治体では、新しい学びの形態として学びの多様化学校が開設されておりますが、本区においても個に応じた学びに対応するための様々な取組を進めています。全ての子どもが学び、居場所となるような学校づくりに向けて、先進的な取組も含めて手法を検討し、特色のある学校づくりを進めてまいります。
○井上 次に、部活動の地域移行・連携についてです。先日、小中学生のお子さんを持つ保護者の方からご相談がありました。「ダンス部をつくってもらいたい」と学校に問い合わせたところ、「現在部活動の地域移行を進めているから難しい」と言われたとのことです。地域移行は、時間をかけて進んでいくものと理解しています。その間、地域移行を進めることが新しい部活動をつくる妨げになってはならないと考えます。逆に、地域移行を進めていく方針であるのに、新しい部活動を旧来型でつくり続けていくのも課題が残ると思います。部活動の地域移行の推進方針には、以下のような記載があります。生徒の部活動に対するニーズを把握し、既存部活動の種目・分野にとらわれず、子どもたちの興味・関心に応じた活動機会を充実させる。そこで伺います。子どもからの部活動に対するニーズを把握し、まずは、子どもたちからの提案を地域クラブにしていく仕組みをつくっていただきたいですが、いかがでしょうか。子どもたちがやりたい部活動の提案の機会を持ち、仲間を募集し、活動を具体化し、クラブの立ち上げをするといった段階を踏むことは、地域移行の活動方針とも合致すると考えられます。
○教育長 次に、子どもの提案をクラブ化する仕組みについてのご質問ですが、いたばし地域クラブの取組は、子どものスポーツや文化芸術活動を通じた成長機会を確保するために行うものであり、今後も新たな種目のクラブ化を目指してまいります。一方、子どもがクラブ活動としてやりたいものがある場合、現在はその思いを直接区に届ける仕組みがない状態であります。そこで、新しい種目のクラブ化につきましては、子どもの声を反映しつつ、同時に設立に主体的に関われるような仕組みの構築を図り、これに対応していきたいと思います。
○井上 また、地域クラブの立ち上げは、時間軸を子どもに合わせて短時間で行えるように工夫をすることが重要です。新しい立ち上げのステップを短期間でできるように、大人にとって1年、2年は、子どもにとって1学期、2学期ぐらいのイメージで捉えるべきと考えます。1学期目にニーズ把握を行ったら企画準備を開始し、2学期目には立ち上げを行い、練習が行えているような環境づくりを求めます。
○教育長 次に、クラブ化の速度についてのご質問ですが、中学生の3年間は、大人に比べ、貴重かつ感覚的にも早く過ぎ去るものであることは十分認識しております。生徒の声を反映した新しい種目のクラブ化の仕組みを構築する際は、可能な限り迅速な仕組みとなるよう、取り組んでまいりたいと思います。
○井上 次に、学校問題解決への取組について、現在、学校で大きなトラブルがあると、先生たちはその対応に精いっぱいになってしまうことが多々あります。本来であれば、何か問題があったときに、なぜそうなってしまったのか、問題解決のための対話が必要ですが、そうする時間的余裕はありません。子どもたちも孤立してしまい、先生たちは休職してしまうケースもあります。そこで、学校問題解決への取組として、スクールメディエーションを取り入れることを提案します。問題を解決していくメディエーターは、問題を抱える両者のどちら側にもつかずに、仲裁しながら合意形成をしていきますが、全面対立になりがちな問題には、重要な役割になると考えます。メディエーターを配置したり、子どもたちにも概念を学んでもらい、自分たちで実践していくことも重要です。問題が起きたときに、当事者同士の対話を通して、それまでに至る背景を考え、解決していくことは、大人になっていく上でも重要な学びになると考えます。
○教育長 次に、学校問題解決への取組についてのご質問ですが、学校問題の解決に向けて、スクールカウンセラー等の活用や学校相談窓口の設置など、様々な対応をしております。スクールメディエーションにつきましては、子ども、教員及び保護者の間の問題を第三者が中立的な立場で互いの理解者となり、解決を図る手法であると認識しています。スクールメディエーションの導入につきましては、現在検討はしておりませんが、学校問題の解決に向けて相談体制の充実を図ってまいります。
4、組織運営と評価について。
○井上 板橋区は、令和5年4月1日現在で3,753名を抱える大組織ですが、どのような組織を目指されているのでしょうか。板橋区がティール組織を目指していくと、結果的に地域の幸福度が増すのではないかと私は考えます。ティール組織のポイントは3点あると言われております。1つはセルフマネジメント、2つ目は全体性、3つ目は存在目的です。板橋区では、こういったことについてどこまで取り入れられているのでしょうか。組織形態について、本の中では5つの分類で紹介されています。1つ目がレッド組織、2つ目がアンバー組織、3つ目がオレンジ組織、4つ目がグリーン組織、5つ目がさきに述べたティール組織です。板橋区及び板橋区教育委員会は、現状の組織は5つの分類でどこに位置しているのでしょうか。また、目指している組織の形はどこなのでしょうか、お伺いいたします。
○区長 続いて、目指す組織の在り方に応じた人事評価についてのご質問であります。区では、目標による管理や自己採点、自己申告、定期評価で構成する人事評価制度を実施しております。これらは、区が目指す組織の在り方に対応した制度として構築をしておりまして、職員自身のマネジメントに資するものでありまして、成長意欲の向上に寄与しているものと考えています。
○教育長 次に、教育委員会の組織運営の現状と今後についてのご質問ですが、教育委員会でも区長部局と歩調を合わせ、組織のビジョンや理念を明確にし、これを共有した上で、職員の意欲や主体性、自律性を引き出す職場づくりに取り組んでおります。今後も職員一人ひとりが自らの社会的使命を果たせるよう、得意分野の経験や能力が発揮できる環境、区政の持続的な発展を可能とする柔軟性、機動性の高い組織運営を推進してまいります。
○井上 組織について述べましたが、人事評価については、目指すべき組織像に向かって人事評価の在り方も決めていくべきと考えます。現状の評価は、目指す組織像に対してどのような評価をしているのでしょうか。
○区長 続いて、目指す組織の在り方に応じた人事評価についてのご質問であります。区では、目標による管理や自己採点、自己申告、定期評価で構成する人事評価制度を実施しております。これらは、区が目指す組織の在り方に対応した制度として構築をしておりまして、職員自身のマネジメントに資するものでありまして、成長意欲の向上に寄与しているものと考えています。
○教育長 次に、教育委員会の人事評価についてのご質問ですが、教育委員会は、目標による管理や自己採点、自己申告、定期評価で構成される人事評価制度を区長部局と共有しております。これらは、区長部局と教育委員会が目指す組織の在り方に対応した制度として構築し、職員自身のマネジメントに資するものであり、成長意欲の向上に寄与しています。
○井上 また、職員一人ひとりはどうしても評価者である上の者を見ながら仕事をしがちと考えます。トップダウンからセルフマネジメントができるフラットな組織を少しずつでも目指すためにも、まずは人事評価の仕組みを変えてはいかがでしょうか。例えば、360度評価では、部下や同僚、上司など多様な角度から評価を行います。区長や部長、課長も同僚や部下から評価をしてもらうと学ぶ点が多くあると考えます。一方方向から1人の人を評価するよりも総合的に見ることができますし、上司の顔を見て仕事をするのではなく、より組織の存在目的を考えながら、板橋区に貢献できる人材が増えていくと考えます。ティール組織の存在目的の部分では、組織が存在する目的は何か、一人ひとりが問い続けていき、組織の存在目的を進化させていくことで、変化が激しい時代の中で、生命体のように成長していくとされています。
ぜひティール組織を目指しつつ、そして最新の人事評価を取り入れながら、板橋区が区民にとって大きな貢献をしていくような組織となることを求めて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手する人あり)
○区長 続いて、多面評価の導入についてのご質問です。人事評価は、人材育成の側面があり、被評価者の納得性を高めるため、評価者と被評価者の日々のコミュニケーションや信頼関係を深めることが何よりも重要と考えます。そのためには、風通しのよい職場をつくり、日頃から職層を超えて率直な意見交換ができる組織風土を醸成することが必要であるとも考えています。人事評価制度のみならず、職層による役割や考え方を話し合って、相互に理解し合える体制の構築に取り組んでまいりたいと考えています。
○教育長 次に、教育委員会の多面的な人事評価についてのご質問ですが、人事評価は人材育成の側面があり、被評価者の納得性を高めるため、評価者と被評価者の日々のコミュニケーションや信頼関係を深めることが重要であると思います。そのためには、風通しのよい職場をつくり、日頃から職層を超えて率直な意見交換ができる組織風土を醸成することが必要であると考えます。これらの考えを区長部局と共有するとともに、多面的な評価を含む制度の最適化につきましては、人事評価制度を一元的に所管する組織を持つ区長部局に一任するものであります。
いただきました教育に関するご質問の答弁は以上でございます。